
キャリア
【キャリア解説】高校自主退学から放射線技師になった私が、外資製薬の研究職になるまで。- vol.34
2025.10.21
家庭の事情から15歳で高校を自主退学、平日に仕事をしながら通信制の高校へ通い卒業。進学資金を貯め、22歳で大学に入学し診療放射線技師資格を取得し、国内外の学会発表や論文執筆を行いました。
診療放射線技師として臨床・研究の現場を歩んできた私は、ある夜の医師からの問いかけをきっかけに、自らのキャリアと真剣に向き合いはじめ、企業への転職という道を選びます。
外資系CRO(開発業務受託機関)や内資系製薬企業のメディカルを経て、製薬会社への転職を夢見て5年半、念願の外資系製薬企業の臨床研究に従事しています。
本記事では、転職活動のなかで特に大切だと感じた「キャリアの軸の言語化」「情報収集とスキルギャップの特定」「行動する勇気」という三つの視点から、実体験と努力の過程を等身大でお伝えします。
コメディカル職から企業への転職を目指している方に、実例を交えて参考になる情報を届けられれば幸いです。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- キャリアシリーズ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- Public Health Career Summit 2025 ― パブリックヘルスのビジネスキャリアを切り拓く
- これまでのキャリアについて
- なぜそのキャリアを選んだのか
- 一生放射線治療に従事するかも、と考えていた日々
- 自分自身のキャリアを初めて深く考えたきっかけ
- 病院から企業への転職
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- そのキャリアにたどり着くために努力したこと
- 製薬企業への転職
- そのキャリアを目指す人へのメッセージ
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- 【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
キャリアの軸を言語化することの重要性
情報収集とスキルギャップの認識の大切さ
新たなキャリアを切り開くには行動する勇気が大切
この記事は誰に向けて書いているか
転職するか否かで悩んでいる方
医療従事者(特にコメディカルスタッフ)から企業へ転職しようとしている方
製薬企業以外から製薬企業へ転職しようとしている方
キャリアシリーズ
vol.1:製薬企業で実践するパブリックヘルス - 疫学とエビデンスジェネレーションについて
vol.6:理学療法士が遂げた実績ゼロからのキャリアチェンジ - 企業で働く疫学専門家のリアルを語る
vol.11:二足の草鞋で極める生物統計家のキャリアパス
vol.29:食品メーカーの企業研究者 - 栄養疫学で、企業に価値を、人々に健康を
執筆者の紹介
氏名:D.K
所属:外資系製薬企業メディカル本部
自己紹介:現在42歳。外資系製薬企業のメディカル本部に勤務し、主にリアルワールドでの研究立案(症例登録研究やデータベース研究など)に携わる。企業入社前は、約7年半診療放射線技師(医学物理士の資格も有する)として、大学病院やがん専門病院の放射線科で主に放射線治療業務や研究業務に従事。病院退職後は、約2年半にわたり外資系CRO(開発業務受託機関)で、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の治験業務を担当し、その後、内資系製薬企業のメディカルへ転職。内資系製薬企業では、オンコロジー領域のMSL(メディカルサイエンスリエゾン)としてアンメットニーズの収集を行い、メディカル戦略立案や観察研究立案(研究グループとの共同研究や企業主導研究)、学会発表や論文執筆などにも携わる。4年間の内資系製薬企業を経て、現在に至る。
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に対する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
Public Health Career Summit 2025 ― パブリックヘルスのビジネスキャリアを切り拓く

これまでのキャリアについて
はじめにお伝えしたいのですが、私は少し回り道をして診療放射線技師職に就きました。
