
【医療統計Q&A 教えて新谷先生】Vol.10:有意差が出ないので、症例数を増やしてよいですか?
2026.04.26
はじめに
「医療統計、これってどうなってるの?」
あなたはそんな疑問に悩まされたことはありませんか?
「医療統計Q&A 教えて新谷先生」では、医療統計の第一人者である新谷先生が、あなたが抱える医療統計の疑問を、驚くほどやさしく解説していきます。
医療統計の「なるほど!」を楽しみ、苦手だった医療統計をあなただけの武器にかえていきましょう。
このシリーズ記事を読み進めていけば、「医療統計、任せてよ!」という自信がムクムクと育っていくはずです。
今回の質問
予定された症例数よりも、数を増やしてもよいですか?新谷先生の回答
事前に例数設計を行っており、もしもその例数よりも増えてしまった場合に、「症例数が増えれば有意差が出やすくなるため、厳密にサンプルサイズ設計通りの症例数で研究を施行すべきでしょうか?」というご質問がありますが、その考え方は正しいです。
症例数が予定よりも多くなってしまうことは、決して悪いことではありませんが、「なぜ予定症例数を超えたのか」という説明が大切になります。そして、妥当な理由があるのであれば認められると思います。
通常は、症例数を変える場合は、「なぜ変える必要があるのか」について、データの分析結果を見ずに議論しなければなりません。
研究の途中でデータを確認して、「P値で有意差が出なかったから増やしました」という対応は、絶対にNGです。このような理由では通りません。
例えば、想定したイベントがどの群においても発生しておらず、このままだと症例数が足りないということが、データを分析する前に分かっているとします。
このように、施設を追加したい合理的な理由があり、そして、可能な限り倫理委員会や第三者委員会で承認を得るという手順が必要なのです。
こうした手順を踏まえずに安易に症例数を変えるというのは、望ましくありません。
※この記事はウェビナー「新谷先生のゼロから極める医療統計」のQ&Aを基に作成されています。
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【医療統計Q&A】教えて 新谷先生
Vol.1:P値の解釈に困っています。例えばP=0.06のとき、どうすればよいですか?
Vol.2:有意差があるので、「この薬は効く」といっていいですか?
Vol.3:P値ではなく95%信頼区間をみるべき?
Vol.4:95%信頼区間ってどう理解すれば?
Vol.5:臨床的に意味のある差はどう判断する?
Vol.6:P値の多重性は、どのようなときに起こるのですか?
Vol.7:P値の多重性があるとき、調整は必須?
Vol.8:論文にいくつもP値を載せてよいですか?
Vol.9:何種類も解析を行い、有意差が出たものだけを報告してよい?
Vol.10:有意差が出ないので、症例数を増やしてよいですか?
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