
【書籍紹介】英語論文執筆からアクセプトまでのおすすめ書籍5選 - 大学教授が解説 - vol.6
2026.01.20
「英語論文が書けない」―――
かつての私も、その壁の高さに立ち尽くしていました。
臨床の合間に初稿を書こうとしては、何度も行き詰まる日々。しかし、正しい「型」と「戦略」を知ることで、その壁は確実に乗り越えられます。
本記事では、大学教授であり臨床・研究・教育に従事する著者が、「英語論文執筆の書き方」から「論文投稿・査読対応・学会発表」までを網羅的に実体験を交えて紹介します。
筆者にとって、研究者としての血肉となった「医学英語コミュニケーション」シリーズから、恩師・康永秀生先生の「完全攻略50の鉄則」、研究者としての覚悟を学んだ大井静雄先生の名著「医師のための 英語論文執筆のすすめ - 11の教訓(アドバイス)・8つの極意(シークレット) 」までを厳選しました。
これらは単なるハウツー本ではありません。多忙な臨床医が世界で戦うための「武器」となる書籍たちです。
「なぜ論文を書くのか、どう構成し、どう査読者と対峙するのか。」と考える臨床医・医療職に向けて、あなたの研究人生を変える先人の知恵が詰まった1冊を紹介します。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- 書籍紹介シリーズ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- はじめに
- 1.英語論文執筆の「基本の型」を学ぶ / 初学者向け
- 医学英語コミュニケーション1 -論文の書き方 基礎編-
- なぜ、いまこの本なのか?
- 論文の背骨「IMRAD」を理解する
- 読者を納得させる「Results」と「Discussion」:事実と解釈を分ける
- 2.英語論文の「論理構成(パラグラフ)」を学ぶ / 初学者〜中級者向け
- 医学英語コミュニケーション2 -論文の書き方 応用編-
- ステップアップ:文法は合っているのに「伝わらない」を解決する
- 読みやすさを生む「一貫性(Coherence)」
- 3.論文投稿・査読対応・学会発表の実践 / 中級〜上級者向け
- 医学英語コミュニケーション3 -投稿と発表-
- 査読者(レフリー)を味方につける技術
- データが語る:「図表」の書き方
- 研究を世界へ:「発表」のスキル
- 4. 研究者としての「姿勢」と「戦略」を学ぶ / マインドセット
- 医師のための 英語論文執筆のすすめ - 11の教訓(アドバイス)・8つの極意(シークレット)
- 原著論文の本質:「頂点」を極める(教訓1)
- ネタは足元にある:日常臨床への眼差し(教訓3)
- 鉄の掟:学会発表日=論文完成日(極意2)
- 5. 臨床研究・論文執筆の「鉄則」を学ぶ研究室の必読書 / 初学者向け
- 必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則
- なぜ、この本から始めるべきなのか?
- 後輩への最初の指導書
- 6.一覧表「この悩みには、この1冊」
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- 【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】
- 書籍紹介シリーズ
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
英語論文の背骨となる「IMRAD」や「パラグラフ」の基本構造と、査読者を納得させる論理的な組み立て方
「学会発表=論文完成」という鉄の掟など、多忙な臨床の合間で着実に業績を積み上げるための執筆戦略
「テーマの頂点を極める」という研究者としての気概と、アクセプトを勝ち取るための実践的な鉄則
この記事は誰に向けて書いているか
これから初めて英語の原著論文を書く方、もしくは初稿で手が止まっている方
学会発表は数多くこなしているが、それをなかなか「論文」という形に残せず、あと一歩が踏み出せない臨床医
小手先のテクニックを超え、世界と渡り合う研究者としての「気概」と「魂」を磨き上げたい方
書籍紹介シリーズ
vol.1:3年で副業売上1,500万円の研究者が勧める 副業まずこの1冊【ジャンル別】
vol.2:医療データサイエンティストを目指す人へのお勧め書籍8選
vol.3:医学研究デザインの道標 9選
vol.4:臨床研究最初の一歩おすすめ書籍9選
vol.5:因果推論おすすめ書籍8選
