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【慶應大学MPH受験】ジェネラリスト看護師:看護実践の基盤となる知識を求めて - vol.27

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【慶應大学MPH受験】ジェネラリスト看護師:看護実践の基盤となる知識を求めて - vol.27

2025.07.05

病院という組織に所属している以上、自分の関心のある分野を必ずしも選べるとは限らず、専門領域を選択しても全く異なる人事異動になる可能性もある...

そんな不安を抱えるコメディカルの方々は少なくないのではないでしょうか?

私自身も、日々をサバイブするだけで精一杯のジェネラリストな看護師でした。

進学を決める明確なきっかけはなかったものの、「30歳」という節目に、キャリアの選択肢として公衆衛生に出会い、働きながら学ぶ道や海外のオンラインMPHも検討するなかで、自分に合った学びの場を模索。

ジェネラリストとしての経験を活かしつつ、確かな軸を持った学びができる場所を求めて慶應MPHへの進学を決意します。

この記事では、公衆衛生との出会いから大学院選び受験対策、そして不安や孤独とどう向き合ったのかまで、当時の思考や試行錯誤のプロセスを振り返ります。

MPH受験を考えている方、専門性やキャリアの方向性に悩む医療職の方に等身大の経験をお届けします。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 慶應MPHの受験対策

  • 孤独な受験でのモチベーションの保ち方

  • ジェネラリストの看護師が公衆衛生で学ぶ意義

この記事は誰に向けて書いているか

  • 漠然としたMPHへの魅力を感じている方

  • Public healthを学ぶ意義や進学に悩んでいる方

  • MPHに進学するのはハイスペックな人ばかりではないかと感じている方

MPHシリーズ

  • vol.1:【東大SPH受験】看護師から東大SPHへ - 志望から合格までの軌跡

  • vol.2:【ジョンズホプキンスMPH受験】TOEIC280点からのトップスクール合格達成

  • vol.14:【神奈川県立保健福祉大学MPH受験】無力感の先に見出した問い - 行動変容を支援する産業医の視点

  • vol.21:【東京大学SPH受験】看護実習でのモヤモヤから公衆衛生の道へ - 介護現場の変革に挑戦するコンサルタントの原点

執筆者の紹介

氏名:匿名
所属:民間企業
自己紹介:看護師として大学病院で勤務(外科系・内科系、がん・緩和ケアなど)。その後、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科公衆衛生・スポーツ健康科学専攻修士課程修了費用対効果評価人材育成プログラム修了。現在、民間企業でマーケットアクセス、医療経済・アウトカムリサーチを担当。自身の研究として医療機関ベースの2次データを用いて研究を行っている。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

MPHを受験しようと思ったきっかけ

ジェネラリストの看護師であった私は、キャリアを模索するうちに「公衆衛生」に出会い、縁あって慶應MPHに進学しました。

受験を決めたのは、学部を卒業してから10年ほど仕事をしていた頃でした。

はじめから明確なビジョンを持っていたわけではなく、将来のキャリアを考える中で公衆衛生大学院という存在に行き着きます。

進学を考え始めたきっかけ

学部生の頃、私がぼんやりと描いていた将来像は、

いずれは教育や研究にも携わりたい。現場には良い実践のためのエビデンスがまだまだ不足している。自分自身でそのエビデンスをつくることで、より多くの患者さんがより的確なケアを受けられるようになるのではないか」
臨床と研究を両立させたい」

といったものでした。

「とりあえず30歳まで仕事を続けられていたら、この仕事は自分に合っているのだろう。そのときにまた考えよう。働いていくうちに自身の専門性も見えてくるはず」と、どこか曖昧なものでした。

実際に働き始めると、職場はまさに“病院社会”。日々をサバイブするだけで精一杯で、将来のことを深く考える余裕はありませんでした。

ですので進学を考え始めたのは、何かドラマチックなきっかけがあったわけではありません。ただ、今振り返ってみると、やはり「30歳」という節目が大きかったのだと思います。

