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【論文執筆のためのAI活用術】最新AIで叶える「簡単2ステップのMethods執筆術」 - 最短ルートでガイドライン準拠のMethods作成 - vol.13

【論文執筆のためのAI活用術】最新AIで叶える「簡単2ステップのMethods執筆術」 - 最短ルートでガイドライン準拠のMethods作成 - vol.13

2026.03.16

皆さんは、Methodsの執筆に苦労した経験はありませんか?

研究デザイン、適格基準、統計手法...書くべきことは山ほどあるのに、「何から手をつけていいか分からない」という経験をした方も多いはずです。

そして、やっと書き上げたと思ったら、投稿前に「ガイドラインのチェックリストを提出してください」と指摘され、大幅な書き直しという憂き目に遭うことも。

Methodsの記載事項はガイドラインによって細かく定められているため、慣れないうちは窮屈さを感じるかもしれません。しかし、裏を返せば「何を・どの順で書くべきか」が明確に決まっているということ。これは、AIが最も力を発揮しやすい環境です。

本記事では、「ガイドライン × AI」の組み合わせでMethodsを書く最短ルートを、2ステップで解説します。ガイドラインが「書くべき項目」を指定し、AIが「型に沿った文章」を一気に生成する。これにより、ガイドラインに準拠したMethodsの叩き台が驚くほど早く完成します。

本シリーズのvol.2でご紹介した「Methods作成用にAIをカスタムする方法」から、更に作業ステップを減らしスピードアップしたアップデート版をご紹介します。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • Methodsが「AI活用に最も適している」と言える理由

  • Methodsを構成する要素とガイドラインとの対応

  • 2ステップでMethodsのドラフトを書く最短経路

この記事は誰に向けて書かれているか

  • 研究計画は固まっているのにMethodsの執筆がなかなか進まない方

  • 報告ガイドラインのチェックリストを埋めるのに苦労した方

  • AIを使って「型」を押さえた英文ドラフトを効率的に作りたい方

論文執筆のためのAI活用術シリーズ

  • vol.1:最新AIで書く「論理的なIntroduction」作成ガイド

  • vol.2:最新AIで書く「国際ガイドライン準拠のMethods」そのまま使えるプロンプトで簡単作成!!

  • vol.3:最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!!

  • vol.4:最新AIで書く「明快なDiscussion」リミテーションにおけるバイアスの整理方法

  • vol.5:最新AIで書く「投稿規定に沿った論文」確認作業をAIで時短!!

  • vol.6:最新AIで叶える「スマートな文献検索」最短ステップ

  • vol.7:最新AIで書く「Methodsの難所:統計解析パート」攻略方法

  • vol.8:最新AIで叶える「効率的なResults執筆術」図表から一瞬で文章生成する方法

  • vol.9:最新AIで「Discussionの“Spin”」を回避せよ! - そのまま使えるプロンプトで“言い過ぎ表現”を徹底対策

  • vol.10:最新AIで叶える「効率的な略語チェック」 - 簡単フローで「略語のミス」を回避せよ

  • vol.11:最新AIで書く「査読者も納得のIntroduction」 - 重要論文の「引用漏れ」を徹底チェック

  • vol.12:最新AIで書く「説得力のあるIntroduction」- AIを頼りになる“辛口レビュアー”に

  • vol.13:最新AIで叶える「Methods執筆の最短ルート」-簡単2ステップで、ガイドライン準拠のMethods作成(本記事)

執筆者の紹介

氏名:わたヤク(SNSアカウント名)
所属:病院勤務
自己紹介:病院に勤務する傍ら、臨床研究支援組織にて研究コンサルタントとして活動する薬学博士。様々な臨床研究のデザインや統計解析に携わる。他、筆頭論文が国際的ながんサポーティブケア学会のガイドラインに引用され、自らもシステマティックレビュー委員としてガイドライン作成に携わるなど、研究活動や社会活動も積極的に行っている。その専門知識を活かし、臨床研究におけるAI活用の情報をSNSやブログで積極的に発信。𝕏アカウントは開設から100日で4,000フォロワーを突破し、ブログではAIを活用したデータ解析に関する記事で主要キーワード検索1位を多数獲得。AIと研究を繋ぐ第一人者として、mJOHNSNOWのセミナー講師も務める。
𝕏:https://x.com/ai_biostat
AI医療統計(ブログ):https://ai-biostat.com/
Note:https://note.com/ai_biostat

