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【初学者にも書ける医学英語論文】IMRADを要約する論文の顔:印象に残るTitleとAbstractを書くコツ - vol.14

【初学者にも書ける医学英語論文】IMRADを要約する論文の顔:印象に残るTitleとAbstractを書くコツ - vol.14

2025.11.06

英語で医学論文を執筆するのは大変そうですよね。初めての方は「一体何から始めれば良いの?」と思うはずです。私も昔はそうでした。

先行研究を参考に見よう見まねで執筆してみるものの最初の数本は見向きもされず、Rejectの連続でした。今では良い思い出であり、その経験があるから今があると思っていますが、当時はめちゃくちゃ辛かったです。

その後、図書やセミナーで論文の書き方におおよその「型」があることを学び、徐々に査読者に内容が伝わっていないなということが減るのを実感しました。

その論文執筆の型を含む書き方を、筆頭著者・共著者として100本以上の論文に携わり、最近は査読者や編集者を務めているなかで感じたエッセンスを全5回(第10~14回)に渡り公開します。


最終回である第14回は、TitleとAbstractについて解説します。

本文に比べれば両方とも非常に短い文ですが、ここで読み手を惹きつけないと本文を読んでもらうことはできません。

本稿を読んで、良いTitleと簡潔・明解なAbstractの書き方を身につけましょう。

この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 読み手の数に関係するTitleとAbstractの重要性

  • TitleとAbstractの書き方

  • Title, Abstract, Keywordsの関係性

この記事は誰に向けて書いているか

  • Titleの付け方に悩んだことがある方

  • Abstractを本文のコピー&ペーストで終わらせている方

  • Desk Rejectの経験のある方

英語論文執筆シリーズ

  • vol.1:東大大学院生を指導してきた医師が語る - 英語論文執筆の心理的ハードルを下げよう

  • vol.2:東大大学院生を指導してきた医師が語る - たった三つを意識すれば論文構成は完成する

  • vol.3:東大大学院生を指導してきた医師が語る - 学会発表を論文化する最短ルート

  • vol.4:東大大学院生を指導してきた医師が語る - 投稿から査読対応までの基本プロセス

  • vol.5:
    (前編)東大大学院生を指導してきた医師が語る - AI時代に求められる論文リテラシーとは?
    (後編)東大大学院生を指導してきた医師が語る - AI時代に求められる論文リテラシーとは?

  • vol.6:
    (前編)東大大学院生を指導してきた医師が語る - 論文の量産を可能にする習慣×統計手法
    (後編)東大大学院生を指導してきた医師が語る - 論文の量産を可能にする習慣×統計手法

  • vol.7:生成AIで進める英語論文執筆の全体戦略 - プロンプト付きで即実践!

  • vol.8:研究テーマの見つけ方と投稿先選び - 日常から着想を得て論文に育てるステップ

  • vol.9:短時間で“使える論文”を探す文献検索の手順 - PubMed×AI活用で効率化

  • vol.10:型で攻略するIMRADの書き方 - 読者に伝わるIntroductionを書くコツ

  • vol.11:型で攻略するIMRADの書き方 - 再現性の高いMethodsを書くコツ

  • vol.12:型で攻略するIMRADの書き方 - 過不足のないResultsを書くコツ

  • vol.13:型で攻略するIMRADの書き方 - 一貫性のあるDiscussionを書くコツ

  • vol.14:IMRADを要約する論文の顔 - 印象に残るTitleとAbstractを書くコツ(本記事)

執筆者の紹介

氏名:宮田一弘
所属:茨城県立医療大学
自己紹介:博士(保健学)。大学卒業後、理学療法士として病院勤務を経て、現在は医療系大学にて教育および研究に従事している。専門はアウトカムメジャーの検証・解釈や予測モデルの開発などの臨床研究であり、データ駆動型アプローチによる臨床意思決定支援の実現を目指している。これまでに臨床家と協同し100本以上の論文執筆に携わるとともに国際学術誌の査読を多数担当。現在は、国際誌のEditorial Board Memberも務めている。

