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【キャリア解説】博士号取得までの執念の10年間 - vol.14

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【キャリア解説】博士号取得までの執念の10年間 - vol.14

2025.03.30

「運動で人は健康になれる」
——そんな当たり前のことを、どうやったらもっと多くの人に届けられるのか。

体育大学・大学院を卒業し、アスレティックトレーナー&健康運動指導士として医療法42条施設で働いてきた私は、アスリートのサポートから生活習慣病の運動療法、高齢者の健康づくりまで、幅広い現場を経験してきました。

しかし、現場で感じる疑問や課題を科学的に解決したいと思い、運動疫学を学びながら研究と実践の橋渡しに挑戦しています。

本記事では、私がこの道を選んだ理由や、試行錯誤の日々、そしてこれからの運動指導の未来について、リアルな視点でお話しします。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 体育学やスポーツ科学分野でのキャリアの可能性と課題

  • キャリアの事前リサーチの重要性

  • キャリアには回り道の選択肢もあるということ

  • ストレスに対する認識の重要性

この記事は誰に向けて書いているか

  • 仕事と学業の両立に悩んでいる方

  • 体育系出身で、キャリアの可能性を模索している方

  • 「続けること」に価値があるのか迷っている方

キャリアシリーズ

  • vol.12:公衆衛生がもたらす理学療法士×ATの可能性 - 学校職員の腰痛に向き合う一人の挑戦

  • vol.17:地域に育てられた保健師 - 行政とアカデミアを往還し導く公衆衛生の答え

  • vol.18:「研究も臨床もやりたい!」若手作業療法士の欲張りキャリア戦略

  • vol.20:語られぬ現場を論文に綴る:”その人らしさ”を支援する精神科作業療法士の使命

  • vol.26:「見えない価値」から「見える価値」へ - 向き合い続ける臨床薬剤師の確かな一歩-

執筆者の紹介

氏名:宮本瑠美
所属:医療法人鉄蕉会亀田総合病院スポーツ医科学センター
自己紹介:体育大学・体育系大学院を修了後、経済的理由で博士課程進学を断念。しかし現場で学び続けたいという思いから、フルタイム勤務と並行し10年かけて博士号を取得。メディカルフィットネス施設での運動療法に携わり、アスレティックトレーナー・健康運動指導士として実践経験を積む。現在は医療・健康分野の「橋渡し役」を模索し、公衆衛生の分野で運動の価値を探求中。MPH取得も視野に入れ、mJOHNSNOWとの出会いで新たな視点を獲得。研究と現場の両立に悩みつつも学び続けることを信条とし、より良い未来へ歩んでいる。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に対する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

今のキャリアについて

私は体育大学と体育系の大学院を修了後、メディカルフィットネスの一つである医療法42条施設で、アスレティックトレーナーと健康運動指導士として働いています。

「医療法42条施設とは?」「アスレティックトレーナーとは?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。まずは、私の職場と職業についてお話しします。

医療法42条施設とは?

医療法42条施設とは、医療法人が病院や診療所の附帯業務として運営する、疾病予防のための運動施設です。医師と連携し、安全で効果的な運動指導を提供することを目的としています。

厚生労働大臣が認定する施設であり、いくつかの施設基準が設けられており、その中には「健康運動指導士を配置すること」が明記されています。

日本各地にはさまざまな42条施設があり、例えば、糖尿病の運動療法や心臓リハビリテーションに特化した施設、整形外科に併設されスポーツ傷害のリハビリテーションを行う施設などが存在します。

私が勤務する亀田スポーツ医科学センターは、千葉県鴨川市にある基幹病院・亀田メディカルセンター内の事業所であり、42条施設として機能しています。スポーツ医学科や糖尿病内分泌内科など34診療科と連携し、疾病予防から発症後の急性期〜維持期まで、シームレスな運動指導を提供しています。