ちょうどその頃、新卒で進学した同期が大学で活躍し始めており、また、臨床経験を経て修士課程に進む人も周囲に出始めた時期でした。

加えて、当時はインターネットやSNSなどを通じて大学院や研究者の情報への曝露が増えてきており、「進学」へのモチベーションが高まっていきました。

専門領域が見つからなかった

こうして淡く始まった進学先の模索でしたが、ジェネラリスト志向の強い環境で育ってきた私にとって、追求したい看護の専門領域をなかなか見つけることができませんでした。

そして最終的に行き着いたのが、公衆衛生という分野です。

当初は、看護管理やクリティカルケア領域への進学を考えました。

看護管理であれば、看護が組織として患者さんにもたらす健康上の成果を、あるいは病院経営という文脈での貢献を探求できるのではないか?

また、クリティカルケア領域ではEBP(エビデンスに基づく実践)が特に進んでおり、私の関心にフィットするのではないか?

その背景には、卓越した能力を持つ看護師の実践である「個別」のケアよりも、それを超えて病院という場における「組織」や「集団」としての看護の機能や働きへの関心がありました。

それまでの私は、一人ひとりの患者さんに対する個別・固有の実践に焦点を当てて主に仕事に取り組んできました。だからこそ、対比的に集団や組織といった視点からのアプローチにも目を向けたいと感じていました。

しかし大きな問題は、病院という組織に所属している以上、自分の関心のある分野を必ずしも職場として選べるとは限らないという現実です。

専門領域を選ぶにあたっては、ある程度の実務経験がある方が望ましいものの、当時の私は管理職ではなく、クリティカルケアも限られた経験しかありませんでした。また、大学院修了後にそれらの分野に進める保証もありませんでした。

仮に当時所属していた診療科に関連する領域を専攻したとしても、数年後に異動があれば、再びゼロからのスタートになる可能性もありました。

公衆衛生との出会い

上がったモチベーションの向かう先が見つからず、色々な領域の先生方に率直に相談するうちに、「リサーチクエスチョンを立て、データを収集・分析し、知見を導き出す。それに基づいて患者さんの健康アウトカムを向上させていく。この一連の営みは、専門領域や学問分野を問わず共通の目的である。」ということに気づかせていただきました。

では、そのような実践の基盤となる知識とは何か。


調べていく中で、「疫学」「医療統計」という軸があると知り、その中で佐々木先生の疫学の教科書、新谷先生の医療統計の教科書にも出会いました。

私も「疫学」を学ぶことで、さまざまな人の健康に関する領域で共通した思考ができるようになると知りました。

さらにどんな方がその知識を駆使して活躍しているのかを調べる中で、MPH(Master of Public Health)というコースがあることを知りました。

MPHでは、疫学、生物統計、医療政策、社会・行動科学、環境保健というテクニカルスキルを重点的に学びその上で専門職として必要なソフトスキルも向上させられるよう設計されているということも知りました。

特定の領域に左右されない基礎を得ることが、ジェネラリストの方向に向かっていく私のキャリアにプラスになると考えるようになり、これがMPHを選んだ最大の理由となりました。

なぜそのMPHを選んだか

最初に検討を始めたのは、働きながら学ぶ「社会人学生」という選択肢でした。

3交代制の勤務は不規則ではあるものの、夜勤のある勤務形態ゆえに日中の時間を比較的自由に使える日も多く、両立は不可能ではないと考えました。

加えて、当時私は23区内に住んでおり、通学圏内で選べる大学は限られていたこと、また当時は現在ほど選択肢が多くなかったことも背景にありました。

その中で、まず候補に挙がったのが慶應MPHでした。

慶應MPHは社会人を受け入れており、比較的柔軟なカリキュラムが魅力でした。出願や入学の時点で研究室や研究テーマを決めておく必要がなく、講義の曜日が固まっており、科目選択を工夫することで勤務との両立もしやすいと感じました。

働きながら学べる環境を重視していた私にとって、非常に現実的な選択肢でした。

聖路加SPHは、パートタイム学生向けの3年制コースがあり、コロナ禍前から一部e-learningも導入しており、利便性が高く社会人学生を考える場合には慶應MPHと同じく魅力的でした。

