
キャリア
【キャリア解説】ある総合内科医の15年 (後編)臨床・教育・研究をつなぎ、ロールモデルを築くまで - vol.30-2
2025.08.11
「何でも診られる風」「割り振り屋」と揶揄されることもある総合内科。しかし超高齢社会のいま、複数の持病を抱える患者に包括的に向き合える存在として、その重要性は増すばかりです。
地方病院での初期研修から始まり、総合内科医として臨床・教育・研究を三位一体で実践しながら、現場での問いを研究へと昇華させてきました。あわせて、若手育成にも力を注いできた挑戦と軌跡、試練と挫折を経て歩んできた道のりを振り返ります。
ロールモデルを目指すために必要だった努力、師との出会い、環境への適応、そして自らの情熱を見つける過程をリアルに語ります。
本記事は前編・後編の全2回で構成されており、これからキャリアを切り拓こうとする医療従事者に、道なき道を行く勇気と具体的なヒントを届けられたら嬉しく思います。
後編となる今回は、臨床・教育・研究をどうつなぎ、自ら道を切り拓いてきたかを中心にお伝えします。
同じ場所に立つ他の誰とも違う、あなたらしさの文脈や背景の中から、どのようにキャリアを築いていくのか――そのヒントになれば幸いです。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- キャリアシリーズ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- なぜそのキャリアを選んだのか
- 専門家が紡ぐ縦糸に、総合内科が加える横糸
- 臨床・教育・研究の三位一体モデル
- 臨床と教育
- 研究
- そのキャリアにたどり着くために努力したこと
- 必要な段階に至った時、師は目前に現れる
- 変化し続ける楽しさと未来への挑戦
- そのキャリアを目指す人へのメッセージ
- 情熱の源を探す - 「やりたい」「できる」「求められる」の交差点で
- やり抜く力 - Grit が人生を切り拓く
- 情熱はどこから生まれるのか - 豊田章男氏と「魔女の宅急便」の教え
- 自分の武器を掛け合わせ、新たな価値を生む
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
臨床・教育・研究を横断的に統合したキャリアの築き方
挫折や壁を乗り越え、自らロールモデルへと成長するための具体的なアプローチ
自分の情熱や強みを見つけ、それらを掛け合わせて新しい価値を生み出すヒント
この記事は誰に向けて書いているか
臨床・教育・研究のバランスに悩む医療従事者
将来のキャリアに迷い、多様な進路に関心がある方
日本で総合内科やホスピタリストとしての道を考えている方
キャリアシリーズ
新谷歩教授インタビュー
- Part 1:アメリカに燃ゆる執念、人事を尽くし教育した医療統計がここに
- Part 2:アメリカに燃ゆる執念、人事を尽くし教育した医療統計がここに
医療職の非臨床キャリア戦略論シリーズ
vol.2:産業医が書く実践と研究の往復書簡 - 資本主義の次なるモデルを目指して
vol.13:10年の臨床経験はナマクラに - そして米国日本人初のライフスタイル医学認定プロへ
vol.27:MPHホルダーの内科医 - 専門性の掛け算で、"一億人に一人"の人材へ
vol.30-1:ある総合内科医の15年 (前編) - 学びを求めて飛び込んだ、建築途中の病院へ
執筆者の紹介
氏名:濱田 治(Osamu Hamada)
所属:愛仁会井上病院 総合内科/京都大学 大学院医学研究科 医療経済学分野
自己紹介:鳥取大学卒業。東京ベイ・浦安市川医療センターで総合内科後期研修を修了。練馬光が丘病院、愛仁会高槻病院を経て、2024年4月より現職。京都大学大学院医療経済学分野の研究員として、臨床・教育の現場で生じた疑問や、日本におけるホスピタリスト・診療看護師の有用性に関する研究に取り組む。総合内科専門医。ECFMG Certificate取得。米国内科学会上級委員(FACP)、同日本支部理事。雑誌『Hospitalist』編集委員。
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に対する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

なぜそのキャリアを選んだのか
専門家が紡ぐ縦糸に、総合内科が加える横糸
「総合内科とは何か」——そのイメージは人によって大きく異なるのではないでしょうか。