編集者

氏名:菊池祐介
所属:mMEDICI株式会社
専門性:作業療法学修士。首都大学東京(現東京都立大学)・東京都立大学大学院を卒業後、病院勤務を経て専門学校・私立大学にて作業療法教育、地域共生社会の醸成に向けたリハビリテーション専門職の支援に関する研究に従事。現在は心身の健康とその人らしさの実現に向け、保険内外でのクライアント支援を展開している。作業療法の社会的意義向上を信念に、mMEDICI株式会社に参画。

監修者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

TitleとAbstractの重要性

論文の顔としての役割

TitleとAbstractは言うまでもなく論文の顔です。そのため、論文の中でも非常に重要なパートです。

学術論文は「出版ビジネス」とも言われるように、学術界では毎年膨大な資金が動いています。ジャーナルだけでも数十憶ドル規模の市場があるようです。

主要な商業出版社であるSpringer Nature、Elsevier、SAGE、Wiley、Taylor & Francisなどは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

このような状況の中で、毎年のように新しい雑誌が発刊され、出版される論文数も増え続けています。私がEditorial Boardを務める雑誌でも、2023年から2024年の間に投稿数は約700件、出版数は約150件増加しました。


出版される論文数が増えるということは、自分の論文が読まれる確率が下がるということです。せっかく頑張って思いを込めて執筆した論文も読んでもらえないと意味がありません。

論文を「見つけてもらう」「読んでもらう」ために最も重要なのが、TitleとAbstractの質です。

その理由は、たとえオープンアクセスでなくサブスクリプション型の雑誌であっても、この二つだけは誰でも読むことができるからです。

だからこそ、読み手の興味を引くTitleとAbstractを書くことが、論文執筆において極めて重要です。

論文を通して読み手の数は減っていく

TitleとAbstractは論文の顔であり、その質によって読まれるかどうか、引用されるかどうかが大きく変わります。

下図は、読み手の数がTitle → Abstract → Main Textと進むにつれて減少していくことを示しています。これは皆さんの印象通りであるか、もしくは自身の行動パターンと一致しているでしょう。

論文を通して読者数が減少することを表した図

読み手の数の減少について、ChatGPTに聞いてみたところ以下のような返答が得られました(公式な調査はないとのこと)。

・タイトルと読む人数は、アブストラクトを読む人数の約2~10倍

・ElsevierやSpringer Natureの調査では、アブストラクトまで読まれるのはタイトルを見た人のうち20~40%程度

・全文(フルテキスト)を読む人はさらに減り、タイトル閲覧者全体の5~10%以下

私は現在、大学教員として研究(論文を読むこと)も仕事の一つとしているため、もう少し本文まで読んでいる方だと思います。しかし、忙しい臨床家の方であれば、この程度なのではないかと思います。


本文を読んでもらえるかどうかは、TitleとAbstractの質に大きく左右されます。したがって、本文に比べてはるかに短いTitleとAbstractですが、十分な時間をかけて書き上げましょう。

それでは、どのようなTitleやAbstractだと読み手が興味を持ち、良い第一印象をもたらすのかを解説していきます。

良いTitleの条件

内容を適切に表している

「良いTitleの条件は?」と聞かれたら、「研究の新奇性や意義を上手く表現しているもの」と答えます(読み手の興味を引くという部分は一旦置いておいて)。

Titleだけで「対象者は誰か」「何をしたか」「アウトカムは何か」がはっきり分かれば、100点満点と言えるでしょう。これが、内容を適切に反映しているTitleです。逆に、Titleを読んでもこれらの要素が全く想像できない場合は、0点と言わざるを得ません。


いくつかの報告ガイドラインを確認したところ、研究デザインを入れることを推奨しているものがあったため、文字数が許すならば入れても良いと思います。

具体的には以下のような感じになります。

・“A single-center, prospective cohort study”

・“A multicenter, cross-sectional study”

・“A multicenter, single-blind, randomized controlled trial”

・“A systematic review and meta-analysis”

また、本記事の執筆にあたり何冊もの指南書を読みましたが、Titleについて言及しているものは少なく、まとめると以下が良いTitleの条件と考えられました。

・新しい情報を含み注目度が高い内容だと示せること

・研究の意義を的確に表現していること

・読み手の興味を引けること

・誤解を生まず容易に理解できること

・余分な語句を含まず簡潔で短いこと

・研究デザインが示されていること

・キーワードで始まること

・その雑誌の読み手にふさわしい用語 / 表現であること(略語を用いない)

