
こんにちは。元看護師として病棟勤務を経験した後に外資系製薬企業で働き、現在はmMEDICI株式会社の代表として医療職の企業転職支援を行っている廣瀬直紀です。
この記事では、企業へ転職を考える看護師の方々の年収について、以下の疑問に答えながら徹底的に解説していきます。
「病院を離れて企業に転職すると、実際のところ年収は下がってしまうのかな?」
「夜勤手当がなくなっても、現在の年収を維持することはできるのだろうか」
「企業で経験を積めば、将来的に年収1,000万円を目指せるのだろうか?」
「自分の看護師としての臨床経験が、最も高く評価される職種はどれだろう?」
この記事では、今なぜ企業で看護師経験の価値が高まっているのかという背景から、CRA・CRC・クリニカルスペシャリスト・営業・カスタマーサクセス・病院コンサルタントという「6職種ごとの具体的な年収相場と特徴」、そして「転職で失敗しないための判断軸や年収を引き上げる思考法」までを余すことなく網羅しました。
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看護師が企業へ転職した場合の年収相場
看護師経験を活かせる企業の6職種
看護師経験が評価されやすい職種と、評価されにくい職種
企業転職後に年収を上げていくために必要な経験
年収だけで転職先を選んで失敗しないための考え方
【疫学専門家】
【生物統計家】
vol.1:生物統計家職の年収とは?!専門家が業界別に解説
【看護師】
・vol.1:企業で働く看護師の年収とは?!専門家が職種別に解説
氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。
こんにちは。mMEDICI株式会社代表取締役の廣瀬直紀です。
私は看護師として病棟で働いたのちに、イーライリリーやジョンソン・エンド・ジョンソンなどの外資製薬で疫学に関する仕事に携わってきました。現在はmMEDICI株式会社を経営しながら、医療職・研究職の方々が企業へ転職する際のキャリア支援も行っています。
そして、mMEDICI株式会社でも多数の看護師が働いており、正社員の半数以上は看護師で構成されています。
さて、看護師の方が企業への転職を考えたとき、最初に気になるのはやはり年収ではないでしょうか。
「病院を離れると、年収は下がってしまうのか」
「夜勤がなくなっても、現在の年収を維持できるのか」
「企業で経験を積めば、将来的に年収1,000万円を目指せるのか」
このあたりは、求人票を眺めているだけでは、なかなか見えてきません。
先に結論をお伝えすると、看護師が企業職種未経験で転職する場合、提示される年収はおおむね350万〜600万円程度です。その後、企業での実務経験を積むと、年収500万〜850万円程度が見えてきます。
営業職、病院コンサルタント、マネージャーなど、担う責任が大きいポジションでは、年収1,000万円以上に到達する可能性もあります。
ただし、期待を裏切るようなことを言ってしまいますが、看護師が企業へ転職すれば、必ず年収が上がるわけではありません。むしろ、夜勤手当がなくなることや、企業職種としては未経験からのスタートになることにより、最初の転職では年収が下がるケースもあります。
その代わり、看護師としての年収はある程度の年数で頭打ちになる一方で、企業では昇進や転職によって看護職の年収よりも高い年収を目指すことが可能となります。
この記事では、看護師が企業へ転職した際によく就く六つの職種について、仕事内容、年収相場、看護師経験がどのように評価されるのか、年収を上げるためには何が必要なのかを、一つずつ整理していきます。
看護師が企業へ転職した場合の年収は、企業職種未経験では350万〜600万円程度、経験者では500万〜850万円程度が一つの目安です。
職種別に見ると、例えばCRCは看護師経験を直接生かしやすい一方、年収の上限は比較的穏やかです。CRA、営業職、病院コンサルタントは、企業経験やマネジメント経験を積むことで年収が大きく伸びる可能性があります。
