
MPH
【東京大学SPH受験】場末の救急医、命と向き合った原点から、社会の健康を見据えて - vol.19
2025.05.16
救急の現場で、次々に運ばれてくる命と向き合いながら、医師としての限界と社会の現実に葛藤を抱える日々。
命を救っても救っても終わりが見えない――
そんな無力感の中で、「どうしたら個人と集団の両方を健康にできるのだろうか」と思うようになり、東京大学SPHへの進学を選択しました。
本記事では、働きながらSPHを目指すまでの葛藤と、受験から進学までのリアルをお届けします。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- 東大SPHをもっと深く知りたいあなたへ
- 執筆者の紹介
- 編集者
- 監修者
- どれだけ救っても、終わりが見えなかった——救急医として感じた葛藤
- なぜ東大SPH進学を選択したのか
- 受験対策で取り組んだこと
- 【英語】
- 【統計学一般】
- 【公共健康医学基礎】
- 【専門分野論述】
- 【小論文】
- 【その他】
- 【二次試験(面接)】
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- 受験期に一番大変だったこと
- 受験生の皆さんへ、今の私から伝えたいこと
- MPHの受験から、卒後のキャリア形成まで一気通貫のサポートならmJOHNSNOW!
- 【YouTubeラジオコンテンツ 耳から学ぶシリーズ】
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
いち救急医が大学院進学を考え始めてから、実際に受験・進学するまでの過程
東大SPH一次試験の科目別受験対策(参考書籍を含む)
東大SPH二次試験の面接対策
この記事は誰に向けて書いているか
日常業務や現在のキャリアにモヤモヤを感じている医療職の方
日常業務と受験勉強の両立が不安な方
東大SPHに興味はあるが、試験対策がネックだと感じている方
東大SPHをもっと深く知りたいあなたへ
受験のかたちは人それぞれ。東大SPHを目指す歩みには、十人十色の物語と、それぞれに合った勉強法があります。
大切なのは、自分自身にフィットする戦略を見出すこと――それこそが、合格への鍵となるのです。
ここでご紹介する体験記は、受験に向けた思考と準備のヒントに満ちています。
これから進む道の羅針盤として、ぜひ他の東大MPH受験記もあわせてご覧ください。
場末の救急医、命と向き合った原点から、社会の健康を見据えて(本記事)
執筆者の紹介
氏名:A.S.
所属:市中病院の救命救急センター → 東京大学SPH(2025年入学)
自己紹介:慶應義塾大学総合政策学部卒業後、コンサルタントとして民間シンクタンクに就職し、経済産業省のエネルギー政策立案支援や民間企業の海外進出戦略支援等を担当。社会人3年目の春、父親が院外心停止で救急搬送され、「救命の連鎖」によって蘇生され、社会復帰したことを機に、2012年国立大学医学部に学士編入。2017年に卒業し、医師免許を取得。初期研修、後期研修を経て救急科専門医、集中治療科専門医、プライマリケア認定医を取得。救急医として働くことは、父を助けてくれた社会への恩返しと、最後まで和解できなかった父への贖罪だと思っている。2025年4月に東京大学公共健康医学専攻(SPH)2年コースに入学。
編集者
氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。
監修者
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
どれだけ救っても、終わりが見えなかった——救急医として感じた葛藤
過量内服とリストカットを繰り返す若い女性
熱湯の入ったヤカンに手を伸ばしてひっくり返してしまった幼い子供
自転車で二人乗りをしていて、車と衝突した高校生
死のうと思って高架の上から飛び降りた中年男性
家族が朝起きたら、布団の中で冷たくなっていた超高齢女性
仕事中に手指を器具で切断してしまった若い男性
次から次に患者が運ばれてくる地方都市の救命救急センターで、私は救急医をしていました。
医師の数に余裕はないので、夜間休日は一人で日当直をしていました。
自分が助けられなかったら、目の前の患者は死ぬ。
私の目の前を患者が通り過ぎる、その一瞬で救命できるかどうかを試されているような、そんな日々を繰り返していました。
1日が終わるたびに、「あの事故は防げなかったのか?」「あんな状態になる前に病院に来てくれなかったのはなぜなのか?」「患者家族への私たちの対応は正しかったのか?」と悶々としながらも、次の日になればまた新しい患者が次々と運ばれてくる。