vol.6:英語論文執筆からアクセプトまでのおすすめ書籍5選 - 大学教授が解説(本記事)
執筆者の紹介
氏名:田上 隆
所属:東京慈恵会医科大学附属病院救命救急センター
経歴:2002年 順天堂大学医学部卒。2015年3月 東京大学大学院医学系研究科 公共健康医学専攻(専門職大学院)卒業。 日本救急医学会 指導医・専門医、日本外科学会 指導医・専門医、日本集中治療医学会 専門医、日本臨床疫学会 臨床疫学上席専門家。 2025年3月 東京慈恵会医科大学救急災害医学講座危機管理・救命分野主任教授就任。臨床・研究・教育に従事。著書:超入門!スラスラわかる リアルワールドデータで臨床研究(金芳堂)など
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
はじめに
かつての私は、救急医として臨床の最前線に立ちながら、研究の必要性を強く感じ深い関心を抱いていました。しかし、学会発表までは到達できても、そこから"原著論文"という最終成果に昇華させるまでには、途方もない壁が立ちはだかっていました。
実際、最初の論文は準備から受理まで5年もの歳月を要しました。
当時、地方の救命救急センターに勤務していた私には執筆のノウハウもなく、周囲に導いてくれる指導者もいませんでした。現状を打破するため、夜行バスに揺られて東京の執筆セミナーへ通い、数多くの関連書籍を読み漁る日々が続きました。
本記事でご紹介するのは、暗闇の中で手探りだった私の"血肉"となり、研究者としての骨格を築いてくれた特別な5冊です。
これらは単なるハウツー本ではありません。多忙な臨床医が世界と戦うための"武器"であり、研究に向き合う覚悟を教えてくれるバイブルです。
先人の知恵と私の実体験を凝縮したこの選書が、かつての私のように悩み、それでも前へ進もうとするあなたの道標となることを願っています。
1.英語論文執筆の「基本の型」を学ぶ / 初学者向け
医学英語コミュニケーション1 -論文の書き方 基礎編-

なぜ、いまこの本なのか?
医学・研究の世界において、国際的な研究者として成功するには英語が絶対に必要です。
しかし、初めて英語で論文を書こうとした時、多くの人が途方に暮れます。日本語をそのまま直訳すれば良いわけではありません。英語論文には、特有の論理展開や"型"が存在するからです。
多くの日本人研究者は、医学専門分野の英語をきちんと使う訓練を受ける機会がほとんどありません。
自分が受けた大学の授業でも、医学専門分野の英語に関しては、ほぼ習っていなかったと思います。それを理由にしてはいけませんが、私自身、最初の論文執筆では大変な苦労をしました。
そんな時、論文執筆の"いろは"を一から教えてくれたのが本書です。出版から時間は経過していますが、そこで語られる"論文の基礎構造"は普遍的であり、今なお色褪せないゴールドスタンダードな三部作の最初の1冊です。
初めて医学英語論文の初稿を書こうとして、構成の切り方も英文の運び方も分からず、手が止まっていた時期がありました。本書に出会ったことで、「この順で埋めていけば論文になる」という感覚を初めて持てました。
結果として、ゼロから文章を"ひねり出す"苦しさが、"チェックリストに沿って組み立てる"作業へと変わったのです。
論文の背骨「IMRAD」を理解する
英語論文を書くうえで最初に必要なのは、「何を書くか」以前に、"どんな順番で、どんな箱に情報を入れるか"という地図です。
原著論文(Original Article)は、基本的に以下の4つの構成要素から成り立っています。これを各パートの頭文字をとって"IMRAD(イムラッド)"と呼びます。
Introduction(緒言):なぜその研究をしたのか
Methods(方法):何をしたのか
Results(結果):何が見つかったのか
Discussion(考察):それは何を意味するのか
この形式に従うことで、読者は論理の展開を迷わずに追うことができます。
本書では、このIMRADの各セクションで「何を書くべきか」、そして「何を書いてはいけないか」が詳細に解説されています。
例えば、Introductionでは研究の目的を明瞭簡潔に要約して述べますが、ここにはデータや結論を含めてはいけません。このルールを知らないと、せっかくの良いデータも台無しになってしまいます。
また、意外に思われるかもしれませんが、原稿が不採用(リジェクト)になる理由として最も多いのが、この"Methods(方法)"のセクションです。
単に行ったことを書けば良いと思われがちですが、ここには「他の研究者がその研究を再現できるだけの十分な情報」が含まれていなければなりません。
