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【採択者が語る奨学金獲得のコツ】吉田育英会 海外派遣プログラム vol.1

【採択者が語る奨学金獲得のコツ】吉田育英会 海外派遣プログラム vol.1

2025.06.16

海外MPHへの留学を目指していた筆者は、学費・生活費のためにさまざまな奨学金に申し込みました。

本記事では、その中の「吉田育英会 海外派遣プログラム」の給付に至るまでのプロセスをご紹介します。

申請書作成のスケジュールや実際の面接内容、吉田育英会の奨学金の特徴を詳細に解説しています。

海外留学とその後のキャリアを考えている全ての方が必読の記事となります。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 吉田育英会 海外派遣プログラムの詳細

  • 採択者が申請書を書く際に意識している点

  • 採択される申請書の書き方

この記事は誰に向けて書いているか

  • 奨学金の申請をしようと考えている方

  • 申請書の書き方に悩んでいる方

  • 採択された方の経験談を知りたい方

獲得ノウハウシリーズ

【研究助成金】

  • vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野

  • vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連

  • vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野

  • vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連

  • vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野

【奨学金】

  • vol.1:吉田育英会 海外プログラム(本記事)

  • vol.2:JEES・三菱商事 科学技術学生奨学金

申請者情報

氏名:匿名
所属:ラテンアメリカの研究機関

助成金情報

奨学金名

吉田育英会 派遣留学プログラム

助成団体名

吉田育英会

奨学金・助成団体の理念

吉田育英会は、将来、各界のリーダーとして国際的な舞台で活躍し、成果を社会に還元できる人材の育成を目指しています。 優秀な学生が、勉学や研究のチャンスに心置きなく挑戦できるよう、進学に先だっての選考・採用を行い、高水準で返還不要な奨学金を提供します。

URL

https://www.ysf.or.jp/scholarship/visitor/universal/overseas.php

奨学金の目的

留学支援、生活費支援

応募資格

海外留学のみ、申請時点で大学所属があること(進学先とは別。例:修士所属中、博士のための応募)

支給額

学費250万円+生活費2500USD/月

募集時期・締切

留学年の前年度の8月頃締め切り

応募時の情報

応募時の所属

聖マリアンナ医科大学

所属学部・研究科

総合診療科、大学院生(博士課程)

応募当時の年齢

29歳

他奨学金の受給

なし

(続きはページの後半へ)

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申請までの経緯

奨学金を知ったきっかけ

インターネット検索

この助成金を選んだ理由

医師のMPH海外留学に際して自身の所属で申請できる奨学金に全て申請しました。

具体的には伊藤国際、中島平和、中島記念、CWAJなどの応募をしました。

私は応募しませんでしたが、他にもフルブライト、ロータリー財団、JASSO、チーブニングなどもあります。

申請ノウハウ

選考方法

書類選考+面接・プレゼンテーション

必要書類

申請書、研究計画書、推薦状、成績証明書

申請書準備のタイムスケジュール

ちょうど複数の奨学金(5件程度)に同時並行で申請していた時期だったため、明確に本奨学金のみの準備期間を特定するのは難しいのですが、以下のようなスケジュール感でした。

  • 推薦状の依頼
    4〜6ヶ月前に上司に依頼

  • IELTS・成績証明書などの必要書類
    数ヶ月前から順次準備

  • 志望動機書などの記述書類
    伊藤国際教育交流財団の申請書(より詳細かつ分量が多い)を先に作成しており、その際には1ヶ月以上かけて作成しました。その文書を元に、YSF向けには1週間程度で要点を絞って編集・調整しました。

平日は1日あたり1〜3時間程度、書類準備に時間を充てておりました。

以下は吉田育英会のホームページに記載されいてる2024年のスケジュールです。一例としてご参考にしてください。

  1. 第一次審査(書類選考)(2024年10月中旬結果通知)
    応募方法の別にかかわらず、第一次審査として書類選考を行います。

  2. 第二次審査(面接選考)(2024年10月23日実施)
    書類選考の合格者に対して、第二次審査として面接選考を行います。面接選考の際、応募者にはPCによるプレゼンテーションを行っていただきます。面接は、当会所在地(東京都墨田区)において実施し、受験者には当会規定に基づき所定の交通費を支給します。

  3. 採用内定(2024年11月上旬通知)
    第二次審査の合格者を、当会の奨学生として採用内定します。

  4. 採用決定
    採用内定者からの留学先の合格証明書類の受領をもって、奨学生の正式採用を決定します。

  5. 奨学生証授与式・奨学生交流会(2025年3月下旬開催)
    新規採用された奨学生を対象に「奨学生証授与式」を開催します。

申請書の作成で意識・工夫した点

第一に、臨床経験と公衆衛生への問題意識の接続を明確にすることを心がけました。

単なる関心ではなく、実際の患者さんとの関わりの中で感じた限界や葛藤から、公衆衛生の視点の必要性に至ったプロセスを具体的に描くことで、実体験に基づいた動機であることを伝えるよう努めました。