ただし、最も年収の高い職種を選べばよいわけではありません。大切なのは、自分の臨床経験がどの職種で最も評価されるのか、その職種で3年後、5年後にどのような市場価値を築けるのかを考えることです。
厚生労働省の職業情報提供サイトでは、看護師の年収は全国平均で524.7万円、平均年齢は42.1歳とされています。
ただし、この金額を企業へ転職した際の提示年収と、そのまま比較することはできません。病院勤務の看護師の年収には、夜勤手当、時間外手当、各種手当が含まれることがあります。また、この平均年収には、若手からベテランまで、さまざまな年齢や勤務先の看護師が含まれています。
一方、企業へ初めて転職する場合は、看護師として10年以上の経験があっても、企業側からは「企業職種未経験者」として評価されることがあります。だからこそ、看護師から企業へ転職するときには、現在の年収と転職先に提示された年収だけを比較するのではなく、次の三つを分けて考える必要があります。
転職直後に受け取る年収
企業で3年程度経験を積んだ後の年収
企業でのマネージャーや専門職として到達できる年収
初年度だけを見ると年収が下がる転職でも、3年後、5年後には、病院勤務を続けた場合とは異なる年収やキャリアが見えてくることがあります。逆に、最初から比較的高い年収で転職できたとしても、その先の昇給やキャリアアップが限定的であることもあります。
そのため、企業転職の年収は、「いま、いくらもらえるか」だけではなく、その転職によって、今後の年収曲線がどう変わるのかまで見る必要があります。
国は、電子カルテ情報の共有、電子処方箋、医療情報の標準化など、医療DXに関する取り組みを進めています。
ただし、良いシステムを作って病院に導入すれば、それだけで医療現場が変わるわけではありません。医師や看護師にそのシステムを実際に使ってもらい、既存の業務に組み込み、現場から出た問題を修正し、継続的に利用される状態を作る必要があります。
そこで必要になるのが、医療現場を知りながら、企業側のプロダクトや業務も理解できる人です。
たとえば、ヘルスケア企業のカスタマーサクセスでは、契約後の導入支援、利用状況の確認、業務改善の提案、継続利用の支援などが求められます。看護師として医療現場で働いた経験は、医療機関がどこでつまずくのか、誰と調整しなければならないのかを理解するうえで、大きな強みになります。
企業が医療機関と仕事をするとき、しばしば両者の言語や価値観の違いでコンフリクトが生じます。企業は、売上と利益を重視します。一方、医療現場では、安全性、医療従事者の負担、院内の合意形成などが重要とされます。
そのため、どちらか一方の論理に立脚するだけでは、仕事はなかなか前に進みません。
そんななか、看護師として勤務してきた人は、医療機関をとりまく異なる立場の人たちの間に入り込み、情報を整理しながら仕事を進めていくことができます。
この能力が、企業においても非常に重視されるのです。
看護師の仕事は、診療の補助や療養上の世話だけではありません。患者さんや家族への説明、多職種との調整、リスクの発見、急変時の対応など、複数の仕事を同時に進めています。
このようなソフトスキルは、企業でも大変重宝されます。
実際、私が経営するmMEDICI株式会社においても多くの看護師が働いており、社員の半数以上が看護師で構成されています。彼女たちは全員が企業未経験でしたので、働き始めこそ企業に慣れることに苦労していましたが、一度コツをつかむと、看護師としての高いソフトスキルを活用して、大いに活躍してくれています。
看護師が企業へ転職する際によく候補となる6職種について、年収相場を整理すると、次のようになります。
職種 | 企業職種未経験・初回転職 | 経験者・中堅 | マネージャー・上位職 |
臨床開発モニター(CRA) | 400万〜500万円 | 500万〜750万円 | 750万〜1,000万円以上 |
治験コーディネーター(CRC) | 350万〜450万円 | 450万〜600万円 | 600万〜800万円 |