研究デザインの詳細
データの収集方法
統計学的解析の手法
これらを論理的に、かつ漏れなく記述する力が求められます。
本書は、どのような順序で、どのような表現を使ってMethodsを書くべきかを具体的に指南してくれます。
読者を納得させる「Results」と「Discussion」:事実と解釈を分ける
「Results(結果)」と「Discussion(考察)」の書き分けは、初心者が最も陥りやすい罠の一つです。
Resultsでは、図表を用いてデータの要点をまとめますが、ここには詳細な分析や解釈を入れてはいけません。一方で、Discussionこそが論文の最も重要な部分であり、ここでは結果の意義や、既存の研究との比較を行います。
本書の優れた点は、単なる構成の解説にとどまらず、日本人が間違いやすい英語表現や、論理展開の弱点を指摘している点です。
これから初めて英語論文に挑む方にとって、本書はまさに"血肉となる1冊"です。
まずは第2章の原著論文のパートを、1節ずつ丁寧に読み進めてみてください。そこには、論文執筆という高い壁を乗り越えるための、確かな足場が用意されています。
形式が古いと感じる部分があるかもしれませんが、そこで語られる「科学論文としての作法」は、現在でも十分に通用する、いや、むしろ今だからこそ立ち返るべき基礎と言えるでしょう。
2.英語論文の「論理構成(パラグラフ)」を学ぶ / 初学者〜中級者向け
医学英語コミュニケーション2 -論文の書き方 応用編-

ステップアップ:文法は合っているのに「伝わらない」を解決する
シリーズ第1巻(基本編)で論文の全体構造(IMRAD)を学んだら、次に手に取るべきなのがこの応用編です。
私自身、パート1を読み終えてから本書に進みましたが、そこで得た最大の収穫は"パラグラフ(段落)"に関する概念でした。
日本語の文章を書く際、私たちは"段落"をそこまで厳密に意識しないことが多いかもしれません。しかし、英語の科学論文において、パラグラフの概念理解は必須です。
本書は、単に英語を並べるだけでは到達できない、「論理的に伝わる文章」を書くための技術を徹底的に解説してくれます。
最も重要な概念:「パラグラフの構造」
"1つのパラグラフに、1つの考え"
本書の第7章パラグラフの構造は、英語論文を書くすべての日本人が読むべき必読のパートです。良いパラグラフの鉄則は、「1つのパラグラフで扱う中心的考え(key idea)は1つのみとする」ことです。
そして、「その中心的な考えを"トピック・センテンス(主題文)"としてパラグラフの冒頭(または明確な位置)に提示し、残りの文章ですべてそのトピックを支える」という構造を作らなければなりません。
トピック・センテンス:パラグラフの主旨を述べる
支持文(Supporting sentences):事実、データ、例証でトピックを支える
結論文(Concluding sentences):内容を要約し、次へつなぐ
この構造を守ることで、読者はパラグラフの最初の1文を読むだけで、そのセクションの内容を把握できるようになります。この概念を知っているかどうかが、良い論文とそうでない論文の分かれ道と言っても過言ではありません。
読みやすさを生む「一貫性(Coherence)」
第8章では、さらに踏み込んで"論文を読みやすくする技術"が紹介されています。
読者がストレスなく読み進められるようにするためには、文章と文章の間に"一貫性"が必要です。
古い情報は新しい情報の前に置く:既知のことから未知のことへと話をつなげる。
シグナル・ワードを使う:Therefore(結果)、However(対照)、First(順序)などの言葉で、論理の方向性をあらかじめ読者に合図する。
こうしたテクニックを駆使することで、あなたの論文は劇的に読みやすくなります。
初学者の方は、まず第7章「パラグラフの構造」と第8章「論文を読みやすくするために」をじっくりと、丁寧に読み進めてください。ここに本書のエッセンスが詰まっています。
「日本語での執筆時には意識していなかったが、英語論文では避けて通れないルール」それを明確に言語化してくれる本書は、あなたの論文執筆能力を一段上のレベルへと引き上げてくれるでしょう。
3.論文投稿・査読対応・学会発表の実践 / 中級〜上級者向け
医学英語コミュニケーション3 -投稿と発表-

最終関門――「書くこと」の先にある戦いへ
論文は書き上げたら終わりではありません。むしろ、そこからが本当のスタートです。
シリーズ第3巻となる本書は、執筆後のプロセスである「投稿」、「査読(ピアレビュー)への対応」、そして「学会発表」に焦点を当てています。