また、海外のオンラインMPHも情報収集を行いましたが、インプット中心になり実践的な経験が積める機会が限られると思ったこと、孤独に黙々と進められる性格ではないこと、学費とのバランスを考えて候補から外しました。

私のキャリアを考えると、「日本の文脈」で学ぶ方が直接自分に関わる知識が得られるので得策であると判断しました。

ただ当時、数名の先達の方々が情報発信されており完遂できれば得られるものは大きいと魅力も感じてはいました。

こうしてカリキュラムやMPH後のキャリアについて情報を集める中で、「自分の能力では、フルタイムで集中して学ばなければ卒業すら難しいのではないか」という考えも生まれました。そのため、最終的にはフルタイムでの進学を決意しました。

その時点で、私は聖路加SPHについての情報をあまり得られておらず3年制以外の明確なメリットを見出せなかったため、選択肢から外しました。

一方で東京大学は、入学後に研究室・研究テーマを決められる柔軟さがあり、SPHとしての環境はやはり圧倒的でしたので慶應MPH東大SPHの2校を受験することにしました。

最終的に慶應を選んだ決め手は、これを読んでくださっている方に有益な情報ではなく恐縮なのですが、COVID-19の流行で社会全体が激変しており少しでも安心できる環境が良いと考えたことです。

当時は、社会も私自身も未来の見通しが立たなくなり、自分や家族の命の危機すらある世の中になってしまっていました。そんな中で、やはり母校は安心できる環境でしたし、家族も背中を押しやすかったと思います。

修了後はまた病院で看護師をするイメージを持っていましたので、公衆衛生を学びながらも知己の看護の先生に相談がしやすいという環境も決め手となりました(新たなチャレンジに「安心できる環境」を求めるのは矛盾がありますが、そのくらいにセンシティブになっていたことを鮮明に覚えています)。

(続きはページの後半へ)

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受験対策でやったこと

入学試験について

慶應MPHの入試は筆記試験と面接です。

筆記試験後、同日に全員に面接が行われます。

試験は年3回あり、私はⅡ期11月試験を受験しました。(ちなみに第Ⅲ期の1月試験では募集人員が「若干名」とあることから、受験はⅠ・Ⅱ期を受けておく方が無難だと思います。)

筆記試験は「小論文」という科目名ですが、英文、日本語文、資料(図表)が課題として出され、各資料に対する考察や要約を求められます。大問が3問程度、英語の辞書は持ち込み可能です。

なお過去問の入手は不可で、事務室で閲覧のみです。現在はWeb上での一部公開もありますが著作権上課題文が確認できません。

当時私が過去問を確認した限りでは、医学・医療系の題材に絞った出題はありませんでした。また、英文は特段難解な文章や図表は出されていない印象でした。

筆記試験対策

過去問を見て考えたことは以下3点です。

  • 資料をもとに問われていることから客観的な採点基準があるはずで、知識よりも論理的な読解や記述力を問われている

  • 一科目・数問しかなく、一問当たりのウェイトが大きい

  • 対策に時間がかかる

大学受験の記憶は遥か彼方ですので、まず大学入試の「現代文」の論述問題・要約問題、「小論文」や「総合問題」で出されるような資料読解問題の対策を、受験参考書等で確認していきました。

そこで私が整理したポイントは次の三つです。

  • 論理構造や図表のメッセージを把握すること

  • 指定の文字数で設問文に呼応した回答を書き切ること

  • 回答は、論理構造が明確かつ記述の細かなルールを遵守していること

どのようなトピックであってもこれらを満たした回答を書けるようにするために、アウトプット中心の練習を組み立てました。

使用した教材

主に次の三つの教材を利用しました。

  1. 「スタディサプリ」

柳生先生の東大対策現代文の授業で、ベン図を使って論理をクリアカットに解説しており非常によかったです。必要条件・十分条件、逆・裏・対偶の扱い方も勉強できます。

他の科目は、試験問題に近い問題を取り上げている講義のコマを探して受講するという使い方をしました。

月額のサブスクなので、必要なタイミングで開始・終了できて利便性が高いです。私は東大対策で数学の復習もしたかったので受験期間〜入学まで利用していました。

2)入門 考える技術・書く技術(山崎康司)

