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【LSHTM受験】貧困支援のあるべき姿を問い、ボランティアの真髄を照らすロンドン留学 - vol.12

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【LSHTM受験】貧困支援のあるべき姿を問い、ボランティアの真髄を照らすロンドン留学 - vol.12

2025.03.21

私は学生時代に、世界では多くの人が貧困に苦しんでいる事実に衝撃を受けました。それがきっかけとなり医師としてボランティアに携わることを志し、公衆衛生を学び今に至ります。

医学部卒業後すぐに、イギリス、ロンドンにあるMPHコースの現地留学を行った私が、当時の苦労や現地留学のメリット・デメリットについてお話しいたします。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 公衆衛生とは何か

  • MPH準備に向けた具体的なコツ

  • 自身のキャリアと大学院の選び方

この記事は誰に向けて書いているか

  • MPHに興味がある・出願予定の方

  • 海外大学院に興味がある方

  • 公衆衛生に興味がある方

MPHシリーズ

  • vol.3:【LSHTM受験】30代半ばからチャレンジする世界トップスクール - オンラインMPHの可能性

  • vol.4:【長崎大学MPH受験】JICA協力隊から国際協力業界の実務者へ - 理論と実践を基盤とするMPHへの進学と国際保健への真なる貢献を目指して

  • vol.8:【ジョンズホプキンスMPH受験】臨床と家庭の両立と断念した現地留学 - オンライン海外MPHが拓く選択肢

  • vol.35:【LSHTM受験】医師・母・患者家族として選んだオンラインMPH - 守る命と向き合い続けて

執筆者の紹介

氏名:松崎秀信 (LinkedIn:http://www.linkedin.com/in/hidenobu-matsuzaki)
所属:総合病院研修医
経歴:2022年に群馬大学医学部を卒業。国際医療ボランティアに興味があり、学生時代から海外留学や海外ボランティア、医学研究を通して活動。行政とボランティアの橋渡しをするために必要な公衆衛生の知識を学ぶため、医学部卒業後に海外公衆衛生大学院へ進学。公衆衛生学修士(MPH)を2022-2023年度ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)にて取得。修士論文は学生時代のAIを用いた研究をもとに日本におけるAIと医療の可能性について執筆。現在は研修医として働きながら博士課程(感染症疫学)の準備を行っている。趣味はボルダリングで特技は言語(日、仏、英、+ (伊、中))。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

はじめに

現在、総合病院の2年目研修医として勤務しております、松崎秀信と申します。この度はこのような受験体験記を執筆させていただく大変貴重な機会をいただきました。

一個人の経験ですが、少しでも海外留学や海外MPHを目指す方の助けになりましたら幸いです。

MPHを受験しようと思ったきっかけ

MPHについて考え始めた最初のきっかけは、大学4年次のスイスWHO本部訪問だったように思います。

私は中学生の頃にUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本支部を訪れる機会があり、世界に貧困で苦しむ人々が多く存在することを知りました。

そして、その体験からボランティアに興味を持ち、医師としてボランティアを通して人々を助けたいという思いから医学部へ進学しました。

しかし、医学部での勉強の傍ら公衆衛生学教室で研究を行う中で、「ボランティアの本質は将来的に各地域、各国がボランティアに頼らずとも自身の力でやっていくことができるというサステイナブルな姿を目指すこと」なのではないかと思い始めました。

それに伴い、ボランティアの視点のみではなく行政の視点も必要であると考え、WHOでインターンをしたのですが、その中で行政とボランティアの乖離を強く感じました。

というのも、WHO本部には臨床経験が無い、または、少ない医師が多かったことや、低中所得国へ行ったことがない人、キャリアパスの一部として来ている人が多いと感じたからです。

「そういった人たちがどうやって現地の仕組みを決めることができるのか?」と疑問を抱くと同時に、自身がボランティアとして現地で働きながら両者を繋ぐような人材になること、そのためには公衆衛生という医学の面から行政にアプローチするための知識が必要であると考えました。