整形外科や消化器内科のように専門性が明確な診療科と異なり、総合内科は依然として役割が明確ではありません。病院や患者のニーズに応じて私たち総合内科の役割や診療スタイルが変わるため、統一的なイメージが持たれにくいのだと思います。
「なんでも診られる"風"のね」「割り振り屋」「診断オタクの集団」と言われたこともあります。
しかし、超高齢社会を迎えた日本では、複数の持病を抱える高齢患者さんが増え、一つの診療科だけでは対応が難しいケースが急増しています。総合内科は、そうした複雑な病態に広く対応し、他科と連携して包括的な医療を提供しています。
たとえば、糖尿病、肝硬変、慢性心不全といった持病を抱えた高齢患者さんが、食欲不振で体重が減少し、転倒し、大腿骨頚部骨折で入院。老々介護をしていて、人生会議をしたことがない——こういった患者さんが今、全国の病院で増えています。

従来のシステムでは、整形外科が主治医となり大腿骨頚部骨折の手術をし、糖尿病、消化器、循環器内科などが併診していたかもしれません。時には、食欲不振や体重減少の精査の方針や、社会調整など、誰が全体を見て意思決定をするのかが曖昧になることもあります。
こうした患者さんに対し、総合内科医は整形外科と連携しながら、全体像を見てサポートをすることができます。
私たちは各診療科の先生方のように高度な専門性を持っているわけではありませんが、病態を横断的に診ることを得意としています。

また、高齢者診療においては、看護師の"病を持つ人を看る視点"、患者さんがどう「くらしに戻るか」のケアの視点が特に重要です。医師だけでは手が届かない部分をNPが補い、「Cure(治療)」と「Care(生活支援)」の両輪で患者さんを支える体制が整います。
診療看護師(NP:Nurse Practitioner):大学院の診療看護師養成課程(修士)を修了、認定試験に合格し、倫理的な視点や科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うための知識・技術を身に付けた看護師。米国で1960年代に広まったナースプラクティショナー(NP)の日本版にあたり、2010年度から試験が始まる。
私たち総合内科は、中島みゆきさんの『糸』にあるように、専門各科の「縦糸」に対し、患者さんの病態やくらし、病院や地域をつなぐ「横糸」となる存在でありたいと考えています。
臨床・教育・研究の三位一体モデル
臨床と教育
私にとって臨床と教育は切り離せないものであり、臨床・教育・研究のバランスは「臨床と教育:研究=7:3」です。
私のミッションは、世界標準の内科診療を実践し、次世代の総合内科診療を担える人材を育成し、日本からエビデンスを発信することです。
総合内科チームでは、標準化した診療を実践し、康永秀生先生(東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学 教授)がおっしゃっていたように、その視点や技術を後輩に「side by side」で徹底して伝えています。
教える内容は、観察の仕方、情報の統合、自分なりの方針を立てる方法、疑問の定式化と検索法、チーム医療における立ち居振る舞いなど多岐にわたります。曖昧な表現は避け、明確な情報を小分けにして伝え、自立した学習者を育てることを目指しています。
指導者としての私の目標は、後輩が「私を必要としなくなること」です。できる限り一歩引き、後輩に自立の時間を与えます。
私自身も、「〇〇先生だったらどうするか」と脳内に“リトル〇〇先生”を置いて学んできました。後輩にも同じように、自ら考え、行動できる力を育んでほしいと願っています。
もちろん、私自身も臨床の現場が一番楽しいと感じています。問診し、診察し、診断し、治療し、患者さんが元気に「くらし」へ戻る瞬間は、何にも代えがたい喜びです。
しかしその喜びを独占してしまえば、後輩の成長の機会を奪ってしまいます。だからこそ、彼らにも積極的に経験の場を提供したいのです。
たとえば、私が東京ベイ・浦安市川医療センターで1年間に担当した患者数は約700~800人でした。しかし、私が一人で診られる患者数には限界があります。そして、世界中の患者さんの数から見れば、それはほんの一握りに過ぎません。
私が10人の後輩を育て、彼らがそれぞれ同じ数の患者を診られれば、診療できる患者さんの数は10倍になります。
私のビジョンは、標準化された総合内科診療を普及させ、いつでも、どこでも総合内科の視点を持った医師やNPから治療を受けられる世界をつくることです。そのためには、一人でも多くの人に「総合内科の視点」を知ってもらう必要があります。
