
キャリア
【キャリア解説】医療データサイエンティスト:データの向こう側に人を視る- vol.22
2025.06.04
新型コロナウイルスが猛威を振った当時、「自分もいつ死ぬかわからない」という恐怖が一気に押し寄せ精神的に大きなショックを受けました。
そして漠然と病気に対する恐怖を抱き続けるのではなく、
自分がその問題の解決に向けてできることを考えようと決意しました。
その為に自分に何ができるのかを考え、"データサイエンティストとして医療課題にアプローチしたい"と思うようになりました。
エンジニアとしてのバックグラウンドを生かし、非医療職の私がヘルスケア部門のデータサイエンティストとなるまでのプロセスやデータサイエンティストとしての業務を紹介いたします。
今後ますます重要になっていく融合分野であるデータサイエンス×ヘルスケアが
「すべての病気を予防する未来を作りたい」
という私の強い想いを実現できると考えています。
非医療職ではあるがヘルスケアとして社会に貢献したいと考える方、企業を目指す医療職の方、新たな業種に挑戦してみたい方に必見の記事です。
mMEDICI Library | ひらけ、叡智の扉
叡智の扉を、全ての人が開けるように——。
学びは、限られた豊かな人々だけの特権ではありません。
経済的困難に直面する人、地方で学習資源に恵まれない人、家事や育児・仕事に追われる人。
mMEDICI Libraryではそんな人々にこそ、最高の学びを届けるため、研究・キャリア・学習・受験のあらゆるテーマでパブリックヘルスの叡智を集めました。
隙間時間にスマホひとつで、誰もが「一流の知」に触れることを叶えていきます。
「ここを開けば、誰しもが悩みを解決できる」、そんなメディアを目指します。
- mMEDICI Library | ひらけ、叡智の扉
- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- キャリアシリーズ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- 今のキャリアについて
- 業務内容とその背景
- 情熱を感じる瞬間
- なぜそのキャリアを選んだのか
- キャリア選択の背景と期待
- ポジティブな面とネガティブな側面
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- そのキャリアにたどり着くために努力したこと
- 初期の挑戦と転機
- 学びと実践のプロセス
- そのキャリアを目指す人へのメッセージ
- 助言と未来への展望
- 具体的な勉強法
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- 【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
・ヘルスケアとデータ分析の学び始め方
・職種を移動する際の方法や意識すること
・データサイエンティストの業務
この記事は誰に向けて書いているか
・ヘルスケアで世界を変えたいと思っている方
・異なる世界に飛び込んで挑戦しようか迷っている方
・データがどのように世界を変えていくか興味がある方
キャリアシリーズ
vol.1:製薬企業で実践するパブリックヘルス - 疫学とエビデンスジェネレーションについて
vol.6:理学療法士が遂げた実績ゼロからのキャリアチェンジ - 企業で働く疫学専門家のリアルを語る
vol.11:専門性の獲得に遅すぎることはない - 二足の草鞋で極める生物統計家のキャリアパス
vol.16:獣医学と臨床疫学の融合 - データサイエンスの力で動物を救う獣医師のキャリア
vol.19:40代療法士が病院にデータ分析室を作るまで - 個人特性を活かしたキャリア転換
執筆者の紹介
氏名:Y
所属:ヘルスケア系会社
自己紹介:データサイエンティスト
大学を休学してスタートアップ創出するプログラムに2年間通い、起業準備しつつプロダクト開発・運営を行う。その後新卒として現職の会社にエンジニアとして入社。内定期間中の自身の精神的な不調からヘルスケアを通じて自分と同じ悩みを世界から無くしたいと思い、データサイエンティストとしてデータを通じて人が健康になれる未来を作るために邁進。
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に対する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
今のキャリアについて
業務内容とその背景
私は現在、データサイエンティストとして、主にレセプトデータを活用した分析業務に従事しています。ここで述べる内容はあくまで個人の意見であり、所属企業の立場や公式見解を代表するものではありません。