クリニカルスペシャリスト | 400万〜550万円 | 550万〜750万円 | 700万〜900万円 |
ヘルスケア企業の営業職 | 350万〜550万円 | 500万〜800万円 | 800万〜1,200万円以上 |
ヘルスケア企業のカスタマーサクセス | 400万〜550万円 | 500万〜700万円 | 650万〜900万円 |
病院コンサルタント | 430万〜600万円 | 550万〜850万円 | 900万〜1,400万円 |
※年収は、2026年9月1日時点の公開求人や募集条件をもとに、mMEDICIが記事用に整理した目安です。「平均年収」や、転職時に保証される金額ではありません。
※原則として額面年収で、賞与を含む想定です。インセンティブ、残業代、株式報酬、出張手当などの扱いは企業によって異なります。
年収相場
・未経験:400万〜500万円
・経験者・中堅:500万〜750万円
・マネージャー・上位職:750万〜1,000万円以上
・一般的な年収相場:400万〜800万円程度
CRAは、製薬企業やCROに所属し、医療機関で行われる治験が、治験実施計画書や関連ルールに沿って適切に進められているかを確認する職種です。治験に参加する患者さんへ直接ケアを行うのではなく、医療機関との調整、治験データや文書の確認、進捗管理、問題発生時の対応などを担います。
看護師を対象とした未経験CRA求人では、380万〜470万円程度からの募集が見られます。CRA経験者では450万〜800万円程度、リーダー、プロジェクトマネージャー、製薬企業のポジションなどでは、900万〜1,000万円を超える求人もあります。
CRAでは、看護師として培ってきた疾患や治療の理解、医師や医療スタッフとのコミュニケーション、患者安全への感覚、記録の正確性などが生かせます。
特に、がん、循環器、希少疾患など、治験の多い領域での臨床経験がある場合は、疾患や治療への理解が強みになることがあります。
CRAで年収を上げるためには、単に経験年数を重ねるだけではなく、次のような経験が重要です。
難易度の高い治験や国際共同治験を担当する
複数施設を安定して管理する
後輩CRAを育成する
プロジェクト全体の進捗や品質を管理する
英語を使って海外メンバーと仕事をする
CROから製薬企業、リーダー職などへ役割を広げる
CRAは、企業転職時の年収が飛び抜けて高い職種ではありません。その一方で、経験を積むことで担当領域と責任が明確に広がり、比較的年収の上昇経路を描きやすい職種です。
年収相場
・未経験:350万〜450万円
・経験者・中堅:450万〜600万円
・マネージャー・上位職:600万〜800万円
・一般的な年収相場:350万〜600万円程度
CRCは、治験を実施する医療機関側で、治験に参加する患者さんへの説明補助、来院スケジュールの管理、検査の調整、医師やCRAとの連絡などを担う職種です。CRAが製薬企業やCROの立場から治験の品質と進捗を確認するのに対し、CRCは医療機関のなかで治験が円滑に進むよう支援します。
未経験者を対象としたCRC求人では、年収400万円前後の募集が中心です。経験を積み、担当治験の難易度が上がったり、チームや拠点の管理を担ったりすると、年収600万円以上も見えてきます。
CRCは、今回紹介する職種のなかでも、看護師経験を比較的直接生かしやすい職種です。
患者さんの不安をくみ取ること、治療や検査について分かりやすく説明すること、医師や他職種と調整することなど、病院で身につけた能力が仕事につながります。
臨床現場との接点も比較的多いため、患者さんとの関わりを完全には失いたくない人にも向いています。
一方で、治験には細かなルールや記録が必要です。「患者さんのためには、この対応の方がよい」と感じたとしても、治験実施計画書で定められた範囲を守らなければなりません。臨床現場での柔軟な対応とは異なる難しさがあります。
CRCで年収を上げるためには、次のような経験が評価されます。
がんや希少疾患など、難易度の高い治験を担当する
