
こんにちは。薬学部卒業後、製薬企業等で営業職として従事し、その後薬剤師として勤務し、30代にMPHを取得し現在は薬剤師×MPHを活かし製薬会社で勤務するBです。
企業への転職を検討する際、「年収は下がってしまうのか」「将来的に1,000万円を目指せるのか」と不安や疑問を抱く薬剤師の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、薬剤師の企業転職で候補となる主な6職種(メディカル(MSL/MA)、ファーマコビジランス(PV)、医薬情報担当者(MR)、臨床開発モニター(CRA)、学術・DI(Drug Information)、ヘルスケアコンサル)の仕事内容、年収相場、薬剤師経験の活かし方や年収を上げるポイントを整理して解説します。
企業における市場価値を決める「薬剤師+α」の考え方や、転職で失敗しないための比較・判断基準をまとめました。今後のキャリアを選択する際の参考にしてみてください。
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薬剤師が企業へ転職する際の代表的な6職種の仕事内容と実際の年収相場
臨床経験や専門知識を企業で強み(「薬剤師+α」)に変え、年収を伸ばすポイント
年収の内訳や実際の職務内容など、企業転職で失敗しないための実務的な比較・判断基準
【疫学専門家】
【生物統計家】
vol.1:生物統計家職の年収とは?!専門家が業界別に解説
【看護師】
・vol.1:企業で働く看護師の年収とは?!専門家が職種別に解説(本記事)
【医師】
・vol.1:企業で働く医師の年収とは?!専門家が職種別に解説
氏名:B
所属:製薬会社勤務
専門性:薬学部卒業後、製薬企業等で営業職として従事し、その後薬剤師として勤務。30代にMPHを取得し薬剤師×MPHで製薬会社でキャリアを進めている。

こんにちは。製薬会社勤務のBです。
私は薬学部卒業後、製薬企業等で営業職として従事し、その後薬剤師として勤務をしました。その後30代にMPHを取得し薬剤師×MPHで製薬会社でキャリアを進めています。
薬剤師の方が企業への転職を考えたとき、最初に気になるのはやはり年収ではないでしょうか。
「病院や薬局を離れると、年収は下がってしまうのか」
「夜勤や休日手当がなくなっても、現在の年収を維持できるのか」
「企業で経験を積めば、将来的に年収1,000万円を目指せるのか」
このあたりは、求人票を眺めているだけでは、なかなか見えてきません。
先に結論をお伝えすると、薬剤師が企業職種未経験で転職する場合、提示される年収はおおむね350万〜600万円程度です。その後、企業での実務経験を積むと、年収500万〜850万円程度が見えてきます。
営業職、病院コンサルタント、マネージャーなど、担う責任が大きいポジションでは、年収1,000万円以上に到達する可能性もあります。
ただし、期待を裏切るようなことを言ってしまいますが、薬剤師が企業へ転職すれば、必ず年収が上がるわけではありません。むしろ、夜勤手当がなくなることや、企業職種としては未経験からのスタートになることにより、最初の転職では年収が下がるケースもあります。
その代わり、薬剤師としての年収はある程度の年数で頭打ちになる一方で、企業では昇進や転職によって病院や薬局勤めの薬剤師の年収よりも高い年収を目指すことが可能となります。
この記事では、薬剤師が企業へ転職した際によく就く六つの職種について、仕事内容、年収相場、薬剤師経験がどのように評価されるのか、年収を上げるためには何が必要なのかを、一つずつ整理していきます。
薬剤師のキャリアというと、病院や薬局、ドラッグストアを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、薬剤師が専門性を活かせる場所は臨床現場だけではありません。
製薬企業をはじめ、CRO、SMO、医療機器・診断薬メーカー、行政機関、コンサルティング会社など、薬学のバックグラウンドを活かせるフィールドは多岐にわたります。さらに企業内に目を向けても、MR、CRA、CRC、PV、薬事、臨床開発、学術、MA/MSLなど、その選択肢は様々です。
