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【医療職の非臨床キャリア戦略論】医療職の病院外キャリアに不可欠な「 三つのマインドセット」とは? - vol.3

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【医療職の非臨床キャリア戦略論】医療職の病院外キャリアに不可欠な「 三つのマインドセット」とは? - vol.3

2025.07.28

最近、SNS上で、同じ医療専門職なのに自分が想像もしていないような職業に就いていたり、毎日のように論文採択や学会発表の投稿が流れてきて、思わず色々な感情が湧き上がる——そんな瞬間はありませんか。

「自分も色々な資格をとって大学院に進学して、同じ土俵に立ちたい」
「自分は今後のキャリアアップや待遇改善の見通しが立たない」

そう感じることは、決してあなただけではありません

本連載では、20代で50本以上の海外学術論文を執筆し、複数の学会賞を受賞しながらもそのキャリアを手放し、現在はビジネス領域で専門的な知見を存分に発揮している唯一無二な理学療法士である私が筆を執り、医療専門職が多様なキャリアでサバイブするための考え方を計5回に渡って示していきます。

医療職の非臨床キャリア戦略論:戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術 

vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?(本記事)

第3回では、異業種キャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ための自己分析のヒントになるよう、重要となる三つの「マインドセット(=覚悟)」について触れたうえで、マインドセットを鍛えるために特に重要な概念である「アンラーン(Unlearn)」について簡単に解説したいと思います。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 異業種でサバイブするために不可欠な「三つの覚悟」

  • 「アンラーン(Unlearn)」というキャリア転換の鍵

  • "資格"ではなく"できること"で勝負する視点の重要性

この記事は誰に向けて書いているか

  • 医療機関での業務自体は嫌いではないが、「このまま定年まで?」という漠然とした不安がある医療専門職の方

  • 異業種に関心はあるが、「資格を活かさずに働くことへの罪悪感」がある医療専門職の方

  • SNSでキラキラしているように見えるキャリアに何らかの違和感を感じている医療専門職の方

医療職の非臨床キャリア戦略論シリーズ

  • MPHホルダーのキャリアコンサルが“理論で導く自己理解”
     vol.1:「このままでいいのか」と悩むあなたへ

  • 戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術
     vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
     vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
     vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?(本記事)

執筆者の紹介

氏名:匿名
所属:戦略コンサルティング・シンクタンク会社 マネージャー
自己紹介:博士(人間健康科学)。理学療法士免許を取得後、京都大学大学院で日本学術振興会特別研究員として大学院在籍5年間で50編以上(主著10編以上)の学術論文を執筆し、博士号を取得。その後、医療系大学助教、大手IT企業等を経て現職。 現職では、生活者の健康行動変容に係る事業化支援やマーケティング戦略立案・実証、健康まちづくりやデジタルヘルスの官民共創や社会実装支援等に従事。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

はじめに

近年では、様々な社会情勢の変化を背景に、医療・介護・福祉、そしてヘルスケア領域における市場が拡大し、各領域の専門的な経験・知見へのニーズが高まった結果として、異業種キャリアで働いている医療専門職も増加傾向にあります。

しかし、SNSでキラキラしている姿を発信して異業種キャリアにアジャストしているように見せているものの、実情としてはサバイブ(=笑顔で働くことができる)できていない人はかなり多いのでは、と感じています。

それは何故でしょうか?

「社会を変えるために研究者を志したが、いつの間にか業績を埋めるための小粒な研究・学術論文執筆しかしていない」
⇒『研究者』ではなく、『研究屋』になっているのではないでしょうか



「表向きには中央省庁で政策に関わっていると公言しているが、任期付きなので立場も弱くコピー取りや電話対応などの事務・調整業務がほとんどである」
⇒『公務員』ではなく、『事務員』になっているのではないでしょうか



「コンサルティング・シンクタンク企業に入ったものの、高学歴な非医療職に重要な業務が回っていき、これまでの経験や知見とはかけ離れた、議事録作成や会議体の運営・取りまとめしかしていない」
⇒『コンサルタント』ではなく、『高級文房具』になっているのではないでしょうか



「医療専門職が社長を務めるベンチャー企業にリファラル的に入社したが、労働環境や待遇面の伸びしろが見えず、大手企業への転職活動も連敗中である」
⇒『野心』ではなく、『安心』を求めてしまっているのではないでしょうか

徹底した自己分析と「覚悟」の重要性

その理由は端的に言えば、特に多くの医療専門職は、過去に取得した学位や資格、医療現場での経験に対するサンクコストに引きずられ、「院外キャリアで成果を出す覚悟が十分に固まっていない」という点に尽きるのではないかと考えています。