医学部では公衆衛生という講義はあるものの基本的には医師法、医療法(とほんの少しの疫学)といった基本的には暗記を行うだけの授業であり、自身の学びたい医療経済、医療政策を医学部では学べなかったことがMPHを志望した理由になります。

なぜそのMPHを選んだか

個人的にはMPHを取得する大学選択の基準として

  • 学べる内容(もしくは強み)

  • 知名度(Shanghai Ranking など)

  • 授業料

  • 卒業までの年数

を考慮しました。

学べる内容

まず、学べる内容についてです。

いきなりやや脱線しますが、少し公衆衛生という学問についてお話しします。

公衆衛生という学問は大変興味深いもので、さまざまな分野の学問が公衆衛生という言葉で一括りにされています。下記は「公衆衛生を学ぶとは。」を表した図になります。

公衆衛生の外観を表す図

引用:Yale School of Public Health(https://x.com/YaleSPH/status/1776250985398010164

ご覧の通り、公衆衛生という学問は医療政策や医療管理、生物統計や疫学などに加えて社会行動学や環境医学までを全て包含した分野となります。

「公衆衛生専門家」とはいうものの、多くの人がその中でも自身の専門、もしくは強みを持っていることが多いのではないでしょうか。MPHを考える上で、これらの何を学びたいのかを考えると方針の助けになるのではと思います。


私のMPHについて話を戻しますと、私が学びたい分野は

  • 医療政策

  • 医療経済

  • 疫学・統計

  • 感染制御

でした。

しかし、ぶっちゃけた話をすると、修士レベルでは学べる内容は大体の有名大学であればそこまで変わらないように思います。(これは、入ってみて感じました。)

例えばフランスで最も有名なEcole des hautes études en santé publique(EHESP)でも、その他の有名大学(ハーバードやLSHTMなど)から研究者を招致しオムニバス形式で講義を行ったりしているそうです。

私自身、学生時代にHarvardのFoundation of Clinical MedicineというCertificate Program(6ヶ月の疫学・統計コースみたいなもの)を受講しており、その後LSHTMで学んだのですが基礎の統計、疫学の内容としてはそこまで変わらないと感じました。


では、なぜLSHTMだったのか?と言いますと大学院で扱うデータやテーマ、さらには大学院の方向性という点にあります。

LSHTMは植民地文化の上に成り立っています。公衆衛生という点ではかの有名なJohn Snow(公衆衛生の父)がロンドンで研究をしたことは有名ですが、Tropical Medicineという観点では、イギリスの植民地であったアフリカでの熱帯感染症の広がりが問題であったため研究が発展したという背景があります。

そのため、LSHTMはDecolonisation(脱植民地化)という点で積極的に活動しています。この「脱植民地化」は歴史的プロセスによって形成された、植民地時代由来の不平等を是正しようという取り組みです。

これらの背景からLSHTMはより低中所得国に焦点を当てたPublic Healthを展開していると言えます(もちろん高所得国に関する講義もあります)。統計・疫学で使用するデータの多くは(本筋とは関係ないですが)低中所得国のものが多かったです。

一方でアメリカでの授業では主にアメリカのデータ、いわゆるビッグデータを使用する機会が多く、高所得国でのPublic Healthに焦点を当てていると感じました。

余談ですが、私も出演しているLSHTMのStudying Public Healthという動画があるので良かったら見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=hEg-LRA_l8Y

インタビュー画像

知名度

前項にやや被るところもありますが、知名度についても考慮されるべきかと思います。

前述の通り、基本的な部分はどの国でもあまり変わりません。しかし、卒後の進路に関しては出身大学で差が出てきます。

多くの大学院でアラムナイ制度があり卒業生との繋がりを持つ機会があります。国連機関や国際機関における出身大学の偏りは散見されますし、大学院が就職斡旋を行ってくれる場合もあります。