レセプトデータとは、医療機関が診療報酬を請求する際に作成する明細書のことであり、診断名、診療行為や処方された薬剤等の情報が記録されています。
私の業務は大きく分けて二つあります。
一つ目は、製薬会社向けの匿名加工情報(レセプトデータ等)を用いたデータ分析です。
匿名加工情報:特定の個人を識別することができないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報であり、当該個人情報を復元することができないようにしたもの製薬会社はペイシェントジャーニーの把握において、対象とする患者さんがどのくらいの人数存在するのか、医療機関での処方実態や患者さんの動向を正確に把握する必要があります。
ペイシェントジャーニー:患者さんが病気を認知し、医療機関で診断・治療を進める際の一連のプロセスそのためレセプトデータ等を分析することで、特定の疾患における治療パターンの変化や同種同効薬との使用実態の推移などを可視化し、データに基づいた意思決定を支援しています。
例えば特定の薬剤の処方率がどのように推移しているかや、患者さんへの処方継続率はどの程度か、他の薬剤との併用状況はどうなっているかといった点を分析し患者さんの医療アクセスの改善にかかる製薬会社の意思決定に役立つインサイトを提供しています。
二つ目の業務は、新たな分析を行う際の検証です。
私の所属する企業では、匿名加工情報(レセプトデータ等)を活用したサービスを提供しており、新たな分析を行う際にデータや分析に使用するコードの検証を行っています。
データ分析を行う際には単に得られた数値やグラフをそのまま受け入れるのではなく、多方面から慎重に検討することが求められます。
例えば、レセプトデータには医療機関ごとの記録方法の違いや診療報酬制度の影響などが反映されるため、データの解釈には臨床的な知識や制度理解が不可欠です。
そのため、データの背後にある医療制度や診療実態を把握し統計的な観点だけでなく、医療従事者や患者の視点も踏まえて分析結果を検証することが重要です。
また、レセプトデータ単独では把握しきれない情報については、総務省や厚生労働省が公表している統計データや学術論文等の知見を活用し、より総合的な判断を行うよう努めています。
このようにデータ分析を通じて医療アクセスの改善に資する意思決定を支援することが私の主な業務ですが、単なるデータの処理にとどまらずより実践的で有益なインサイトを提供することを目指しています。
今後もデータの質を高めるための前処理技術の向上や、より高度な分析手法の導入を進めながら、健康・医療分野におけるデータ活用の可能性を広げていきたいと考えています。
情熱を感じる瞬間
私は自分の行った業務が人の健康に寄与していると実感できた時に大きな情熱を感じます。
日々の業務の中ではデータの検証や分析のためのSQLの作成、レセプトデータ等のクレンジングや前処理、統計的な解析や機械学習モデルの調整など非常に時間と体力を要する作業が数多くあります。
特にデータ処理に関する業務は細かい作業の積み重ねが求められるため一見すると単調で地道な仕事のように思われることもあります。
しかしそれらの作業が積み重なった結果としてより正確で信頼性の高い分析が可能になり、その成果が実際にお客様の手元に届いたとき大きな達成感とやりがいを感じます。
例えば、私が作成したSQLやデータ分析のロジックが組み込まれた製品を、お客様である製薬会社の担当者や医療機関の関係者が実際に使用していることを知ると、それが単なる数値やコードの羅列ではなくリアルな保健事業や医療現場で活用されているのだと実感できます。
そしてそのデータが医薬品の適正使用の推進や、患者さんの治療方針の改善に役立っているとわかったとき、私の仕事が単なるデータ分析を超えて社会全体の健康増進に貢献しているのだと強く感じます。
このような瞬間が私にとって大きなモチベーションとなり、次により良いものを作ろうという意欲をかき立てます。
またヘルスケア分野におけるデータ分析は、社会的な意義も大きいと考えています。
例えば、ある疾患に対する治療の傾向を分析することで医療資源の適切な配分をサポートできる可能性があります。
あるいは特定の薬剤がどのような患者層に使われているのかを分析し、その適正使用を促進することで副作用のリスクを減らし、より安全な医療提供につなげることもできます。
このような分析が結果として日本全体の健康寿命の延伸や医療費の適正化に貢献するのだと考えると、データサイエンティストとしての責任と誇りを感じます。
もちろんデータを扱う仕事には困難もあります。
レセプトデータは非常に膨大であり、ノイズや不整合が含まれることも少なくありません。