「社会の縮図」と称されることもある救急外来、いわゆる「下流」でもがき続ける中で、どれだけ命を救っても、キリがないような無力感を感じるようになっていました。
専門医を取得した後、医師6−7年目頃のことです。
この先、私は救急医として社会に対してどのような価値を提供できるだろうか。
目の前にいる患者の命を救うことも大事。でも、これを続けているだけでは社会は健康にならない。
個人の健康と安全の延長線上に、集団の健康と安全はあるはず。でも、おそらくイコールではない。ここで戦い続けていても、消耗するだけのような気がする。
「仕事、やめたいなぁ。」
これがSPHを受験しようと思った最初です。
今思えばバーンアウトの手前だったのかもしれません。とりあえずしばし休む、という選択は、個人の自由であるようにも思えますが、現実的にはそうではなかったような気がします。
というか、私には選択できませんでした。目の前にいる患者を、見捨てるような気がしたからです。
人の命を助けるために医師になったという自負がありました。
なんだかんだ言いながら、一人一人の患者と向き合う臨床が好きでした。
疲れた疲れたと言いながら、勤務ではない休日にも、自分が主治医をする患者の診察しにふらっと病院へ行ったりもしていました。
そんな私にとって、自分も周りも納得できる、一定期間仕事をお休みする前向きかつ現実的な理由はそんなに多くはなく、「学生にでもなるかー」と思ったのでした。
SPHを受験しようと思ったきっかけは、「いったん臨床から離れたかったから」。
高尚な理由がたくさん並べられている中で申し訳ない気持ちにもなりますが、これが「私にとっての本当のはじまり」です。
なぜ東大SPH進学を選択したのか
「学生になる」と一口に言っても、その先にある選択肢は様々です。
医師である私は直接、博士課程に入ることもできるし、MBAなどMPH以外の修士号の取得を目指すコースも選択できました。
では、なぜSPHだったのか。
結局、私の視線の先には、一人一人の患者がいて、彼らの生きる社会にどれだけ実装できるか、応用できるか、実用できなければ学ぶ意味がないと思ったからです。いわゆる「実学」というやつです。その方法論を学びたいと思いました。
あれだけ「仕事辞めたい」と言っていても、やっぱり私は患者と臨床が好きで、医師になったからには、目の前の患者を良くするだけでなく、未来を良くするために貢献する一人でありたい。
一人一人が、健康と安全に日々を過ごすことができる、そういう社会を作るために実用的な学びを得たいと思い、それにはSPHが最適解であろうと思ったのです。
国内で進学するなら東京大学か京都大学、と決めていました。「この人から学びたい」と思える教授・講師が、東京大学や京都大学にいらっしゃったためです。
私は正直、学位はどうでも良くて、純粋に学びたい気持ちが強かったので、「どこでも良いからMPHを取得できるところを」とは考えていませんでした。自分が学びたい相手のいるところを選ぶ、それが東京大学(もしくは京都大学)だった、というだけです。
海外への進学を考えたこともありました。同じ理由で、海外で進学するならハーバード大学を目指そうと思い、日本人OBの先生に相談したこともありました。
費用面、生活面、学習面、ネットワーク。いろいろ天秤にかけ、母国語で学びを深められるメリットや、非常勤でも臨床を細々続けられること等を鑑みると、米国で学ぶための莫大なコストに私の人生は見合わないかな、と思い、国内での進学を目指すことにしました。
最終的には、5月に開催された説明会にオンラインで参加し、先生方のお話に心踊る自分を見つけ、「わくわくする!ここに行こう!」と思って受験を決め、その日の夜から受験勉強を開始しました。2024年5月25日のことです。受験本番まで、約3ヶ月でした。
当時の働き方を続けながら複数校分の対策を並行することは無理だな、と思ったので、ひとまず東京大学だけを受験することにしました。
余談ですが、東大SPHは、入学時に退職し、フルタイムの学生になることが前提です。
在職のまま入学する場合には、出願時に指定された学習計画書を提出する必要があります。
入学後、特に最初の半年間は連日講義があり、「働きながら通う」ことはあまり現実的ではないように思います(フレックスタイム制の企業に勤務しながら通っている同級生はいます)。働きながらMPH取得を目指したい臨床医には、東大は不向きかもしれません。
受験対策で取り組んだこと
東大SPHの受験科目は、以下の五つです(2024年受験時点)。
①英語(120分):
長文読解3題(内容は公衆衛生に関わるもので、2024年は問題文も解答の記述も英語。出所はいわゆるbig journalが多い。)