高校1年生(15歳)の夏、家庭の事情により在籍していた高校を自主退学し、平日に仕事をしながら、週末に通信制の高校に通い、無事に高校を卒業しました。
その後、大学進学のために資金を貯め、22歳で診療放射線技師の資格取得を目指して大学に入学しました。4年間の学生生活を経て診療放射線技師の資格を取得し、二つのがん専門病院と大学病院にて放射線治療の臨床および研究に従事しました。
その間に医学物理士(日本では主に放射線治療を担う学会認定の医療職)の資格も取得し、専門性を活かして国内外の学会発表や論文執筆を行ってきました。
その後、診療放射線技師としての経験を活かして企業への転職を決意し、外資系CRO(開発業務受託機関)や内資系製薬企業のメディカルを経て、現在は外資系製薬企業のメディカルで、主にがん領域の臨床研究立案に従事しています。
今回の記事では、診療放射線技師というコメディカルの職から、どのようにして製薬企業に転職したかについてご紹介したいと思います。
私のように少し変わった経歴でも、現在こうして製薬企業のメディカルにて勤務しております。この記事を読んでくださっている転職を考えて迷っている「あなた」も、きっと転職を成功させることができるはずです。
転職において大切なのは、「キャリアの軸の言語化」「情報収集とスキルギャップの特定」「行動する勇気」の三つだと思います。
この記事を読んでくださり、実際に製薬企業に転職する「あなた」と一緒に働けることを楽しみにしております。
転職に悩んでいる「あなた」、15分だけこの記事にお付き合いください。
なぜそのキャリアを選んだのか
一生放射線治療に従事するかも、と考えていた日々
自己紹介の通り、私は診療放射線技師の資格取得後、がん専門病院や大学病院に合計7年半勤務していました。この間、主に放射線治療業務に従事し、臨床では放射線治療計画の立案や実際に患者さんへ放射線照射を行い治療する業務を担当していました。
また研究面では、医学物理という特殊な基礎研究の分野で、学会活動等を通じて知り合った仲間とともに科研費や研究費を獲得し、多施設共同研究を実施して論文化する経験も積みました。
「臨床」に関して放射線治療というと、多くの方は疼痛緩和のための照射をイメージされるかもしれません。しかし、放射線治療単独や化学療法と組み合わせて行う化学放射線療法では、根治治療を目指すことも可能です。
臨床現場では患者さんから「ありがとう」と感謝されることが多く、その言葉をいただくたびにとても嬉しく、臨床業務としての大きなやりがいを感じていました。
そのため診療放射線技師になって3年目くらいまでは、この仕事を一生続けてもいいのではないかと漠然と思っていた時期もありました。
一方で、「研究」という分野においては少し違う感覚も持っていました。私は医学物理という特殊な分野の基礎研究に携わることが多かったのですが、臨床に関する研究にも関与しておりました。
放射線腫瘍科に依頼される治験や臨床研究に医師と一緒に関わるたびに、直接的に患者さんのためになるデータを自ら生み出す研究を心から行いたいと感じていました。
しかし、実際には深く携わることも、論文の共著者として名前を連ねることもできず、何とも言えないもどかしさを感じていました。
自分自身のキャリアを初めて深く考えたきっかけ
放射線技師になって3年数か月が経ったある夜のことは、今でも忘れられません。
業務終了後親しくしていた年上の医師に誘われ、一緒に食事に行きました。お互いにお酒もまわってきた頃、その医師からこう問いかけられました。
「君はなぜ医療従事者になったのか? 放射線技師・医学物理士として、人生をかけて達成したいことは何なのか? 今の仕事で、本当に自分のやりたいことが100%できているのか?」
その場で自分なりに答えたのですが、「浅い、浅い、考えが浅い」と繰り返し指摘され、酔いも一気に覚めてしまったことをはっきり覚えています(正直私は今、説教されているのか?と思ったほどです)。
しかし、この時の質問は初めて自分のキャリアについて深く考えるきっかけとなりました。
おそらくですが、コメディカルとして働く多くの方は日々の忙しさや安定した職・収入、目の前に感じるやりがいなどから、自分自身のキャリアを深く考える機会があまりない、またはその時間をもてていないと思います(もちろん、深く考えている方もいらっしゃるとは思いますが、私の感覚ではそういった方は少数だと思っております)。
それ以来毎日ではないにせよ、1日のうちの数十分を使って、数か月間「自分は一体何をしたいのか」「こうしたいのかもしれない」といったことをひたすら書き出していました。
