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【医療職の非臨床キャリア戦略論】院外キャリアを目指す医療職、その誤解と落とし穴 - vol.1

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【医療職の非臨床キャリア戦略論】院外キャリアを目指す医療職、その誤解と落とし穴 - vol.1

2025.05.28

最近、SNS上で、同じ医療専門職なのに自分が想像もしていないような職業に就いていたり、毎日のように論文採択や学会発表の投稿が流れてきて、思わず色々な感情が湧き上がる——そんな瞬間はありませんか。

「自分も色々な資格をとって大学院に進学して、同じ土俵に立ちたい」
「自分は今後のキャリアアップや待遇改善の見通しが立たない」

そう感じることは、決してあなただけではありません

これは医療専門職に限った話ではなく、今は世間全体が「正解のないキャリア」を生きる時代です。たとえ先人を倣っても、同じ世界が見えるとは限らない。だからこそ、迷い、立ち止まり、揺れるのです。

人それぞれの人生があり、それぞれのあり方を自分自身で考え、行動し、ときに成功や失敗を経ながら、自分が納得できる人生を自ら形づくることが、かつて以上に大切になっています。

本連載では、若手アカデミアとして二桁の海外学術論文を執筆し、複数の学会賞を受賞しながらもそのキャリアを手放し、現在は日系戦略コンサルティング会社の管理職として、ビジネス領域で専門的な知見を存分に発揮している唯一無二な理学療法士である私が筆を執ります。

医療専門職が多様なキャリアでサバイブするために——そして、自分の人生をより豊かにするために、一歩立ち止まって自分の人生と向き合うための考え方を計5回に渡って示していきます。

医療職の非臨床キャリア戦略論:戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術 

vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ(本記事)
vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?

Chase your joyful career—with purpose!!
(覚悟を持って、笑顔になれるキャリアを追いかけよう!!)

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 医療専門職におけるキャリアの悩みと背景

  • キャリア選択に「正解」はないという前提と、多様な選択肢

  • 異業種キャリアへの誤解と、その現実的な注意点

この記事は誰に向けて書いているか

  • 医療機関での業務自体は嫌いではないが、「このまま定年まで?」という漠然とした不安がある医療専門職の方

  • 異業種に関心はあるが、「資格を活かさずに働くことへの罪悪感」がある医療専門職の方

  • SNSでキラキラしているように見えるキャリアに何らかの違和感を感じている医療専門職の方

医療職の非臨床キャリア戦略論シリーズ

  • MPHホルダーのキャリアコンサルが“理論で導く自己理解”
     vol.1:「このままでいいのか」と悩むあなたへ

  • 戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術
     vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ(本記事)
     vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
     vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?

執筆者の紹介

氏名:匿名
所属:戦略コンサルティング・シンクタンク会社 マネージャー
自己紹介:博士(人間健康科学)。理学療法士免許を取得後、京都大学大学院で日本学術振興会特別研究員として大学院在籍5年間で50編以上(主著10編以上)の学術論文を執筆し、博士号を取得。その後、医療系大学助教、大手IT企業等を経て現職。 現職では、生活者の健康行動変容に係る事業化支援やマーケティング戦略立案・実証、健康まちづくりやデジタルヘルスの官民共創や社会実装支援等に従事。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

はじめに

「人生100年時代」「VUCA時代」「DX・生成AI」「リカレント教育・リスキリング」「働き方改革・労働生産性向上」など、仕事やキャリアにまつわるトレンドワードは、近年ますます多様化しています。

まさに今は、「唯一無二の正解や答えのようなキャリアは存在しない」「先人の軌跡をなぞっても、同じ景色が見えるとは限らない」――そんな時代です。

人それぞれの人生があり、それぞれの人生のあり方は自分自身で考え行動し、時には成功や失敗を繰り返しながら、自分が納得して生涯を全うできるよう形作ることが大切なのです。

大卒新入社員の34.9%以上が3年以内に離職する時代

厚生労働省が2024年10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」によると、大学卒の新規就職者のうち、就職後3年以内に離職した割合は34.9%と、過去15年で最も高い水準となっています。なお、この数値は離職意向ではなく、雇用保険の加入状況をもとに推定された実数値です。

中でも、産業別の就職後3年以内離職率(大学卒)では、「医療、福祉」は41.5%と全体よりも高く、離職率の高い上位5産業(全18分類)にランクインしています。

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)」(2024年10月)