また、その特性上リハビリテーション科と協働することが多くあります。理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのセラピストと連携し外来リハビリと併用した運動指導を行ったり、リハビリ終了後のフォローアップとしての後方支援を担うこともあります。

さらに、治療やリハビリの枠を超えた健康増進やパフォーマンス向上を目的とした運動指導も実施しています。

このように、幅広い取り組みが可能なのは、自費サービスを提供しているからです。

医療保険の適用範囲外の一次予防や二次予防、さらには三次予防の強化ができることが42条施設の大きな強みです。利用者にとっては、運動の専門家から適切な指導を受けられるだけでなく、医療スタッフと連携による、治療と運動が一体化した健康管理が可能になるというメリットがあります。

アスレティックトレーナーと健康運動指導士

アスレティックトレーナーは、スポーツ選手や一般の人々のケガの予防・評価・リハビリを専門とする運動指導者です。スポーツ現場や大学で、医師やコーチ、リハビリスタッフと連携しながら、アスリートや学生のスポーツ傷害の予防、競技特性に応じたリハビリやトレーニング指導を行っています。

日本でアスレティックトレーナーとして認められるには、体育系大学や専門学校で一定のカリキュラムを修了するか、各競技団体の推薦を受ける必要があります。狭き門を通過する必要のある、専門性の高い職業です。

しかし、日本では、運動分野の国家資格がまだ整備されておらず、アスレティックトレーナーは民間資格になります。一方、アメリカでは国家資格として認められ、準医療資格の位置付けです。


健康運動指導士は、運動生理学や医学的基礎知識をもとに、個々の身体やニーズに最適な運動プログラムを作成し、適切な運動指導を行う専門職です。この資格は1988年に厚生大臣認定事業としてスタートし、現在では多くの施設で求められる資格となっています。

一時期、国家資格化に向けた動きがあったようですが、具体的な進展は見られず、資格の位置づけや法的枠組みの整備にはまだ課題が残っています。そのため、有資格者の知識やレベルの標準化、活躍の場や社会的な認知度を向上させることが大きな課題です。

私は個人的に、この資格が国家資格として認められる日を心待ちにしていますが、私が生きている間に実現するかは未知数です。


これらの資格を持つ私は、「トレーナー」という単語でまとめられることに違和感を感じています。トレーナーという資格は存在しないため、誰でも今日から「私はトレーナーです」と名乗ることができてしまいます。

しかし、アスレティックトレーナーと健康運動指導士には、それぞれの専門性とアイデンティティがあります。トレーナーの中にもそれぞれの特性があり、職業として広く認知されるよう努力をしていく必要があると感じています。

疫学に出会うまで
——ハイパフォーマンスからライフパフォーマンスの視点へ

前置きが長くなりましたが、体育大学を卒業し、疫学や公衆衛生の分野に出会うまで、そしてフルタイムで働きながら博士課程を修了(満期退学)するまでの私の道のりをお話しします。


私は中学生の頃から陸上競技に親しみ、運動そのものに強い関心を持っていました。高校時代は怪我に悩まされ、県やブロックレベルでは一定の成果を残せたものの、それ以上のレベルでは思うような結果が出せず、不完全燃焼な気持ちがありました。

このような経験から、「運動についてもっと深く知りたい」という思いがあり、高校卒業後は競技を続けつつ、スポーツ科学を学ぶために千葉県勝浦市にある国際武道大学に進学しました。

国立大学の受験を失敗し、浪人は嫌だと焦っている時、たまたま進路相談室の前にあった「ご自由にお取りください」のパンフレットラックに目が止まり、願書がまだ間に合う!と安易な気持ちで選んだ大学が、今のキャリアへつながる大きな岐路だったのです。

大学時代は自分自身が競技をしていたこともあり、ハイパフォーマンスにばかり興味と憧れがありました。「なんだかかっこいい…」という単純な理由から、トップアスリートやそれを支えるアスレティックトレーナーのような存在に憧れを抱いていました。

