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【キャリア解説】製薬企業で実践する疫学とエビデンスジェネレーション - vol.1

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【キャリア解説】製薬企業で実践する疫学とエビデンスジェネレーション - vol.1

2024.12.09

臨床開発からMA部門へ転じ、疫学研究に没頭する、製薬企業で働く研究者のリアルなキャリアストーリー。

社会人大学院での学びを通して、医薬品開発の最前線で活躍するための知識と経験をここに記します。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 治験担当者が疫学研究を経験して感じた面白さ

  • アカデミアや海外本社の疫学専門家との協業の実際

  • 公衆衛生大学院で学んだこと、足りていないこと

この記事は誰に向けて書いているか

  • 製薬R&D部門で治験関連業務に従事しつつ、RWE創出にも関心のある方

  • 製薬MA部門の業務に関心のある方

  • キャリアを検討する中で社会人大学院への進学に関心のある方

キャリアシリーズ

  • 医療職の非臨床キャリア戦略論

    - vol.1:「このままでいいのか」と悩むあなたへ - MPHホルダーのキャリアコンサルが"理論で導く自己理解"

  • 戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術 

    vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
    vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
    vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?(本記事)

  • vol.10:アカデミアからグローバル製薬企業へ - 医師&研究者が語る海外キャリアチェンジの実情とヒント

執筆者の紹介

氏名:中山さん
所属:製薬企業勤務
自己紹介:R&D部門で治験のモニタリングを担う臨床開発モニター、新規医薬品候補の国内開発提案などを担う開発企画、治験実施計画の策定等を担うクリニカルリード、プロジェクト全体の開発計画の策定・実行を担うプロジェクトリードなど様々な役割で臨床開発に携わる中で、疫学研究を行ったことがきっかけで公衆衛生学を学び、現在はメディカルアフェアーズ(MA)部門で疫学研究の企画を含めたMA戦略策定を担当。博士(生命医科学)、修士(公衆衛生学)。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に対する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人が アクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

今のキャリアについて

メディカルアフェアーズ(MA)部門で行う疫学研究

私は現在、製薬企業のMA部門で、担当する製品の戦略(メディカルプラン、MAプランなどと呼ばれます)を立案し、実行する役割を担っています。

MA部門で仕事を始めて4年目になりますが、その前はR&D部門で臨床開発の仕事を14年ほどしていました。

医薬品候補の治験を実施して承認取得を担う臨床開発部門や、上市された製品の販売促進を担う営業部門とは異なります。MA部門の役割を一言で説明するのは難しいのですが、「医薬品の適正使用の推進」を担う部署などと言われることが多いかもしれません。

ただ、適正使用の推進と言われても、私自身、実際にMAで仕事をするまではあまりピンと来ていない部分もありました。

臨床開発部門では、新薬を待っている患者に少しでも早く薬を届けるため、規制当局が「承認の可否」を判断するために必要なデータを取得します。

そのため、臨床試験では除外されることの多い集団(小児・妊婦・高齢者・特定の疾患を有している患者など)における有効性や安全性、長い期間服用したり大規模に使われて初めて見えてくる稀な副作用には販売後の調査が必要となります。

また、新しく出てくる競合製品と直接比較をしたデータ、費用対効果など、実際に医薬品を処方する医師にとって必要なエビデンスは、承認される段階では十分に揃っているわけではありません。


このようなエビデンスギャップを特定し、RWEを創出して、広めていき、医薬品が適正に使用されることを推進することは、MA部門の重要な役割の一つです。そのための戦略や具体的なプランが、冒頭に出てきたMAプランに含まれます。

MA部門の活動全般については、以下の資料もご参照ください。

製薬協:メディカルアフェアーズの活動に関する基本的考え方(リンクはこちら
森次幸男,他.メディカルアフェアーズ / メディカル・サイエンス・リエゾンの組織構造と医療貢献.医薬品情報学.2022年24巻1号,p. 38-65(リンクはこちら

MA部門が疫学研究を行うのは、医薬品が承認されてからではありません

臨床開発の段階から対象疾患の有病率や罹患率、疾患発症後の自然経過、重症化など関連するバイオマーカーの探索、現在の治療実態(e.g. 処方パターン)など、疾患自体の理解を深めるための疫学研究をMA部門で実施することは多々あります。

リサーチクエスチョンや組織体制によっては、R&D部門が疫学研究を行う場合もあります。

臨床開発の段階で実施する疫学研究で得られた知見は、治験のエンドポイントや症例数の設定などの治験実施計画を策定する際に活用したり、承認申請資料の中で”開発の根拠となる疫学的背景”の説明や、MA部門が行う疾患啓発にも活用します。


下の論文では、開発のステージに合わせて、どのようなRWEが活用されるのかを示しています。

疫学研究を活用する場面(Hiramatsu K, et al. Drugs Real World Outcomes. 2021 Dec;8(4):459-480)

