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【論文執筆のためのAI活用術】最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!! Part1 - vol.3

【論文執筆のためのAI活用術】最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!! Part1 - vol.3

2025.08.09

論文や学会発表で使うフローチャートを、PowerPointでイチから作るのは大変ですよね。

矢印の先端を合わせたり、全体のバランスを整えたり、細かな調整に神経をすり減らしている方も多いのではないでしょうか。

でも、ご安心ください。その作図作業、これからは生成AIや便利なツールに任せてしまいましょう。

この記事では、多くの臨床研究で使われる「患者フロー図」を例に、驚くほど簡単・スピーディーにフローチャートを作る"裏ワザ"をご紹介します。

患者フロー図の例

もちろん、患者フロー図に限らず、様々な図の作成にも応用できるテクニックです。

作図ストレスから解放されるヒントが満載ですので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 最新AIの臨床研究への活用方法

  • 生成AIを使って効率的に作図する方法

  • おすすめの作図ツール「draw.io」の使い方

この記事は誰に向けて書かれているか

  • 生成AIの情報をキャッチアップしたい方

  • PowerPointを使った作図に苦労した経験がある方

  • 生成AIを使って作図を効率化したい方

論文執筆のためのAI活用術シリーズ

  • vol.1:最新AIで書く「論理的なIntroduction」作成ガイド Part1

  • vol.2:最新AIで書く「国際ガイドライン準拠のMethods」 そのまま使えるプロンプトで簡単作成!! Part1

  • vol.3:最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!! Part1(本記事)

  • vol.4:最新AIで書く「明快なDiscussion」リミテーションにおけるバイアスの整理方法 Part1

  • vol.5:最新AIで書く「投稿規定に沿った論文」確認作業をAIで時短!!

  • vol.6:最新AIで叶える「スマートな文献検索」最短ステップ

執筆者の紹介

氏名:わたヤク(SNSアカウント名)
所属:病院勤務
自己紹介:病院に勤務する傍ら、臨床研究支援組織にて研究コンサルタントとして活動する薬学博士。様々な臨床研究のデザインや統計解析に携わる。他、筆頭論文が国際的ながんサポーティブケア学会のガイドラインに引用され、自らもシステマティックレビュー委員としてガイドライン作成に携わるなど、研究活動や社会活動も積極的に行っている。その専門知識を活かし、臨床研究におけるAI活用の情報をSNSやブログで積極的に発信。𝕏アカウントは開設から100日で4,000フォロワーを突破し、ブログではAIを活用したデータ解析に関する記事で主要キーワード検索1位を多数獲得。AIと研究を繋ぐ第一人者として、mJOHNSNOWのセミナー講師も務める。
𝕏:https://x.com/ai_biostat
AI医療統計(ブログ):https://ai-biostat.com/
Note:https://note.com/ai_biostat

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の日本・グローバルにおいて疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究に従事。その後、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

患者フロー図とは

臨床研究で使われる患者フロー図(CONSORT diagramと呼ぶことも多い)は、研究に参加した患者が、適格性確認から解析対象となるまでどのように経過したかを視覚的に示したフローチャートです。

研究のプロセスが明確に示されることで、読み手はその研究結果の内的妥当性(例えば被験者の追跡失敗がグループ間で偏っていないかどうか)を客観的に評価できます。

患者フロー図を描く前に:ガイドラインを確認しよう

患者フロー図に含めるべき項目は、研究デザインに応じた「報告ガイドライン」に記載されています。

臨床研究ガイドラインのポータルサイトであるEQUATOR Networkにアクセスし、ご自身の研究デザインに合ったガイドラインを探しましょう。

  • CONSORT声明: ランダム化比較試験

  • STROBE声明: 観察研究(コホート研究、症例対照研究、横断研究など)

  • PRISMA声明: システマティックレビュー・メタアナリシス

EQUATOR Networkのページ

各ガイドラインのページには「Explanation and elaboration papers」という解説と詳細付きの論文に繋がるリンクがあるので、そちらを確認しましょう。

ガイドラインで記載すべき項目を確認する(例:STROBE声明)

CONSORT(ランダム化比較試験)、STROBE(観察研究)、PRISMA(システマティックレビュー・メタアナリシス)には、フロー図に記載すべき項目が具体的に示されています。 例えば、観察研究の報告ガイドラインである「STROBE声明」では、主に以下の内容を含めることが推奨されています。

  • 潜在的な適格者数

  • 適格性が調査された数

  • 適格と確認された数/研究に組入れられた数

  • フォローアップを完了した数

これらの要件に沿って作成すると、例えば以下のようなフロー図になります。

「STROBE声明」の要件に沿ったフロー図

報告ガイドラインに沿っておくことで、研究の質を保証することに繋がります。

もうパワポには戻れない?無料で使える神ツール「draw.io」とは

ここでは、フローチャート作成が捗るオンライン作図ツールdraw.ioについて紹介します。

draw.ioの操作画面

draw.ioのすごい所は、

  • 無料で使える

  • ログインも不要(サイトを開けばすぐ使える)