私自身、この本を通じて「レフリー(査読者)との戦い方」と「効果的な図表の魅せ方」を叩き込まれました。
現在は電子投稿が主流となり、査読のスピード感ややり取りの形式は20年前とは大きく変わりました。しかし、科学論文における「著者が査読者をどう説得するか」、「データをどう視覚的に伝えるか」という原理原則は、時代が変わっても不変です。
科学論文の本質である「伝えるべき内容を、誤解なく、再現可能性と一貫性をもって示す」という土台は変わりません。本書は、その普遍的な"作法"を学ぶための良書です。
査読者(レフリー)を味方につける技術
感情的にならず、戦略的に対応する。
論文投稿において最大の壁となるのが「査読」です。厳しいコメントが返ってくると、つい感情的になったり、落ち込んだりしがちですが、本書の第19章「レフリーの質問およびコメントへの返答と書き方」は、冷静な対応策を具体的に教えてくれます。
編集長の手紙を読み解く:「minor revision(小幅な修正)」なのか「reject(却下)」なのか、手紙の文面から採択の可能性を正確に判断する。
すべてのコメントに答える:自分には不要と思える点でも、無視せずに礼儀正しくすべて回答する。
再査読を避ける工夫:修正箇所を明示した別バージョンの原稿を用意し、編集部内で確認が完結するように仕向ける。
「査読者は敵ではなく、論文を良くしてくれる協力者である。」
このマインドセットと具体的な返答テクニックは、現在のオンライン投稿システムにおいてもそのまま通用する極意です。
データが語る:「図表」の書き方
本文を読まなくても伝わるか?
第13章「図表の書き方」では、視覚的な情報の伝え方を学びます。
「図表は、本文を読まなくても理解できるように作成しなければならない。」これが鉄則です。
表(Tables):正確な数値をリストアップするのに適しているが、多すぎると逆効果。
グラフ(Graphs):傾向や比較をひと目で伝える。三次元(3D)グラフは正確さが損なわれるため、避けたほうが無難。
また、本文と図表でデータを重複させないことや、口頭発表用のスライドでは情報を盛り込みすぎないといった、メディアに応じた使い分けも詳述されています。
研究を世界へ:「発表」のスキル
本書の後半では、国際学会での「口頭発表(Oral Presentation)」や「ポスターセッション(Poster Session)」についても触れられています。
スライドは「読む」ものではなく「見る」もの。
質問への対処法:「防止(分かりやすい発表)」、「理解(質問の意図をつかむ)」、「対応(正直に答える)」。
これらのアドバイスは、英語でのプレゼンテーションに不安を持つ日本人研究者にとって、大きな指針となるはずです。
論文を投稿する段階になったら、まず第19章「レフリーの質問およびコメントへの返答と書き方」を熟読してください。査読コメントが返ってきた時の「心の準備」と「具体的なアクション」がシミュレーションできます。
また、図表を作成する際には第13章を辞書的に参照し、自分の図表が「独り歩きしても理解されるもの」になっているか確認することをおすすめします。
本書は、論文執筆と査読コミュニケーションの基礎体力を鍛える本として、価値が高い1冊だと思います。
4. 研究者としての「姿勢」と「戦略」を学ぶ / マインドセット
医師のための 英語論文執筆のすすめ - 11の教訓(アドバイス)・8つの極意(シークレット)

テクニックの前に、"魂"を磨く
英語論文の書き方に関する本は数多くありますが、本書は単なる語学や形式の解説書ではありません。
「なぜ、忙しい臨床の合間を縫って論文を書くのか?」、「世界と戦う研究者とはどうあるべきか?」――そうした、研究者としての「哲学」と「戦略」を叩き込んでくれる、精神的支柱となる1冊です。
原著論文の本質:「頂点」を極める(教訓1)
小さくとも、その山の頂に立て
本書の冒頭で語られる教訓は、これから論文を書こうとする医師のモチベーションを強烈に喚起します。
「論文とはそのテーマの頂点を極めること」
著者は学問の世界を山脈に例え、たとえ狭い専門領域であっても、そのテーマに関してはこれまでのすべての知識の上に立ち、新たな知見を加えることで「頂点」に立つべきだと説いています。
誰かの真似ではなく、自分だけの「頂」を目指す。
この文章を読むだけでも、本書を手にする価値は十分にあります。
ネタは足元にある:日常臨床への眼差し(教訓3)
「分からないこと」を「分かる」に変える
「研究テーマは特別な場所にあるのではなく、日常生活(臨床)の中にある」という教訓も、本書の白眉です。