ただし、「薬剤師であれば企業に転職するだけで高年収になる」というわけではありません。企業では、薬剤師資格そのものよりも、「薬学の知識をどのような専門領域で活かせるのか」が評価されます。つまり、企業における薬剤師の市場価値を理解するキーワードは、「薬剤師+α」です。
では、なぜ薬学のバックグラウンドを持つ人材が企業で活躍できるのでしょうか。その背景を見ていきましょう。
医薬品が患者さんのもとに届くまでには、研究、臨床開発、承認申請、安全性評価、情報提供など、様々なプロセスがあります。さらに承認された後も、副作用などの安全性情報の収集・評価、適正使用の推進、新たなエビデンスの創出など、多くの専門業務が続きます。
こうした業務を担うため、製薬企業を中心とするヘルスケア産業には、営業だけでなく、CRA、PV、薬事、MA/MSLなど、多様な専門職が存在します。
疾患や薬理、薬物動態、医薬品情報などを体系的に学んできた薬剤師にとって、こうした領域は薬学のバックグラウンドを活かしやすいフィールドです。
企業側としても知識のベースがある方が育成コストがその分かからないこともメリットとして大きいです。
一方で、薬剤師資格を持っているだけで企業から高く評価されるわけではありません。企業が求めているのは、「薬剤師」という資格ではなく、薬学のバックグラウンドをそれぞれの事業や専門業務に活かせる人材です。
例えば、「薬剤師×臨床開発」「薬剤師×PV」「薬剤師×薬事」「薬剤師×メディカル」「薬剤師×英語」といったように、薬剤師としての基礎に企業で必要とされる専門性が加わることで、人材としての希少性は高まります。
特に、特定領域での実務経験や英語力、プロジェクトマネジメント、マネジメント経験などを併せ持つ人材は限られます。
そのため、企業キャリアでは「薬剤師資格を持っているか」だけではなく、資格に何を掛け合わせるかが市場価値を左右します。
企業で働く薬剤師の年収を考えるうえで重要なのが、病院や薬局との給与体系の違いです。
企業では、「薬剤師」という一つの職種として採用されるとは限りません。MR、CRA、PV、薬事、MA/MSLなど、それぞれ異なる専門職として採用され、その職種の市場価値や経験、責任範囲などに応じて給与が決まります。
そのため、企業へ転職したからといって必ず年収が上がるわけではなく、未経験からの転職では一時的に年収が下がるケースもあります。
一方で、専門性を高め、経験を積み重ねることで、年収800万円、1,000万円以上を目指せる職種やポジションが存在することも企業キャリアの特徴です。
つまり企業で高年収を目指すうえで重要なのは、「薬剤師だからいくら稼げるか」ではありません。「薬剤師としてのバックグラウンドを、どの専門職で、どのような価値に変えていくか」という視点が重要なのです。
薬剤師が企業へ転職する際によく候補となる6職種について、年収相場を整理すると、次のようになります。
職種 | 企業職種未経験・初回転職 | 経験者・中堅 | マネージャー・上位職 |
メディカル(MSL/MA) | 500万〜700万円 | 700万〜1,000万円 | 1,000万〜1,500万円以上 |
ファーマコビジランス(PV) | 400万〜500万円 | 500万〜800万円 | 800万〜1,300万円 |
医薬情報担当者(MR) | 450万〜600万円 | 600万〜800万円 | 1,000万円以上 |
臨床開発モニター(CRA) | 400万〜500万円 | 500万〜750万円 | 750万〜1,000万円以上 |
学術・DI(Drug Information) | 350万〜450万円 | 500万〜700万円 | 700万〜900万円 |
ヘルスケアコンサル | 500万〜750万円 | 750万〜1,000万円 | 1,000万〜1,500万円以上 |
※年収は、2026年9月1日時点の公開求人や募集条件をもとに、mMEDICIが記事用に整理した目安です。「平均年収」や、転職時に保証される金額ではありません。
※原則として額面年収で、賞与を含む想定です。インセンティブ、残業代、株式報酬、出張手当などの扱いは企業によって異なります。
年収相場
・未経験:500万〜700万円
・経験者・中堅:700万円〜1,000万円