  • パワポとほぼ同じ操作感で迷わない

  • パワポより断然、綺麗に図が描ける

  • 出力形式が豊富(PNG, JPEG, PDF, SVGなど)

そして、最大の魅力は生成AIとの相性が抜群な点です。

draw.ioと生成AIを組み合わせることで、これまで手作業でやっていた作図が、驚くほど効率化できるのです。

(続きはページの後半へ)

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手描きメモを"編集可能なパワポ図"に変える全手順

ここからが、この記事の核心です。

手描きのラフなスケッチが、AIの力で、最終的にPowerPointで自由に編集できるフロー図に変わるまでの全プロセスを、画像付きで徹底解説します。


Step1:ラフスケッチを描く

まずは、紙とペンでフロー図の骨子となるラフスケッチを描きます。この段階では、ボックスと矢印のみでOKです

  • ボックス内のテキストは、後でPC上で入力するために「 A 」「 B 」「1」「2」のような識別記号を付けてください

  • 描き終わったら、スマホのカメラで撮影します。

紙とペンで書いたフロー図のラフスケッチ

Step2: AIでスケッチを「draw.ioコード」に変換する

ここからがAIの出番です。撮影した画像をAI(今回はGeminiを使用)に読み込ませ、draw.ioで編集できる「XML形式」のコードに変換してもらいます。

1.Geminiにアクセス

Geminiの公式サイトにログインします(※モデルは性能の高いGemini 2.5 Proがおすすめです)。

2.プロンプトと画像を送信
以下のプロンプトと、Step 1で撮影した画像をGeminiに送信します。

【コピーして使えるプロンプト】

drawioファイル(XML)で添付画像のフローチャートを作成して。
各ボックスには以下を記載して。
---A---
{{ボックスAに記載する内容}}
---B---
{{ボックスBに記載する内容}}
---C---
{{ボックスCに記載する内容}}
(以降も同様に記載)

※{{}}の中身は、ご自身のフローチャートに記載する内容に合わせて書き換えてください。


3.コードを「.drawioファイル」として保存

3-1.Geminiが出力したXMLコード全体をコピーします。

Geminiの操作画面

3-2.メモ帳などのテキストエディタに貼り付け、ファイルを保存します。その際、拡張子を「.drawio」に必ず書き換えてください(例:patient_flow.drawio)。


Step3:draw.ioで図をインポート&微調整

1.draw.ioを開き、メニューから「ファイル」>「次の場所からインポート」>「デバイス」を選択し、先ほど保存した .drawioファイルを読み込みます。

draw.ioで図をインポートする手順

2.draw.ioファイルを読み込むと、AIが生成したフロー図が表示されます。

AIが生成したフロー図

AIの生成結果は完璧ではないため、矢印の向きが違ったり、配置が少し乱れたりしていることがしばしばあります。

そんなときは、draw.io上で微調整して仕上げていきましょう。

大幅な修正が必要な時はGeminiに再度指示を出してコード生成からやり直すのも一つの手です。


STEP 4:PowerPointに貼り付け、最終仕上げ

最後に、完成した図をPowerPointで自由に編集できる形式で貼り付けます。

1.draw.ioで「編集」>「SVGとしてコピー」を選択します。
(※PowerPointで編集するならPNGやJPGではなく、SVG形式にする必要があります)

SVG形式でコピーする手順

2.PowerPointのスライド上で、そのまま貼り付けします。

3.貼り付けた図を選択した状態で、「グラフィック形式」タブ、または図を右クリックして「図形に変換」を選びます。

PowerPoint上でフロー図を図形に変換する手順

これで、図のすべての要素(テキスト、図形、線)がPowerPointのオブジェクトに変換され、色やフォント、サイズなどを自由に編集できるようになります。

まとめ

作図は「AIで叩き台」を作り「draw.ioで整える」のがおすすめ

本記事では、AIで叩き台を生成し、作図ツール「draw.io」で仕上げるという、新しい作図のワークフローをご紹介しました。

この方法は患者フロー図の作成だけでなく、学会発表スライドで用いる標準治療のフローチャートなど、これまでレイアウト調整に多くの時間を要した作図を、劇的に効率化できます

本記事でご紹介したAI活用法が、皆さんの研究活動をさらに加速させる一助となれば幸いです。

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シリーズ一覧

論文執筆のためのAI活用術シリーズ

  • vol.1:最新AIで書く「論理的なIntroduction」作成ガイド Part1

  • vol.2:最新AIで書く「国際ガイドライン準拠のMethods」 そのまま使えるプロンプトで簡単作成!! Part1

  • vol.3:最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!! Part1(本記事)

  • vol.4:最新AIで書く「明快なDiscussion」リミテーションにおけるバイアスの整理方法 Part1

  • vol.5:最新AIで書く「投稿規定に沿った論文」確認作業をAIで時短!!

  • vol.6:最新AIで叶える「スマートな文献検索」最短ステップ

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