後日、その医師からこう言われました。
「自分のキャリアの根幹をしっかり考えてほしい。病院で働くことも良いが、病院が全てではない。自分がやりたいことを明確にし、その言葉に基づいて仕事をしていけばくじけそうな時にもぶれずにいられる。」
個人的には少し拍子抜けした感もありましたが、この時に自分の考えを書き出したことが、私が企業への転職を意識し始めた大きなきっかけとなりました。
ちなみにですが、当時私が書き出した文章は以下のようなものでした。
「良き仲間を作り、どのような立場・状況でも日々仲間と切磋琢磨し、新たな技術を学び続けその技術を活かして研究開発やエビデンス創出を行い、病気に苦しむ患者さんやご家族のために自分の一生を捧げる。」
この文章が、医師から問われたことへの答えだったかは今でも正直分かりません。ただ今振り返っても、私にとってこの文章はキャリア形成の軸として大切にし続けているものです。
そして、この文章こそが「医療系の大学を出てせっかく資格を取得したのだから一生病院で働き続けるべきだ」という自分自身の思考が硬直化していたことに気づきを与え、今後のキャリアについて考え直すきっかけとなりました。
病院から企業への転職
上記で述べたように、キャリアの根幹を言語化・文字化した後も、臨床の現場では日々の業務に満足していた一方で、研究に関しては「患者さんのためのデータを直接生み出す研究がやりたい」と強く感じていました。
そのため、自分の研究を進めながらも、どこか満たされない気持ちを抱いていたことをよく覚えています。
その感情の多くは、「自分の研究が実際に患者さんやご家族の役にどれだけ立っているのかが見えにくい」というものでした。これはおそらく、基礎研究に従事している方にも共通する悩みかもしれません。
ちょうどその頃、病院で実施されていた製薬企業が関わる臨床研究に携わる機会があり、「自分が本当にやりたかった患者さんやそのご家族のためになるデータとは、こうした研究のことなのだ」と実感しました。
一方で、臨床研究に関わっても論文の共著者にはなれないというもどかしさも同時に経験しました。
この経験から、「製薬企業であれば、自らエビデンス創出に携わるだけでなく、論文の著者にもなれるのではないか」という希望が生まれ、初めて病院から製薬企業への転職を真剣に考えるようになりました。
しかし、実際に私が企業へ転職するまでには約3年近くの時間がかかりました。より正確に言うと、製薬企業への転職を果たすまでには5年半を要しました(ただし最近の製薬企業は採用枠が増えているように感じ、私が転職した当時よりも転職はしやすいと感じることが多いです)。
この後の章では、病院から企業へ転職するにあたって当時の私の心境や、どのような点がハードルとなったのか、またそのハードルをどのように乗り越えたのかについて詳しく記載していきます。
転職においてどのような点が障壁となるかは人それぞれかもしれませんが、私自身が感じたことをお伝えしたいと思います。
(続きはページの後半へ)
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そのキャリアにたどり着くために努力したこと
製薬企業に行けば臨床研究に携わることができると考えたものの、実際にどのようにして製薬企業へ転職すればよいのか、その道筋や具体的な方法を考えるのは非常に困難でした。
というのも私が転職を考えた当時、診療放射線技師から製薬企業へ転職した人は(少なくとも私の知る限りでは)周囲におらず、相談できる相手がいなかったからです。
そこで、製薬企業と接点のある医師や製薬企業を専門に扱っているリクルーターに相談し、まずは製薬企業の組織構造を知ること(情報収集すること)から始めようと考えました。
製薬企業で働いている今でこそ当たり前のように理解していますが、当時の私は医師やリクルーターに相談を重ねる中で、部署の違いを初めて知りました。
それは、人を対象とした臨床研究に携われるのは新薬の治験を実施する「臨床開発」という部署と、新薬が保険承認された後に研究を実施する「メディカル」という部署があることです。
その過程で、私が本当にやりたい仕事はメディカルでの研究ではないかと考えるようになりました。なぜなら、メディカルが実施する研究こそが実臨床を反映したものであり、患者さんやご家族(もちろん医療従事者も含みます)にとって有用なデータになると考えたからです。
自分がやりたいことを明確にし、製薬企業の組織構造を理解できた後、次に取り組むべきは自分のスキルギャップを特定することです。私はこのスキルギャップの特定に非常に多くの時間を費やしました。