有名大学(Shanghai Ranking等で順位の高い大学 )はやはりそういった機関で働かれている卒業生も多く、MPH課程の授業選択でもロールモデルが存在するということは大変参考になります(○○という機関で働かれている卒業生は××という講義をとっていた。など)。

そのため、将来働きたい場所が決まっているような場合には、そこで働かれている人々の出身大学のdemographyを確認することをお勧めします。


ぶっちゃけ私は、言語の面や理解の深さの面から公衆衛生の知識を学ぶだけなら国内大学院の方が深く学べると思いますし、極論、何を学べばいいか分かっていればMOOCSなどを使用してオンラインで学ぶことができると思っています。

有名大学は、何をどのように学べばいいか具体的にわからない、自身の望むキャリアパスのロールモデルがいない、という人のために学べる内容をうまくパッケージングしてくれているのが良いところであります。

また、国際的な制度の比較や日本以外における公衆衛生という点では海外大学院の方が多様性があり、よく学べると思います。

参考:

Shanghai ranking in PH

https://www.shanghairanking.com/rankings/gras/2024/RS0402

授業料

これは避けては通れない内容です。お金がないと勉強できません。昔は研究は貴族たち特権階級のものだったと言いますが、本当にその通りです。

学部時代にオンラインで受講したHarvardのコースでは、日々の生活と夜間の講義でどちらも中途半端になってしまった経験から、「留学するなら現地で公衆衛生に関してのみ集中して勉強しよう」と考えていました。

しかし、現地留学は非常にお金がかかります。

授業料はもちろんのこと、現地滞在費もかかってきます。パートタイムで働くという方法が無いわけではないですが、生活費を稼ぐほどの労働をするのでは現地留学を志した意図に反します。

学費はLSHTMの修士は現地で約600万円弱、Harvardに関しては1100万ほどです。(2025/1/27現在)


そこで、日本人は多くの人が奨学金を利用しています。アメリカやイギリスのSPHを目指すのならば奨学金の取得をお勧めします。

以下のウェブサイトから自らに合った奨学金を探すと良いと思います。

海外留学奨学金検索サイト

https://ryugaku.jasso.go.jp/form/search.php?f=scholarship_abroad.html

XPLANE 海外大学院向け奨学金データベース

https://xplane.jp/fellowships-list/

ちなみに、私はフランスの大学院も候補に入れていました(EHESP)。コースは2年で必要な費用は100万ほど(授業料と修士登録費)です。ヨーロッパは軒並みこのくらい(イギリスを除く)なのでヨーロッパ留学の選択肢もありだと思います。

卒業までの年数

MPH課程には2年のコースや1年のインテンシブマスターと呼ばれるコースがあります。

1年のコースの利点はもちろん早く修了できることで、2年のコースの利点はインターンの期間があったり、修士論文により時間をかけられることです。

将来、国連機関等で働きたいと思っている方はインターンで国連等に行くことでコネクションができ、就職に有利であると言われています。

LSHTMはフルタイムなら長期履修を除いて皆んな1年で修了しているようでしたが、HarvardにはPh.D.を目指すための2年の修士コースが存在する?という話も聞きます。

自身の目指すキャリアパスに合わせて選択するのが良いと思います。

(続きはページの後半へ)

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受験対策でやったこと

MPHコースの出願にあたって、多くの人がそうであったように私もほとんど自力だったのですが、大変参考になったサイトをご紹介します。私の駄文よりよっぽど読みやすく、参考になります。

ジョンズ・ホプキンス大学 公衆衛生学大学院 留学情報【留学までのステップ】

https://sites.google.com/view/jhsph-jp/留学までのステップ?authuser=0
アメリカ大学院出願プロセスと参考スケジュールが大変有用です。これに沿って行えば大きな問題はありません。

木下喬弘先生のブログ

http://blog.livedoor.jp/mphfordoctors/archives/cat_297110.html
いろいろなテクニックが載っています。大変参考になります。