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の日本・グローバルにおいて疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究に従事。その後、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

Methodsを構成する「5つの要素」

研究デザインに関わらず、Methodsには以下の五つのコア要素が存在します。これらは、報告ガイドラインのチェックリスト項目と直接対応しています。

#

要素

書くべき内容

1

研究デザイン・倫理

デザインの宣言、倫理審査の承認、準拠したガイドライン

2

セッティング

実施場所、期間、データ収集環境

3

適格基準

組み入れ基準・除外基準、対象者の選定方法

4

変数・アウトカム

曝露・予測因子・交絡因子・主要アウトカムの定義と測定方法

5

統計解析

解析手法、交絡調整、感度分析、使用ソフトウェアなど

例えば、観察研究で最も使用されている「STROBE声明」では、Methodsセクションに書くべき項目が以下のように指定されています。

  • Study design:研究デザイン

  • Setting:研究を実施した場所や期間

  • Participants:対象者の適格基準や選択方法

  • Variables:全ての変数の定義

  • Data sources/measurements:データソースと測定方法

  • Bias:バイアスへの対処法

  • Study size:サンプルサイズの算出根拠

  • Quantitative variables:量的な変数の扱い方

  • Statistical methods:用いた統計解析手法

つまり、Methodsはガイドラインのチェックリストを埋めていけば自動的に骨格が完成する仕組みなのです。

なぜ「ガイドライン × AI」が最適解なのか

ガイドラインに準拠する重要性

なぜガイドラインに沿ってMethodsを書く必要があるのでしょうか?

その理由の一つが、科学的妥当性を評価するために必要な情報を提示することです。

論文を批判的に吟味する際、読者はまずMethodsを読み、内的妥当性(交絡、選択バイアス、測定バイアス、不死時間バイアスの有無)や外的妥当性を評価します。

これらの解釈に必要なパーツはガイドラインで網羅されているため、多くのジャーナルでチェックリストの提出が義務付けられています。ガイドラインを意識せず書いていると、投稿前に大幅な手直しが必要になるのて注意しましょう。

また、チェックリストの提出が義務付けられていない場合でも、査読者は原稿がガイドラインの項目を満たしていることを期待して読み進めます。必要な情報が抜けていると「質が低い」と判断されリジェクトされる原因になり得ます。

制約が多いMethodsでこそAIが活きる

IntroductionやDiscussionには、読者を引き込むストーリーや専門家としての深い考察が求められます。一方、Methodsでは型に沿って必要な情報が記載されていることが重要になります。

ガイドラインという「正解の型」が存在するからこそ、AIはすぐに力を発揮できます。その意味で、MethodsはAI活用との親和性が特に高いパートといえます。

また、「型に沿って情報を埋める」タスクならAIと人間の差が出にくいのもポイントです。

【実践】Methodsのドラフトを生成する最短2ステップ

自分の研究デザインに合ったガイドラインを特定し、AIに読み込ませることで、精度の高い下書きを作成します。

ステップ1:適切なガイドラインの選定とダウンロード

まずは、ご自身の研究デザインに合致したガイドラインのチェックリストを入手します。代表的なものとMethodsに対応する項目は以下の通りです。

ガイドライン

対応する研究デザイン

Methods該当項目

CONSORT

ランダム化比較試験(RCT)

項目8〜21

STROBE

観察研究(コホート・症例対照・横断)

項目4〜12

PRISMA

システマティックレビュー・メタアナリシス

項目5〜15

ガイドラインを探す際は、臨床研究ガイドラインのポータルサイト「EQUATOR Network」を利用するのがおすすめです。ページ下部からご自身の研究デザインに合ったガイドラインを探しましょう。

