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【医療職の非臨床キャリア戦略論】院外キャリアへの第一歩 - 今日からできる具体的アクションを徹底解説 - vol.5

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【医療職の非臨床キャリア戦略論】院外キャリアへの第一歩 - 今日からできる具体的アクションを徹底解説 - vol.5

2025.09.30

最近、SNS上で、同じ医療専門職なのに自分が想像もしていないような職業に就いていたり、毎日のように論文採択や学会発表の投稿が流れてきて、思わず色々な感情が湧き上がる——そんな瞬間はありませんか。

「自分も色々な資格をとって大学院に進学して、同じ土俵に立ちたい」
「自分は今後のキャリアアップや待遇改善の見通しが立たない」

そう感じることは、決してあなただけではありません

本連載では、20代で50本以上の海外学術論文を執筆し、複数の学会賞を受賞しながらもそのキャリアを手放し、現在はビジネス領域で専門的な知見を存分に発揮している唯一無二な理学療法士である私が筆を執り、医療専門職が多様なキャリアでサバイブするための考え方を計5回に渡って示していきます。

医療職の非臨床キャリア戦略論:戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術 

vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?
vol.4:病院外キャリアはRPG!?集める・育てる・覚えるで、あなたのキャリアを攻略せよ
vol.5:院外キャリアへの第一歩 - 今日からできる具体的アクションを徹底解説(本記事)

最終回となる第5回では、これまでの連載を振り返りつつ、中長期的な視点でキャリアに向き合うための心構えや具体的なアクション例を紹介し、この連載を締めくくりたいと思います。

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(覚悟を持って、笑顔になれるキャリアを追いかけよう!!)

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 医療専門職が異業種キャリアに挑む時に欠かせない視点が理解できる

  • 今日から動き出せる実践的なアクションのヒントを手に入れられる

  • 自分の経験を強みに変え、笑顔で働くためのキャリア戦略を学ぶことができる

この記事は誰に向けて書いているか

  • 医療機関での業務自体は嫌いではないが、「このまま定年まで?」という漠然とした不安がある医療専門職の方

  • 異業種に関心はあるが、「資格を活かさずに働くことへの罪悪感」がある医療専門職の方

  • SNSでキラキラしているように見えるキャリアに何らかの違和感を感じている医療専門職の方

医療職の非臨床キャリア戦略論シリーズ

  • MPHホルダーのキャリアコンサルが“理論で導く自己理解”
     vol.1:「このままでいいのか」と悩むあなたへ

  • 戦略コンサルタントが教える医療職の院外キャリアサバイブ術
     vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
     vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
     vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?
     vol.4:病院外キャリアはRPG!?集める・育てる・覚えるで、あなたのキャリアを攻略せよ
     vol.5:院外キャリアへの第一歩 - 今日からできる具体的アクションを徹底解説(本記事)

執筆者の紹介

氏名:匿名
所属:戦略コンサルティング・シンクタンク会社 マネージャー
自己紹介:博士(人間健康科学)。理学療法士免許を取得後、京都大学大学院で日本学術振興会特別研究員として大学院在籍5年間で50編以上(主著10編以上)の学術論文を執筆し、博士号を取得。その後、医療系大学助教、大手IT企業等を経て現職。 現職では、生活者の健康行動変容に係る事業化支援やマーケティング戦略立案・実証、健康まちづくりやデジタルヘルスの官民共創や社会実装支援等に従事。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

本連載の振り返り

異業種キャリア戦略を解説するに際して、初回の記事でも触れましたが、本連載は「これさえ押さえておけば必ずうまくいく」といった“虎の巻”的なものを想定していません。

むしろ、人それぞれの人生で培ってきた経験や、資格・学位といった枠にとらわれず、自分のキャリアと向き合ううえで大切な考え方を言語化することを目的としてきました。要するに、キャリアは「自分次第」であるという点を伝えたかったのです。

そうした意味で、既存のインターネット記事などではほとんど見られないような、時に胸に刺さるほどリアルで、自分自身を振り返るきっかけとなる情報をお届けできたのではないかと考えています。


最終回となる今回は、これまでの記事を少しだけ振り返ってみたいと思います。

第1回:医療専門職にとっての異業種キャリアの誤解

連載初回では、医療専門職に限らず、誰もが「何を求めて働くのか」を考える必要がある時代に突入していること、キャリアにおける医療専門職特有の想いや悩みが存在すること、自分次第でそうした悩みを解決できるキャリアの選択肢が無数にあること、そしてキャリアデザインに関してよくある誤解について、総論的に触れました。