第二に、留学の目的とその社会的意義を明確に提示することを意識しました。

単に知識やスキルの習得にとどまらず、「なぜその環境で学びたいのか、それを将来的に日本社会にどう還元したいのか」という視点から論理的かつ具体的に記述しました。

特に、日本国内で見えにくい健康格差に取り組む上で、社会疫学や行動科学の知見を応用していく意欲を示しました。

第三に、地に足のついた課題意識と現場経験の具体性を重視しました。

理想論だけでなく、これまで自らが関わってきた地域医療や社会的困難を抱える患者への支援の実例を交えながら、自身の関心が現実に根ざしていることを示しました。

抽象的な表現を避け、「この人がなぜこれを学び、どのように社会に貢献しようとしているのか」が伝わるように工夫しました。

面接の質問例

パワーポイントを用いた研究計画とキャリアプランについてのプレゼンを行い、それに対して、面接官5名から質問を受けました。

YSF海外奨学金は主に研究留学を対象としているため、提出書類も研究計画書が求められます。 一方で、応募要項にはMPH取得を目指す医師も対象であることが明記されていたため、私はその点を踏まえて応募いたしました。

面接には5名の面接官がいらっしゃり、当初は主に研究内容に関するかなり具体的な質問が中心でした。

MPHは必ずしも研究を主目的とした学位ではないため、詳細な研究計画を持ち合わせていないことを丁寧に説明しましたが、一部の面接官にはその点が伝わりづらかった印象です。

ただ、理解を示してくださった方からは、私の将来的なビジョンやパブリックヘルス分野への関心について、より広い視点からの質問をいただきました。

質問内容としては以下のようなものがありました:

  • 研究計画に関する詳細(※うまく答えられなかった部分)

  • 将来のキャリアゴールについて

  • なぜ臨床ではなくパブリックヘルスの道を選んだのか

  • すでにMD・PhDを取得しているのに、なぜMPHが必要なのか

  • MPHでどのようなスキルを得て、将来どのように活かすのか(私は国際機関での勤務を希望している旨を伝えました)

全体的な雰囲気は穏やかで、圧迫感などは一切ありませんでした。

面接の対策方法

面接冒頭に5分間のプレゼンテーション時間があり、その後15分間の質疑応答という形式でした。

プレゼンテーションの内容は、将来のキャリアプランと研究計画の概要を中心に構成しました。

パワーポイントは補助的というよりも、ある程度情報を盛り込んだもので、視覚的にも私の背景や目的が伝わるように意識しました。

奨学金の用途

奨学金の主要使途

LSHTMの学費は600万円程度なので、学費250万円は学費の一部にあてました。

ロンドンは物価が高いので生活費2500ドル/月も、ほぼ全額生活費で使いました。

この奨学金で得られたメリット・変化

この奨学金をいただいて特によかったと感じている点は、以下の三つです。

まず、非常に手厚い金銭的支援を受けられる点です。

海外大学院での学費・生活費は1,000万円を超えることもありますが、本奨学金のおかげで経済的な不安なく留学を実現することができました。

次に、卒業後の進路に制限がない点も大きな魅力です。

たとえばチーヴニング奨学金やフルブライト奨学金では、帰国後数年間は自国で働くことが義務付けられていますが、本奨学金にはそうした縛りがなく、自身のキャリアプランに柔軟に対応できるのは大変ありがたいことだと感じています。

最後に、財団の雰囲気がとても温かく、受け入れ体制が非常に丁寧である点も印象的でした。

選考過程から受給後まで、一貫して親身にサポートしてくださり、安心して留学生活に臨むことができています。

これから応募する人へのエール

応募される方それぞれが異なる状況や背景をお持ちかと思いますので、一概にエールを送るのはとても難しく、乱雑かなと思います。

私自身を振り返ると、正直なところ、当時の研究計画書は粗削りで、実際に海外で何をどのように行うのか明確なイメージを持てていたわけではありませんでした。それでも、吉田育英会の方々は、「公衆衛生を通じて少しでも世界を良くしたい」という私の思いを汲み取り、支援してくださいました。

たとえ自分の「やり方」や「具体的な内容」がまだはっきりしていなかったとしても、「人の役に立ちたい」という熱意があること自体が、十分に価値のあることだと信じています。

また、応募できるものにはぜひすべて挑戦してみてください。奨学金団体はご縁なので、どこに拾ってもらえるかは応募しないとわかりません(私は吉田育英会はあまり親和性がないのでダメだと思っていました)。

謝辞

イギリスで公衆衛生を勉強するという大変恵まれた機会をいただけたことに関して、吉田育英会の皆様に心より感謝申し上げます。

吉田育英会にいただいた「善」を、困っている人たちの健康に専門家として貢献する形で、世界に巡らせていけるよう今後も精進いたします。

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耳から学ぶシリーズ

獲得ノウハウシリーズ

【研究助成金】

  • vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野

  • vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連

  • vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野

  • vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連

  • vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野

【奨学金】

  • vol.1:吉田育英会 海外プログラム(本記事)

  • vol.2:JEES・三菱商事 科学技術学生奨学金

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