あきとしのスクラップノート【海外大学院留学】

https://akitoshiblogsite.com/category/海外大学院留学/
私の同級生のページです。LSHTMを目指す方は大変参考になると思います。ロンドン事情も載っているので必見です。( COIはありません。)

海外MPHでは、大学ごとの試験は私の知る限りありません。なので、基本は書類審査です。

必要書類は大体

  • 英語力証明

  • 学業成績証明

  • 推薦状2−3通

  • 志望理由書

となります。

恐らく他の人も書いてくださっていると思いますのでここは簡単に述べます。

英語力証明は大学によります。TOEFL、IELTSの必要スコアを取得してください。

学業成績証明は英語で出されますが、WESというアメリカの成績変換サービスを通すと、大体GPAが上がるのでお勧めです。

推薦状は割と形骸化してますので、誰に書いてもらうかを重視した方が良いです。内容は、自分自身をさまざまな視点から評価してもらうことがお勧めです。

書類の中では志望理由書の比重が最も大きいと思います。受験の動機、志望大学の理由などを一連のストーリーとして組み込むと良いと思います。


私は最終的には3校出願しました(Leeds、 LSHTM、Harvard)。

実は初期研修を1年やってから行こうと思っていましたが、流れを確認するという点でHarvardの医療政策、LSHTMの公衆衛生、加えてLeedsに出願をするとbeoという留学支援サイトを無料で使えたのでLeedsも出願しました(諸々のサービスはLSHTM用で使いました)。

Leedsが最初に職歴不足で落ち、次にHarvardに落ちて、HarvardのコピペだったLSHTMに受かりました(志望理由がかなり発展途上国支援寄りの内容だったこともあるかもしれません)。

受験期に大変だったこと

私の場合は兎にも角にも奨学金でした。

出願時は医学生だったので、お金はもちろん無く、自費で行くことは家計的にも不可能でしたので、さまざまな奨学金に応募しました(ほぼ、1次審査で落ちました)。

幸い、県の留学支援制度で支援していただけることとなり(上限1050万円)留学することができましたが、決まってなければ辞退していたと思います(入学延期は家族が死去するか、自分が大病になるくらいしか認められないそうです)。

ちょうど2022-2023年は日本円の下落があり大ダメージを受けて、総額1000万ほどかかったと思います。ロンドンでこのくらいなのでボストンではさらにかかると思います。計画的な資金調達をお勧めします。

経済的な不安定さは心身にかなりストレスをかけます。


加えて、出願時は医学部の6年だったので医学部講義に加え、卒業試験、国家試験、病院のマッチング(就職活動)、研究室での論文執筆とHarvardのCertificate Programを同時並行していました。

その上に奨学金の応募と大学院出願準備もあったので、振り返るとかなり多忙であったと思います。

出願準備、奨学金準備は6年生になってから始めたので、個人的には出願の1年前くらいから情報収集と何を書くか等を考えていくと負担は減るのかなと思います。

受験生に伝えたいメッセージ

海外MPH出願にあたって、壁はいくつかあると思います。それぞれについて私の所感も交えて書かせていただきます。

奨学金

ほとんど落ちている私が言えることは少ないですが、全般的に大学院の奨学金は競争率が高いです。特に医学系の人は論文などをバシバシ書いている人を除いて業績にあたる部分が他の理系の研究者と比較すると劣りがちになります。ですので、根気強くやるしかないと思います。

特に私は医学生だったので業績も少なく、6年生なので同年齢の競争相手は学士論文や修士論文と書いており、かなり見劣りしました。年齢制限がある奨学金もあり、臨床に片足を入れるとどうしても経歴書では勝てないと感じました。