公衆衛生の授業を履修した記憶はありますが、正直何を学んだかはまったく覚えていません。ゼミや修士課程では運動の科学的な側面に引かれ、スポーツバイオメカニクスを専攻しました。

これも、色々な機材を使ってアスリートの動作分析をすることがかっこよく、面白そうだという理由からでした。


転機は修士課程2年の時の訪れました。

それまでは、健康増進や生涯スポーツといった分野には関心を持っていなかった私が、地域の中高年を対象にした体操教室に携わる機会に恵まれました。

その時、参加者が笑顔で楽しそうに運動している姿を目の当たりにし、衝撃を受けました。そして、この経験が私の思考や価値観を根本から変えるきっかけになったのです。

それまでは「運動=競技スポーツ=苦しみながら頑張るもの」という固定観念に囚われていた私は、その光景を見て初めて運動が「楽しむもの」「笑顔になるもの」であることに気づかされたのです。

この経験を通じて、「生涯スポーツ」や「健康づくりのための運動処方」の重要性を理解し、現在の「ライフパフォーマンス」という考え方へとつながりました。

運動が生活の中で果たす役割の大きさ、そしてその力によって人々が健康を享受できることを深く実感したのです。

この気づきが進むべき方向を示す指針となり、健康増進分野への挑戦を決意しました。これが私のキャリアの原点となり、今後の道を築く上で欠かせない礎となっています。

疫学に出会うまで
——修士課程修了後の葛藤と現職

修士課程修了後は博士課程への進学を考えていましたが、金銭的な事情や実務経験の不足からクリニカルクエスチョンが足りないと判断し、一度断念しました。

そんな中で出会ったのが「メディカルフィットネス」という概念でした。そして、大学の先生の紹介などのご縁があり亀田スポーツ医科学センターに入職しました。

この施設では、アスレティックトレーナーや健康運動指導士として運動指導に携わり、医師や看護師、理学療法士と連携しながら、生活習慣病の運動療法や整形外科疾患のケアに携わりました。

この施設の最大の魅力は「多様性」です。

小学生から90代の高齢者、趣味で運動を楽しむ方から実業団選手やオリンピアンまで、それぞれ異なる目的を持ちながら同じ空間で運動する姿を目の当たりにしました。

特に、患者や利用者が一緒に運動し、笑顔で励まし合う光景には深く感動し、改めて運動の持つ力を実感しました。

医療法42条施設での経験を通じて、私は「現場と研究をつなぐ橋渡し役」としての役割を意識するようになりました。そして、2013年に早稲田大学大学院の博士課程に進学し、運動疫学やエビデンスに基づいた運動療法の研究をスタートしました。

エビデンスの重要性を理解しながら、それをどう現場に活かすか。まさにここに私の挑戦がありました。


研究と実践のバランスを取ることは、単なる理論ではなく「アート」でもあると感じています。現場の声を研究に活かし、研究成果を現場に還元する——この往復運動こそが、私が目指す道でした。

特に大きな転機となったのが人間ドックと連携した「運動器健診」の立ち上げです。

初めのうちは、月に100人近くの測定をこなす日々が続きました。数年が経ち、気づけば数千件のデータが集まり、「さて、どう料理しよう?」と思ったのも束の間、統計の壁にぶつかりました。

t検定? p値?くらいしか分からず、それですらアレルギー反応を起こしそうなレベルでした。

しかし、データの背後にある「意味」を知りたいという気持ちが、私を疫学の世界へと導きました。

なぜそのキャリアを選んだのか

運動疫学の道に導かれて

運動疫学を学ぶきっかけは、前述の運動器健診を立ち上げる機会に恵まれ、数千件のデータが身近にあったことでした。そのデータを用いて臨床研究を行い、臨床疑問を明らかにしたいと考えましたが、方法論が分からず、学びに対する強い欲求が芽生えました。

現場で目の前の一人一人に向き合い、少数の患者や選手にアプローチする職人のような仕事も大好きでしたが、ポピュレーションアプローチの重要性を知り、運動疫学の可能性に強く惹かれたのです。