・断定的、疑問形でないこと

すべてを満たすのは難しいと思いますが、参考にしてみてください。

簡潔である

Titleは可能な限り簡潔に書くことが求められます。そもそも厳しい字数制限があるため、簡潔に書かなければなりません(Word数でなく字数の制限を設けている雑誌が多い)。

具体的にどのような感じだと簡潔で「良い」のか説明するのは難しいため、逆に悪い例を紹介したいと思います。

“A Study of …” や “An investigation of …” で始まるTitleは、好ましくない例としてよく挙げられます。理由は明確で、研究論文である以上「何かを研究・調査している」ことは自明であり、不要な単語だと判断できるからです。

また、上述に従い、研究デザイン・対象者・アウトカムなど、あらゆる情報を詰め込みたくなるかもしれませんが、長すぎるTitleはあまり好まれません。場合によっては、Titleが長いというだけで引用されにくくなることもあると言われています。

Titleが長いと「複雑そうな論文なのかな?」と感じてしまうのは、決して私だけではないでしょう。内容を的確に反映しつつ、可能な限り短いTitleを付けることを意識しましょう。

オーバーな表現はNG

学術論文のTitleは一般書などとは異なるため、誇大広告のようなTitleは適切ではありません。こちらは詳しい説明は不要かと思います。

また、学術論文のTitleでは、肯定や否定で終わる断定的な表現は好まれず、避けるべきとされています。

ここまでのvol.10~13で述べてきた通り、学術論文は知見の積み重ねであり、その時々で結果や推奨が変わる可能性が大いにあります。あなたの研究で得られた結果も、他の研究者による次の検証や、そのさらに次の検証で覆るかもしれません。

もし結果が覆った場合、断定的なTitleを付けてしまった論文は読み手をミスリードしてしまう可能性があります。そのため、研究者は常に慎重さと思慮深さを忘れずに対応していくことが求められます

事前に電子データベースで確認を

最後に、Titleを決定する前に、PubMedなどの電子データベースで検索を行い、多くの論文のTitleに触れることをおすすめします。

論文のTitleは、電子データベースで上で検索結果として最初に目に入る部分です。自分の論文のTitleが多数の検索結果の中に並んだ時、他の論文とともに斜め読みされる状況を想像し、どの程度目を引くか、興味を持ってもらえるかを意識してみてください。

特に、同じテーマの論文が多数存在する場合には、過度にならない範囲で他の論文と明確に区別できるTitleにすることが望ましいでしょう。

システマティックレビューの1次スクリーニングの経験がある方は、数百、数千件とスクリーニングしている中で「これは面白そう!」というTitleに出会ったことがあるのではないでしょうか。


私は査読の依頼メールを受け取った際、まず最初にTitleを確認します。そこで「ん?」と違和感を覚えるようなものや、何を伝えたいのかが分からないようなTitleの論文には、興味が沸きにくいです。

そのため、Titleは公開後に読まれるかどうかだけでなく、そもそも審査してもらえるかどうかにも大きく影響していると言えるでしょう。

Titleの執筆においても、多くの論文のTitleに触れて感覚を養うことが大切です。ぜひ、さまざまな論文を読んでみてください。

(続きはページの後半へ)

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Abstractの役割と型

構造化要旨と非構造化要旨

Abstractは論文の内容を凝縮した“mini-version of your paper”と言われています。

3,000~4,000 words書いてきた本文を150~300 wordsにまとめるので、まさにミニバージョンですね。

業界のリーディングジャーナルやインパクトファクターの高い雑誌では、編集者による一次スクリーニングの段階で、Abstractだけで次の審査(外部査読)に進むかどうかが決まるとされています(ここでRejectとなった場合は、Desk Rejectと呼びます)。

私のこれまでの経験からの、あくまで個人的な印象ですが、採択率が10%の雑誌では投稿論文のうち約20~30%、採択率が20%の雑誌では約40~50%が査読に回っているのではないかと思います。

