2026.9.11

【書籍紹介】企業で働く医療職のためのおすすめ本7選:専門家からビジネスマンへ - vol.12

20代前半までほとんど本を読まなかった私が、ふとしたキッカケから読書を始めたくさんのことを学んできました。当時と働く環境が変わった今でも、当時の学びが仕事やキャリアのさまざまな場面で生きています。

今回は、これまで読んできた中から「実際に仕事や人生に役立った」と感じる本を厳選しました。

日々の仕事に悩んでいる方や、もう一歩成長したいと考えている方にとって、新しい視点や行動のきっかけになる一冊が見つかれば嬉しいです。

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この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 結果を出すために共通する考え方・習慣

  • 自分の対人コミュニケーションスキルを見直すためのヒント

  • 実践で役立つ営業やコミュニケーションなどの実践で役立つおすすめ書籍

この記事は誰に向けて書いているか

  • 対人コミュニケーションを必要としている企業(製薬、医療機器、ヘルスケアIT等)で働く職種の方

  • どの本から読めばいいか迷っている方

  • 自分自身の営業力や思考力、コミュニケーション力をアップデートしたい方

書籍紹介シリーズ

vol.1:初心者のための副業の始め方 - 3年で副業売上1,500万円の研究者が勧めるおすすめ本10選
vol.2:医療データサイエンティストなるには?未経験からのおすすめ本8選
vol.4:臨床研究の始め方から続け方まで - 論文執筆、統計からキャリアを学べるおすすめ本9選
vol.9:ケースレポート書き方おすすめ本5選 - 症例報告の始め方がわかる「業績への近道」と「臨床への熱狂」二つのアプローチ

執筆者の紹介

氏名:S
所属:製薬会社勤務
経歴:薬学部卒業後、製薬企業の営業や医療の現場など、さまざまな立場から医療に関わってきた。20代前半まではほとんど本を読まなかったものの、就職活動をきっかけに読書にハマり、年間100冊以上読んだ時期も。社会人として働きながらMPH(公衆衛生学修士)を取得。現在は製薬会社に勤務し、これまでの実務経験と薬剤師×MPHのバックグラウンドを生かしながら、ヘルスケア領域でキャリアを築いている。

はじめに

企業で働く医療職は、専門知識や資格さえあれば自然と活躍できると思われがちです。しかし実際には、同じような知識やバックグラウンドを持っていても同じ年数働いていても、企業内での成果や影響力には大きな差が生まれます。

私自身も薬剤師の資格を持ち、製薬業界のビジネス現場で10年以上働く中で、「論理的に正しいはずなのに、なぜ人が動かないのか」「ビジネスで結果を出す人と自分は何が違うのか」と何度も壁にぶつかりました。

そんな中で出会ったのが、沢山のビジネス書です。

20代前半まではほとんど本を読まなかった私ですが、読書を通じて「トップビジネスマンや経営者の考え方、行動習慣」に触れ、自分一人では何年もかかって気づけなかった学びを短時間で得ることができました

本は知識を増やすだけでなく、自分の考え方や行動を見直すきっかけにもなりました。

人は結果や経験に惹かれると思っています。本は手軽かつ簡単に他人の経験や考え方を自分自身に取り入れるための手段です。

そこで本記事では、医療専門職のバックグラウンドを持つ私が実際に読み、「専門家」から「ビジネスパーソン」へと脱皮し、対人コミュニケーションを円滑にする過程で本当に役立ったと感じた書籍を厳選してご紹介します。

企業でのキャリアや立ち回りに悩む方はもちろん、多職種とのコミュニケーション力やプロジェクトの推進力を磨きたい方にとって、現状を打破する一冊が見つかれば幸いです。

1.相手の心を理論的に捉える「対人・心理コミュニケーション」おすすめ本2選

人を動かす

人を動かす

こんな方におすすめ

  • 正しい専門性や正論を伝えているのに周りが動いてくれないと感じている方

  • 社内の他部署(営業・開発・薬事など)や多職種とのコミュニケーションに悩んでいる方

  • 相手の立場に立てと言われても何をしたらいいかわからない方

ビジネスの現場において、成果を出すための本質は「目の前の相手(ステークホルダー)に動いてもらうこと」にあります。 医療職や専門職は、どうしても「正解」や「エビデンス」を伝えることに注力し、正論で相手を動かそうとしてしまいがちです。

しかし本書は、小手先のテクニックではなくその根底にある「人間心理の原則」を説いた名著です。

「相手の立場に身を置く」「心からほめる」など、20〜30代の若手が明日から顧客や社内調整で実践できる専門家からビジネスパーソンへと脱皮し、社内外のキーマンと円滑に協働するためのヒントが詰まっています。