私自身、R&D部門とMA部門を通じて、罹患率・有病率、自然経過、治療パターン、疾病負荷、治験の実施可能性、医療費・医療資源利用、PRO・アドヒアランス、市販後の有効性など、いくつかの研究に携わる機会がありました。一方、市販後に行う安全性、QoL、HTAといった領域は、まだまだ経験できていません。

はじめての疫学研究

私自身が初めて疫学研究に触れることになったのは、11年ほど前のキャリア7年目の頃に、臨床開発モニターから開発企画に異動したことがきっかけでした。

臨床開発モニターは、治験実施計画書に従って治験が実施されていることを、医療機関のカルテや症例報告書を閲覧しながらモニタリングすることが主な役割です。
データに疑義があれば、医師に背景や理由を確認します。

そのため、治験実施計画書については、隅から隅まで理解していることが必要になります。

しかし、私がモニターを始めて間もない頃、担当施設の先生とお話をしている時に、

「競合の〇〇社は、治療期間がより短い治療法を開発したが、あなたの会社では治療期間を短縮するための治験はやらないのか?」
「効果が同じぐらいの競合品がたくさんある中で、この薬の差別化、臨床的な位置づけはどう考えているのか?」

といった開発戦略に関わる質問をいただき、まったく説明ができない自分に気づきました。

また、ある疾患に対する臨床試験を実施しているにも関わらず、開発ステージも対象疾患も同じようなアセットをベンチャー企業等から導入し、複数製品の治験が同時並行で走ることも多々ありました。

その中でも、臨床現場での使い分けに関する会社の想定について質問をいただいても、明確に答えられない自分に不甲斐なさを感じていました。

これらの経験を踏まえ、開発戦略の議論やライセンシングなど、より上流の意思決定に関与できる開発企画部に異動しました。


開発企画部門では、非臨床ステージから臨床ステージに新しい開発候補品が上がってくる前の段階から、対象疾患領域におけるアンメットニーズ、疫学情報、法規制、市場規模など事業性を評価し、国内開発を行うべきかどうかをシニアマネジメントに提案する役割を担っていました。

この調査の延長で、新しく参入する疾患の発症率や自然経過などを理解することを目的としていた疫学研究(primary dataを前向き収集)を海外本社のTranslational Research部門と実施することになり、治験以外の臨床研究に初めて触れることになりました。

臨床開発の仕事をしているとGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)は体に染みついているのですが、疫学研究等の臨床研究の倫理指針に関する社内研修などはありませんでしたし、臨床研究のためのSOP整備も不十分だったため、どのように進めるべきか悩ましいことが多々ありました。

おまけに、治験のオペレーションの専門チームからは、「承認申請の臨床データパッケージに含まない臨床研究の場合はサポートできません」と言われてしまったため、開発企画業務を一緒に行っていた3人でチームを組み、各部門の優しい人にこっそり相談もしながら、一歩一歩進めていきました。

「よくわからない研究をやっているメンバー」という視線も時々感じながら進めた疫学研究でしたが、やってみると治験では感じたことがなかった充実感が得られることがわかりました。


治験の場合は、企業主導でプロトコルを作成するため、治験に協力いただく全ての先生とゼロベースでの議論が行えるわけではありません(もちろん、各施設の責任医師からプロトコルに合意いただいたうえで治験は開始されます)。

また、CRCなどの治験協力者がきめ細かなサポートをしてくださるため、治験担当医師の先生方は、投薬や診察など患者に直接関与する部分に注力することができます。

治験終了後には学会発表や論文化を行いますが、国際共同治験にもなると海外のKOLが複数参画するため、日本からご参画いただく先生の人数は限定されるのが通常です。

これまでになかった新しい薬であれば、NEJMやLancetなどの高IFジャーナルに掲載されることもあります。

しかし、論文に記載する大枠は治験計画/解析計画を作成する時点で固まっていますし、RCTという試験デザインにより交絡因子の影響は排除しているので、得られた結果と考察を粛々とまとめるのがメイン作業になります(注:個人的感想です)。


一方、私が経験した範囲にはなりますが、疫学研究(企業主導ではなく共同研究)では、治験のようにスタッフの手厚いサポートが受けられないことも多く、先生自身で病院内の関連する部門・診療科との調整、倫理審査対応など事務的対応も進めていただくことが一般的でした。

研究計画書は何度もディスカッションを重ねて作成し、研究開始後も定期的に進捗確認のコミュニケーションを図りました。

冬場に流行する疾患の前向き研究を行った時には、共同研究者と2人で雪深い地方の研究協力施設を何か所も回り、研究手順について説明や患者登録の促進を行うこともありました。