また、その後、体力医学会で澤田亨先生(現早稲田大学教授)の運動疫学に関するシンポジウムにたまたま聴講し、その内容と熱量に非常に感動し、運動疫学に引き込まれたことが決定的なきっかけでした。


しかし、フルタイムで働きながらの博士課程進学は想像以上に大変でした。片道4時間弱の通学という状況では、研究室の動きや先生との距離感を感じ、学びきれない部分が多かったと感じています。

当時はコロナ禍前でオンライン学習が普及していない頃でした。この距離感が学びの障害となり、思うように研究に没頭できなかったことが、ネガティブな側面としてあります。

さらに、同時期に職場の人員減少による長時間労働、親しい人の余命宣告からの早すぎる死——そうした出来事が重なり、一時は学びへの意欲を失い2~3年足が遠のいてしまいました。

それでも、見放さなかった研究室の教授や手を差し伸べてくれた先生方のおかげでなんとか踏みとどまり、博士号を取得することができました。

10年かけて博士号を取得し、30代後半でようやくスタートラインに立ったことに情けなさを感じることもありました。

しかし、途中で「冬眠状態」に陥り、思うように進めなかった自分の甘さや葛藤を受け入れたことで、最後までやり遂げることができました。その経験こそが、私にとって最大の財産となりました。

そして、振り返ってみると、学びの頻度やかける時間の積み重ねがいかに重要であったかを実感しています。学び続けること、少しずつでも前進することが、最終的に道を切り拓く鍵となるのだと改めて感じました。私はここが猛烈に甘かったのです。

とはいえ、よほど自己管理が得意な人でない限り、学びを続けるには環境づくりがとても大切だと実感しています。学ぶための時間をどう確保するか、そして日常生活や仕事とどうバランスを取るかをきちんと計画することが、長く続けるためのカギになります。


自分のペースを理解し、必要なサポートを受けながら取り組むことが、学びを継続するうえでとても重要だと感じています。

体育系の行く末を案じて

体育学の分野におけるキャリア形成には、様々な不安があります。

体育学やスポーツ科学、運動生理学を学んでも、研究者として残れるのはごく一部。現場で活躍するアスレティックトレーナーの門戸も限られ、素晴らしい仕事をしているにも関わらず、雇用の安定性が低い職人の世界でもあります。

私自身、健康運動指導士の学生インターンを受け入れる中で、たくさんの意欲のある学生が、この職業の先行きの不安定さを理由に別の職業を選ぶケースを多く見てきました。

また、医療分野とのオーバーラップがあるため、今後は医療資格がないとできなくなるのではないかという不安も抱えています。

私自身、その不安を感じながらも、運動疫学を学ぶことで、少しでも体育学の発展に貢献したいという想いを持ち続けています。

今後、体育学は医療(医師・看護師・リハビリ専門職など)やビジネスなどの他分野と連携を強め、より広いフィールドで活用されることが求められると考えています。

体育学が単に身体活動を研究する学問に留まらず、体育学の発展や人々の健康に身体活動を通じて貢献することが、今後の大きな目標です。

しかし、現場と学問を橋渡しする役割を担う人材はまだ少なく、そのギャップを埋めることが現在の課題です。私自身、その役割を果たすために努力し、現場で得た知見を学問に還元し、逆に学問で得た成果を現場に活かす力を身に着けていきたいと考えています。

これからの展望
——現場と研究の狭間で「橋渡し役」として生きる

運動指導において、エビデンスを活用することは重要ですが、それを現場でどう実践するかは「アート」の領域です。研究者としてテーマを深く追求することも魅力的ですが、現場での経験や課題を研究に活かし、その成果を実践に結びつける役割が求められます。

博士課程修了には10年かかりましたが、その過程で学んだのは「やめないこと」の大切さでした。どんなに停滞しても、また動き出せばいい。論文が書けずに悩んだ時期もありましたが、同僚や家族、先生方の支えが、再び前へ進む力を与えてくれました。