そのため単に分析を行うだけでなく、データのクレンジングや前処理を適切に行い、現実に近い結果を導き出せるようにすることが重要です。
特に医療データは患者さんの命や健康に直結するため、誤った解釈を防ぐための慎重な検証が不可欠です。
また、SQLの作成やデータの処理自体は技術的なスキルが求められる部分ですが、それだけではなく医療業界の知識や臨床的な視点も必要になります。
データの裏にある医療現場の実態を理解し、それを踏まえた分析ができるようにすることが、より価値のあるデータ活用につながるからです。
そのため私は単にSQLを書くだけではなく医療関連の知識も積極的に学び、医療従事者の視点を取り入れながらより実践的なデータ分析を目指しています。
こうした努力を重ねる中で自分の仕事がヘルスケア全体の発展につながっていると感じることができると、次のステップに進むための大きなモチベーションになります。
なぜそのキャリアを選んだのか
キャリア選択の背景と期待
私がこのキャリアを選んだ背景には「すべての病気を予防する未来を実現したい」という強い想いがあります。
この想いを抱くようになったきっかけは、私が就職活動を終え内定をいただいていた時期に起こりました。
当時、新型コロナウイルスが猛威を振るっておりテレビやインターネットのニュースでは毎日のように感染者や死亡者の数が報じられていました。
特に衝撃を受けたのは、自分と同年代の方が亡くなったというニュースを目にした瞬間です。
それまでは病気で亡くなるということはある程度年齢を重ねた方に多いという漠然とした認識を持っていました。しかし、そのニュースを見たとき、「自分もいつ死ぬかわからない」という恐怖が一気に押し寄せ精神的に大きなショックを受けました。
それ以降、夜になると不安が募り眠ろうとしても考えが止まらずついには睡眠薬を服用しなければ眠れないほどの状態になりました。
このままではいけない何か行動を起こさなければならないと強く思いました。
漠然と病気に対する恐怖を抱き続けるのではなく、自分がその問題の解決に向けてできることを考えようと決意しました。
そして病気になる前に予防できるような世界を実現するために、自分に何ができるのかを真剣に考え始めました。
当時私が内定をいただいていた会社は、健康・医療データを活用して健康の維持や疾病の予防に貢献する取り組みを行っていました。
私は医療の現場に直接携わることは難しいかもしれないですが、データという視点から医療の課題にアプローチすることができるのではないかと考えました。
そして、その中でも特に現実をできる限り理解し、医療の実態をデータから紐解くことができる職種としてデータサイエンティストという道を選ぶことを決めました。
ヘルスケアに携わるデータサイエンティストという仕事は、単に数値や統計を扱うだけではなく医療の現場で何が起こっているのかをデータを通じて把握し、より良い医療サービスの提供につなげる役割を担っています。
たとえば特定の疾患に対する治療の傾向を分析したり、患者さんの予後をデータから予測したりすることでより適切な医療の提供をサポートできます。
また、医療費の適正化や治療効果の最大化といった社会的な課題にもアプローチすることができます。私にとってこの仕事は単なるデータ分析ではなく、人の命に関わる重大な責任を伴うものだと感じています。
現在、私はレセプトデータ等を用いた分析を中心に業務を行っています。
また、今後もレセプトデータ等を分析した経験を通じてより実践的な形で医療業界に貢献することを目指しています。
データの裏には実際に医療を受ける患者さんがいて、その患者さんの治療が少しでも良い方向に向かうよう分析結果の正確性や妥当性を常に意識しながら業務に取り組んでいます。
このキャリアを選んだのは単にデータサイエンスが好きだからではなく、「病気で亡くなる人を減らしたい」という強い想いがあるからです。
もちろん、データ分析の仕事は一筋縄ではいかず技術的な課題や膨大なデータ処理に追われることもあります。しかしその先に日本全体の健康寿命の延伸や医療の質の向上といった大きな目標があるからこそ、困難に直面しても諦めずに努力を続けることができています。
今後も、より高度な分析技術を習得し医療業界の課題解決に貢献できるデータサイエンティストとして成長していきたいと考えています。
そして、「すべての病気を予防する未来」の実現に向けて自分にできることを一つずつ積み重ねていきたいと思います。
ポジティブな面とネガティブな側面
ヘルスケアに関わるデータを通して、医療現場の現状と課題を科学的に理解できることに強い魅力を感じています。
データ分析を行うことで、単に統計的な傾向を示すだけでなく医療の現場で何が起こっているのかを客観的に把握し課題の本質を捉えることができます。