複数の治験を並行して管理する
治験開始時の医療機関立ち上げを担当する
後輩CRCの教育を行う
チームリーダーや拠点管理者になる
CRAや治験運営側の職種へキャリアを広げる
CRCは、看護師から企業へ移る最初の職種としては入りやすい一方、CRAや営業職と比較すると、年収の上限は穏やかです。したがって、年収を最優先する場合は、CRCとして経験を積んだ後にどのような役割へ進むのかまで考えておく必要があります。
年収相場
・未経験:400万〜550万円
・経験者・中堅:550万〜750万円
・マネージャー・上位職:700万〜900万円
・一般的な年収相場:400万〜750万円程度
クリニカルスペシャリストは、医療従事者に対して、医療機器や医療サービスの使用方法を説明し、導入や活用を支援する職種です。求人によっては、フィールドクリニカルスペシャリスト、アプリケーションスペシャリスト、クリニカルサポートなどの名称が使われることもあります。
その仕事内容は企業や製品によって異なります。製品のデモンストレーション、医師や看護師へのトレーニング、導入時の支援、手術や処置への立ち会い、営業担当者への専門的な支援などを担います。
クリニカルスペシャリストでは、どの診療領域で働いてきたかが重要です。たとえば、次のような経験は、担当する製品によって強く評価されることがあります。
手術室での勤務経験・ICUや救急領域の経験
循環器や心臓血管領域の経験
透析領域の経験
内視鏡領域の経験
創傷・ストーマケアの経験
医療機器の院内導入や教育経験
そのため、看護師経験が長ければどの求人にも有利になるというわけではありません。企業が扱う製品と、自分の臨床経験が接続しているかが重要です。
クリニカルスペシャリストで年収を上げるためには、次のような経験が重要です。
特定の診療領域で高い専門性を持つ
医師や医療スタッフへの教育を担当する
製品導入を複数施設で成功させる
営業部門と連携して導入や売上に貢献する
新人クリニカルスペシャリストを育成する
製品戦略やマーケティングにも関わる
外資系企業や責任範囲の広いポジションへ進む
なお、クリニカルスペシャリストは営業職ではありませんが、営業部門と密接に連携します。そのため、純粋な臨床知識だけでなく、「この製品が導入されるために何が必要か」を考える事業感覚も、年収を伸ばすうえで重要になります。
年収相場
・未経験:350万〜550万円
・経験者・中堅:500万〜800万円
・マネージャー・上位職:800万〜1,200万円以上
・一般的な年収相場:350万〜800万円程度
ヘルスケア企業の営業職は、病院やクリニックなどに対して、自社の製品やサービスを提案します。営業職は、今回紹介する職種のなかでも、年収の振れ幅が特に大きい職種です。固定給が高い企業もあれば、固定給を抑え、売上や目標達成率に応じてインセンティブを支給する企業もあります。
同じ「年収600万円」という求人でも、
・固定給600万円
・固定給500万円+目標達成時の賞与100万円
・固定給450万円+最大150万円のインセンティブ
では、収入の安定性がまったく違います。求人票では、年収の数字だけでなく、その内訳まで確認する必要があります。
看護師経験は、顧客である医療従事者の悩みを理解し、信頼関係を築くうえで強みになります。特に、自分が実際に使用していた製品、勤務していた診療科で使われる製品、病院業務を改善するサービスなどを扱う場合は、現場経験が提案の説得力につながります。
ただし、営業職である以上、最終的には数字で評価されます。
「医療現場のことを理解している」、「医師や看護師と話せる」というだけではなく、
・担当施設で製品を採用してもらう
・商談を前に進める
・売上目標を達成する
・既存顧客との取引を拡大する
・社内外の関係者を動かす
といった成果が求められます。
営業職で年収を上げるためには、次のような実績が重要です。
売上目標を継続して達成する
大規模病院や重要顧客を担当する
新規顧客を開拓する
高価格・高難度の製品を扱う
営業戦略やチーム育成に関わる