離職の理由は人それぞれ異なると考えられますが、何らかの不安や不満を抱えながら働く医療専門職は少なくないのが現実です。

「手に職がつく仕事」として安定性が期待される医療・福祉分野においても、いまや人材の流動性が加速する時代に入っていると言えるでしょう。

医療専門職が日常的に抱える不安や悩みについては、後ほど詳しく触れていきます。

決められた仕事を淡々とこなす「静かな退職」がトレンド化する時代

静かな退職(quiet quitting)」とは、2022年にアメリカのキャリアコーチが提唱し、SNSを通じて話題になった働き方の概念です。

キャリアアップや昇進を目指すのではなく、必要最低限の仕事だけをこなすことを指します。

特徴的なのは、実際に退職するわけではないという点です。むしろ、退職が決まった従業員のように、余裕のある精神状態で働くスタイルを表現しています。

株式会社マイナビが2025年4月に公表した「マイナビ 正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」では、以下のような結果が示されています。

・20~50代の正社員で「静かな退職」をしていると回答した割合は44.5%
・年代別にみると最も多いのは20代で46.7%
・「静かな退職」を続けたいと回答した割合は全体で70.4%。一方で、年代別にみると最も少ないのが20代で64.6%
・「静かな退職」により得られるものは、「休日や労働時間、自分の時間への満足感(23.0%)」が最多で、「仕事量に対する給与額への満足感(13.3%)」が続く

マイナビ「正社員の静かな退職に関する調査2025年(2024年実績)」(2025年4月)

特にキャリア初期の20代は、仕事に対してタイパ(タイムパフォーマンス)やコスパ(コストパフォーマンス)を重視する傾向が強く、半ば諦めのような思いを抱きつつも、現状にただ甘んじているわけではありません。

その内側には、「自分のキャリアと真剣に向き合いたい」という静かな意志が感じ取れます。

多くの医療専門職が抱えるキャリアにおける悩み

ここで、医療専門職に目を向けてみましょう。

日本看護協会が2025年4月に公表した調査結果によると、看護師の新卒1年目の離職率は8.8%(2023年度)でした。

これはコロナ禍中(2022年度)の10.2%からはやや改善しているものの、いまだに10人に1人が1年目で離職しているという状況です。

日本看護協会「2024年病院看護実態調査」(2025年4月)

このような傾向は、新卒1年目に限った話ではありません。

学生時代からキャリア初期、そしてキャリア形成期にかけてのライフコース全体において、看護師に限らず、多くの医療専門職がさまざまな悩みを抱えながら日々の職務に向き合っていると考えられます。

こうした各ライフステージにおける悩みや葛藤については、過去のレポートでも指摘されてきましたが、実際にはポジティブな悩みとネガティブな悩みを行き来するような、揺らぎの中で日々を過ごしている方も少なくないのではないでしょうか。

以下では、それらの一例を、筆者の実感をもとに総括的かつ独断的に列挙します。
※なお、ここで示す内容は調査・研究に基づくものではなく、あくまで個人的な視点による整理である点をご留意ください。

NTTデータ経営研究所「人生100年時代における、医療専門職のキャリアオーナーシップ発揮に向けて(後編)」(2024年3月)

医療専門職の各ライフステージにおける想い・悩みの一例

図1.「医療専門職の各ライフステージにおける想い・悩みの一例」

ライフコース早期における職業選択の功罪

これらの悩みの根本には、医療専門職の職業選択が、他の分野に比べて早期に行われることが一因としてあるのかもしれません。

たとえば、経済学部や工学部などを卒業する多くの非医療系の学生は、大学生活や就職活動を通じて、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」や「インターンシップ参加」などを踏まえた長い期間の「自己分析」を経て、進路を選択する機会があります。

一方で医療専門職は、養成校に入学・卒業するプロセスが必須であり、職業意識がまだ未成熟な高校生の段階で、職業に直結する学部・学科を選ばなければならないという特徴があります。

もちろん、その後の専門的な学習や臨床経験を通じて、
「治療やケアを通じて社会に貢献できている」
「利用者・患者や家族の生活・人生に伴走できる」
といったポジティブな実感を得られれば、まさに“天職”といえるキャリア形成ができるでしょう。

しかし、
「理想と現実のギャップが大きすぎる」
「体力的に定年まで続けられるのか不安」
「努力が報われず、キャリアアップや待遇改善の見通しが立たない」
といったネガティブな気持ちを抱えながらも、立ち止まる時間もなく働き続け、「静かな退職」に繋がってしまう人も少なくないのかもしれません

キャリア選択における「あなたにとっての正解」とは?