うまくいかないと小手先のテクニックに逃げがちですが、そんな時に必ず原点に戻してくれる一生モノの1冊です。

私は1回で全てを理解できなかったので、これまでに3回ほど読んでいますがむしろ読むたびに新しい発見があります。また、読んだことを実践に取り組むなどしています。

影響力の武器[第三版]:なぜ、人は動かされるのか

影響力の武器[第三版]:なぜ、人は動かされるのか

こんな方におすすめ

  • 正しいデータやエビデンスを提示しているのに、相手が首を縦に振らない理由を知りたい方

  • 感覚頼みではなく、相手の意思決定の心理プロセスを論理的に理解したい方

  • 社内の企画を通したり、社外との交渉を有利に進める「個の推進力」を身につけたい方

なぜ人は「Yes」と意思決定するのか。その背景にある心理を教えてくれる1冊です。

医療やアカデミアの世界では「エビデンスの正しさ」が最優先されますが、企業ビジネスにおいては「人間がどう動くか」という心理的な側面が大きく影響します。 本書は、人間が知らず知らずのうちに誘導されてしまう「行動心理の仕組み」を実験データで証明したバイブルです。

「専門家の意見を盲信してしまう性質」「数量が限られたものに価値を感じるバイアス」など、専門職が社内の意思決定者を動かす際や、プロジェクトを前に進める際に応用できる法則が網羅されています。

なかなかうまくいかないコミュニケーションや結果が出ずに行き詰まった時、自分が進むべき正しい方向を指し示してくれる存在です。

私自身、製薬営業として医師と面談する中で、限られた時間で相手の関心や課題を捉えることの重要性を感じてきました。特に医療の現場では、単に商品の魅力を伝えるだけでは相手は動きません。相手が何を重視し、どのような情報を必要としているのかを考える必要があります。

その意味でも、「人はなぜ動くのか」を理解する本書の考え方は、実際の営業活動でも社内でのコミュニケーションにも通じるものがありました

ただ、こちらもボリュームが多く全てをすぐ実践するのは難しいです。気になるポイントから読み始めて実践に取り入れ、次に気になるものを読む、というスタイルで読み進めていました。

2.本質を見抜き周囲を動かす「思考法・関係構築」おすすめ本2選

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

こんな方におすすめ

  • 顧客への提案書や資料作りで時間が溶けてしまう方

  • 言いたいことはわかった止まりの方

  • 顧客から「そういうことじゃないんだよね」と言われてしまう方

よくいる「そこじゃないんだよな」ってピントがズレた方。医療職や研究職の背景を持つ人がビジネス現場で陥りがちな最大のトラップが、「情報を網羅的に集め、すべてを完璧に整理しようとすること」です。

ビジネスの世界では、答えを出すべき「本質的な問い(イシュー)」を見極めずに動き始める作業は、いくら時間をかけても価値を生みません。そうならないためには「何が本当に考えるべきことか」を捉えることが必要です。

本書では、問題を解く前に、まず「本当に解決すべき本質的な問い(イシュー)」を見極めることの重要性が書かれています。

20〜30代のビジネスパーソンがこの「イシュー起点」の思考を身につけると、企業内でのデータ分析や資料作成のスピードと質が激変します。限られた時間の中で、膨大な情報の中から「意思決定に必要な核心」だけを抽出し、社内ステークホルダーや顧客自身も気づいていない「真の課題」にピンポイントでアプローチできるようになります。

製薬会社の営業職は、医師との面談時間が数分ということも珍しくありません。限られた時間で「何を話すか」以上に重要だったのが、「この先生が本当に知りたいことは何か」を見極めることでした。

用意した説明を全て話すのではなく、相手の一言から関心や課題を捉え、話す内容を変える。この経験からも、「何を解くべきか」を最初に考える本書の重要性を実感しています。

「忙しく働いているのに成果に結びつかない専門家」から、「最短距離で本質的な価値を生み出すビジネスパーソン」へと切り替わるための最強の思考武器です。

君に友だちはいらない

君に友だちはいらない

こんな方におすすめ

  • 社内調整や他部署(開発やサポートなど)との連携に悩んでいる方

  • Yesマンになりがちで相手の言うことに従うだけの方

  • 個人では手に入らない大きな成果を得たい方

業内で大きな成果をあげるためには、自分ひとりの力だけでなく、周囲を巻き込む「巻き込み力」が不可欠です。しかし、それは「仲良くすること」とは違います。

本書は、元マッキンゼーでエンジェル投資家でもあった著者が、厳しいビジネスの世界を生き抜くための「本当の結びつき」を説いたビジネス書です。

20〜30代のビジネスパーソンが本書を読むことで、顧客や社内メンバーと「馴れ合い」ではない「対等なプロ同士の関係」を築くマインドが身につきます。

自分の意思で周囲を巻き込み、大きな案件を動かす上で、「周囲とどう関係を築き、仕事を進めていくのか」を考え直すきっかけになった一冊です。「あなたは何ができるの?」に自分の答えを持つことの大切さに気づかされた1冊です。