マネージャーとして組織目標を持つ
外資系企業やインセンティブ比率の高い企業へ進む
年収相場
・未経験:400万〜550万円
・経験者・中堅:500万〜700万円
・マネージャー・上位職:650万〜900万円
・一般的な年収相場:400万〜700万円程度
カスタマーサクセスは、契約した顧客が製品やサービスを導入し、実際に成果を得られるよう支援する職種です。
導入時の業務設計、利用者への説明、利用状況の分析、運用上の問題の発見、改善提案、継続利用の支援などを担当します。企業によっては、契約更新や追加契約もカスタマーサクセスの評価対象になります。
カスタマーサクセスでは、医療現場での業務の流れを理解していることが強みになります。
一方で、企業では、医療現場の業務の流れを理解するだけでなく、そこに課題を見出し、そして解決まで進めなければなりません。そのため、担当者は顧客との会議を設計し、社内のエンジニアや営業担当者と調整し、期限を決め、利用状況を数字で確認する必要があります。
したがって、臨床経験に加えて、ITツール、表計算ソフトの活用、資料作成、プロジェクト管理などへの適応も求められます。
カスタマーサクセスで年収を上げるためには、次のような成果が評価されます。
顧客の導入を予定どおり完了させる
サービスの利用率を上げる
解約を減らす
契約更新や追加契約につなげる
大規模な医療法人を担当する
顧客の声をプロダクト改善へ反映する
チームの業務を標準化する
マネージャーとして継続率や売上を持つ
年収相場
・未経験:430万〜600万円
・経験者・中堅:550万〜850万円
・マネージャー・上位職:900万〜1,400万円
・一般的な年収相場:430万〜850万円程度
コンサルタントは、病院や医療法人に対して、経営改善、業務改善、医療DX、人員配置、病床稼働、教育体制などに関する支援を行う職種です。
病院コンサルタントでは、医療現場の経験が大きな強みになります。ただし、一般的な病棟勤務経験だけで、高く評価されることは難しいです。
そんな中、特に評価されやすいのは、次のような経験です。
看護師長や副看護部長などの管理職経験
病床管理や人員配置の経験
委員会や院内プロジェクトの運営
業務フローを改善した経験
医療システムの導入経験
新病棟や新施設の立ち上げ経験
予算や経営指標に関わった経験
病院コンサルタントで年収を上げるためには、次のような能力や実績が重要です。
データを用いて病院の課題を分析する
経営層に対して提案する
複数部署を巻き込んで改善を進める
診療報酬や病院経営を理解する
チームや部下をマネジメントする
病院コンサルタントは、今回紹介する職種のなかでも年収の上限が高い職種です。一方で、企業職種未経験の看護師が病院コンサルタントに採用されるには、高い壁があります。
採用されている看護師をみると、例えば学部の卒業大学が旧帝大であることや、大学院でMBAやMPHを取得しているケースがほとんどです。
看護師から企業へ転職する場合、現在の年収と求人票の年収だけを比較すると、判断を誤ることがあります。
病院勤務では、夜勤手当、時間外手当、住宅手当などが年収に含まれていることがあります。一方、企業では、固定残業代、賞与、インセンティブ、株式報酬、出張手当などが含まれる場合があります。
確認すべきなのは、少なくとも次の項目です。
基本給
固定残業代の有無と時間数
賞与の算定方法
インセンティブの条件
残業代の扱い
住宅手当や退職金
出張や休日対応の有無
たとえば、年収500万円の求人でも、そのほとんどが固定給である場合と、目標達成を前提としたインセンティブを含む場合では、収入の確実性が違います。
また、現在の年収が550万円で、企業からの提示が500万円だったとしても、
夜勤がなくなる
年間休日が増える
3年後に650万円を目指せる
新しい専門性を身につけられる
のであれば、その50万円の差を受け入れる意味があるかもしれません。
反対に、年収が50万円上がっても、固定残業や出張が多く、昇給の可能性が乏しい場合は、本当に良い転職なのかを考える必要があります。