論文作成の際には、全体のストーリー、結果の解釈や考察を十分に議論し、後にその論文がガイドラインで引用された時には、大きな達成感を共有することができました。

小さい規模の研究だからこそ感じることができる、研究者との濃いコミュニケーションが、私にとっては疫学研究を行う醍醐味の一つだと感じています。

(続きはページの後半へ)

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なぜそのキャリアを選んだのか

海外での短期修行

開発企画業務の一環として疫学研究を初めて経験し、治験とは異なる充実感を得ることが出来ましたが、それと同時に疫学研究を実施する社内手順の整備・理解が不十分であることも痛感していました。

キャリア10年目の頃、海外本社で3か月ほど勉強する機会を得て、生体試料も含めたprimary dataを収集する観察研究を行うTranslational Research部門と、secondary dataを使ったデータベース研究を専門とするEpidemiology部門に武者修行に行きました。

Translational Research部門では、当時一緒に進めていたプロジェクトをベースに多くの学びを得ることが出来た一方で、Epidemiology部門では1か月間過ごしましたが、データベース研究の経験のない私にとって、細かいノウハウを吸収するには短すぎました。

ホストの疫学専門家の2人は、週1回出社の人と四半期に1回しか出社しない人だったので、一緒に過ごせた時間も限られ消化不良に終わりました・・・。

当時、日本では、疫学専門家が数年間不在でポジションが空いていました。
ある日、そのポジションを傘下に持つ責任者(非疫学専門家)から、「Global部門で少し勉強してきたなら、空いてるEpidemiologistやらない?」と真顔で聞かれた時にはひっくり返りそうになりました。

一緒に仕事をしてきた疫学専門家の専門性やcapabilityの高さを考えると、自分に務まるはずがないことは火を見るより明らかでしたので断りましたが、それだけ専門家の人材が不足していたのです。

この頃から、いつかは疫学を体系的に学んでみたいと思っていました。

疫学研究がKeyとなる臨床開発プロジェクトを担当して感じたこと

キャリアの11年目の頃から、開発企画時代に提案した新規プロジェクトのclinical lead、13年目からはproject leadの役割を担うことになりました。

臨床開発プロジェクトが立ち上がると、承認取得をゴールに見据え、そのために必要な臨床データパッケージなど全体の臨床開発計画を検討します。

「日本人でのPhase 2試験はどのタイミングで、何人ぐらいの規模で、国内 or 海外のどこで実施するか?」
「Phase 2(Proof of Concept試験)には日本から参画するべきか?至適用量説明できる?」
「参画するPhase 3 国際共同治験に日本人をどれぐらい組み入れるか?」
「このデータパッケージで申請すれば、希望する適応症が取得できるか?」

等の検討を行い、要所要所でPMDAにも相談します。

このような全体の開発戦略を踏まえつつ、各Phaseの試験の詳細な治験実施計画を策定するのがclinical lead(clinical scientistなどとも呼ばれます)の役割です。

また、臨床開発計画だけでなく、ビジネス部門と一緒に事業性評価を行い、シニアマネジメントへの説明責任を果たしながらプロジェクトを牽引するのがproject leaderの役割です。

小規模なPhase 1でも数億円、大規模な国際共同治験となると日本だけでも数十億円規模となる投資を獲得しながら、臨床試験を進めていきます。


Project leadとして担当した医薬品候補の対象疾患は、確立された診断基準がなかったこともあり、発生率や死亡率などの疫学情報や疾病負担が明らかになっていませんでした。

そのため、Phase 3の治験に先立ち、研究手法もデータソースも異なる以下のような研究を筆頭に10件以上の疫学研究が進められていました。

・全世界から検体を収集して、疾患の地理的分布を理解するための分子疫学サーベイランス
・臨床試験で使用する診断基準(アウトカムとして評価するイベントのcase definition)を検討するために、生体試料や臨床情報を前向きに収集する疫学研究
・臨床試験のイベント数や必要症例数を予測するために、レセプト・カルテ統合医療データベースを用いたDB研究
・Phase 3治験で数万人規模の患者を組み入れられるかどうかfeasibilityを確認するために、実際に数千人の患者さんを組み入れて患者プロファイルなどを分析する観察研究

日本もglobalと足並みをそろえて疫学情報を蓄積する必要がありましたが、Clinical Leadは治験のマネジメントに注力する必要があったことや、MA部門のプロジェクト担当者は市販後製品の業務で余力がなかったこともあり、疫学研究に関するGlobal TeamとのディスカッションはProject Leadの自分が担いました。

当時、日本チームが抱えていた一番の課題は「Phase 3 国際共同治験に日本が参画することの妥当性を疫学的なエビデンスで示す事」でした。

というのも、Global Teamとしては臨床試験の規模やスピードを精度高く見積もるために、患者数やイベントの発生率(attack rate)が明らかになっている数か国のみでPhase 3を実施したいと考えていたためです。