・マネージャー・上位職:1,000万円から1,500万円
・一般的な年収相場:500万〜1,000万円程度
メディカルは、MRと比べると掴みにくいポジションです。一般的には医学・科学的な観点から、医薬品の適正使用やエビデンス創出を支える職種と言われていますが、会社によって営業現場に近いこともあります。
職種としてはMSL(Medical Science Liaison)やMA(Medical Affairs)などのポジションがあります。製薬企業でのポジションが一般的ですが、MRと同じようにCSOから派遣されたり、医療機器メーカーでもメディカルポジションがあったりもします。
MSLは、医師などの医療従事者と医学・科学的な情報交換を行うフィールドメディカルの役割を担います。論文や臨床試験などのエビデンスをもとに専門家と議論するとともに、医療現場のアンメットメディカルニーズやインサイトを収集し、社内へ還元します。
一方、MAは、メディカル戦略の立案、エビデンス創出、アドバイザリーボードや学会活動など、担当製品・疾患領域のメディカル活動をより広い視点から企画・推進します。
メディカルは、今回紹介する職種の中でも比較的年収水準が高い職種です。経験者では700万円〜1,000万円以上、マネージャーや責任範囲の広いポジションでは1,000万円以上の求人も見られます。
一方、薬剤師資格だけで簡単に転職できる職種ではありません。また、20代でなるケースはあまり多くないと思います。加えてMAでは製薬企業でのメディカル経験などを求められることも多く、未経験から直接転職できる求人は限定されます。
薬剤師から転職するのであればMSLから入ることになるケースが多いですが、未経験からなるにはとてもハードルが高いです。
メディカルでは、薬剤師として培った疾患、薬物治療、薬理作用、有効性・安全性などに関する知識を生かすことができます。
病院での勤務経験があれば、医薬品のデータだけではありません。患者さんがどのように治療されているのか、医療従事者が治療選択において何を重視しているのかなど、実際の医療現場を理解していることも強みになります。
薬局薬剤師の場合、明確なアピールポイントがないとハードルが高くなる可能性があります。
一方、メディカルでは、薬剤師として「薬を知っている」ことからさらに一歩進んだ能力が求められます。
例えば、臨床研究や論文を批判的に読み解き、研究デザインや統計解析も踏まえてエビデンスを評価することです。また、医師や研究者と科学的な議論を行うことや、そこから得られたインサイトを社内の戦略やエビデンス創出につなげることなどです。
そのため、薬剤師としての専門知識に加えて、論文読解力、疾患領域の専門性、コミュニケーション能力、英語力などを身につけることが重要になります。
メディカルで年収を上げるためには、次のような経験や能力が重要です。
特定の疾患領域で高い専門性を身につける
医師と高度なScientific Exchangeを経験する
KOLとの関係構築
メディカル戦略の立案に関わる
RWEや臨床研究などのエビデンス創出に関わる
学会発表や論文などのScientific Communicationを経験する
英語を使ってグローバルチームと仕事をする
チームリーダーやマネージャーとして組織を管理する
企業未経験の薬剤師にとっては、MRやCRAなどと比較して転職のハードルが高い傾向があります。薬剤師資格だけでなく、疾患領域の専門性や論文読解力、企業での経験などをどのように積み上げるかが、その後の市場価値や年収を左右します。
年収相場
・未経験:400万〜500万円
・経験者・中堅:500万円〜800万円
・マネージャー・上位職:800万円から1,300万円
・一般的な年収相場:400万〜800万円程度
PV(Pharmacovigilance:ファーマコビジランス)は、医薬品の副作用などの安全性情報を収集・評価し、医薬品をより安全に使用するための対策につなげる職種です。
具体的には、医療機関や臨床試験などから報告された有害事象・副作用情報を収集し、重篤性や医薬品との因果関係などを評価します。また、必要に応じて規制当局への報告を行うほか、経験を積むと安全性シグナルの評価やリスク管理計画(RMP)など、より幅広い安全性業務に関わることもあります。