EQUATOR Network

以下のようなガイドラインにアクセスできます。

  • STROBE:コホート研究、症例対照研究、横断研究などの観察研究の報告ガイドライン

  • PRISMA:系統的レビューとメタアナリシスの報告ガイドライン

  • PRISMA-P:系統的レビュー/メタアナリシスのプロトコルの報告ガイドライン

  • MOOSE:疫学における観察研究のメタアナリシスの報告ガイドライン

  • CONSORT:ランダム化比較試験(RCT)の報告ガイドライン

  • SPIRIT:介入試験・臨床試験のプロトコルに含めるべき項目を示す報告ガイドライン

  • SRQR:質的研究の報告ガイドライン

  • CARE:症例報告の報告ガイドライン

  • STARD:診断精度研究の報告ガイドライン

  • TRIPOD + AI:回帰法や機械学習を用いた臨床予測モデルの開発・性能評価研究の報告ガイドライン

  • ARRIVE:動物実験・動物研究の報告ガイドライン

  • SQUIRE:医療の質改善研究の報告ガイドライン

  • CHEERS:医療経済評価の報告ガイドライン

今回は観察研究のガイドラインである「STROBE」を使用する想定で進めます。サイトからSTROBEの「Checklist(WordまたはPDFファイル)」をダウンロードします。

ステップ2:ドラフト生成(二つのアプローチ)

ダウンロードしたチェックリストをChatGPT(記事執筆時点の推奨モデル:GPT 5.2 Thinking)にアップロードし、ドラフトを生成させます。

チェックリストをChatGPTにアップロード

ここで重要なのは、「必要な情報を引き出せるよう、AIからユーザー(自分)に逆質問させる」ことです。STROBEの内容を熟知していない場合に特に有効な方法です。

以下の二つのアプローチから、使いやすい方を選んでください。

  • アプローチA:対話型(メンターに相談するように進める)

  • アプローチB:アウトライン先行型(穴埋め方式で進める)

ここからは、それぞれのアプローチについて解説します。

アプローチA:対話型(メンターに相談するように進める)

AIにガイドラインの項目を一つずつ質問させ、それに答えていくことでドラフトを組み上げる手法です。

ガイドラインチェックリスト(Word/PDF)をアップロードして以下のプロンプトを使用します。

【 プロンプト例 】

ガイドラインに準拠したMethodsの下書きを作成します。

ステップ1:Methods作成に必要な情報を私に質問(選択あるいは自由記載)して引き出してください。

制約:1回のやりとりで私が回答できるのは3-5個。

ステップ2:提供した情報をもとに英文ドラフトを作成してください。英文ドラフトを作成する前は私の承認を得るようにしてください。

ChatGPTの応答例は以下のようになります。

ChatGPTの応答例

(中略)

ChatGPTの応答例

このように、必要な情報を入力するようにユーザーに質問形式で提示してくれます。

対話型のアプローチには、

  • 日本語で回答できる

  • 一問一答で回答するポイントが絞られる

  • 必要に応じて選択肢を提示

などのメリットがあり、「何を書けばいいか分からない」という事態を防げます。

入力が完了すると、ChatGPTは情報をもとに、チェックリストの項目を網羅したMethodsの下書きを作成してくれます。

チェックリストの項目を網羅したMethodsの下書き

これで下書きが完成です。

ここからは、以下の内容をチェックして仕上げていきましょう。

  • 他のセクションと用語が統一されているか

  • 略語が適切か

  • 必要な情報が抜けていないか

  • 内容は正しいか(AIが憶測で入れているところはないか)

なお、略語をチェックする方法は過去の記事でご紹介しているので、興味がある方はご確認ください。

【論文執筆のためのAI活用術】
vol.10 最新AIで叶える「効率的な略語チェック」 - 簡単フローで「略語のミス」を回避せよ

アプローチB:アウトライン先行型(穴埋め方式で進める)