また、奨学金ごとに支援の方向性があり、コンピュータサイエンスに力を入れている奨学金では医学系だと受かりにくいという事情もあったと思います。

ただ、医師でもしっかり奨学金を取っている人は多いので諦めずチャレンジをすることが大切です。

英語

英語はつまずく方が多いと思うのですが、英語語学力試験と英語力はあまり相関しないと思うので、点数を取れなくても落ち込まずに頑張ってください。

実際、私はIELTSでListening8.5やReading8.5を取得しましたが、講義内容が分からないことや課題文の判読に他の人より遅れることがあったので、試験は試験用の勉強と割り切って勉強するのが良いと思います。

講義は分からなかったら聞けば良い、というメンタルで乗り切れます。

留学年齢

留学当時、私は26歳でした。年齢については利点、欠点があったかと思います。

まず、クラスメイトの年齢層ですが、とても幅広かったです。下は20歳の編入学者から60代の方まで幅広くいました。多かったのは学部卒の人(23-4歳)と職歴がある人(30代)と思います。私くらいの年齢の人はあまりおらず、年下か年上の方が多かったです。

この年齢で良かったのは上下どちらの人たちとも仲良くしていただけたことだと思います。やはり、どうしても出身国や年齢が同じ人たち同士でグループが形成されるので、どちらにも入れてもらえたのはラッキーでした。

また、多くの講師陣よりは若年だったので色々臆せず質問ができたように思います。

しかし、デメリットもありました。年齢よりも職歴に近いですが、医学部卒業して半年初期研修をしただけだったので、医師という肩書きはあるにせよ臨床経験という面では無いに等しく、「実際の臨床は?」という面で経験をもとにディスカッションが出来ませんでした。

長く臨床をやっていた方ならば、自身のクリニカルクエスチョンを持ちながらパブリックヘルスを学べるのだと思います。

また、出身国についてもアメリカとは異なると感じました。Harvard FCRでは中国系の方が多かったのですが、LSHTMではインド系、アフリカ系の方が多かったように感じます。多様性や脱植民地化の考えの影響があるのかもしれません。

現地留学のメリット

特に挙げられるのは他の学生とのコネクション、超有名講師陣からの講義(と質問できる機会)、現地のみのイベント、文化体験です。

コネクションについては言わずもがなで、将来有名になる可能性の高い他の学生と授業で机を並べてディスカッションすることを通して仲良くなれます。LSHTMは講師と学生の垣根が低く、かなりフランクに接してもらえたことも大きかったように思います。

講義についても、オンラインだと質問しにくいことも授業後に「どこが分からなかったか、さっきのところはどういうことだったか。」などを直接質問することができます。これは現地ならではの強みだと感じました。

また、LSHTMは現地のみのイベントもあり、現地にいなければ参加できない講義や少数のセミナーなどは大変良い経験になりました。

また、文化体験ということに関しては、イギリスで暮らしながら、イギリスの医療システム等を学ぶことでより具体的に実体験を交えながら学ぶことができ、様々な国の医療制度を理解する上で有意義であったと思います。

もちろん、世界有数の首都で生活する経験は自身の価値観に大きく作用したことは間違いありません。

最後に

海外MPHについてはメリットとデメリットの両方あると思います。自身の思い描くキャリアにおいて何が重要かという点で大学選びをするのが良いのではないでしょうか。

私もさまざまなところで反対意見をもらいましたが、結局は自分が何をやりたいかです。

”やらない理由を探すよりやりたい気持ちを大切にする。”

私の個人的なモットーです。

やらない理由は簡単に見つかります。ですが、それよりも自身の「やってみたい」という思いを大切にし、多少の困難は乗り越えていってほしいと思います。

ここまで読んでくださった皆様は、私の稚拙な文章に耐えることのできる類い稀なる忍耐力をお持ちの方々だと思います。その忍耐力があればMPHはそう遠くありません。あとは一歩を踏み出すほんの少しの勇気だけです。

このメッセージがそんな方の背中を少しでも押せたら良いなと思いながら、終わりの言葉とさせていただきます。

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