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【採択者が語る科研費獲得のコツ】基盤C - 生涯発達看護学関連 vol.2

【採択者が語る科研費獲得のコツ】基盤C - 生涯発達看護学関連 vol.2

2025.06.13

看護学分野の大学教員である筆者は、助産師向けのケア実践教育実践プログラムの開発・評価を研究テーマとしています。

本記事では、論文実績のない状態から「科研費 基盤(C)」の採択に至るまでのプロセスをご紹介します。

「いつか応募したいけど、自信がない」
「実績がなくても研究助成金を獲得したい」

そんなあなたの一歩を後押しするヒントが満載です。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 科研費の申請条件

  • 採択者が申請書を書く際に意識している点

  • 採択される申請書の書き方

この記事は誰に向けて書いているか

  • 研究助成金の申請をしようと考えている方

  • 申請書の書き方に悩んでいる方

  • 採択された方の経験談を知りたい方

獲得ノウハウシリーズ

【研究助成金】

  • vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野

  • vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連(本記事)

  • vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野

  • vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連

  • vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野

【奨学金】

  • vol.1:吉田育英会 海外プログラム

  • vol.2:JEES・三菱商事 科学技術学生奨学金

申請者情報

氏名:匿名
所属:非公開
職位:大学常勤教員
専門分野・領域:看護

助成金情報

助成金名

科学研究費助成事業 基盤研究(C)

助成団体の種類

公的機関(省庁・自治体など)

助成団体名

日本学術振興会

助成制度・助成団体の理念

科学研究費助成事業(科研費)は、人文学、社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、研究者の自由な発想に基づく学術研究を格段に発展させることを目的とした競争的研究費制度です。

URL

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/01_shumoku/index.html

応募対象の条件

所属属性に条件あり

最大助成金額・期間

最長5年間で最大500万円

実際に支給された助成金額・期間

4年で455万(間接経費含)

募集頻度・時期

毎年決まった時期に公募

研究内容

申請時の研究タイトル

助産師向けの教育プログラムに関する研究

研究概要

本研究は、基礎理論をもとに助産師向けの教育プログラムを開発・評価することを目的とする。プログラムは、先行研究や助産師の支援の実際、現場のニーズを参考として作成する。本プログラムにより助産師の支援がより効果的となり、アウトカム向上への貢献が期待できる。

(続きはページの後半へ)

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申請までの経緯

助成金を知ったきっかけ

所属機関の公募情報

この助成金を選んだ理由

研究にお金がかかることをまだ実感しないまま(つまり助成金をもらう必要性をあまり感じないまま)、大学からは科研への応募は当たり前のように扱われていました。

私もいずれ行う予定の研究にどの位の資金が必要かわからないため、最もメジャーで金額も大きい科研を選びました。

先輩からも科研に採択されて研究者として認められる的なことを聞いていたので、研究者として一人前になるために、ちょっとした憧れもあり、応募に至りました。

応募に至るまでのストーリー

応募に至るまでのストーリーは前述の通り、本学では科研応募は当たり前のことだったためです(必須ではありませんが、応募していない人はやや肩身が狭そうでした)。

私は実は修士論文もパブリッシュしないまま、他の研究も学会発表止まりで論文化したことがありませんでした(つまり、論文実績ゼロ)。

しかし、私の研究テーマはあまり日本では見かけない内容だったので、「もしかしていけるかも?」と思いつつ応募しました。

申請ノウハウ

募集要項で特に注目した点

過去の採択者情報

申請準備で実施したこと

過去の採択例を収集・分析、申請書に挿入用の図表の作成

申請書に記載が求められる項目

研究目的・背景、研究方法、スケジュール、研究の独自性・新規性、研究の社会的意義、予算の使用用途、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ、これまでの研究活動、研究環境、人権の保護及び法令等の遵守への対応

各項目の記入分量

科研は各項目の記入分量が決められているため、そこを全てほぼMAXまで記入しました。

しかし、図示したほうが自分も理解しやすいですし、採択もされやすいと聞いていたので、図を1枚目と研究方法のところに小さくても分かる程度の大きさで入れました。

そのスペースを確保した上での文量という感じで、図を優先した記入分量にしました。

構成・ストーリーについて意識したポイント

構成も決まっていたので、特に工夫したところはありません。

ただ、学術的背景はなぜこの研究が必要なのかをしっかりと理解してもらうために、短い文章の中でも要点を押さえるよう意識しました。

本研究の着想に至った経緯という項目もあるのですが、そこも現場の実情を切々と訴えるような、読み手の心にいかに響かせるかを意識しながら書きました。

思いの丈をぶつけるとつい長くなってしまうので、そこはChat GPTに相談しながら、短い文章のなかでもテーマが喫緊の課題であることをうまく強調できるよう何度も推敲していきました。