第1回でも触れましたが、経済学部や工学部などを卒業・修了した方々は、経済学や工学の「学部・大学院レベルで学んだ知識やスキル」をそのまま活かす形で就職・転職先を決めているわけではありません。

むしろ、自らの人生や価値観を徹底的に「自己分析」し、「覚悟」を持って、無数に存在する選択肢の中から、同業種・職種にとどまらず未経験の業種・職種にまで視野を広げてキャリアチェンジをしています。


つまり、「“働く”ことに何を求めるのか?」を明確にしたうえで、自分自身の真の強みや弱みを適切に理解し、「どの業種・職種であればサバイブできそうか」「そのための覚悟があるか」「どのような知識やスキルなどを活かせるか」「どのような場面で通用するか」、そして「持ちうる複数の武器のうち、どれをどの業界・職種に売り込むか」といった戦略を、その都度立てながら転職活動に臨んでいるのです。


こうした視点から見直すと、多くの医療専門職が「資格や知識そのものに価値がある」と強く信じ込み、「自分はスペシャルな存在であり、どこでも求められるはずだ」と思い込んでしまう傾向があることに、改めて気づかされます。

とはいえ、誰もが初めからそのような自己分析ができるわけではないという点は、十分に理解しています。また、そうした自己分析に関する「虎の巻」のような万能な方法論が存在するわけでもありません

そこで本稿では、少しでも異業種キャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ための自己分析のヒントとなるよう、「マインドセット(=覚悟)」について考えたうえで、特に重要な概念である「アンラーン(Unlearn)」について簡単に解説したいと思います。

異業種キャリアで必要な三つの覚悟

医療専門職が異業種キャリアにチャレンジすることは、決して簡単なことではありません。

それは、いわゆる即戦力が求められる転職市場において活かせる「スキルセット」の壁があるのはもちろんですが、それ以上に影響が大きいのは「マインドセット」、つまり「覚悟」ではないかと考えています。

例えば、第1回でも触れたように、以下のような認識を持っている方は少なくないように感じます。

「たくさんのことを学んできた証として、アピールできる免許や資格、学位が複数ある」
「医療専門職は特別な知見やノウハウを持っているので、他分野でも特別扱いされるべきだ」
「臨床や研究で培ったスキルは、教育や商品・サービス開発などにもそのまま活かせる」

しかしながら、現実のキャリアはそう単純にはいかない場面も多いのが実情です。

SNSなどを通じて多様なキャリアの存在が可視化されるようになった一方で、筆者の周囲では、異業種キャリアで生き抜く「覚悟」が固まらないままキャリアチェンジに踏み切り、結果としてサバイブできていない(=笑顔で働けていない)医療専門職の方々を見かけることもあります。

では、異業種でサバイブするためには、どのような「覚悟」が求められるのでしょうか。
筆者は、大きく三つの覚悟があると考えています。以下の図にその概要を示しますが、順に解説していきます。

① 最適化する覚悟(Adjusting)
② 手放す覚悟(Detaching)
③ イチから吸収する覚悟(Unlearning)

異業種キャリアでサバイブするための三つの覚悟

図1.異業種キャリアでサバイブするための三つの覚悟

①最適化する覚悟(Adjusting)

まずは、キャリアチェンジ前のフェーズにおいて、これまで述べてきたように、非医療職と同じ土俵の転職市場にアジャストすることが求められます。

なぜなら、資格や学位といった「学んできたこと」そのものには必ずしも直接的な価値があるわけではなく、「実際にできること」にこそ価値があると考えられているからです。

転職市場で戦う経済学部や工学部出身の高学歴層は、資格や学位に固執するのではなく、仕事を通じて培った実践的な知見やポータブルスキル(=「できる」)を武器にしています(もちろん、学歴や勤務先によるフィルターのようなものが一定存在するのも事実ですが、それもまた一つの「できる」の証明とみなされている側面があります)。

転職市場では、医療専門職だからといって特別な扱いをされるわけではありません。これまでに取得してきた学位や資格、スキル、知識などを汎用化し、「できる」に変換していくこと、そして市場のニーズに合わせていくことが求められます。

そこで初めて、一般的な転職市場のステージに立つことができるのです。

②手放す覚悟(Detaching)