しかし、当院は臨床初期研修病院の施設要件を満たさず、研修プログラムの単独設置ができません。同様に、後期研修プログラムの単独での立ち上げも困難です。
私が現役でいる間にあともう何回総合内科の立ち上げに関われるかは分かりませんが、このスピードではダメだと感じ、近隣医療機関の初期研修医の地域研修枠での受け入れを開始しました。
2025年度には、高槻病院、淀川キリスト教病院、済生会吹田病院、明石医療センターから計19人の初期研修医が2~5週間の地域研修に来てくれています。また、NPの大学院生の実習の受け入れも開始しました。
私の理想は、“楽”と“楽しい”が同じ漢字であるように、無理なく、みんなが楽しく、最大限の成果が得られる仕組みをつくることです。そのために、小さな成功体験や褒められる機会を用意したいと思っています。
かつて私自身が言われた「卒後◯年目なのに今まで何をしていたの?」という言葉には意味がありません。いつからでも、何年目からでも、やればできる ―― そう信じられる体験が、人を変えるのです。
そして、後輩たちに任せることで生まれた時間は、私にとって新しい仕組みづくりや研究に取り組む貴重な時間です。
過去に「何も持っていない」と痛感した自分のような後輩を生まないよう、希望者には形に残るものをプレゼントするために、英文Case Reportの個別指導も行なっています。佐藤佳澄先生の書籍や講義で得た知識をもとに、私自身が後輩と共に実践している取り組みです。
研究
医師は患者さんを診断し、治療します。同じように、私は医療情勢、医療経済、病院経営の状況を診断し、治療したいと考えています。
アメリカでは、ホスピタリストが診療に関わることで、入院期間が短縮され、医療費が抑制されたが、診療の質には影響がなかったという研究結果が蓄積されています。しかし、日本では、ホスピタリストの有用性を実際に検証した研究はこれまでありませんでした。
そこで私は、京都大学大学院医学研究科医療経済学分野に所属し、ホスピタリストの有用性を研究テーマとして選び、研究を始めました。
前任地の高槻病院では、総合内科がホスピタリストサービスを提供するまでは、誤嚥性肺炎や尿路感染症などの患者さんは各診療科が輪番で診療していました。私は、これらの疾患で入院した患者さんに対して、総合内科が担当する体制(ホスピタリストモデル)と従来の体制を比較し、医療の質と医療経済の指標を検証しました。
その結果、たとえば誤嚥性肺炎では、ホスピタリストモデルでは在院日数が4日短縮され、医療費も22万円低減していました。死亡率や再入院率に差がなく、診療の質を維持しながら、効率化が達成されたことが示唆されました。
Hamada O, Tsutsumi T, Tsunemitsu A, et al. Impact of the Hospitalist System in Japan on the Quality of Care and Healthcare Economics. Intern Med. 2019;58(23):3385-3391.
Hamada O, Tsutsumi T, Imanaka Y. Efficiency of the Japanese Hospitalist System for Patients with Urinary Tract Infection: A Propensity-matched Analysis. Intern Med. 2023;62(8):1131-1138.
また、総合内科と整形外科による協働診療(コマネジメント)の有用性が、海外で広く報告されています。高槻病院でも、大腿骨近位部骨折や脊椎圧迫骨折の患者さんに対し、総合内科と整形外科の共同診療体制を導入しました。
その結果、手術待機日数や在院日数の短縮、骨粗鬆症治療の導入率向上など、患者さんの治療全体における複数の改善効果が示唆されました。
さらに、こうした周術期管理の臨床現場から生まれた疑問をもとに、肝硬変の重症度と大腿骨近位部骨折術後の転帰との関連を明らかにするために、DPCデータを用いた観察研究を行いました。
高槻病院では、「急性期充実体制加算」の取得に向けて、RRS(院内迅速対応システム)の導入が求められました。
RRSは入院患者さんの容態急変を早期に発見・対応するためのシステムであり、経営的にも患者安全の観点からも導入の意義は大きく、病院長・経営層の要請を受け、RRS委員会の委員長として導入を主導することとなりました。
私は、総合内科医として診療科・病棟を横断的に調整が可能な立場にありました。導入に際し、RRSが機能する土壌を整えるべく、まず現場の現状把握を行いました。その中で、急変予測に不可欠な呼吸数の記録が不十分であるという課題が浮かび上がりました。