PVは、今回紹介する職種の中でも、薬剤師として培った医薬品の知識を比較的直接生かしやすい職種です。
副作用情報を評価する際には、対象となる医薬品だけではありません。患者さんの基礎疾患、併用薬、投与時期、薬理作用、検査値など、様々な情報を確認する必要があります。
そのため、薬剤師として身につけた薬理作用、副作用、相互作用、薬物治療などの知識は、安全性情報を理解するうえで強みになります。
一方で、PVは薬剤師資格が必須の職種ではありません。また、病院や薬局で患者さんの状態を見ながら個別に対応する仕事とは異なり、企業では規制や社内手順に従って、安全性情報を正確に評価し、記録・報告を行う能力が求められます。
そのため、薬剤師の知識だけでなく、正確な文書作成能力、規制に関する知識、英語力などを身につけることが重要になります。
PVで年収を上げるためには、次のような経験や能力が重要です。
安全性シグナルの検出・評価に関わる
リスク管理計画(RMP)など、リスク最小化活動に関わる
国内だけでなくグローバルの安全性業務を経験する
英語を使った症例評価や海外チームとの業務を経験する
プロジェクトやチームのマネジメントを経験する
CROなどで経験を積み、製薬企業を含めてキャリアの幅を広げる
PVは、薬剤師としての「医薬品の安全性」に関する知識を、企業での専門性へ発展させやすい職種です。一方、未経験で転職して直ちに高年収になるとは限りません。
安全性情報の処理から症例評価、シグナルマネジメント、リスクマネジメントへと担当領域を広げることで専門性が高まり、中長期的に市場価値や年収を伸ばしていけるキャリアといえます。
年収相場
・未経験:450万〜600万円
・経験者・中堅:600万〜800万円
・マネージャー・上位職:1,000万円以上
・一般的な年収相場:500万〜800万円程度
(厚生労働省の職業情報提供サイトでは、MRの年収は全国平均で660.7万円とされています。)
MR(Medical Representative:医薬情報担当者)は、製薬企業に所属し、医師や薬剤師などの医療従事者に対して、医療用医薬品の適正使用に必要な情報を提供・収集する職種です。
医薬品の有効性や安全性に関する情報を提供するだけでなく、医療現場から副作用情報や治療上の課題などを収集し、社内へフィードバックする役割も担います。
MRは企業や経験によって年収の幅が大きい職種です。また、製薬企業の中でも内資か外資かによって年収は変わります。
未経験からの転職では450万円〜600万円程度からスタートするケースもあります。一方、経験を積むことで600万円〜800万円程度、営業マネージャーなど責任範囲の広いポジションでは、1,000万円以上を目指せるケースもあります。
CSOに所属し製薬企業に派遣されてプロジェクトベースでMRとして働くケースも多いです。この場合は製薬会社で働くよりも年収は低めになります。
MRは文系出身の方も多く、薬剤師資格が必須の職種ではありません。※最近の新卒採用の枠は以前よりもかなり狭くなっております。
一方で他の業種と比べ、薬剤師として培った医薬品や疾患、薬物治療に関する知識は大きな強みになります。
特に病院や薬局で勤務してきた薬剤師であれば、医師や薬剤師がどのような情報を必要としているのか、医薬品が実際の医療現場でどのように使用されているのかを理解しています。
また、患者さんへの服薬指導を通じて培った「専門的な情報を相手に合わせて分かりやすく伝える力」も十分に生かすことができます。
一方で、医薬品に詳しいだけでMRとして高く評価されるわけではありません。薬剤師によくあるケースとして、論理的に正しいと思えることを伝えても相手には響かないことがあります。
担当する医療機関の課題を把握すること、医師や薬剤師との信頼関係を構築すること、限られた面談時間の中で必要な情報を伝えること、そして担当エリアで成果を出すことが求められます。
そのため、薬剤師としての専門性を、営業活動や顧客とのコミュニケーションに転換できるかが重要になります。
MRで年収を上げるためには、次のような経験や実績が重要です。
営業目標を継続的に達成する