次に、キャリアチェンジの前後いずれのフェーズでも求められるのが、過去にとらわれず、躊躇せずに一歩を踏み出すという、最も重要な「覚悟」です。

近年は異業種へのキャリアの門戸が広がり、興味関心から転職を検討する方も増えてきました。

そうした行動の背景には、さまざまな想いや事情があることと思いますし、それぞれの人生に正解はないため、その選択自体を否定するものではありません。

ただ、そのような検討の過程で、「もし上手くいかなかったら、今の医療機関でそのまま働き続ければいい」といった気持ちがどこかにないでしょうか

一般的な転職活動では、このようなスタンスに対して、「明確な不満やキャリアの方向性がない場合は、無理に転職を進めない方がよいかもしれません」「仮に採用されても、後悔につながる可能性があります」といったアドバイスを、転職エージェントから受けるケースも少なくありません。

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また、幸いにもキャリアチェンジに成功し、新たな職場で働けるようになった後には、「こんな仕事をしてみたい」「これまでの経験を活かしたい」といった思いやアピールも、もちろん大切です。

しかしまずは、「求められている仕事(=ニーズ)」を着実にこなし、信頼を築くことを最優先にしましょう。

「こんな業務をするために転職したのではない」「もっと自分の経験を活かせる業務があるはずだ」といった気持ちが湧くこともあるかもしれません。ただし、実際には最初から「活かせる」業務が与えられることは、異業種ではそう多くありません

医療専門職の場合、養成課程で専門知識を集中的に学び、1年目から専門性を活かして即戦力として働くことが一般的ですが、より広いビジネスの世界では、「まずは求められる役割を果たすこと」が前提とされており、「活かしたい」を一旦脇に置くという姿勢が自然と求められるのです。

③イチから吸収する覚悟(Unlearning)

最後に、キャリアチェンジ後のフェーズでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ために求められる、「イチから学び直す覚悟」、すなわち「アンラーン(Unlearn)」の重要性について解説します。

「アンラーン(Unlearn)」とは、既存の知識や価値観を一旦手放し、思考をリセットして新たに学び直すための学習方法とされています。

これは医療専門職に限らず、新しい環境や職場に飛び込む際には必要不可欠な姿勢です。「郷に入っては郷に従え」という言葉の通り、その環境に適応する柔軟性が求められます。

ただ、医療専門職の中には、専門性への自負や資格・学位、現場での経験といった要素に強く依拠してしまう傾向も見られます。これはサンクコスト意識(=これまで積み上げてきたものを手放しにくい心理)が影響しているのかもしれません

しかし、それらの経験や知識が、必ずしも新しい環境で汎用的に通用するとは限らないのも事実です。時には「それはあくまであなた個人の体験談(n=1)に過ぎないのでは?」と捉えられてしまうこともあります。

特に異業種、なかでも営利を追求する民間企業では、常に収益性やビジネスの拡張性が重視されます。そうした環境の中で、次のような問いに明確に答えられるでしょうか。

「患者さんへの治療法やハンドリングは、この会社でどのように収益貢献につながるのでしょうか?」
「あなたの資格や学位は、この業界でどれほど希少性があり、どのような価値をもたらすのでしょうか?」
「あなたがこの会社でデータ分析や論文執筆をすることで、具体的にどの程度の収益を生み出せると想定していますか?」

こうした問いに向き合うためにも、過去にとらわれず、こだわりを一旦脇に置いて、イチから吸収していく姿勢が求められます

最初は通用しないことも多いかもしれません。それでも思考停止せず、まずは「真似る」ことから始めてみましょう(「守破離」という日本の武道や芸道における修行の段階を示す概念があります)

少しできるようになったからといって、SNSなどで過度にキラキラと発信することは控えましょう。また、現在の業務内容や企業の機密情報をうっかり発信しないよう注意し、組織人としての基本的なマナーを身につけることも大切です。


このようなマインドセットを持たないままでは、たとえ異業種への転職に成功したとしても、自社内で成果を出す前に、自身の経験を活かせているように見せかけるSNS発信に頼ってしまう――そんな事態にもなりかねません。

だからこそ、「覚悟」を決めて臨むことができれば、きっと異業種でもサバイブできる(=笑顔で働くことができる)はずです。

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「アンラーン」ができれば、なんでもできる!