Keywords
・医療専門職における「静かな退職」
・「自分が笑顔で働くことができる」のであれば、すべて正解のキャリア
・キャリアチェンジは医療専門職だけではなく世間一般のトレンド(異業種転職は、”当たり前の選択肢”)

▼第1回記事はこちら
キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ

第2回:異業種キャリアのリアル

第2回では、医療専門職でも「なんとなく耳にしたことがある」異業種キャリアについて、あえてSNSや知人との会話ではあまり語られない側面にスポットライトを当てました。

そのうえで、「あなたは何を求めて働きたいですか?」という問いに応えるための異業種キャリアの選択肢を紹介しました。

Keywords
・「研究・教育機関」「行政・公的機関」「民間企業」「その他(フリーランス、起業など)」、無数にある異業種キャリアの選択肢
・どのキャリアにも実在する、SNSでは見えてこない「光」と「影」
・「あなたは、何を求めて働きたいですか?」によって決まる、異業種キャリアの選択肢

▼第2回記事はこちら
SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す

第3回:異業種キャリア検討時に持つべきマインドセット

第3回では、異業種キャリアでサバイブする(=笑顔で働くことができる)ために欠かせない三つの「覚悟」として、「①最適化する覚悟(Adjusting)」「②手放す覚悟(Detaching)」「③イチから吸収する覚悟(Unlearning)」を紹介しました。

なかでも「アンラーン(Unlearn)」が、これらの「覚悟」を支えるコアとなる要素であることを解説しました。

Keywords
・異業種キャリアで生き抜くための「覚悟」
・学部レベルの資格や学位に固執せず、「できる」を武器にする非医療職高学歴層の存在
・アンラーンとは、自らの専門性や経験を次のステージで活かすための「棚卸しと再構築」

▼第3回記事はこちら
医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?

第4回:ポケモンで例える、異業種キャリア論

第4回では、異業種キャリアにおける「サバイブ」を、単に笑顔で働くことができるに留めず「パフォーマンスを発揮できる」「自信を持って自分の職業を名乗れる」レベルと定義したうえで、その考え方を示すために、「キャリアという名のRPG」の主人公をイメージし、ポケットモンスター(ポケモン)を例に取りながら、「集める」「育てる」「わざを覚える」といった視点を意識することで、自分自身のキャリア戦略を描くヒントを解説しました。

さらに、ポケモンと同じように「異業種キャリアの楽しみ方も千差万別である」という点についても触れました。

Keywords
・誰が見ても「刺さる」資格や学位の取得(①集める(パーティー編成):資格・学位の取得)
・皆が平等に与えられた「24時間365日」における資格や学位の「成熟」戦略(②育てる(レベル上げ):資格や学位の成熟度)
・最後の決め手は、これまでの医療系の資格や学位とは異なるポータブルなスキルセット(③わざを覚える(わざマシン):幅広い分野のスキルセット)

▼第4回記事はこちら
病院外キャリアはRPG!?集める・育てる・覚えるで、あなたのキャリアを攻略せよ

(後半に続く)

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異業種キャリアに向けてのアクション例

前半の振り返り(詳細は第1回~第4回の記事を参照)では、異業種キャリアを検討するうえでの様々なヒントを提示してきました。

後半では、「重要なことは分かった気がするけれど、今まさに何から始めればよいのか」という方々に向けて、少しでも具体的な行動の手がかりを示し、この連載を締めくくりたいと思います。

なお、より包括的かつ体系的なアクションについては、キャリアコンサルタントなどが発信している書籍やコラムを参照していただくことで、さらに理解が深まるはずです。

①具体的にどのような仕事があるのかを知りたい

第2回記事の前半では、無数にある異業種キャリアの選択肢について触れましたが、実際のアクションとしては、SNSなどの断片的な情報に頼るのではなく「公式の情報源」に触れることが大切です。

例えば、転職サイトの求人票や企業が主催する説明会やセミナーなどは、その業界がどのような人材を求めているのかを体系的に知る手がかりになります。さらに、転職エージェントとの面談を通じて、自分の経験がどの業界に転用可能かを直接確認することも有効です。

よく誤解をされる方も多いのですが、ほとんどの転職エージェントは無料で利用できます。そして一般的には、複数社の転職エージェントに登録・面談し、多面的に情報を集めるのが通常のスタイルです。


情報収集を「自分なりの調べ方」で終わらせず、客観的で網羅的な情報源にアクセスすることで、初めて「世の中にはこんな仕事があるのか」という地図を描けるようになります。その地図を持つことこそが、キャリア選択の第一歩となります。