大学病院や基幹病院など社内で重要な医師や施設を担当する
新薬の上市、オンコロジーや希少疾患など、専門性の高い領域を経験する
営業所長などのマネジメント職へ進む
MRは、今回紹介する企業職の中でも、成果や役職によって年収を大きく伸ばせる可能性がある職種です。
一方で、薬剤師からMRへ転職しただけで高年収になるわけではありません。薬学知識をベースに営業経験を積み、継続的に成果を出すことで市場価値を高めていくことが重要です。
年収相場
・未経験:400万〜500万円
・経験者・中堅:500万〜750万円
・マネージャー・上位職:750万〜1,000万円
・一般的な年収相場:400万〜750万円程度
(厚生労働省の職業情報提供サイトでは、CRAの年収は全国平均で528.7万円とされています。
CRA(Clinical Research Associate:臨床開発モニター)は、製薬企業やCRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)に所属し、医療機関で実施される治験が治験実施計画書やGCPなどのルールに沿って適切に進められているかを確認する職種です。
治験を実施する医療機関の選定や立ち上げ、医師やCRCとの調整、治験データや文書の確認、進捗管理などを行います。
薬剤師を対象とした未経験CRAの求人では、年収400万円〜500万円前後からの募集が中心です。経験を積むことで500万円〜750万円程度、リーダーやプロジェクトマネージャーなど責任範囲の広いポジションでは、750万円〜1,000万円以上を目指せるケースもあります。
CRAでは、薬剤師として培った疾患や薬物治療の知識、医薬品の有効性・安全性に対する理解を生かすことができます。
治験では、治験薬だけでなく、患者さんの疾患や併用薬、有害事象、検査値など幅広い情報を扱います。そのため、薬剤師として医薬品や患者さんの治療に関わってきた経験は、治験の内容を理解するうえで強みになります。
また、病院や薬局で医師・看護師などの医療従事者と連携してきた経験も、医療機関との調整やコミュニケーションに生かすことができます。
一方で、CRAは薬剤師資格が必須の仕事ではありません。治験ではGCPや治験実施計画書などのルールを正確に理解し、複数の医療機関や関係者と調整しながら、治験の品質と進捗を管理する能力が求められます。
CRAで年収を上げるためには、次のような経験が重要です。
オンコロジーや希少疾患など、専門性の高い領域で経験を積む
国際共同治験を担当する
治験の立ち上げから終了まで一連の業務を経験する
リードCRAとしてチームをまとめる
プロジェクトマネージャーなど、管理するポジションへ進む
英語を使ったグローバル業務を経験する
CROや製薬企業などで経験の幅を広げる
CRAは、薬剤師から企業へ転職した直後に必ず年収が上がる職種ではありません。現在の未経験薬剤師向け求人でも400万円〜550万円程度の募集が見られるため、転職前の給与によっては一時的に年収が下がる可能性もあります。
しかしCRAとして経験を積んだ後のキャリアパスは、リードCRAやプロジェクトマネージャーだけではありません。製薬企業で試験全体を管理するStudy Managerや、開発戦略・臨床試験の企画に関わる臨床開発職へキャリアを広げる選択肢もあります。
年収相場
・未経験:350万〜450万円
・経験者・中堅:500万〜700万円
・マネージャー・上位職:700〜900万円
・一般的な年収相場:400万〜700万円程度
学術・DI(Drug Information)は、医薬品に関する情報を収集・整理・評価し、医療従事者や社内からの問い合わせへの対応、適正使用に必要な情報提供などを行う職種です。
添付文書やインタビューフォーム、国内外の文献、臨床試験データなどを調査し、医薬品に関する問い合わせへの回答を作成します。企業によっては、FAQや学術資材の作成、社内研修、MRへの情報提供などを担当することもあります。
未経験からの求人では400万円前後からスタートするケースもあります。経験を積むことで500万円〜650万円程度、チームリーダーやマネージャーなど責任範囲が広がると、650万円〜800万円以上を目指せるケースもあります。