そこで、RRS導入を通じた看護師の呼吸数測定の改善を目指した医療の質改善プロジェクトを行いました。結果として、呼吸数測定の割合が介入開始前の3倍以上に増加しました。この成果が得られた背景について、多角的な要因分析やプロセス評価を実施し論文化しました。
これまでの経験を通じて、総合内科やホスピタリストの研究対象は、基礎医学研究や臨床研究に限定される必要はないことに気づきました。むしろ、病院内で発生するあらゆる事象を研究対象とできることこそが、私たちの大きな強みの一つであると実感しました。
そして、それを支えるのが観察力です。「昨日と様子が何か違う」「まだ何か言い含めていて、もうちょっと喋りたいと思っている?」といった微細な変化に気づく力が、実は研究にも直結しているように感じています。
良い観察が行われると問いが生まれ、その問いから仮説が生まれ、次の新しい観察が始まります。その繰り返しで、自分が知りたいことや対象への理解が深まり、解像度がどんどん上がっていくことを体感しました。
このようにして得られた問いを、医療の質改善や組織設計、医療経済など多様な形で研究に昇華させていくことは、総合内科医・ホスピタリストと親和性が高く、独自の強みになり得ると感じています。
そのキャリアにたどり着くために努力したこと
必要な段階に至った時、師は目前に現れる
私は、「必要な段階に至った時、師は目前に現れる」というインドの諺が大好きです。
総合内科に興味を持ち、「眼底鏡を学びたい」と思ったタイミングで青木先生のホームページに出逢い、そこから藤谷先生をはじめ、素晴らしい師匠たちに巡り逢うことができました。
「チャンスを決して無駄にしない」 これを自分の信条とし、目の前に現れた機会を確実に掴み、行動してきました。そして、出逢ったロールモデルとなる師匠たちを徹底的に真似してきました。
急変現場での立ち居振る舞い、プロフェッショナリズム、教育スキル、判断能力……。指導医へのプレゼンテーションを何度も重ね、議論を繰り返す中で、「この人だったら、どう考えるだろう?」を自分に問い、師匠の思考様式を体得していきました。
また、上司や置かれた環境のせいにせず、自分の行動に責任を持ち、より良い環境を自らつくり出すことを意識してきました。
環境のせいにするのではなく、まず自分自身に原因を求める――その姿勢こそが、どのような状況でも前に進むために大切だと感じています。
変化し続ける楽しさと未来への挑戦
ChatGPTのような生成AIが登場し、今後ますます進化していくでしょう。AIは過去のパターンを分析するのが得意ですが、新たな価値や問いを生み出すことは、まだ人間の領域です。
だからこそ今、観察し、問いを立て、分析のその先にある"創造へとつなげていく力"や、人と対話し、協働し、"変化に適応する力"が、人間に求められていると考えています。
人間として成長し、時代や環境に適応するためには、変化し続けるしかありません。そして、変化するためには、学び続けることが必要です。
実際に私は、リアルワールドデータ研究に取り組む中で、医師15年目でSQLやRといったデータベースを操作するための言語、統計解析を一から学び始めました。学ぶ中で次々に新しい発見があり、そのプロセス自体がとても楽しいと感じています。
私は「専門家」ではなく、常に「隣にいる存在」であり続けてきました。だからこそ、異なる領域の視点を掛け合わせ、専門領域でやってきた人とは違う発想の組み合わせができる柔軟さが培われたのだと思います。
これからも、いろいろなことに興味をもち、学び、挑戦し続けていきたいと思っています。
そのキャリアを目指す人へのメッセージ
情熱の源を探す - 「やりたい」「できる」「求められる」の交差点で
情熱の源を探すには、「自分のやりたいことは何だろう」「自分が情熱を注げることは何だろう」――そう考えることから始まります。
自分がやりたいこと、自分ができること、社会にとって役立つこと、その三つが重なった場所に、あなたらしいキャリアの原点があります。
“What I want to do(やりたいこと)”
“What I can do(できること)”
“What I need to do(社会が求めること)”
この三軸で私自身を見つめ直した時、総合内科というフィールドがそのすべてを満たしていました。だからこそ、日々にやりがいを感じ、幸せに働くことができています。
