
【医療統計Q&A 教えて新谷先生】Vol.6:P値の多重性はいつ起こるの?
2026.04.14
はじめに
「医療統計、これってどうなってるの?」
あなたはそんな疑問に悩まされたことはありませんか?
「医療統計Q&A 教えて新谷先生」では、医療統計の第一人者である新谷先生が、あなたが抱える医療統計の疑問を、驚くほどやさしく解説していきます。
医療統計の「なるほど!」を楽しみ、苦手だった医療統計をあなただけの武器にかえていきましょう。
このシリーズ記事を読み進めていけば、「医療統計、任せてよ!」という自信がムクムクと育っていくはずです。
今回の質問
P値の多重性は、どのようなときに起こるのですか?新谷先生の回答
まず、P値というのは「間違いの確率」です。
例えるならば、仮説検定は宝くじを買うことに似ています。もしも「宝くじを当てよう」と思ったらどうしますか?たくさん買えばいいですよね。
しかし、同じことを研究でやるのは困ります。
例えば検定を3回実施すると、「最低でも1回は差が出てしまう確率」は14%になります。そして20回繰り返すと64%に。

このように、仮説検定を繰り返すことで、「何も差がない」のに、間違って「ある」と判断してしまう確率はどんどん大きくなっていきます。
さて、この多重性の問題が「どの検定で起こるのですか?」というご質問をよくいただきますが、「どの検定で起こるか」ではなく、「P値の個数」に依存するものなのです。「ひとつの論文の中でいくつP値が出てるか」ということになります。
複数回の検定が存在する次のようなシナリオにおいて、多重性の問題が起こります。
比較群が3つ以上存在する
アウトカムが2つ以上存在する
中間解析など研究終了までに解析が繰り返し行われている
回帰分析で説明変数が2つ以上存在する
データが時間によって繰り返し計測され、それぞれの時間において比較が行われている。
解析集団が複数存在する
解析手法がいくつも選択されている
このように、P値がいくつも計算されるすべての場合において多重性の問題が起こるのです。これは、研究を行う上で逃れられないことですね。
※この記事はウェビナー「新谷先生のゼロから極める医療統計」のQ&Aを基に作成されています。
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【医療統計Q&A】教えて 新谷先生
Vol.1:P値の解釈に困っています。例えばP=0.06のとき、どうすればよいですか?
Vol.2:有意差があるので、「この薬は効く」といっていいですか?
Vol.3:P値ではなく95%信頼区間をみるべき?
Vol.4:95%信頼区間ってどう理解すれば?
Vol.5:臨床的に意味のある差はどう判断する?
Vol.6:P値の多重性は、どのようなときに起こるのですか?(本記事)
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