学術・DIは、薬剤師として身につけた知識や経験を比較的直接生かしやすい職種です。
病院や薬局で働く薬剤師も、添付文書やインタビューフォーム、ガイドライン、文献などから必要な情報を調べ、医師や患者さんからの質問に回答する機会があります。
また、処方内容を確認する際には、用法・用量だけでなく、副作用、相互作用、患者背景など様々な情報を組み合わせて判断します。こうした「必要な医薬品情報を探し、その内容を評価し、相手に合わせて分かりやすく伝える力」は、企業の学術・DI業務でも生かすことができます。
一方で、企業では自社製品について回答する立場になるため、回答の正確性だけでなく、承認された情報や関連する規制、社内ルールなどに沿って情報を提供することが求められます。
そのため、薬剤師としての医薬品知識に加えて、文献検索や論文読解、正確な文書作成、関連規制など、企業のDI業務に必要な専門性を身につけることが重要です。
ただ、企業によって学術・DIの業務範囲は異なるため、転職する際は事前にしっかりと確認することをおすすめします。
学術・DIで年収を上げるためには、次のような経験や能力が重要です。
医療従事者からの高度な問い合わせに対応する
FAQや学術資材などの作成経験を積む
特定の疾患・製品領域で専門性を高める
英語文献を読み、海外情報を扱えるようになる
MRなど社内向けの教育・研修を担当する
チームリーダーやマネージャーとして組織を管理する
学術・DIは、薬剤師として培った力を、そのまま企業での専門性へ発展させやすい職種です。
年収相場
・未経験:500万〜750万円
・経験者・中堅:750万〜1,000万円
・マネージャー・上位職:1,000万〜1,500万円以上
・一般的な年収相場:500万〜1,000万円程度
ヘルスケアコンサルタントは、製薬企業や医療機器メーカー、医療機関などが抱える経営・事業上の課題を分析し、解決策の提案や実行支援を行う職種です。
仕事内容は勤務するコンサルティング会社やプロジェクトによって幅広く、製薬企業の事業戦略や新規事業、研究開発(R&D)、マーケティング、業務改革、DXなど、様々なテーマを扱います。
年収は企業や職位による差が大きく、大手コンサルティングファームでは未経験から入社できる求人もあります。経験を積んでマネージャー以上になると、1,000万円を超える年収を目指せるケースもあります。
ヘルスケアコンサルタントでは、医療・医薬品に関する知識や、医療現場への理解を生かすことができます。一方で、薬剤師資格そのものが評価されて高年収になる職種ではありません。
コンサルタントには、クライアントの課題を整理する論理的思考力、情報収集・分析力、資料作成能力、プレゼンテーション能力など、薬剤師とは異なるビジネススキルが求められます。
そのため、薬剤師としての専門知識を企業や医療機関が抱える課題の解決に転換できるかが重要になります。
ヘルスケアコンサルで年収を上げるためには、次のような経験や能力が重要です。
製薬・医療機器などヘルスケア業界への専門性を高める
戦略立案や新規事業、R&D、マーケティングなど幅広いプロジェクトを経験する
データ分析や論理的思考力を高める
クライアントへの提案やプロジェクト推進を経験する
プロジェクトマネージャーとしてチームを管理する
ヘルスケアコンサルは、薬剤師として培った医療・医薬品の専門性に、ビジネススキルを掛け合わせるキャリアです。
薬剤師資格を直接使う仕事ではありませんが、医療業界の知識を生かしながら、より経営や事業に近い立場で仕事をしたい人にとって選択肢の一つになります。
一方、年収水準が高い分、成果やアウトプットに対する要求も高くなる傾向があります。薬剤師としての知識だけではなく、ビジネスパーソンとしての能力を身につけることが市場価値や年収を左右します。
薬剤師から企業へ転職する場合、現在の年収と求人票の年収だけを比較すると、判断を誤ることがあります。
病院や薬局勤務では、夜勤手当、時間外手当、住宅手当などが年収に含まれていることがあります。一方、企業では、固定残業代、賞与、インセンティブ、株式報酬、出張手当などが含まれる場合があります。
確認すべきなのは、少なくとも次の項目です。