キャリア選択に「正解」はない。「自分が笑顔になれる」キャリアを見つける重要性

医療専門職が抱える悩みの一例を挙げましたが、「あなた」自身が共感できるものはあったでしょうか。

あなたにとっての「解決したい悩みは何(What)」でしょうか?
その悩みは、「なぜ(Why)」生まれているのでしょうか?
そして、「どうすれば(How)」解決できるでしょうか?
——そんな問いを、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。


冒頭でも述べたように、唯一無二の正解や答えのようなキャリアなどは存在しません

しいて言うのであれば、
「自分が納得して働くことができる」
「自分が笑顔で働くことができる」
キャリアが正解であり、いわゆる「サバイブ」なのではないかと考えます。

具体的には、
「年収を増やしたい」
「これまで学んだ経験やスキルを活かしたい」
「プライベート優先で、ワークライフバランスを確保したい」
「世の中や社会を動かしたい」
「格好をつけたい」
——どんな理由であれ、「自分が笑顔になれる」のであれば、それらはすべて正解のキャリアなのではないでしょうか。

結局のところ、「あなたは、何を求めて働きますか?」次第なのです。

そして、その正解のキャリアの考え方を「あなた」がまだ知らないだけで、選択肢は無数に広がっていることに気づくことが肝要なのです。

医療専門職の代表的なキャリアの選択肢

本稿のメインストリームではないので簡易な記述に留めますが、生成AIによると以下のような医療専門職の代表的なキャリアの選択肢があります。

・大学院に進学して専門的な研究に従事し、臨床現場に還元する
・認定資格や専門資格を取得してスペシャリストになる
・士長、技師長、室長、部長などの管理職につく
・より専門性に特化した高度医療機関に転職する
・急性期から回復期、生活期など、異なる医療機能分化施設に転職する
・各支部における職能団体の運営に関与する
(順不同)

上記以外に近年増えている異業種キャリアの選択肢

近年では、高齢社会の進行や労働力不足、健康志向・予防医療への関心の高まりなどの様々な社会情勢の変化を背景に、医療・介護・福祉、そしてヘルスケア領域における産業のニーズが拡大しています。

それに伴い、基礎研究や商品・サービス・施策化、さらに持続的なマネタイズによる社会実装を成し遂げるために、各領域の専門的な経験・知見へのニーズも高まっています。

その結果として、以下のような異業種キャリアの選択肢も、着実に拡がりをみせています

繰り返しになりますが、これらの選択肢に明確な正解や優劣は存在しません

ただし、いずれも最終的には「あなたは、何を求めて働きますか?」という問いに直結する選択肢であることから、第2回ではこのテーマについてより詳しく掘り下げていきます。

・研究機関(研究機関の研究員、いわゆる大学教員など)
・教育機関(いわゆる養成校教員、その他の教育機関スタッフなど)
・行政機関(中央省庁、地方自治体、公共団体など)
・民間企業(業種:医療機器メーカー、製薬企業、IT企業、製造業、ヘルスケアベンチャー企業、コンサルティング・シンクタンクなど 職種:営業職、事業開発職、研究職、一般職、CS職、マーケターなど)
・その他(フリーランス、起業、一般社団法人、NPO法人など)
(順不同)

なお、これらの異業種キャリアの選択肢は、各職能団体が提唱する「職域の拡大」とは一線を画きたいと思います。

なぜなら、医療専門職の資格が有効となるキャリアはあくまでも「各種法律に定められている範囲」であり、「学んだことやスキルを活かした職業に就くこと」は「職域」で括られるものではなく、通常のキャリア形成においてごくごく普通の営みであるからです。

例えば、経済学部や工学部などを卒業・修了した人が商社や広告代理店に就職した時に、それを「経済学の職域の拡大」や「工学の職域の拡大」などと括る人は、筆者の思いつく範囲では皆無です。

同様に、「経済学×○○」「工学×○○」「広告代理店スキル×○○」などと括る人が皆無であることと同様に、「理学療法士×○○」「看護師×○○」などと表現することもあまり適切ではないと思われます。

個人や各職能団体がそれを公言するのは表現の自由ですが、あくまでも人それぞれが自分自身を見つめ徹底的に自己分析した結果として見えてくる、通常の職業選択としての多様なキャリアの選択肢であり、そこには各職能団体の貢献は微少でしかないと考えています。