3.諦めずにやり切る軸をつくる「マインドセット」おすすめ本3選

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

こんな方におすすめ

  • 成果が出る前にすぐ諦めてしまう癖を直したい方

  • 才能やセンスがないと悩んで自信を失っている方

  • 目標に向かってモチベーションを維持し続けたい方

ビジネスや人生で長期的な成功を収めるために最も必要なことを教えてくれます。

この本は、生まれ持った知能や資質ではなく、成功における「情熱」と「粘り強さ」の重要性を、様々な研究や事例から解説した1冊です。

「失敗を恐れずに挑戦を続けるマインドセット」や「日々のルーティンを継続する仕組み」など、若手ビジネスパーソンが日々の業務やキャリア形成において今すぐ取り入れられる実践的なヒントが紹介されています。

目先の数字に一喜一憂してモチベーションが下がった時、自分の軸をピシッと整えて前を向かせてくれる強い味方です。

偉そうなことも言っていますが、私自身、今でも日々の仕事に追われ、上手くいかないことがたくさんあり、何度も「何をしているのだろう?」とモヤモヤすることがあります。そんな時にちょっと手に取って読み返してみたりもしています。

ソース - あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。

ソース あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。

こんな方におすすめ

  • 企業のKPIや業務目標を追う中で、「なぜこの仕事をしているのか」と、息切れやモチベーション低下を感じている方

  • 自分の専門性や価値観を、企業のビジネス成果へどう還元すればよいか悩んでいる方

企業の現場で活躍する医療職・専門職は、会社から与えられた目標(ノルマ)だけでなく、「商品を通じて顧客の抱える問題を解決したい」という内なる情熱(源泉)を持っています。できるビジネスマンは性格に関係なく、このエネルギーが人一倍強いです。

仕事ができる人は、なぜ強い意志を持ち精力的に動き続けられるのか―――。

この本は、そんな個人のエネルギーの仕組みを解き明かした、組織論・キャリア論の先進書です。

この本を読むことで、日々の業務を「ノルマのための作業」から「自分の情熱を実現する手段」へと捉え直すことができます。

自分の価値観と仕事がリンクした時、あなたの一言に顧客を惹きつける熱量が生まれ、自分の価値観と仕事がリンクすることで、日々の業務に取り組む意味も変わってきます。

「あなたはその仕事で何をどうしたいですか?また、どうなりたいですか?」

自分の内側にあるエネルギーは思っている以上にすごいことに、改めて気付かされるかもしれません。

覚悟の磨き方

覚悟の磨き方

こんな方におすすめ

  • 失敗や断られることを恐れて、次の一歩が踏み出せない方

  • 自信が持てず、いつも重要な決定や提案の場面で弱気になってしまう方

「諦めずに続けたら、最後に結果に繋がった。本当にラッキーでした」

圧倒的な成果を上げ続けている方のこんな一言を聞いたことがある人は少なくないはずです。私もその一人でした。

最後の最後に結果を出すのは、テクニックではなく「何が何でもやり切る」という熱意と覚悟です。

幕末の天才思想家・吉田松陰の生き様と言葉を、現代ビジネスパーソン向けに超訳したメンタルバイブルです。見開き1ページに一つの言葉が凝縮されており、忙しい日々でもサクッと読めるのが特徴です。

20〜30代のビジネスマンが、一大イベントの前にプレッシャーで押しつぶされそうな時や、専門家としてのキャリアの岐路で「このままでいいのだろうか」と思い悩んだ時いつでも自分の「軸」を取り戻し、ブレないマインドを確立することができます。


自分自身、「私は何がしたいのだろう」や「このままでいいのだろうか」と思い悩んだ時に手に取るようにしています。

4.一覧表「この悩みには、この1冊」

悩み/目的

まず開く1冊

正論を伝えても周囲や社外キーマンが動いてくれない

人を動かす

相手の意思決定や心理を理解したい

影響力の武器[第三版]:なぜ、人は動かされるのか

頑張っているのに成果につながらない

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

将来どうしていいかわからない

君に友だちはいらない

継続できず、すぐ諦めてしまう

やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける

仕事へのモチベーションを見失っている

ソース - あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。

失敗を恐れて一歩踏み出せない

覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰

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【書籍紹介シリーズ】

vol.1:初心者のための副業の始め方 - 3年で副業売上1,500万円の研究者が勧めるおすすめ本10選
vol.2:医療データサイエンティストなるには?未経験からのおすすめ本8選
vol.4:臨床研究の始め方から続け方まで - 論文執筆、統計からキャリアを学べるおすすめ本9選
vol.9:ケースレポート書き方おすすめ本5選 - 症例報告の始め方がわかる「業績への近道」と「臨床への熱狂」二つのアプローチ