研究方法のところでは、やや複雑な部分も網掛けや下線、【 】の使用、❶と①の使い分けなど、表現に工夫しました。

独自性や社会意義でアピールしたポイント

独自性の点では、私の研究テーマは日本であまり取り組まれていない内容だったので、そこを全面に押し出しました。

「国内ではこの研究が少ない!」だから、「この社会問題が解決されないんだよ!」と直球で表現しました。笑

社会意義の点では、海外でこのテーマの研究が多く行われていることから明らかだったので、それを引き合いに出しました。

また、海外の先行研究以外にも、海外の実際の保健サービスなども色々調べてました。

「海外でこのようなサービスが提供できているのは研究されているからであり、日本も同様のサービスをするためには、この研究が必要である」とアピールしました。

初学者ながら、国のためになる研究でないと採択されないという認識はありましたので、この研究が国に還元できる内容を意識しました。

文章表現の工夫

まず、フォントについてです。

これはほとんどの方がされている工夫だと思いますが、全て明朝ではなく、強調したい文字は他のフォントand太字にしました。

ゴシックは項目名で使われていたので、1番伝えたいところはメイリオ(横幅も広がります)、自分が作った小項目はちょっと違うゴシック(すみません、名前を忘れました)などの工夫をしました。

長文は理解しにくく、読み手が眠くなりやすいかと思い、一文のMAXは3行までとしました。

大事だからと何度も同じような内容を繰り返さないようにも気をつけ、冗長な表現は避けました。

ここはChat GPTが得意なので、何度も壁打ちして納得のいく文章にしていきました。

記入が難しかった項目と、その理由

前述の通り、論文実績ゼロで研究も臨床でやっていたもの(学会発表止まり)くらいで、アカデミアに入ってからの研究も文献レビューとインタビュー調査を今からするという程度でした。

「これまでの研究活動」という項目は正直辛かったです。

しかし、先輩から奨励研究とかをとっておかないと科研にも採択されにくいと伺っていたので(あとは教研費も底をつき始めていたので笑)大学の奨励研究をまず取り、「途中だけど今やってる研究がこれだけあるよ!」とアピールしました。

あとはこれまで論文化には至っていないものの
「過去に行っていた研究手法が今回の研究にも活かせるよ!」
「私は2人の子どもを育ててる母親だし、母親としての視点でもこの研究をみることができるよ!」
とかなり無理やりなアピールもしました笑。

あとの項目は全て必要な内容であり、あまり難しいと思うところはありませんでした。

申請書レビューの有無

はい

レビューの有無

外部コンサル、博士課程の指導教員にも2回見てもらいました

外部コンサルは、ロバストジャパン株式会社の添削サービスを利用しました。

採択につながったと考えるポイント

採択につながったポイントは三つあると考えています。

一つ目は、やはり研究テーマです。

日本の社会問題とどう関連するのか、そこを書くことが大切なのかなと思います。ちょうど日本をあげて取り組んでいることにつながるテーマでもあったので、そこを強調して書きました。

二つ目は、図などを含めた理解のしやすさであると思います。

採択された先輩の申請書を幾つか見ていて、これは分かりやすい!と思った申請書は大体1枚目に図がありました。

先輩も1枚目が勝負と話していたので、私も1枚目の図に研究の背景と課題と方法をギュッと詰め込み、理解しやすいようにしました。

また、研究方法は正直自分でもわかりづらい内容だったので、それもピクトグラムの簡単な絵を入れながら、理解しやすいように工夫しました。

三つ目は、共同研究者の存在です。

実現可能性を考慮して、実績のある指導教授1名に共同研究者として名を連ねていただけたことも、実績のない私には重要でした。

採択後の成果

助成金の使用用途

人件費、機器・ソフトウェア購入、旅費・学会出張費、データ収集・分析

キャリアへの影響

2年目の終わりに採択されたので(初めての応募でした)、やや上司に一目置かれたような気がしています。笑

これから応募する人へのエール

全く参考にならないかもしれませんが、論文ゼロでも採択されている人がいる、と敷居を低くしてチャレンジしてみて欲しいです。

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シリーズ一覧

獲得ノウハウシリーズ

【研究助成金】

  • vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野

  • vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連(本記事)

  • vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野

  • vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連

  • vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野

【奨学金】

  • vol.1:吉田育英会 海外プログラム

  • vol.2:JEES・三菱商事 科学技術学生奨学金

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