そして、情報を収集したうえで第2回記事を改めて読み返していただくと、各業種の「光」と「影」への理解がより一層深まるはずです。

▼第2回記事はこちら
SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す

②人生において、何を優先したいか可視化してみたい

第2回の後半と第3回では、「あなたは何を求めて働きたいですか?」という問いと、そのために必要な「覚悟」について触れました。

まずは「自分が求める働き方の優先順位を言語化」してみてはいかがでしょうか。

具体的には、紙に「収入の安定」「専門職志向」「勤務形態の柔軟性」「家族との時間」「社会的貢献」などの要素を書き並べ、順位をつけてみる。必ずしも誰かに見せる必要はありません。

今の自分にとって何を一番大切にしたいのかを可視化すると、見える景色が変わってくるはずです。優先順位が明確になれば、自ずと行動は変わります。

収入を最重視するなら、大手企業でのキャリアが第一候補になるでしょう。これまでの経験に近い領域で専門性を深めたいなら、研究に軸足を置ける大学院進学や研究機関への挑戦が視野に入ります。

家庭やライフスタイル、患者・利用者の生活に関わる「やりがい」を優先するなら、勤務形態や働き方の柔軟性(研究機関や企業に限らず、訪問看護やクリニックなど医療機関内のキャリアを含む)が軸になるでしょう。

大切なのは、周囲やSNSの基準ではなく、自分自身の価値観に基づいて、覚悟を持って意思決定することです。

第2回・第3回の記事もご覧いただきながら、時間をかけて素直に自分と向き合ってみましょう。

▼第2回記事はこちら
SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
▼第3回記事はこちら
医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?

③自分の経験やスキルを強みとして、職務経歴書に言語化したい

多くの求人票には「修士号以上」「●●経験が必須」「●●相当のスキルが望ましい」といった要件が並んでおり、それを見て尻込みしてしまうのは自然なことだと思います。

しかし、企業が実際に重視しているのは、学位や肩書きといった表面的な要素だけではありません

例えば、患者や利用者に病状や治療内容をわかりやすく説明する日常業務は「情報を整理して伝えるスキル」に置き換えられますし、顧客への営業スキルや程度次第では「情報を構造化する思考力」として捉えることもできます。

急変時の安定した対応経験は「リスクマネジメント能力」のポテンシャルとして評価できますし、トリアージのような「優先順位をつける」という観点からは「戦略思考」にも直結します。

こうした日常業務の経験は立派な“強み”ですが、あまりに当たり前すぎて気づきにくいものです。そんな時には「経験をエピソードに変換する作業」が有効です。

例えば――

「患者が病状や治療効果に不安を抱いていたので、絵や図表を交えた説明資料を自作したところ、前向きにリハビリに取り組めるようになり、早期退院につながった」
「緊急時の意思決定を円滑に行うため、他職種と情報共有できる業務フローを改善し、多くの患者の生命を救うことができた」

といった具体的な場面を一つずつ書き出してみましょう。これを繰り返すことで、企業に伝えられる「自分の強み」として職務経歴書に言語化できるようになります。

資格ではなく具体的なエピソードから自分の強みを掘り起こすことができれば、第4回で触れたように、自分の“手持ちポケモン”のレベルは、きっと見違えるほど高く映るはずです。

▼第4回記事はこちら
病院外キャリアはRPG!?集める・育てる・覚えるで、あなたのキャリアを攻略せよ

④異業種キャリアで通用するか見極めたい

自分の経験が企業にどう映るのかを、自分一人で判断するのはなかなか難しいものです。

だからこそ、第三者の目線を取り入れることが重要です。外の視点を取り入れてみると、「このスキルは、異業種ではこう評価されるのか」「意外にも、この経験が幅広い場面で活かせるのか」と、エピソードを深掘してより強化するポイントに気づくことができます。

こうした気づきの積み重ねで、自分の経験が“異業種キャリアでも通用する強み”として形になっていくことでしょう。


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「戦略」とは優先順位付け、取捨選択である

特にコンサルティング業界に身を置くと徹底的に意識させられるのですが、「戦略」とは「限られた資源を何に選択・集中(=優先)し、何を切り捨てるかを決めること」と定義されることが多いです。

つまり、戦略の核心は「やらないことを決める」点にあり、単に「やることを棚卸しして整理する」こととは異なります

自分の心持ちや努力次第で変えられること(=動かせる変数)に集中することこそが、異業種キャリア戦略の神髄です。サバイブする(=笑顔で働くことができる)ためには、努力すべきことと、グッとこらえて目を瞑るべきことを明確にし、取捨選択する「覚悟」を持つことが重要です。

逆に言えば、自分の努力だけでは変えることが難しいこと(=動かせない定数)に期待してはいけない、ということでもあります。

例えば、業界全体の制度改定や賃上げ、報酬改定に伴うベースアップなどです。

こうした事柄は、職能団体や政治家が5〜10年かけて僅かな可能性にかけてルールチェンジへの挑戦を試みる領域であり、個人レベルで過度に期待・依存するのは得策ではありません。

なぜなら、自分の努力がルールチェンジに貢献できる割合はごく僅かだからです。適切な人が適切な場面・タイミングで実行することでしか動かすことができない、Uncontrollableな領域(=動かせない変数)なのだと理解する必要があります。


では、ルールチェンジが起こるまで、あなたはそれを黙ってじっと待っていますか?