特に医療データの正しい活用は新たな知見をもたらす可能性があり、医療の質の向上や健康寿命の延伸に貢献できると考えています。
しかし、私の業務は患者さんと直接関わるものではありません。
データの分析を通じて医療の現場に影響を与えることはできますが、実際に患者さんと対話し治療の意思決定を行う医師や看護師のように目の前で人の健康を支えている実感を持つことは難しいです。
そのため自分の仕事が本当に人々の健康に直結しているのか疑問を感じることもありました。
日々の業務では大量のデータ処理、統計的な分析など技術的な作業が中心となるためデータの向こうにいる「人」の存在が見えにくくなることもあります。
それでもデータという無機質なものに臨床知識や医療現場の実態を組み合わせていくことで、少しずつヘルスケア全体の解像度が上がっていくことを実感しました。
例えばレセプトデータを分析する際に単なる数値として捉えていたものが医師の診療方針や患者の治療経過を反映したものであることを理解すると、その背後にあるストーリーが見えてきます。
こうしたプロセスを通じて、医療業界における問題意識やそれを解決するために必要なことが少しずつ明確になっていきました。
その結果、自分の行っている分析が具体的にどのような課題を解決し、その先にいる誰の健康を支えることにつながるのかをより明確にイメージできるようになりました。
例えば製薬会社向けの分析では特定の疾患に対する治療パターンや薬剤の使用状況を可視化することで、医療従事者や患者さんがより適切な治療を選択できるように支援することができます。
このように、自分が直接患者さんと関わるわけではなくてもその先の人々を意識することで仕事の意義を再確認しモチベーションを保つことができました。
目の前の業務が自分の理想とする「すべての病気を予防する未来」にどのようにつながっているのかを考えながら日々の仕事に取り組むことが重要だと感じています。
(続きはページの後半へ)
【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】

専門家が教える医学研究オンラインスクールmJOHNSNOW
1,000名以上が参加するパブリックヘルスコミュニティで、あなたの学びを加速させましょう。
専門家監修の講義が全てオンデマンド見放題!
研究・キャリアの悩みを24時間チャット相談!
スマホ1つで、いつでもどこでも学べる!
そのキャリアにたどり着くために努力したこと
初期の挑戦と転機
「すべての病気を予防する」という強い思いが、私がキャリアを選択する上での前提として常にありました。
その思いを実現するために私は今の企業に内定をいただいた時から自分がどのような立場で貢献できるのかを真剣に考え、最も適したポジションを獲得するために積極的に動きました。
もともと私の内定したポジションにデータサイエンティストの募集はありませんでした。
しかし私はどうしても医療データに関わり「すべての病気を予防する未来」を実現するための仕組みを作る仕事をしたいと考えていたため、内定中の段階から何度も交渉を重ねました。
その結果会社側に私の熱意が伝わり、最終的にデータサイエンティストとして配属していただくことができました。
この結果は会社の文化やサポートしてくださった方々のおかげであることは間違いありませんが同時に私自身が「どうしてもこのポジションで働きたい」と強く願い、行動し続けたことも大きな要因だったと感じています。
この経験から全く異なる職種や業界へ挑戦する際に重要なポイントが三つあると考えています。それは、「その業界・業種でなければならない理由」、「前職や前の専門性を活かせるかどうか」、そして「熱意」です。
一つ目の「その業界・業種でなければならない理由」についてですが、私の場合はコロナの出来事からヘルスケアに対して強い思いがありました。
したがってヘルスケア業界に進むことには明確な理由があり、他の業界ではなくこの分野で働くことに強いこだわりを持っていました。
またデータサイエンティストという職種を選んだ理由としては、最終的に医療データを活用した仕組みを構築し持続的な課題解決ができる形にしたいと考えていたからです。
単にヘルスケアに関心があるだけでなく、「なぜ自分がこの分野で働く必要があるのか」を明確に説明できることが業界・業種の変更を成功させるためには重要だと思います。
二つ目の「前職や前の専門性を活かせるかどうか」についてですが、私の場合はもともとエンジニアとして内定をいただいていたためプログラミングやシステム開発のスキルはすでにある程度持っていました。