具体的な方法としては、まず2領域の固形癌(例:肺癌や乳癌など)を対象とし、製薬企業が関与している観察研究の調査を行いました。その際、各観察研究で設定されているクライテリアやエンドポイントを抽出しました。
さらに、それらの観察研究で使用されていた薬剤について、どのような治験が実施されていたかも確認しました。
そして、治験と観察研究の間にどのようなアンメットメディカルニーズが存在しているのか。また、製薬企業はなぜ多額の費用を投じてまで観察研究を実施しているのか、戦略的な意図は何かの考察を深めました。
なお、参考情報としてこれらの試験情報は、臨床研究登録システム(例:UMIN、jRCT、ClinicalTrials.govなど)から抽出することが可能です。
これらの取り組みを通じて、現時点での自身の能力と今後製薬企業のメディカルで求められる能力との間に存在するスキルギャップは、大きく分けて「薬剤や研究立案に関する知識」と「ビジネスに関する知識」の2点であることが明らかになりました。
今後、これら二つの分野を重点的に補っていく必要性があると考えました。
① 薬剤や研究立案に関する知識
診療放射線技師だった私にとって薬物療法は専門外だったため、薬物療法に関する知識を教科書で学んだり、学会に参加したりして補完しました。
また、研究立案に関する試験デザイン・方法論・関連法規についても、業務終了後にICR webや教科書を用いて勉強を続けていました。
② ビジネスに関する知識
「戦略」や「経営」に関する書籍を読み漁り基本的な知識を身につけるよう努力し、その本を見ながら製薬企業が考える戦略についての考察を深めておりました。
上記の勉強をしながら担当リクルーターと相談しつつ、製薬企業のメディカルのポジションを目指していました。
しかし、診療放射線技師という薬剤とは異なる専門分野であり、かつ企業での業務経験もなかったため製薬企業への転職は非常に困難でした。
そこで、転職を考えてから1年2か月ほどが経過した後、「製薬企業のメディカルで働く」という目標は変えず、まずは間口の広いCROへの転職を検討することにしました。
CROへの入職にあたっては、次の二つをゴールとして設定しました。
①企業で求められる働き方やスキルを身につけること
②治験業務に関わり、依頼者である製薬企業の視点や業務推進の仕組みを学ぶこと
その後、リクルーターを通じて複数のCRO求人を調べ、外資系CROへCRA(Crinical Research Associate, 治験のモニター)として転職することに成功しました。
入社してまず驚いたのは、研修体制が非常に充実している点です。入職後すぐに、治験の流れやGCP(Good Clinical Practice)などに関する多くの座学研修を約1.5か月にわたり受けることができました。
病院から企業へ転職した当初は業務に不慣れでしたが、上司や同僚が大変丁寧に業務を指導してくれたため、安心して新しい環境に馴染むことができました。
CROでの業務は非常にやりがいがあり楽しいものでしたが、私のキャリアの目標は製薬企業のメディカルで働くことでした。
そのため、CROでの業務に従事しつつリクルーターと定期的に面談を重ね、業界動向や求人情報の収集も継続的に実施していました。また、メディカルで必要となる試験デザイン等についても自主学習を続けておりました。
製薬企業への転職
CROに入職して2年が経過した頃には、いくつかのプロジェクトや社内研修を担当し、CRO入職時にゴール設定していた二つに関しても達成できているのではないかと考えるようになりました。
そこで本格的に、再度製薬企業のメディカル部門への転職を目指すべく行動を開始しました。
ちょうどその頃、偶然知人を通じて製薬企業のメディカルで働くMSLの方々のプライベートな集まりがあることを知りました。CROに勤めていた私にとって、こうした集まりに参加することは大きなハードルでしたが、勇気を出して参加しました。
さまざまな企業の方々が集まる中で、製薬企業のメディカル部門への転職を考えていることを話したところ、ある方が非常に親身になって相談に乗ってくださりました。
その方からは、近年は放射線治療と薬剤の両方を扱った治験も増えており、私のこれまでの臨床経験が今後必ず活かせることや、また研究経験や日々の勉強から得た知識は必ず役立つという前向きなアドバイスをいただきました。
その時に「こういった方々がいる業界で働きたい」と強く感じたことを、今でも鮮明に覚えています。