前述の中でも触れた「アンラーン」は、ビジネス領域では少しずつ取り入れられてきていますが、医療業界ではまだ十分に認知されているとは言いがたいのが現状です。しかし、異業種キャリアへの挑戦において非常に重要なマインドセットであるため、ここで少し詳しく解説したいと思います。

医療専門職が異業種キャリアの前後で求められるアンラーンの具体例としては、以下のようなものがあります。

「資格が自分を守る」から「成果で信頼を得る」へ
専門資格や学位は「一定の質を担保する」信頼の証である一方、異業種ではそれ以上に「何を成し遂げたか」「どのような貢献ができるか」が重視されます。
例)自分の強みを言語化し、実績や改善提案として具体的に伝えることが求められます(プロセス主義から成果主義へ)


「専門性だけ」からの脱却 ※専門性は持っていて当然
医療現場では専門性が大きな価値を持ちますが、異業種では「広い視野」「対人スキル」「経営的感覚」など、より多面的な力が求められます。
例)医療分野の専門知識は前提とされ、その上でプロジェクトマネジメント力などが評価されます


「完璧を目指す思考」から「試行錯誤を許容する思考」へ
医療現場では「ミスを避ける」ことが文化として根付いていますが、民間企業では「失敗から学ぶ姿勢」や「スピード感を持って動くこと」が評価される場面も多くあります。
例)まず行動し、改善を繰り返すというPDCAの姿勢が求められます(仮説思考・アジャイル思考)


「患者中心の視点」から「顧客・利用者・社会・組織全体の視点」へ
医療専門職のような対人援助職とは異なり、異業種では収益性を意識しながら、顧客・市民・クライアントといった多様なステークホルダーの視点を持つ必要があります。
例)健康サービスを設計する際には、地域住民のライフスタイルやニーズを把握し、誰と連携し、どのように解決に導くか、さらにそれがいかに自組織の収益に結びつくかを論理的に構造化して伝える必要があります(ロジカルシンキング)


「上下関係・ヒエラルキー重視のコミュニケーション」から「フラットな関係性でのコミュニケーション」へ
医療現場では明確な指示系統が重要視されますが、企業や行政の現場では自主性や合意形成が重視される傾向にあります。
例)上司の指示を待つだけでなく、自ら提案し、関係者を巻き込んでいく力が求められます(ステークホルダーコミュニケーション)

アンラーンとは、単に「今までの知識や価値観を忘れる」ことではなく、自らの専門性や経験を次のステージで活かすための「棚卸しと再構築」と言えます。

様々なアンラーンの方法がありますが、代表的なプロセスとしては次の通りです。

「内省(Reflection)」:なぜその思考や行動が当たり前だと感じていたのかを自己分析する
→「再定義(Reframing)」:新しい文脈に合わせて、意味づけを捉え直す
→「試行(Challenge)」:新たなマインドセットを実際に行動に移して試す

異業種キャリアでは、医療専門職ならではの強みを、誰もが納得する形で価値に変換できるかどうか(=組織の収益や成長への貢献に結びつけられるか)は極めて重要です。

その徹底的な分析を通じて、自分の中に「覚悟」が醸成され、異業種キャリアでサバイブするための確かな第一歩となるのです。

おわりに(第4回に向けて)

本稿では、異業種キャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ために重要となる三つの「マインドセット(=覚悟)」について取り上げ、なかでも「アンラーン」がその「覚悟」を支えるコアとなる要素であることを解説しました。

第1回から繰り返し述べている通り、転職市場では医療専門職だからといって特別扱いされるわけではなく、経済学部や工学部などの高学歴層と同様に、通常の転職市場にいかにアジャストし、そこで高いパフォーマンスを発揮できるかが極めて重要です。

異業種キャリアにチャレンジするのであれば、まずは「覚悟」を持って臨みましょう!

医療機関で、生活者や患者の命と真摯に向き合ってきたあなたなら、その覚悟をビジネスの場に応用することは、きっと不可能ではないはずです。


医療専門職は本来、非常に芯の強い職能集団だと私は考えています。ただ一方で、キャリアの成熟が比較的早く、また閉鎖的な専門領域でキャリアが完結しがちな環境もあり、異業種におけるアピールの仕方がやや的を外れてしまっているケースも見受けられます。それが非常にもったいなく感じられるのです。

ぜひ、これまでの3回の記事もあわせてご覧いただき、この機会に「自分は何を求めて働くのか?」「そのために覚悟はできているか?」を改めて自問自答いただければ幸いです。

次回の第4回では、「サバイブ」の定義を単に「笑顔で働くことができる」にとどめず、「高いパフォーマンスを発揮できる」「自信を持って、自分の職業を名乗ることができる」というレベルにまで引き上げたうえで、異業種キャリアでサバイブするために必要な資格・学位・スキルセットの考え方について、懐かしのロールプレイングゲームを例に取りながら解説したいと思います。

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