②統計学一般:
択一式20題(関数電卓が貸し出され、練習時間あり)
③公共健康医学基礎(要は医師国家試験の公衆衛生分野):
択一式20題(②と③をあわせて100分)
④専門分野論述(80分):
疫学、医学統計、予防医学、健康教育、精神保健、医療倫理、医事法、公衆衛生調査方法論、医療情報システムの9題から4題を選択して論述で解答
⑤小論文(60分):
試験要項にテーマが書かれていますので確認を。ここ数年は毎年同じ、「自らの実務経験や知識に基づいて、公衆衛生上の課題と対策について論ぜよ」字数制限なし過去問題は、東京医学会で10年分を購入でき、窓口で直接購入するか、郵送を依頼するかで入手することができます。
入試に向けての準備期間は約3ヶ月間でした(平日3時間、休日8−10時間程度)。
ここから先は、科目別に具体的な入試対策をお送りします。
いずれの科目にも共通して言えることは、「過去問が基本でありすべて」であるということです。数年分を通して解くと、主題者の意図や思いがほんのり伺えます。
対策すべき範囲は膨大なので、あまり横道に逸れ過ぎず、過去問題から見え隠れする傾向と出題の狙いを感じられると良いのではないかと思います。
【英語】
もともと得意(TOEIC 950点、IELTS 7.5)であったので、ほとんど対策はしませんでした。
通勤中にポッドキャストでNEJMやJAMA、Lancetを聴き流し、隙間時間に自分の臨床分野に近しい論文をたまに読み流す程度でした。
本題とはちょっとずれますが、初めて英語の過去問題に取り組んだ時に、長文を読んで「なんて面白いんだ!」と思い、これを受験生に読ませ、問う学舎にぜひ入りたいと思いました。
ということで、私にとっては英語の試験勉強はあまり苦ではなく、楽しみながら過去問題を読んでその周辺知識を固める程度のものでした。
【統計学一般】
あまり数学が得意ではない私にとっては、これが最大の関門でした(同じような思いで戦っている方の励みになりますように)。
公式HPにも、東大SPH入試の統計学一般は「統計検定2級程度」と記載されています。
その対策として、「統計学演習」という本が鉄板の受験対策本として紹介されていることが多々あります。ところが、数学の基礎知識のない私には到底歯が立たず、やり始めて即1回目の挫折をしました。
諦めて「中学レベルからはじめる!やさしくわかる統計学のための数学」を購入し、余す所なくやりきり、並行して数学ⅡBの基礎的な問題集を購入し、応用はともかく基礎は解ける、という段階になって「完全独習 統計学入門」という本に手を出しました。
これも意外とサクサク進み、なんだかできるようになった気がしてもう一度「統計学演習」に戻ったのですが、解説の少なさに独学は無理だ…と2回目の挫折。
受験勉強を開始してからすでに1ヶ月が経過しており、もうこの本の攻略は諦めて、「えーい!」と過去問題を解いてみることにしました。6月末頃のことです。
統計学一般(と公共健康医学基礎)は、択一式で、途中の計算式は不要です。選択肢の中から、最も近しい答えが導ければ、ズバリ正解の値に辿り着けなくても正答でき減点もありません。
ということで、受験本番まで時間もなかったので、「正当法で唯一無二の解答に辿り着けなくても、近いところまで行ければ良し」に作戦変更しました。
私のように数学や統計の基礎がない文系頭には問題文そのものが難解に見えますが、問われていることは極めて基本的な基礎の基礎だったりします。この作戦変更が功を奏し、受験1ヶ月前には過去問題の8−9割正答できるようになりました。
最後の最後まで理解ができなかった文言は、そのままyoutubeで検索して出てきた動画の内容を丸呑みしました。
これを読んでいる方の中にも、統計を理由に東大を諦めようかなと思っている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、一度だけ思い込みを捨てて取り組んでみて、どうにもならないか、どうにかなりそうかを見極めてみることをおすすめします。
私自身は、改めて勉強してみたら、数学も統計学も面白くて、高校生の時にもうちょっと頑張って取り組めば良かったなと思いました。好きになれていたかもしれないし、人生変わっていたかもしれないなぁと。
-過去問題以外の参考書(統計)-
・中学レベルからはじめる!やさしくわかる統計学のための数学
・完全独習 統計学入門
・予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」【公共健康医学基礎】