日々の診療で遭遇する疑問や、希少な症例、治療への反応。――そうした事象を見過ごさず、能動的に解決しようとする姿勢こそが研究者の資質です。
臨床現場で「分かっていないこと」を明らかにする。
それこそが、臨床医が研究を行う最大の理由であり、醍醐味であると気づかせてくれます。
「忙しい臨床現場でも、研究の種は日常に落ちている。」この視点が入ると、テーマ探しが机上の空論から現場の課題に戻ります。
鉄の掟:学会発表日=論文完成日(極意2)
「発表して終わり」からの脱却
「学会発表は多数しているが、論文にはなっていない。」――かつての私を含め、多くの臨床医が抱えるこの課題に対し、本書は極めて実践的な解決策を提示しています。
それは、「論文完成の〆切日を、学会発表日とする」というルールです。
学会で発表しただけでは、その研究は正式な業績として認められません。著者は、学会発表の日までに論文原稿(IntroductionからDiscussionまで)を一通り書き上げてしまうことを推奨しています。
学会前に思考を整理しきることができる。
学会での質疑応答を自信を持って行える。
鉄が熱いうちに(帰りの移動時間などで)修正し、投稿できる。
この締め切りを自らに課すことで、忙しい臨床医でも確実に業績を積み重ねることが可能になります。(かつての私も含めて)締切がないと進まないタイプの方ほど、成果に直結しやすくなります。
本書は20年以上前に書かれたものであり、「論文原稿はボールペン書きが最高」といった物理的なツールに関する記述は、PCが普及した現代にはそぐわない部分もあります。そうしたプラクティカルな細部は読み飛ばして構いません。
重要なのは、そこに貫かれている「研究に向き合う熱量」と「普遍的な心構え」です。
まずは第1章の11の教訓を読み、研究者としてのマインドをセットしてください。
そして、論文を書く手が止まりそうになった時、モチベーションを取り戻すための「座右の書」として活用することをおすすめします。
5. 臨床研究・論文執筆の「鉄則」を学ぶ研究室の必読書 / 初学者向け
必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則

伝説の指導のエッセンスが、この1冊に。
著者は、東京大学大学院医学系研究科 臨床疫学・経済学教室の康永秀生教授です。
私自身、康永先生が教授に就任された際の第一期生として、2年間にわたり直接ご指導をいただく幸運に恵まれました。先生とは多数の共著論文も執筆させていただきましたが、その研究生活の中で頂いた数々の指導、その根底にある「哲学」と「実践知」が、余すところなくこの本に記されています。
なぜ、この本から始めるべきなのか?
"極めて分かりやすい"という最強の武器
医学英語論文の書き方に関する本は山ほどありますが、本書ほど「初学者が最初に読むべき1冊」としてふさわしいものはありません。
その理由は、徹底して「分かりやすさ」にこだわっている点と、単なる英語の解説にとどまらず、「どうすればアクセプトされるか(採択されるか)」という戦略的な視点、すなわち"50の鉄則"が明確に示されているからです。
康永秀生先生の指導は常に論理的で、かつ実践的です。
本書には、私が研究室で日々叩き込まれた「アクセプトへの近道」が凝縮されています。
後輩への最初の指導書
私自身、研究室に入ってきた後輩や若手の研究者には、まず最初にこの本を読むように指導しています。
なぜなら、この本を読むことで、論文執筆における「正しいフォーム」が身につくからです。
自己流で迷路に迷い込む前に、まずはこの本で「鉄則」を頭に入れる。それが、研究者としてのスタートダッシュを切るための最も確実な方法です。
これから医学論文を書こうとしている方は、他のテクニカルな本に手を出す前に、まずはこの本を通読してください。
ここには、日本の臨床疫学研究を牽引する康永秀生先生の"指導の魂"が込められています。
この本を読み終えた時、あなたは「論文が書ける気がする」、「いや、早く論文を書きたい」という前向きな気持ちになっているはずです。
6.一覧表「この悩みには、この1冊」
悩み / 目的 | まず開く1冊 |
|---|---|
英語論文執筆の「基本の型」を学ぶ | |
英語論文の「論理構成(パラグラフ)」を学ぶ | |
論文投稿・査読対応・学会発表の実践 | |
研究者としての「姿勢」と「戦略」を学ぶ | |
臨床研究・論文執筆の「鉄則」を学ぶ / 研究室の必読書 |
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