むしろ、今決められているルールの中で「自分が変えられること」や「周囲の助けを借りながら変えられること」の最大公約数を見つけること――それこそがキャリアオーナーシップを持つということではないでしょうか。

SNSの功罪

この連載でも繰り返し触れてきましたが、SNSで目にするキャリアに関する情報に、必要以上に振り回されないことが大切です。

SNSはもともと「人とつながる」「気軽にコミュニケーションする」ためのプラットフォームでした。テキスト・画像・動画を通じて「自分はこんな人です」と表現でき、さらに、いいねやコメント、フォロワー数といった反応が励みになったり、個人としても仕事としても共感や注目を得られる
――などといった「功」の部分がSNSの本質だと思います。


一方で、「学会やセミナーの準備をしています」「論文がアクセプトされました」「異業種に転職して収入も上がりました」といった投稿は、人によってはうまく共感できず、ただのノイズに感じられることがあります。特に、自分の現状に満足していない時には、かえって不安を強めてしまうこともある
――などといったSNSの「罪」の部分が課題視されることも少なくありません。

とはいえ、投稿している人も悪気があるわけではありません。だからこそ、SNSは「自分の力では変えにくいもの(=動かせない定数)」と割り切る気持ちが大切です。

・人それぞれに正義や人生がある。
・キラキラして見える人も、きっと裏では悩みや苦しみを抱えている。
・誰だって、時には少し背伸びをしてしまうもの。

そう考えるだけで、少し気持ちが軽くなります。大事なのは、他人と比べることではなく、自分が変えられること(=動かせる変数)に集中すること。そこにこそ、キャリアを前に進めるヒントがあります。

おわりに

本連載もいよいよ最終回です。

半年間にわたりご愛読いただき、本当にありがとうございました。いかがでしたでしょうか。医療業界に向かい風が吹く今、自分自身がサバイブする(=笑顔で働くことができる)ために、先人たちの知恵も借りながら、私なりのコンパスをお示ししてきました。

  • 共感いただけた部分

  • 共感したいけれど、直視するのが少しつらい部分

  • どうしても共感できなかった部分

もあったと思いますが、これまでインターネット上にはほとんど存在しなかった内容に光を当て、できる限り多くの情報をお届けしてきたつもりです。

もちろん、私自身がここに書いたことすべてを実践してきたわけではありません。というより、すべてを実践できている人は、おそらく存在しないでしょう。

キャリアを振り返った結果をお伝えしている点について、「生存者バイアス」と受け止める人もいるかもしれません。しかし、それを「生存者バイアス」とみなすのか、それとも「先進事例」とみなすのかで、その後のキャリアへの向き合い方は大きく変わるはずです。

一つの「先進事例」は、ただの“生存者”にすぎません。ですが、数多く集まることで、帰納法的に「(再現性の高い)成功パターンや実践知」を導くことができます(ポケモンでいえば“進化”ですね)。これを論証的な思考法では「Induction(インダクション)」と呼びます。

本連載に限らず、どうかオープンマインドで“良質な”キャリア事例を拾い集め、良いとこ取りをしてみてください。それこそが「あなた」だけのキャリアサバイブ戦略になるのだと思います。覚悟を持って試行錯誤している人には、きっと多くの仲間が応援してくれるはずです。

※繰り返しになりますが、SNS上には“良質”でない、見かけだけのキラキラキャリアも多いのでご注意ください。


改めて、この半年間ご覧いただき、本当にありがとうございました。

最後に、毎回の連載でお伝えしてきたこの言葉で締めくくります。
この連載をご覧いただいたすべての医療専門職が、自分自身のキャリアでサバイブできる(=笑顔で働くことができる)ことを、心から願っています。

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     vol.1:「このままでいいのか」と悩むあなたへ

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     vol.1:キャリアは「資格」ではなく「意志」で選べ
     vol.2:SNSでは見えない院外キャリアの光と影を映す
     vol.3:医療職の病院外キャリアに不可欠な「三つのマインドセット」とは?
     vol.4:病院外キャリアはRPG!?集める・育てる・覚えるで、あなたのキャリアを攻略せよ
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