過去問題を数年分解くと、繰り返し問われたり扱われたりしているトピックスに出会います。私はこれをそれぞれノート1ページずつにまとめ直し、用語の定義や周辺の法制度、数値がある場合には全体の規模感と直近数年間のトレンドに分けて整理し、見直せるようにしていました。
過去問題以外では、医師国家試験ぶりに「公衆衛生がみえる」と「クエスチョンバンク」を購入し、QB Onlineアプリをダウンロードし、コツコツ解き進め、一方で東大SPHの教授・講師陣が執筆された書籍を読んで知識のまとめ直しをしました。
QB onlineをダウンロードして「クエスチョンバンク」を購入すると、通勤中などちょっとした隙間時間に国家試験の過去問題を解くことができます。あわせて「公衆衛生がみえる」を購入すると、問題ごとの解説も追加されるので、勉強の効率は良かったです。
最新の数値やトレンドをフォローする必要はあるので、その辺りは個人でキャッチアップする必要があると思います。
-過去問題以外の参考書(公共健康医学基礎)-
・公衆衛生がみえる ※毎年新しいものが出ます
・クエスチョンバンク 公衆衛生(医師国家試験用)
・QB Online(上二つと連動して問題演習でき解説を参照できるので便利でした)
※ほか「専門分野論述」の項に載せた教科書類も参照しました。【専門分野論述】
疫学、医学統計、予防医学、健康教育、精神保健、医療倫理、医事法、公衆衛生調査方法論、医療情報システムの9題から4題を選択して論述で解答する方式です。
疫学や医学統計は「計算さえできれば解答できる」一方で、計算ミスなどの「どうしようもない、けれども致命的」な間違いを犯すリスクが大きいと考えました。そこで私は、これらは回避する戦略をとりました。
なんとなく今ある知識+常識の範囲内で太刀打ちできそうなもの+当日の運、なところもあります。しかし、試験対策としては「公共健康医学基礎」と重複するところも多くあります。
基本的な事項や全体の傾向は把握しておきながら、個別のトピックに関して自分なりの意見や解釈を持つように日頃から意識して過ごすようにしました。
「解答できるものがなかったらどうしよう」と心配していたのですが、実際には、当日問題をみた時に意外とどれもそれなりに書けそうに見え、逆に「どれを選ぼうか」と迷ってしまい試験時間ギリギリになってしまいました。
最後の数分間は生きた心地がしなかったです。60分で4題を論述するということで、本番は時間との戦いになります。問題選択を見誤らないようにしつつ、悩みすぎず、とにかく腕を動かして書きながら考えるのが良いと思います。
-過去問以外の参考書(専門科目)-
・社会と健康(川上憲人ほか)
・わかりやすいEBNと栄養疫学(佐々木敏)
・保健医療専門職のためのヘルスコミュニケーション学(石川ひろの)
・はじめて学ぶやさしい疫学(日本疫学会標準テキスト)【小論文】
東大SPHの小論文試験は、事前課題(自身の知識または実務経験に基づく公衆衛生上の課題と対策について論ぜよ)が出されているので、私は予め解答案を作成して行きました。
根拠となる数字や年号、出所を記載するように問題文に付記されているので、ほとんどの方は少なくとも骨子は作っていくのではないかと思います。
私は導入部分に現状を論じるパートを入れたので、その部分のデータや年号を間違えないように気をつけていました。特に字数制限などはありませんが、暗記するにも再現するにも、私には1400字が限界でした。
論文の構想を練る時間は、SPHへ進学したい気持ちを再確認し、これまでの自分のキャリアと人生、大事なことが何なのかを振り返る貴重な時間でした。
私は誰かに原稿案を読んでもらってコメントをもらったり推敲したりということは、(プライベートな内容でもあり)やりませんでした。しかし、当然のことながら点数がつくものなので、論理構成などは信頼できる第三者に客観的にみてもらう方が良いかもしれません。
【その他】
過去問の回答作成にchat GPTを利用しました(意外と計算ミスしたりするので注意は必要)。
当日貸し出しされる関数電卓は一般的な関数電卓(カシオ社製)です。なので、私のようにほとんどこれまで使ったことがない人は一つ購入し練習しておくと良いと思います(試験前に練習時間が設けられますが、その時点でつまずいている人が意外といました)。
筆圧の高い私にとって「芯が折れずに速くきれいに文字を書く」強い味方でいてくれたのが、ゼブラのデルガードLXというシャープペンシルです。これ、本当におすすめです。同じ悩みの方がいらしたらぜひお試しください。
【二次試験(面接)】
-聞かれたこと-
・志望動機
・一次試験で書いた小論文の内容について
・入学後に学びたい内容
・出願書類に添付したこれまでに書いた論文の内容について