体育学の未来を見据え、医療・福祉・ビジネスとの連携を模索しながら、より多くの人に役立つ知識を届けていきたいと考えています。現在は、研究と現場をつなぐ「橋渡し役」として、人々の健康を支える方法を探り続けています。

研究者としてはまだ半人前(1/4人前?)ですが、「運動を通じて人々の健康に貢献する」というシンプルな信念のもと、研究と実践を行き来しながら、新たな価値を生み出せるようになりたいと思っています。

将来的にはMPHや海外での学びにも関心がありますが、まずはmJOHNSNOWという場を活かし、現場で得た経験を研究に反映し、学問の知見を現場に還元する方法を探り続けていきます。

現場と学問をつなぐ「架け橋」として、体育学と他分野の融合を推進し、人々の健康に貢献することが私の使命です。

そのキャリアを目指す人へのメッセージ

一歩を踏み出し、続けることの大切さ

大学院進学と仕事・家庭の両立において、最も大切なのは「一歩を踏み出すこと」、そして「とにかく続けること」です。これは、私がこの10年間で学び取った最も重要な教訓です。

どんな壁があっても、たとえ立ち止まることがあっても、前に進み続けることが大切だと実感しています。

大学院時代、恩師から

はったりでもいいから、まずは回してみること。でも、回し始めたらはったりにならないように努力しなければならない。

と教わりました。この言葉は今でも私の支えとなっています。最初は勢いでもいい、まず動き始めることが大事です。


加えて、ある時出会った言葉にも強く影響を受けました。

「泳ぎ方をプールの上から考えるのではなく、まず水に入ること。」

この言葉の通り、考えすぎずに飛び込む勇気がときには最も大切です。もちろん、リサーチや準備は必要ですが、「行動することでしか得られない経験がある」そう実感しています。

やめる勇気

一方で、私に欠けていたのは「何をやらないかを決めること」と「捨てる勇気」でもありました。一見、続けることと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、やめる勇気を持つことが必要だと感じる瞬間もありました。

これまで続けてきたことに対して、「ここまでやったのだから、今さら退くのはもったいない…」と過去にとらわれるのではなく、未来の時間を無駄にしないために、時には「やめる」という選択も重要でした。

「やめること」は決して諦めではなく、新たな挑戦への第一歩です。

竹のように、しなやかに生きる

「続けること」と「やめること」どちらが正解かではなく、私は竹のようにしなやかであることが大事だと感じています。何かを捨てることで、新しく得られるものがある。今はその柔軟さこそが、これからの自分に必要な力だと実感しています。

この道の先がどんな挑戦に繋がるのかは、まだ模索中です。どんどん変わっていくかもしれません。時には壁にぶつかり、隣の芝生が青く見えることもあるかもしれません。それでも、「一歩踏み出すこと」の勇気だけは忘れずにいたいと思っています。


最後に、大学時代の恩師がすすめてくれた本の一節、いつも行き詰まったときに私の道しるべになった言葉をシェアしたいと思います。

"Brick walls are there for a reason. The brick walls are not there to keep us out. The brick walls are there to show how badly we want something. Because the brick walls are there to stop the people who don’t want something badly enough. They are there to keep out the other people."

「レンガの壁がそこにあるのには理由がある。その壁は、私たちを締め出すためにそこにあるのではない。壁は、私たちがどれだけ何かを本当に欲しているかを示すためにある。なぜなら、壁は何かをそれほど欲しがっていない人たちを止めるためにあるから。壁は『他の人たち』を締め出すためにある。」

— ランディ・パウシュ著『最後の授業』

この言葉が私には何度も力を与えてくれました。

どんな困難な状況でも、この壁を越えた先に本当に望んでいるものが待っている。


そしてその壁は自分の情熱や意志の強さを試すものだと信じています。

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