同じ職種名でも、企業によって実際の仕事は異なります。例えば、カスタマーサクセスという名前の職種でも、実際には問い合わせ対応が中心の求人もあれば、契約更新や追加提案まで責任を持つ求人もあります。
同じように、クリニカルスペシャリストでも、教育や導入支援が中心の企業と、営業目標のもとばりばり営業成果を求められる企業があります。
入社してから「思っていた仕事と違った」とならないように、求人票や面接で具体的な職務内容まで確認することが重要です。
企業への最初の転職では、看護師時代よりも年収が下がることは珍しくありません。一方、企業で3年程度働き、実績をつくることができれば、その経験に基づいて年収があがることもあれば、その経験を活かして別の職種やより上位の職種にジョブチェンジすることも可能になります。
企業キャリアは数10年と続きます。そのため、初年度の年収だけで全てを決めるのではなく、その企業で、その仕事をすることで、今後企業人として生きていく上で重要な経験が積めるかどうかを考えましょう。
希望・強み | 検討しやすい職種 |
|---|---|
患者さんとの接点をある程度残したい | CRC |
治験業界で専門性を築き、長期的に年収を上げたい | CRA |
手術室、ICU、循環器などの専門経験を直接生かしたい | クリニカルスペシャリスト |
成果を数字で追うことに抵抗がなく、高い年収を目指したい | ヘルスケア企業の営業職 |
医療現場の経験とIT・業務改善を組み合わせたい | ヘルスケア企業のカスタマーサクセス |
病院全体の経営や仕組みを変える仕事がしたい | 病院コンサルタント |
看護師が企業へ転職した場合の年収は、企業職種未経験では、おおむね350万〜600万円程度です。
CRA、クリニカルスペシャリスト、営業職、カスタマーサクセス、病院コンサルタントなどでは、経験を積むことで500万〜850万円程度が見えてきます。営業成績やマネジメント責任によっては、1,000万円以上に到達する可能性もあります。
ただし、企業転職をすれば、自動的に年収が上がるわけではありません。
最初の転職では、夜勤手当がなくなることや、企業職種未経験として評価されることにより、年収が下がる可能性もあります。商流として、企業へ転職することだけが、正解ではありません。
現在の病院で管理職やプロジェクトを経験してから転職した方が、より良い条件を得られることもあります。臨床を続けることが、自分にとって最も納得できる選択になることもあります。
だからこそ、いきなり求人へ応募するのではなく、まずは自分の経験が企業でどのように評価されるのか、どの職種であれば強みを生かせるのかを整理することをおすすめします。
mMEDICIが運営する人材紹介サービス「mDAVINCI」では、医療職・研究職に特化した企業転職支援を行っています。
公開求人だけでは分かりにくい仕事内容、企業が求めている経験、評価指標、年収の内訳などを確認しながら、これまでの経験をどの職種で生かせるかを一緒に整理します。
また、求人のご紹介だけでなく、応募書類の整理、面接対策、日程調整、条件確認、入社後のフォローまで、すべて無料で支援しています。一般には公開されていないヘルスケア領域の求人をご紹介できる場合もあります。
情報収集の段階でも相談でき、転職を無理に勧めることはありません。企業へ転職するか、病院に残るか、まだ決めていなくても問題ありません。
むしろ、結論を決める前に、
自分の臨床経験は、企業でどのように評価されるのか
現在の年収を維持できる可能性はあるのか
どの職種なら、3年後により良いキャリアを築けるのか
転職前に、現在の職場で経験しておくべきことはあるか
を整理しておくことが重要です。
転職そのものではなく、納得のいくキャリアを作るための時間として、ご相談いただければと思います。
【mDAVINCIヒアリング面談はこちらから】

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