一次試験(筆記)を通過すると、二次試験(面接)に進みます。一次試験の合格発表時に集合時間が伝えられ、合格発表の翌日に二次試験があり、けっこうタイトなスケジュールでした。
二次試験では、試験で書いた論文の内容について質疑応答(というか試問?)されます。そのため、面接の前に論文に書いた内容を再度自分で確認できるように、論文に関してはやはり事前に原稿を作って手元に残しておくことをおすすめします。
入学後に学びたい内容については、事前にシラバスを読み、UTokyo OpenCourseWareという東京大学の正規講義の講義資料・映像を公開されているサイトでいくつかの講義を聴講し、その内容をもとに学びたいこととして回答しました。
募集要項に「現在まで行った職務内容に関する所属長の証明書類(様式随意)及び本人の論文・報告書等を 6.出願手続(5)提出書類等に添えて提出してもよい。」という記載がありました。
そのため、これまで自分が臨床の片手間にちまちま書いて形になったもの(Original Researchもケースレポートもレターも全部)を、すべて印刷して出願書類に添付して提出しました。
面接の際には、私が事前に送ったこのペーパーたちが、全てコピーされ、十数人いる面接官全員の手元に置かれておりました。これは本当にありがたいことだと思いました。
ビッグジャーナルじゃないし、目の前に並んでいる東大の先生たちからしたら、大したものじゃない…はず。でも、現場で必死に臨床をしてきた私にとってはどれも大切な患者さんの大切な症例で、大切な臨床経験で、大切な大切な自分の分身でした。
その一つ一つを手にとってもらい、目を通してもらい、内容について質問され回答するというこのやり取りが本当に贅沢でした。
(続きはページの後半へ)
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受験期に一番大変だったこと
とにかく、日常の臨床業務との両立が大変でした。
私は周囲の誰にも言わずに受験することにしていた(周りに気を遣わせたくなかったし、私自身も受験を言い訳に手を抜くようなことはしたくなかった)ので、基本的には業務時間内には業務以外のことはせず、起床〜家を出るまでの間と、通勤の電車内、帰宅後〜就寝までの間にどれだけ時間を作れるか…ということで、4時起床、23時就寝をベースに、平日は3−4時間、休日はほぼすべての時間を充てがいました。
それでも月に4−5回の日当直業務があり、しんどかったです。
3ヶ月という限られた準備期間だったからこそ、なんとかなったような気がします。大きな声では言えませんが、勉強のモチベーションになったのは「仕事やめたい」というネガティブなんだかポジティブなんだか、よく分からない感情でした。
当然のことながら、平日の試験日にあわせて休みと日当直を調整する必要があり、前日まで自分が主治医をしている患者が急変したり状態悪化したりがないか、ヒヤヒヤしながら管理していました。
試験当日、赤門の前に立った時に「無事に試験を受けられるってありがたいなぁ」と思ったのを覚えています。
受験生の皆さんへ、今の私から伝えたいこと
東大SPHに入学して早くも1ヶ月が過ぎようとしています。2年間があっという間なのは入学する前から分かっていたことではあるのですが、授業という授業すべてが本当に面白くて、楽しくて、毎日幸せです。
始まったばかりなのに、いつかやって来る終わりを思うと寂しくて悲しくなるという不思議な現象が起きています。
我武者羅に走り続けてきた臨床の日々が、今の学びを深めてくれていることを、毎日感じます。
これまでは目の前の患者を助けることに全力を注いできましたが、今の学びを未来の患者の安全と健康に還元できるよう、たくさん学びたいと思っています。
あれだけ仕事を辞めたかったのに、休日は臨床医のアルバイトをしています。やっぱり臨床が好きで、目の前の患者の命も諦めたくない、と思う自分自身を再確認するきっかけにもなりました。
受験生のみなさん、東大SPHは楽しいです。受験勉強は大変ですが、そのすべてが入学後の学びにつながっており、無駄なものは何一つありません(…と言いながら入学する頃にはすべて忘れていて学び直しているところです…)。
でも、SPHは東京大学だけではありません。入学することも、学ぶことも、卒業することも、学位を取得することも、どれもゴールではなく、あくまで未来につながる手段だと私は思っています。
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同志として、より安全で健康な社会の構築に向けて、ともに努力していきましょう。
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