実際、多くの論文がDesk Rejectされているため、落選してしまっても今回は縁がなかったと思えばよく、落ち込む必要はそれほどありません。初学者のうちは辛く感じるかもしれませんが、誰もが通る道ですし、続けていけば必ず慣れていきますので大丈夫です。


また、Abstractは大きく分けて構造化要旨と非構造化要旨があります。雑誌によって決まりがあるため、投稿規定を確認してください。

今回は、多くの雑誌で採用されている構造化要旨について詳しく解説します。

構造化要旨の見出し(セクション構成)は雑誌によって若干の違いがありますが、基本的な構成は以下の通りです。

①Background

②Objective

③Methods

④Results

⑤Conclusions

では、実際に250 wordsのAbstractを書く場合に、各見出しに何を書いていけば良いのか見ていきます。

Abstractの各見出しの内容

①Background(2~3行)

まず、研究の背景を記述します。ここでは、分かっていることと分かっていないことを読み手が理解できる内容になっていると好ましいです。


Objective(1~2行)

Backgroundの後に、「だから我々はこういう研究を行った」という形で目的を記述します。Titleと類似することもありますが、こちらではより詳細かつ具体的に記述するイメージです。


③Methods(6行前後)

Methodsの記述は研究目的によって異なります。観察研究であれば、研究デザイン・セッティング・対象者・変数・アウトカム・解析方法を簡潔に示します。

短くまとめるのは大変ですが、「誰に、何をして、どのような測定をしたのか」が伝わるような記述を心がけましょう。


Results(6行前後)

Resultsでは、はじめに対象者の特性をごく簡単に記述します。その後、メイン解析の結果 → サブ解析の結果を示します。

ここでも本文同様、Methodsとの一対一対応が大切ですので、Methodsに書いたことは必ず触れてください。Word数制限がありますが、P値に基づく有意差の有無だけでは不十分なため、点推定値と95%信頼区間の結果も併記しましょう。


Conclusions(2行前後)

最後に結論(Conclusions)を書きます。本文では、ResultsとConclusionsの間にDiscussionがありますが、AbstractにDiscussionが記載されることはほとんどありません。

Conclusionsの書き方の基本は、結果をシンプルにまとめることです。
たとえば、「この研究では、△△が■■の増加に関連していた」というように、主要な発見を簡潔に示します。

そのうえで、得られた結果の意義(どのような意味を持つのか)や、今後必要となる研究の方向性を添える形で締めくくると良いでしょう。

Abstractはいつ書くか

論文本文の執筆順にはいくつかのパターンがあります。自分に合った方法を見つけてもらえれば良いですが、Abstractだけは必ず本文が完成してから書くようにしましょう。

その理由は上述の通り、Abstractは論文の内容を凝縮したミニバージョンだからです。Abstractは、それだけを読んで論文の全体像が分かるように書かれていなければなりません。


しかし、AbstractはWord数制限があるため、書ける内容が限られています。そのため、ある程度研究内容を理解している方向けに書かれており、初学者の方にとっては理解が難しい場合も多いです。

初学者の方は、Abstractだけで論文全体を理解しようとしなくても大丈夫です。まず本文を読んでから、最後にもう一度Abstractを読み返した時に理解が深まっていれば十分です。


また、Abstractは本文のミニバージョンですが、本文から重要な部分をコピー&ペーストして繋ぎ合わせるだけでは不適切です。文章の流れや論理の繋がりを意識しながら、自分の言葉で適切に言い換えるようにしましょう。

そして、Abstract執筆の基本的なスタンスとしては、Word数の上限まできちんと書くことをおすすめします。例えば上限が250 wordsであれば、少なくとも240 wordsは超えるように意識してください。

よくあるミスと改善策

Titleで良くあるミス

Titleの書き方に関する情報は多くありません。書籍などで取り上げられていても、せいぜい数ページ程度にとどまることがほとんどです。

今回の記事執筆の調査で “The 10 most common mistakes when choosing a title for your paper” というPeerJ Blog (2018)の学術的なブログ記事を見つけましたので紹介します。

以下の10個がTitleを決める際の間違いとして挙げられています。

①論文の主な結果を説明していない
②詳細な情報が多すぎる
③長すぎる
④具体的でない
⑤疑問符、ハイフン、コロンが含まれている
⑥名詞が多すぎる
⑦不要な語句が含まれている
⑧略語を使用している
⑨専門用語のレベルが読み手に合っていない
⑩ジャーナルのガイドラインに従っていない