また、この集まりを通して内資系製薬企業と外資系製薬企業とでは同じメディカル部門でも就くロールによって業務の幅や内容に違いがあることを実感しました。
具体的には、内資系製薬企業では一人がさまざまな業務を担当するため、幅広い経験を積むことができます。外資系製薬企業では一人の担当業務がより専門的に分担されており、特定の分野をより深く経験することができます。
私は、内資系・外資系いずれの製薬企業のメディカル部門にも応募し、幸運にもそれぞれ1社ずつから内定をいただくことができました。
面接時にはさまざまな業務内容について面接担当者に質問し、どちらの企業に転職するか非常に悩みました。最終的には、初めてメディカル業務を経験するという点を考慮し、より幅広い経験が積める内資系企業を選ぶことにしました。
私が入職した内資系製薬企業では、最初にオンコロジー領域のMSL職として勤務していました。MSLは、Key Opinion Leaderとなる医師からの要望に応じて治験データなどの情報を提供し、医師のインサイトを収集します。
この業務では、病院時代に医師とのカンファレンスで得た知識や経験が非常に役立ちました。
MSLとして約半年間勤務した後にメディカル戦略部門(具体的には、メディカル活動のためのメディカルプラン作成を担う部門)へ異動しました。さらにその後は、研究立案業務にも従事し、多領域の医師の方々と協働する機会を得ました。
メディカル戦略立案の際には、以前から読んでいた「戦略」や「経営」に関する書籍の知識を活用してプランを作成し、同僚や先輩、上司からいただいた貴重なアドバイスをもとにより意義のあるプラン作成ができました。
また研究立案においては、研究グループとの共同研究や患者会を巻き込んだプロジェクトなど、企業に入社したからこそ実現できる大規模な研究にも取り組むことができました。
これこそが長年私が求めていたメディカルでの仕事であり、非常に楽しく取り組むことができました。
また、内資系製薬企業で幅広い業務を経験できたことは、私のキャリアにとっても大変貴重な経験となりました。
これらの経験を活かし、現在は外資系製薬企業で勤務しています。
現在は、主に観察研究を実施するための試験デザインや研究マネジメントに特化した部署で働き、これまでの幅広い経験を基盤として、より専門性を高めながら深い経験へとつなげています。
そのキャリアを目指す人へのメッセージ
最後に、キャリアパスを考える上で、私自身の経験から特に重要だと感じた三つのポイントを挙げます。
それは、「キャリアの軸の言語化」「情報収集とスキルギャップの特定」「行動する勇気」です。
私はかつて、親しい医師からのひと言をきっかけに、自分のキャリアについて深く考え、まず最初にキャリアの軸を言語化しました。これにより、本当に自分が成し遂げたいことが明確になり、迷いがなくなったと実感しています。
キャリアの方向性が定まった後、次に大切になるのが、情報収集とスキルギャップの特定です。単に「やりたい」という思いだけでは、企業に採用されません。企業が求める人財像や必要最低限の知識・スキルを自ら学び、身につけていくことが不可欠です。
そして、最も大切なのが「行動する勇気」です。結局は、自分自身が行動しなければ、現実を変えることはできません。実際に動いてみることで、初めて多くの新しい経験や知見を得ることができると、私は強く感じています。
ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。私の経験や考えが、病院から製薬企業への転職に悩んでいる「あなた」にとって、少しでもプラスになればとても嬉しく思います。
いつか一緒にお仕事できる日を夢見て、私も引き続き努力していきます。お互いに頑張りましょう!

ワシントンD.C.で開催された国際学会で発表した後、メリーランド大学を訪問し、我々の研究グループとメリーランド大学に所属している数名の研究者の方々とディスカッションの機会を持ちました。その中には、その年の国際学会で優秀演題に選ばれた方もおられ、ご自身の研究内容について詳しくご説明くださいました。海外で活躍されている研究者の方々と直接お話しする中で、私自身もより良い研究を行い、その成果を患者さんへ還元したいという強い思いが芽生えたことを、今でも鮮明に覚えています。【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】

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