Phase 3に参画できない場合、日本では承認が取れない、もしくは最低でも発売が数年以上遅れることが必至でした。

attack rateを示すためには、特殊な検査結果とカルテ情報から疾患を発症した患者を特定し、population levelでの発症率を推定できるデータベースが必要です。しかし、既存のレセプトやDPCデータでは不可能でした。

最終的には、population levelのattack rate以外の関連情報から、「日本が国際共同治験に参加することで、イベント発生率等にマイナスの影響を与える可能性は低いこと」と理解してもらい、日本も国際共同治験に参画することが出来ましたが、結論に至るまでは1年半の期間を要しました。


しかし、承認申請や承認後に必要となるRWEが十分ではない事実には変わりありません。

治験が終わるまでは数年かかるので、この間にRWE generationを推進すべく、Phase 3試験の立ち上げが完了した後、MA部門に異動して現在に至っています。

また、様々なプロジェクトを通じて、社内外の疫学専門家やデータサイエンティストとディスカッションをする中で、「疫学を体系的に学び、データベース研究のハンズオンスキルも身につけ、疫学専門家ともしっかりとディスカッションできるようになりたい」という思いが大きくなり、公衆衛生大学院にも進学しました。 

そのキャリアにたどり着くために努力したこと

これまでのキャリアを振り返ると、新しい知識や経験を求めて異動したり大学院に進学することが何度かありました。

臨床開発モニターの時には「開発戦略や意思決定などの上流プロセスを理解したい」という思いから開発企画部に異動しました。

開発企画部で疫学研究を経験した時には「疫学研究を実施するための社内プロセスを改善したい」という思いから、海外本社への短期アサインメントに参加しました。

また、今回は触れませんでしたが、開発企画の業務で「新しいモダリティを国内導入するにあたり、開発のハードルとなる規制があるのか」を調査していた延長で、規制科学を大学院博士課程で学びました。

担当するプロジェクトで、疫学研究・データベース研究によるRWEが開発戦略上も重要になり、社内外の疫学専門家・データサイエンティスト・データベース保有ベンダーの方々に相談する中で、「疫学を体系的に学び、データベース研究のハンズオンスキルも身につけ、疫学専門家としっかりとディスカッションできるようにないたい」と思い、公衆衛生大学院に進学しました。

そして、「大学院で学んだ知識を活かしたい」という思いからメディカルアフェアーズに異動しました。大学院で公衆衛生を広く学んだものの、データベース研究など知識や経験はまだまだ未熟なためmJOHNSNOWに参加しています。


これまでの全ての経験は、自分の知的好奇心を満たすことや、成長機会を求めるために自主的に動いたことではありますが、やはり新しいことに取り組むことはチャンレンジングな面もあり、私にとっては「キャリアにたどり着くための努力したこと」と言えるのかもしれません。

そのキャリアを目指す人へのメッセージ

今回、本記事の執筆を通して自分のキャリアを振り返る機会をいただきました。人によって価値観や知的好奇心は様々ですし、正解などありません。

私自身、今後のキャリアをどうしていきたいのか模索し続けています。

近年、欧米では承認されているものの日本では開発すらされない「ドラッグロス」という言葉を頻繁に聞くようになりました。

国際共同治験に日本を入れてもらうために、かなりの時間と労力をかけた話を紹介しましたが、グローバル開発における日本の優先度が下がっていることは自分自身でも感じました。

今後、日本人でのPhase 1の必要性等を含めて、ますます効率性やスピードが求められる中で、エビデンスギャップを埋めるメディカルアフェアーズの役割が大きくなるかも(?)しれません。

一方で、メディカルアフェアーズの中でも、スピード重視のRWE generationが求められる風潮も耳にしますので、RWD collectionとRWE generationの手法も進化していくのだろうと思います。

また、仕事をしながら大学院で学ぶことで、新しい知識・スキル・ネットワークなどたくさんのものを得ることができますが、大学院を修了するだけで急に専門家になれるわけもなく、常に学び続けていかなければならないと感じています。

恐らく、社会人大学院で学んだことのある方の中には、同じように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「大学院では学べなかった新しい知識を吸収できる場」

「過去に学んだものの古くなった知識をアップデートできる場」

「学んだ知識のアウトプットができる場」

いわば公衆衛生学や疫学に関する筋トレができる24時間営業フィットネスジムのようなものがあるといいなと思っていた時に、mJOHNSNOWに出会いました。

mJOHNSNOWは自分で黙々と筋トレをするのではなく、トレーナーである疫学専門家が真摯に寄り添ってくれる24時間営業フィットネスジムです。

また、さまざまなバックグラウンド・知識・経験をもつ専門家が参加しており、日々活発なコミュニケーションが行われています。

このようなコミュニティの中に身を置くことで、私自身、一歩一歩新しい知識を吸収して成長出来たらいいなと思っています。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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