データサイエンティストとして働く上で、SQLやPython等を用いたデータ処理・分析スキルは必要不可欠であり、エンジニアとしてのバックグラウンドがあることで業務の自動化や効率化に貢献できると考えました。
このように全く新しい分野に挑戦する際も、自分のこれまでのスキルをどのように活かせるのかを整理することで新たな分野への適応がしやすくなると感じています。
もしも前職やこれまでの経験とまったく関係のない分野に進もうとする場合はどのように自分の強みを活かせるのかを明確に説明できることが重要になると思います。
三つ目の「熱意」ですがこれは特に新しい分野に挑戦する際には欠かせない要素だと感じています。
自分から積極的に学び、動かなければならない場面が多くなるため、ただ「興味がある」だけでは十分ではありません。
特に専門知識が不足している分野に飛び込む場合は、自ら進んで情報を取りに行き学習しながら業務を進めていく姿勢が必要になります。
そのためには、「なぜこの仕事をしたいのか」「なぜこの分野に関わりたいのか」といった自分の内面的な動機を明確に持ちそれを行動に移すことが求められます。
私自身、内定中から交渉を重ねたのもこの仕事に対する強い思いがあったからこそです。単に会社の決定を待つのではなく自分の希望を伝えて実現に向けて努力する姿勢が大切だと実感しました。
この三つのポイント、「業界・業種でなければならない理由」、「前職や専門性を活かせるかどうか」、「熱意」は、キャリアの方向性を決める上で非常に重要だと考えています。
もしこれらの要素が明確にならない場合はその道を進むべきかどうかを改めて考える必要があるかもしれません。
ただ興味があるだけではなく「なぜ自分がこの仕事をするのか」「どのように貢献できるのか」「どうしてもやり遂げたい理由があるのか」といった問いにしっかりと向き合うことで新たなキャリアの選択肢がより具体的なものになり、実現の可能性も高まると感じています。
私自身この経験を通じて自分の思いを貫き、行動し続けることで理想とするキャリアを築くことができることを実感しました。
学びと実践のプロセス
私は統計学とヘルスケアの両方の知識を持ち合わせていなかったため、この二つの分野を基礎から学ぶことが必要だと考えました。
データサイエンティストとして医療分野で価値を提供するためには、単にデータを扱う技術を磨くだけでは不十分であり統計学の知識を用いてデータを正しく分析し、解釈する力、そして医療業界の仕組みや現場の課題を深く理解する力が不可欠だと感じたからです。
そのため、私は数学、統計学、機械学習の手法を体系的に学ぶことから始めました。
まず統計学の知識を深めるために統計検定の勉強に取り組みました。
統計学はデータを適切に分析し、そこから有意義な示唆を得るための基盤となる学問です。特にヘルスケア分野の因果関係の推定などはより難しい分析が求められる場面があります。
そのため、独学だけでなく実際の試験に挑戦することで学んだ知識を体系的に整理し実務に応用できるレベルまで引き上げることを目指しました。
また、同僚と定期的に統計の勉強会を行うことで学んだ知識を共有する場で発表などをしました。
勉強会では統計的手法の理論だけでなく、実際に業務で直面したデータ分析の課題について議論しどのように統計的なアプローチを適用できるかなども考えました。
例えばレセプトデータの解析において、外れ値の取り扱いやバイアスの影響をどのように評価するかといった具体的なテーマを扱い知識を実践的に活かす方法を模索しました。
こうした取り組みを通じて単なる暗記ではなく、実際のデータ分析に活用できるスキルとして統計学を身につけることができました。
一方でヘルスケア分野の理解を深めることも同様に重要でした。
データサイエンティストとして医療データを扱う以上、そのデータがどのような背景で生成され医療現場でどのように活用されるのかを知らなければ適切な分析はできません。
そのため私は関連する論文や専門書を精読し医療の基礎知識を身につけることに努めました。特に診療ガイドラインや公的統計データを通じて疾患ごとの治療パターンや医療制度の仕組みを学ぶことでレセプトデータの背景にある臨床的な意味をより深く理解できるようになりました。
さらに単なる座学にとどまらず実際の医療現場を自分の目で確かめる機会を持つことも大切だと考えました。
その一環として健康診断の現場見学に参加し、医療従事者がどのように診察を行いデータがどのように記録されるのかを直接観察しました。
データサイエンティストとして普段はデスクの前で分析を行っていますが、実際に医療が提供される現場を見ることでデータの背後にある「人」の存在を強く意識するようになりました。
例えば健康診断での測定データがどのような条件で取得されるのか、どのような検査がどのタイミングで行われるのかを理解することでデータの品質や分析時に考慮すべき要素についての洞察を深めることができます。