やりたいこと――自分の夢が定まったら、次はその夢を成し遂げるために、短期・長期のゴールを立て、達成のためのプランを立て、それらを実践していくことが必要です。
とはいえ、何でも自分一人だけで道を切り開くのは容易ではありません。だからこそ、周りにロールモデルを探すことが大事です。その存在が、あなたの道標となってくれるはずです。
やり抜く力 - Grit が人生を切り拓く
夢を現実に変える鍵、それが"Grit=やり抜く力"です。
米国の心理学者アンジェラ・リー・ダックワース教授は、「人生で何を成し遂げられるかは、生まれ持った才能よりも、やり抜く力が決める」と述べています。やり抜く力は、情熱と粘り強さによって決まります。
才能とは「努力でスキルが上達する速さ」と説明されていますが、才能があってもそれを活かせるかは別の問題です。努力をやめれば、情熱を持ち、粘り強く努力した人に抜かれることもあります。
まさに、「努力の才能が天才を作る」ということであり、この言葉を私は信じています。
情熱はどこから生まれるのか - 豊田章男氏と「魔女の宅急便」の教え
情熱は、どこから生まれるのか。
その答えは、人それぞれ違います。
トヨタの豊田章男氏は、ご自身の母校バブソン大学で卒業記念スピーチをしました。大学時代、アメリカ留学中に言語の壁に悩む中で出会ったアメリカのドーナツに夢中になったことが、変わるきっかけになったと語っていました。
「喜びをもたらす自分だけのドーナツを見つけ、夢中になれるものを手放さないで欲しい」
それが、豊田氏からのメッセージでした。
情熱を注げるもの、心からやりたいことは人それぞれ違います。だからこそ、自分の幸せや喜びになるものを掴み取ってほしいです。
引用:トヨタイムズ:豊田章男米国バブソン大学卒業スピーチ「さあ、自分だけのドーナツを見つけよう」
スタジオジブリ『魔女の宅急便』では、魔法使いの少女キキがスランプに陥り、魔法が使えなくなる場面があります。そんな時にキキが絵描きのウルスラと交わした会話が印象的です。
「魔法ってさ、呪文を唱えるんじゃないんだね」
「うん、血で飛ぶんだって」
「魔女の血、いいね、私そういうの好きよ。魔女の血、画家の血、パン職人の血、神様か誰かがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけどさ」
この作品における「血」は、その人の才能や持って生まれた力を指していると思います。
情熱は“好き”や“得意”の中に眠っています。自分の才能や武器が分かってきたら、それらを掛け合わせ、自分だけの方程式をつくることが大切です。
自分の武器を掛け合わせ、新たな価値を生む
『ブルーロック』は、“史上最もイカれたエゴイストFWサッカー漫画”とされています。この漫画の登場人物たちは、自分の才能や武器をもとに、どうやって「再現性のあるゴールの方程式」を生み出すかを考え抜いていました。
私自身も、臨床医・教育者・研究者としての経験に、リーダーシップと適応能力を掛け合わせ、新たな価値を生み出そうとしています。
今読んでくれているあなたも、他の人とはそれぞれ異なる人生、背景を持っています。同じ場所に立つ他の誰とも違う、あなたらしさの文脈や背景を大切にして、自分なりの夢を見つけてください。そして夢を掴んだら、それを離さず、努力を続けてください。
「個性がない」と引け目を感じている人もいるかもしれません。けれど、あなたと隣の人は違います。だからこそ、あなた自身の「やりたいこと」「楽しい」「幸せと感じること」を見つけ、それに真剣に取り組むことが何より大事だと私は思います。その熱が、あなたの個性をかたちにします。
私は、「たぎれ、学びの熱よ」というmMEDICIのミッションが大好きです。「触れる人の体温を1度上げ」、「血」がたぎるような文章、講師、フェローと出逢うたび、いつも激しく心がたかぶります。
mMEDICIの提供するコンテンツやプラットフォームの中で、多くの魅力的な人との出逢いがありました。
そうした人の存在は、周囲の人々を「スパーク」させます。まるで、それぞれが持っている才能が爆発するための点火剤のようです。
自分に与えられた才能は大小に関わらず、誰にはばかることなく、燃やし尽くさなければならないと、心がたぎります。
私の文章が誰かにとって「この記事に出会えてよかった、血肉になった」と思ってもらえれば、これ以上嬉しいことはありません。
-最後に-
JrSr〜未来の医師への贈りもの〜
濱田治「ホスピタリストの道〜人生のあらゆる成功を決める究極の能力 やり抜く力=情熱+粘り強さ」
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