バーバラミントによる本家の本が有名ですが、その入門書です。

ビジネス書のロジカルシンキング系の教材として紹介されることが多い印象ですが、ビジネスを念頭にワークブックとして書かれており取り組みやすいです。前提知識も求められません。

3)国語ゼミ(佐藤優)

よりとっつきにくい題材での教材を探して見つけた本です。

特にこの本が唯一の選択肢ではないのですが、設問に大学受験問題に加えて古典等も使われており、普段触れない分野・やや難しいレベルの自習本として選択しました。著者の文章は難解な印象があるかもしれませんが、この本自体は比較的平易です。


この三つはあえてバラバラの立場から選びました。それは、この三つに共通していることを押さえられたら、試験対策としても十分だろうという考えからです。

自分でこのような教材を選定しましたが「この勉強が、果たして本当に試験対策につながっているのか実感しにくい」というのがモチベーションのネックになっていました。

というのは、大学受験であれば先生からの添削を受けたり、模試で成果を測定可能です。しかし、今回の院試ではフィードバックを受ける機会がありませんでしたので、自分でできる限り客観的に添削できるように工夫をしました。

例えば、自分が書いた文章を数日〜数週間後に読み直して、どのくらい意図した構造や流れを表現できているかを評価しました。

インプットの勉強と異なり、自分の作った回答文を全く覚えていないような時の復習の方が、思考パターンの変化を評価するのに有効です。

こういった作業を同じ教材で繰り返すことで徐々に自分の変化が掴めるようになり、モチベーションを維持できました。

面接対策と志望動機書

面接対策は「早く準備すること」が最も重要であると思い、一番初めに着手しました。

というのも、私はカンペなしで抽象的な内容を自信を持って話す自信がなく、長期記憶に頼りたいと思っていたためです。

慶應MPHではA4一枚程度の志望動機書を提出し、その内容をもとに面接が行われます。私は早い段階から書き始め、受験準備が進む中で内容を随時アップデートしていきました。内容のブラッシュアップには、大学院進学経験のある友人・知人にレビューを依頼しました。

加えて、想定質問とその回答、補足的に話したい内容を文章化しておくことで、受験を進めるにつれ変わってきた自分の思考を形に残しておけるようになります。

文章は誤魔化しが効かないので、時間をあけて読むと「クリアにできていること」と「できていないこと」が明確に区別できます。

「入学してから答えを見つけたい」といった動機についても、「なぜ今の時点でクリアにできていないのか」という経緯を含めて堂々と筋道を立てて語れるようになりました(たとえば、「こういう時期に、教員とこうした相談をしながら答えを探っていきたい」という意見を含め)。

面接でよく問われる内容については、数名の受験経験者に面接対策の話を聞く機会がありました。

内容は、キャリア、志望動機、その上でなぜこの大学を志望するのか、卒業後に社会へどのように貢献しようと考えているかといった一般的なことが問われていることがわかり、特段の圧迫面接や特殊な質問はなかったようでしたので、想定問答を定期的にブラッシュアップしました。

なお、研究計画は受験には必須ではないと公表されていたので、自分なりの関心分野や取り組みたいアプローチをまとめる程度として、そのストーリーを明確にすることに注力しました。

特に注意したのは、大学院が養成を目指す人材像やプログラム、私の志望動機がfit-for-purposeであるのを明確に話せるようにすることです。

「将来的に〇〇の人やコミュニティに〇〇を通して貢献したい。そのためには、この修士課程が最適である」という将来のキャリアプランに直結するというアピールのために、大学・大学院の理念、プログラムの目指す人材像などは網羅的に押さえました。

また、他大学との比較表を作成し、「なぜ慶應でなければならないのか」を多角的に説明できるようにしておきました。

受験期に大変だったこと

仕事との両立

やはり一番の課題は、勉強時間の確保でした。

論述対策はある程度まとまった時間が必要なため、3交代勤務の疲労が取れず集中して取り組めない日もあり、忙しさが続くと数日間机に向かえず、再開するのが億劫になることもありました。