これらの学びと実践の積み重ねが現在の私のキャリアの確固たる基盤となっています。
統計学の知識を深め医療の現場に関する理解を深めることで単なるデータ分析ではなく医療業界の課題をデータを通じて解決するための本質的なアプローチを取ることができるようになりました。
そのキャリアを目指す人へのメッセージ
助言と未来への展望
データサイエンティストとして成功するためには基礎となる数学の知識が不可欠だと考えています。
特に統計学や機械学習の手法を正しく理解し実践的に応用するためには数学的な基盤がしっかりしていることが重要です。
データ分析の過程では単にアルゴリズムを適用するだけではなくデータの特性を深く理解し適切な手法を選択する必要があります。
その際に統計学の数式を理解することがデータの解釈力や解析力を向上させる大きな助けとなります。
例えばデータ解析では単なる数値の操作ではなくその背後にある確率的な意味や前提条件を理解することが求められることもあります。
こうした知識がなければ得られた結果を正しく解釈できず誤った結論を導いてしまうリスクもあります。
そのため私は統計学や機械学習の理論を体系的に学び、数式の意味をしっかりと把握しながら実務で活用できるように努めてきました。
またデータサイエンティストとして医療分野で価値を提供するためには実際の医療現場に足を運ぶことも非常に重要だと感じています。
医療データは単なる数値の集合ではなく現場での診療や検査、治療のプロセスを反映したものでありその背景を理解しなければ適切な分析はできません。
そこで私は健康診断の現場を見学したり、医療従事者と意見交換を行ったりすることで臨床感覚という貴重な視点を得るよう努めています。
実際の現場を見ることでデータの持つ意味や医療の実態をより深く理解できるようになりました。
私はデータサイエンティストという職業を通じて個々人が人生を健康に最大化できるアプリを作りたいと考えています。
健康は一人ひとりの人生の質を左右する重要な要素であり、データの活用によってより良い健康管理を支援することができるはずです。
例えば個人の健康データを解析し適切なライフスタイルの提案を行うことで病気の予防や健康寿命の延伸に貢献することができます。
データから現実の世界を把握しその情報をもとに行動変容を促すということは非常にやりがいのある領域であり、自分自身の生活にも直結するテーマだと考えています。
しかし現状ではこの大きな課題を解決するために、より多くの多様な知識、スキルを持った人材が関わる必要があると感じています。
ヘルスケア分野におけるデータの活用はまだ発展途上の段階にあり、今後さらに多くの人材が必要とされています。
データサイエンスと医療の知識を組み合わせ、より良い医療サービスを実現するためには統計や機械学習の知識を持つデータサイエンティストだけでなく医療従事者や政策立案者との連携も不可欠です。
そのため私はこの分野に興味を持ちデータを通じてヘルスケアの世界をより良くしたいと考える方々にぜひこの領域に飛び込んでほしいと思っています。
データサイエンスとヘルスケアの融合は、今後ますます重要になっていく分野です。
医療の現場では電子カルテやレセプトデータ、ウェアラブルデバイスのデータなど多様なデータが日々蓄積されています。しかしそれらのデータを有効に活用し具体的な健康改善につなげる仕組みはまだ十分に確立されていません。
だからこそデータサイエンティストとしてこの領域の発展に貢献できる可能性は非常に大きいと考えています。
今後データの利活用が進むことで、個々人がより適切な健康管理を行える社会が実現できるかもしれません。
例えば個人の遺伝情報や生活習慣データをもとに、パーソナライズされた健康アドバイスを提供するシステムが開発されることで病気のリスクを早期に察知し、予防策を講じることが可能になります。
またAIを活用した診断支援システムや医療機関の業務効率化を支援するソリューションなどデータサイエンスの力を活かしたさまざまな革新が期待されています。
私自身もこれからさらに統計学や機械学習の知識を深めヘルスケア分野におけるデータ活用の可能性を広げていきたいと考えています。
そして一人でも多くの人が健康な人生を送るための仕組みを作ることを目指して日々の業務に取り組んでいきます。
データを活用し、より良いヘルスケアの未来を実現するために一緒に挑戦してくれる仲間が増えることを心から願っています。
具体的な勉強法
データサイエンスやヘルスケア分野に携わりたいと考えている方にはまず統計学や数学の入門書から学び始めることをお勧めします。
統計学は分析結果を正しく解釈し、分析結果を適切に活用するための基盤となる学問です。