この方法は、先にMethodsの全体構成(アウトライン)を作成してもらい、自分の研究内容を入れるべき部分をプレースホルダーにして提示してもらう手法です。

アプローチAと同様に、ChatGPTにガイドラインチェックリスト(Word/PDF)をアップロードして以下のプロンプトを使用します。

【 プロンプト例 】

STROBEチェックリストを全て網羅したMethodsの英文ドラフトを[プレースホルダー]付きで書いてください。

プレースホルダーには該当する項目を入れておいてください。

最後に、各プレースホルダーについてどんな情報を入力すればいいのか初心者でも理解できるよう詳しく解説して。

ChatGPTの応答例は以下のようになります。

ChatGPTの応答例
ChatGPTの応答例
ChatGPTの応答例

このように、ガイドラインに準拠したMethodsのアウトラインを提示しつつ、ユーザー自身の研究内容を入れるべき箇所はプレースホルダー( [EXPOSURE] , [OUTCOME] など)を入れて入力を促してくれます。

さらに以下のように、各プレースホルダーについてどんな内容を入力すべきかを解説してくれます。

ガイドラインに準拠したMethodsのアウトライン
ガイドラインに準拠したMethodsのアウトライン

後は、出力された解説に従って日本語でメモを作成し、「この情報をもとに、先ほどのプレースホルダーを埋めて完全な英文ドラフトを作成して」と指示すればMethodsの英文ドラフトが完成です。

最後に、対話型アプローチでドラフトを作成した時と同様に、以下の内容をチェックして最終版に向けて仕上げていきましょう。

  • 他のセクションと用語が統一されているか

  • 略語が適切か

  • 必要な情報が抜けていないか

  • 内容は正しいか(AIが憶測で入れているところはないか)

特に記載が難しいのが専門的な知識が必要になる統計解析(Statistical Analysis)の記載ですが、AIを活用してこの難所を攻略する方法もこちらの記事で解説しています。

【論文執筆のためのAI活用術】
vol.7 最新AIで書く「Methodsの難所:統計解析パート」攻略方法

まとめ

本記事では、「報告ガイドライン × AI」で Methodsの下書きを2ステップで書く方法を解説しました。

  1. ガイドラインチェックリストをChatGPTにアップロード

  2. 対話型アプローチあるいはアウトライン先行型アプローチで必要な情報を入力

そして、作成した下書きは人間の目でチェックし仕上げる必要があります。その際の観点には以下のものが挙げられます。

  • 他のセクションと用語が統一されているか

  • 略語が適切か

  • 必要な情報が抜けていないか

  • 内容は正しいか(AIが憶測で入れているところはないか)

この方法を実践すれば、ガイドラインが「書くべき項目」を指定し、AIが「型に沿った文章」を一気に生成することで、ガイドラインに準拠したMethodsの叩き台が驚くほど早く完成します。

Methodsの書き方に悩んでいる方は、まずは手元の研究の要点を箇条書きにするところから始めてみてください。


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シリーズ一覧

論文執筆のためのAI活用術シリーズ

  • vol.1:最新AIで書く「論理的なIntroduction」作成ガイド

  • vol.2:最新AIで書く「国際ガイドライン準拠のMethods」そのまま使えるプロンプトで簡単作成!!

  • vol.3:最新AIで書く「図で魅せるResults」手書きメモが一瞬で図に!!

  • vol.4:最新AIで書く「明快なDiscussion」リミテーションにおけるバイアスの整理方法

  • vol.5:最新AIで書く「投稿規定に沿った論文」確認作業をAIで時短!!

  • vol.6:最新AIで叶える「スマートな文献検索」最短ステップ

  • vol.7:最新AIで書く「Methodsの難所:統計解析パート」攻略方法

  • vol.8:最新AIで叶える「効率的なResults執筆術」図表から一瞬で文章生成する方法

  • vol.9:最新AIで「Discussionの“Spin”」を回避せよ! - そのまま使えるプロンプトで“言い過ぎ表現”を徹底対策

  • vol.10:最新AIで叶える「効率的な略語チェック」 - 簡単フローで「略語のミス」を回避せよ

  • vol.11:最新AIで書く「査読者も納得のIntroduction」 - 重要論文の「引用漏れ」を徹底チェック

  • vol.12:最新AIで書く「説得力のあるIntroduction」- AIを頼りになる“辛口レビュアー”に(本記事)

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