その対策として、まず「時間をかけて勉強を前に進める日時」はあらかじめ決めておき、それ以外の日は復習を中心にしました。

脳の仕組みとしても''手をつけ始めるとモチベーションが上がる''という性質があるため、まずは机に向かうことを優先していました。

もう一つの工夫は、学習記録です。

私はあまり細かい記録をつけるのが得意ではないので、長期的な計画はしっかり管理しつつ、日々の足跡は裏紙や何かの余白に書き出して終わり、あるいはぶつぶつと独り言を言って終わり、というやり方でした。

やれば案外手が動き始めるもので、そういった意思力に頼らず、自分を“騙してでも”粛々と前に進む方法を試行錯誤しました。

ありふれたメソッドですが、特に仕事や家庭を抱えながら新しい仕組みを自分ごととして捉えることは、案外努力がいることでもあるのではないかと思います。

ぜひご自身の生活スタイルにフィットする方法を模索してみてください。

他の試験勉強との時間配分

東大の試験対策も同時に進めていたため、むしろそちらの方が時間的な負担は大きかったです。

慶應対策は基礎体力に近い感覚でしたが、東大は科目数も多く、覚えるべき内容が膨大でした。特に私は、高校数学からやり直す必要があり、時間も労力も最も費やしました。

時間配分の工夫としては、科目ごとの優先順位を決め、空き時間に合わせて計画的に割り振るという正攻法を取りました。

また、苦手な勉強もやり始めるとやはりやる気が上がってくるので、苦手なことから先に始めるよう計画していました。

モチベーションの維持

数学や国語といった、得点の上がりにくい科目にかなりのストレスを抱えていましたので、モチベーションは下がりがちでした。

さらに、MPH修了後のキャリアパスが見えにくい点も非常に影響しました。

幸い、私は色々な方にお話を聞く機会を頂けましたが、それでも自分と同じキャリアの方は当然いませんので、やはり不安でした。

そういった中で、どのようにモチベーションを維持していたのかについては次のセクションで書きたいと思います。

受験生に伝えたいメッセージ

私にとってMPH受験は、不安と孤独そのものでした。

完遂できた拠り所は、MPHと自分のキャリアを考え抜き、繰り返し書き、フィードバックを受けてきたことで、このチャレンジが「自分にとって」価値があるという確信でした。

その価値は、志望校や組織、社会、患者さんにとってのものではありません。

文脈が変われば価値が変わるので、自分があやふやな存在になってしまいます。

受験準備を始めると、良くも悪くもさまざまな情報が入ってきます。

ときに、MPHに関わる方々の圧倒的なバックグラウンドに、自信を失うこともあるかもしれません。

すでに様々な記事を読んで自信を失ってしまっている方も少なくはないのではないでしょうか・・・。

もし今、受験に対して不安や孤独を感じているとしたら——
ぜひ、志望動機を掘り下げ、自分にしか見出せない「MPHの価値」を見つけてみてください。

Public healthは、一つの学問領域ではなく、「生きるものすべての健康に関わる集合知の領域」です。全てをカバーできる方などいません。実は、周囲の超優秀な方々も皆、Public healthの中で試行錯誤しながらMPHで学ぶ意義を探っています。

私は多様性の高さが慶應MPHの魅力だと思っています。新卒の方から、30代・40代、それ以上の方まで。医療従事者に限らず、子育て・介護・仕事と両立しながら学ぶ方も多くいらっしゃいます。

普段私たちが属する場は、多くの共通認識で成り立っており、それが心地良さでもありますが、無意識のバイアスが成長の足かせになっているかもしれません。

様々なバックグラウンドの方々と共に「健康」を考えることは、非常にチャレンジングであり、視野や視点が大きく変わるはずです。

「なぜ自分がその場所に飛び込むのか?」

慶應MPHでは、全員が面接を受けられます。

志望動機を徹底的に言語化し、面接で教員を納得させる熱い何かをしっかりと語ること。その場面をクリアにイメージできるようになることが、孤独で特殊なMPH受験を乗り切る糧になるはずです。

皆様の受験生活が、新しい未来につながることを願っています!

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