特に医療データを扱う際には単なるデータの集計や可視化だけでなく、因果関係の分析や統計的仮説検定などより高度な解析が求められることがあるため統計学の知識が不可欠です。
統計学の本には多くの数式が登場しますが最初は数式に圧倒されるかもしれません。
しかし基礎をしっかり押さえることでデータの特性をより深く理解できるようになり分析の精度が向上します。
例えば平均や分散といった基本的な概念から、回帰分析やベイズ統計などの応用的な手法まで順を追って学ぶことが大切です。
最初は直感的に理解できるものから始め、徐々に複雑な手法へと進むことで無理なく統計学の知識を習得することができます。
次にヘルスケアに関する文献や論文を読み、現場の知識を深めることをお勧めします。
医療データを扱う上で医療の背景知識が不足していると分析結果を正しく解釈することが難しくなります。
例えば特定の疾患における治療パターンや薬剤の使用状況を分析する際に医療ガイドラインや過去の研究論文を参考にすることで、データの意味をより深く理解できるようになります。
また医療制度や診療報酬の仕組みなど医療業界のルールや規制についても学んでおくことで、データの背後にあるコンテキストを正しく把握できるようになります。
さらに、可能であれば実際の医療現場の見学やセミナーに参加することも非常に有益です。
データサイエンスの仕事は基本的にデスクワークが中心ですが医療の現場を直接見ることでデータの持つ意味や活用の可能性をより具体的にイメージすることができます。
例えば健康診断の現場を見学することでどのような検査がどのような目的で行われているのかを学び、データの収集過程を理解することができます。また医療従事者との対話を通じて彼らが日々直面している課題やデータに対するニーズを知ることも重要です。
ヘルスケア分野におけるデータ活用の可能性は非常に大きいですがその一方でまだまだ解決すべき課題も多く存在します。
例えばレセプトデータの品質や一貫性の問題やプライバシー保護の課題、データをどのように医療現場にフィードバックし実際の診療や健康管理に活かすのかといった点が挙げられます。
これらの課題を理解し、データを有効に活用するためには統計学や機械学習の知識だけでなく、医療業界の仕組みや現場の実態を深く理解することが不可欠です。
したがってヘルスケア分野のデータサイエンスを学ぶ際には数学や統計学と並行してヘルスケア分野の知識を積極的に吸収することが大切です。
最初は難しく感じるかもしれませんが統計学の基礎をしっかり固め、医療の知識を深めることでデータを用いた医療の課題解決に貢献できるようになります。
今後データサイエンスとヘルスケアの融合がますます進む中で、この分野に興味を持ち学び続けることができる人材は非常に貴重な存在になるでしょう。
ぜひ統計学と医療の両方を学びながらデータを活用して医療の未来を支えるスキルを身につけてください。
【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】

mJOHNSNOWはスペシャリストが提供する医学研究講座にスマホで、スキマ時間にアクセスできる日本最大規模のオンラインスクールです。
満足度95.6%・継続率98.0%の高いクオリティで、開講から半年で1,000名を超える仲間が入会し、初学者向けの因果推論、疫学、統計学、データ解析、RWDなどをスペシャリストから学んでいます。
講義はすべてオンデマンド化されるので自分のペースで学びを進められ、研究・キャリアの悩みは24時間いつでもチャットで相談可能。安心の定額制で、満足いくまで学び放題です。
【参加者の声】
・地方在住で学ぶ場がなく困っていましたが、大学院に行かないと学べないようなことを仕事の合間に学ぶことができ大満足です(40代女性 医師)
・フォローアップが手厚く、オンデマンドで分かるまで学べるのが初学者にとってとても助かっています(30代男性 製薬企業社員)
・低価格なのに見切れないほど多くの講座が受講でき、どれも質が高いです(40代女性 大学研究者)
詳細を見る| 無料体験に申し込む
【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】

YouTubeラジオコンテンツ「耳から学ぶシリーズ」は、仕事や育児で忙しい人が10分のスキマ時間に“ながら聞き”で学べる音声コンテンツです。
すべてのコンテンツを疫学専門家が監修し、完全無料で毎日投稿していきますので、ぜひチャンネル登録してお待ちください。
シリーズ一覧
キャリアシリーズ
©mMEDICI Inc. ALL RIGHTS RESERVED.



