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キャリアデザインにおける医療専門職の誤解

前述の通り、医療専門職における異業種キャリアを含む多様な選択肢は、筆者の周囲では10〜15年前から少しずつ増え始めていました

そして近年では、SNSの普及などを背景に、それらが“当たり前の選択肢”として広く認知されるようになったことが、現在のトレンドと言えるでしょう。

ただし、ここで重要なのはこのトレンドが医療専門職だけに特有のものではないという点です。この理解が欠けていることこそが、大きな誤解の源となっています。

具体的には、経済学部や工学部などを卒業・修了した人は経済学や工学の「学部・大学院レベルで学んだことやスキル」を持ってして就職・転職先を決めるわけではなく、自らの人生や生き様を徹底的に「自己分析」して「覚悟」をもって、無数にある選択肢から同業種・職種や未経験業種・職種などにキャリアチェンジをしています


一方、筆者が見えている範囲の多くの医療専門職には
「せっかく国家資格や学位を取ったのだから、活かしたい」
「これだけ専門的なことを学んできたから、報われたい」
といったサンクコストに引きずられた思考が根強く残っているように感じられます。

しかし、「活かされる」「報われる」は市場(=評価やニーズ)にマッチしているか次第であることを認識して、通常の転職市場・非医療職と同様のキャリア形成を前提に自らの真の強みや弱みを適切に解釈しない限りは、異業種キャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ことは難しいと考えています。


以下に、異業種キャリアを志す医療専門職からよく耳にする誤解の一例を示します。

これらの誤解をあらかじめ認識・整理しておくことは、キャリアチェンジ後に「こんなはずではなかった」という感情を最小限にして受け入れる覚悟をする上で非常に肝要なので、第3~5回でも詳述予定です。

・免許や資格、学位は評価や年収と結び付く、と考えるのは誤解です。それらは「最低限度の質」を保証するものであり、「できる」を保証するものではありません
・医療専門職は特別な知見やノウハウを持っているので異業種においてもニーズが非常に大きい、と考えるのは誤解です
・異業種でも初めから知見やスキルを「活かせる」、と考えるのは誤解です。SNS上でキラキラしている人も、「活かしているように見せている」だけで実は裏で苦労しています
・官公庁で働ければ政策に関わり社会を変えることができる、と考えるのは誤解です
・ヘルスケアベンチャー企業で働ければ、自社データを活用して学術論文をバリバリ執筆できる、と考えるのは誤解です(本業とは無関係の共同研究成果を執筆している人は多い)
・異業種キャリアチェンジの初手でヘルスケアベンチャー企業で働けば、次のキャリアで大手企業にステップアップできる、と考えるのは誤解です

異業種キャリアを志す医療専門職における、よくある誤解

図2.「異業種キャリアを志す医療専門職における、よくある誤解」

本連載の目的、ねらい

ここまで、医療専門職に限らず皆が人それぞれ「何を求めて働きますか?」を考える必要がある時代に突入している点、キャリアにおける医療専門職特有の想いや悩みが存在する点、自分次第でそれらの悩みを解決するキャリアの選択肢は無数に存在する点、キャリアデザインにおけるよく聞く誤解、について総論的に触れました。


本連載では、これらの点を深掘りする形で、医療専門職におけるキャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ために、自分の人生をより豊かにするために、一歩立ち止まって自分の人生と向き合うために重要な考え方を計5回に渡って示すことを目的としています。

具体的には、以下のような深掘りを予定しています。

第1回(本稿):仕事やキャリアを取り巻く概況や悩み、医療専門職のキャリアの選択肢・誤解の総論
第2回:医療専門職における、高解像度での異業種キャリアと相性の良いペルソナ紹介
第3回:異業種へのキャリアチェンジでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ためのマインドセット・スキルセット
第4回:山あり谷ありのキャリアサバイブのための要素や実例紹介
第5回(総括):周囲に踊らされず、自らの努力や心持ちで動かせる変数に全集中するための心構え

本連載は、「これさえ押さえておけば、身に付ければ上手くいく」という「虎の巻」的なものは想定していません。

あくまでも、人それぞれの人生の中でこれまで学んできたことや資格・学位などに縛られず、自分のキャリアと向き合うために重要な考え方を示すものである点、要するに「自分次第」である点を言語化することをねらいとしているため、過度な期待を持たれないよう予め言及しておきます。


なお、「医療専門職の代表的なキャリアの選択肢」の一部としての臨床現場などにおける医療専門職としてのキャリア形成は、各職能団体が体系的に例示しており責任をもって道筋を示していくべきであると考えるため、本連載ではスコープ外とします。

また、全ての医療専門職に当てはまるものではなく、筆者のキャリアを踏まえて若干コメディカル向けの記述になる点、逆に医療専門職に閉じず非医療職の汎用的なキャリアにも通ずる内容がある点も予め言及しておきます。

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