基本給
固定残業代の有無と時間数
賞与の算定方法
インセンティブの条件
残業代の扱い
住宅手当や退職金
出張や休日対応の有無
たとえば、年収500万円の求人でも、そのほとんどが固定給である場合と、目標達成を前提としたインセンティブを含む場合では、収入の確実性が違います。
また、現在の年収が550万円で、企業からの提示が500万円だったとしても、
夜勤がなくなる
年間休日が増える
3年後に650万円を目指せる
新しい専門性を身につけられる
のであれば、その50万円の差を受け入れる意味があるかもしれません。
反対に、年収が50万円上がっても、固定残業や出張が多く、昇給の可能性が乏しい場合は、本当に良い転職なのかを考える必要があります。
同じ職種名でも、企業によって実際の仕事は異なります。例えば、カスタマーサクセスという名前の職種でも、実際には問い合わせ対応が中心の求人もあれば、契約更新や追加提案まで責任を持つ求人もあります。
同じように、クリニカルスペシャリストでも、教育や導入支援が中心の企業と、営業目標のもとばりばり営業成果を求められる企業があります。
入社してから「思っていた仕事と違った」とならないように、求人票や面接で具体的な職務内容まで確認することが重要です。
企業への最初の転職では、薬剤師時代よりも年収が下がることは珍しくありません。一方、企業で3年程度働き、実績をつくることができれば、その経験に基づいて年収があがることもあれば、その経験を活かして別の職種やより上位の職種にジョブチェンジすることも可能になります。
企業キャリアは数10年と続きます。そのため、初年度の年収だけで全てを決めるのではなく、その企業で、その仕事をすることで、今後企業人として生きていく上で重要な経験が積めるかどうかを考えましょう。
薬剤師が企業へ転職した場合の年収は、企業職種未経験では、おおむね350万〜600万円程度です。
メディカル(MSL/MA)、ファーマコビジランス(PV)、医薬情報担当者(MR)、臨床開発モニター(CRA)、学術・DI(Drug Information)、ヘルスケアコンサルなどでは、経験を積むことで500万〜850万円程度が見えてきます。営業成績やマネジメント責任によっては、1,000万円以上に到達する可能性もあります。
ただし、企業転職をすれば、自動的に年収が上がるわけではありません。
最初の転職では、夜勤・休日出勤手当がなくなることや、企業職種未経験として評価されることにより、年収が下がる可能性もあります。商流として、企業へ転職することだけが、正解ではありません。
現在の病院や薬局で管理職やプロジェクトを経験してから転職した方が、より良い条件を得られることもあります。臨床を続けることが、自分にとって最も納得できる選択になることもあります。
だからこそ、いきなり求人へ応募するのではなく、まずは自分の経験が企業でどのように評価されるのか、どの職種であれば強みを生かせるのかを整理することをおすすめします。
mMEDICIが運営する人材紹介サービス「mDAVINCI」では、医療職・研究職に特化した企業転職支援を行っています。
公開求人だけでは分かりにくい仕事内容、企業が求めている経験、評価指標、年収の内訳などを確認しながら、これまでの経験をどの職種で生かせるかを一緒に整理します。
また、求人のご紹介だけでなく、応募書類の整理、面接対策、日程調整、条件確認、入社後のフォローまで、すべて無料で支援しています。一般には公開されていないヘルスケア領域の求人をご紹介できる場合もあります。
情報収集の段階でも相談でき、転職を無理に勧めることはありません。企業へ転職するか、病院に残るか、まだ決めていなくても問題ありません。
むしろ、結論を決める前に、
自分の臨床経験は、企業でどのように評価されるのか
現在の年収を維持できる可能性はあるのか
どの職種なら、3年後により良いキャリアを築けるのか
転職前に、現在の職場で経験しておくべきことはあるか
を整理しておくことが重要です。
転職そのものではなく、納得のいくキャリアを作るための時間として、ご相談いただければと思います。
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