上述の例に該当しないTitleを付けられれば問題ありません。ぜひ、Title作成の参考にしてください。

AbstractにSpinがある

vol.13で、結論にSpinが含まれると問題であることを解説しましたが、Abstractでも同様にSpinが見られることがあります。

Spinが生じるのは、研究目的と結論の一貫性が保たれていない場合です。両者は必ず一対一に対応していなければなりません。Spinがあると読み手に誤解を与えてしまうため、雑誌側でも非常に注意深くチェックされています。

例えば、「脳卒中患者に対して、入院中のリハビリテーション量を増やすことで入院期間が短縮されるか」を目的としているにもかかわらず、結論で「リハビリテーション量の増加は日常生活活動能力を改善した」と述べてしまうケースがあります。

このように、目的と結論の間で一貫性が保たれていない場合は好ましくありません。


また、メイン解析の結果が思わしくなかったために、サブ解析の結果を強調して示すような記述を恣意的に行うのも望ましくありません。初学者の方は無意識のうちにこのような記述をしてしまうこともあります。

Abstractの執筆では、Spinが生じていないかを意識的に確認する癖をつけましょう。

SEO対策がされていない

TitleとAbstractには、「論文を見つけてもらう」という非常に大切な役割があります。そもそも検索でヒットせずに見つけてもらえないと、読んでもらうことはできません。

そこで、検索エンジン最適化(SEO:Search Engine Optimization)対策があります。これはWebマーケティング用語で、インターネットで検索した時に簡単に探し出せるようにすることを指します。

多くの方に見つけてもらうために、学術論文であってもSEO対策を考慮しておくことが重要です。


SEO対策としては、ここまで解説してきたTitle・Abstractに加え、Keywordsも含めた三つの要素を意識することが重要です。これらを書く際には、他の研究者がデータベースやインターネット検索で使用しそうな概念やキーワードを意図的に取り入れるようにします。

SEO対策を効果的に行うためには、三つの要素それぞれの役割と特徴を理解しておく必要があります。TitleとAbstractについてはすでに解説しましたので、ここではKeywordsについて詳しく説明します。


Keywordsは、Titleでは表現しきれない研究内容の重要なポイントや関連分野を示す単語であり、読み手が関心のあるトピックを絞り込む際に役立つ要素です。

そのため、Keywordsはジャーナルで指定されている適切な数(通常3〜5個)を選択し、研究内容の幅と深さの両方を表現するようにしましょう。

よく、KeywordsがTitleに含まれる用語のみで構成されているケースがありますが、これは望ましくありません。可能な限りTitleとの重複を避けて単語を選びましょう。

例えば、脳卒中患者を対象にした研究でTitleに“stroke”を入れたとします。その場合、Keywordsには同じ概念かつ類似表現である“cerebrovascular disease”を入れるといった具合です。


AIの台頭により、手動で検索を行う機会は減っているかもしれませんが、論文執筆において文献検索の基本的な仕組みや流れを理解しておくことは非常に有効です。

時間に余裕がある時に、ぜひ一度文献検索について学んでみてください。

最後に

型を意識したIMRADの詳細ということで第10~14回を担当させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

この【初学者にも書ける医学英語論文】シリーズを読んだことで、皆さんに少しでもポジティブな変化があったのであれば、とても嬉しいです。

論文執筆に立ち向かっている皆さんですので、研究は完了していて、あとはそれを論文という形にするだけなのではないかと思います(それがとても大変ですが…)。

そんな皆さんに、「どうすればたくさんの論文が書けるのか」を解説した珍しい一冊を紹介して終わりにしたいと思います。

できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか 
ポール・J・シルヴィア・著 高橋さきの・訳

2015年に日本語訳されている少し古い本ですが、たくさん書くためのワザが紹介されています。興味がある方は、ぜひ手に取ってみてください。

シリーズの最後まで、お読みいただき本当にありがとうございました。

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  • vol.6:
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    (後編)東大大学院生を指導してきた医師が語る - 論文の量産を可能にする習慣×統計手法

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