
【採択者が語る助成金獲得のコツ】ファイザーヘルスリサーチ研究に関する研究助成公募:臨床医学分野 - vol.13
2026.04.15
行政機関所属中の併任教員であり精神科の医師である筆者が、「統合失調症スペクトラム障害患者の周術期精神症状悪化予測スコアリングモデルの作成と検証」をテーマとした民間助成金の獲得経験を解説します。
本記事では、臨床現場で感じた課題を、どのように研究へと昇華し、助成金獲得につなげるのか――。応募先の選定理由から、研究計画書における社会的意義・独自性の伝え方、採択につながる具体的な工夫までを体系的にお伝えします。
研究テーマの磨き方や伝え方に悩む医療職・研究者にとって、実践的な示唆を得られる内容です。
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- この記事のまとめ
- この記事を読むと分かること
- この記事は誰に向けて書いているか
- 獲得ノウハウシリーズ
- 申請者情報
- 助成金情報
- 助成金名
- 助成団体の種類
- 助成団体名
- 助成制度・助成団体の理念
- URL
- 応募対象の条件
- 最大助成金額・期間
- 実際に支給された助成金額・期間
- 募集頻度・時期
- 研究内容
- 申請時の研究タイトル
- 研究概要
- 申請までの経緯
- 助成金を知ったきっかけ
- この助成金を選んだ理由
- 応募に至るまでのストーリー
- 申請内容に関する考察と、具体的な作業内容
- 募集要項で特に注目した点
- 申請準備で実施したこと
- 申請書に記載が求められる項目
- 各項目の記入分量
- 構成・ストーリーについて意識したポイント
- 独自性や社会的意義でアピールしたポイント
- 文章表現の工夫
- 記入が難しかった項目とその理由
- 採択につながったと考えるポイント
- 採択後の成果
- 助成金の使用用途
- 研究成果
- これから応募する人へのエール
- 【オンラインスクール mJOHNSNOW入会受付中:7日間無料お試し】
- mJOHNSNOW講義紹介|あなたも獲れる100万円 ゼロからの科研費獲得講座
この記事のまとめ
この記事を読むと分かること
若手研究者向け助成金の選び方と採択につながる判断基準
研究計画書における構成(社会的意義・独自性・実現可能性)の具体的な書き方
採択につながる実務的な準備の重要性
この記事は誰に向けて書いているか
研究助成金への応募を検討している若手医療職・研究者
研究計画書の書き方や採択のポイントが分からず悩んでいる方
臨床経験をもとに、研究テーマを発展させたいと考えている方
獲得ノウハウシリーズ
【研究助成金】
vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連
vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野
vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連
vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野
vol.6:富山県立大学研究協力会 奨励研究 - 看護工学連携分野
vol.7:住友生命 子育てプロジェクト女性研究者支援 - 社会医学領域
vol.8:ななーる訪問看護研究助成プロジェクト - 在宅・訪問看護分野
vol.9:科研費 基盤(C) - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.10:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.11:科研費 若手研究 - 内科学一般およびその関連分野
vol.12:フランスベッド・メディカルホームケア研究・助成財団 - リハビリテーション活動や機器に関する研究
vol.13:ファイザーヘルスリサーチ研究に関する研究助成公募 - 臨床医学分野(本記事)
【奨学金】
申請者情報
氏名:松本 佳大
所属:京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
職位:行政機関所属中の併任教員
専門分野・領域:臨床医学
助成金情報
助成金名
第32回ヘルスリサーチ研究に関する研究助成
助成団体の種類
民間企業
助成団体名
公益財団法人ファイザーヘルスリサーチ振興財団
助成制度・助成団体の理念
ヘルスリサーチ(保健医療・福祉分野における科学技術の進展を国民のクオリティ・オブ・ライフの向上につなげるために、多元的な学問の方法論を用いて、最適な保健医療・福祉のシステムを構築する学問。)に対する研究助成、提言、研究者の育成、調査研究、国際交流等を行うことにより、わが国におけるヘルスリサーチの振興を図るとともに、国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的とする。
URL
https://www.health-research.or.jp/content/index.html
応募対象の条件
年齢に条件あり、所属属性に条件あり、研究分野に条件あり
最大助成金額・期間
上限100万円×1年
実際に支給された助成金額・期間
83万円×1年
募集頻度・時期
毎年決まった時期に公募
研究内容
申請時の研究タイトル
統合失調症スペクトラム障害患者の周術期精神症状悪化予測スコアリングモデルの作成と検証
研究概要
統合失調症スペクトラム障害(SSD:Schizophrenia Spectrum Disorder)患者は、一般人口と比して死亡率が2~3倍とされておりますが、その原因の一つに身体疾患治療アクセスにおける一般人口との格差が挙げられます。
SSD患者の身体疾患治療中に精神症状が悪化する場合があり、その際には精神科との密な連携が必要となります。しかし、そのようなケースに対応できる総合病院は少なく、精神症状悪化リスクを恐れるためにSSD患者が治療機会を逸しているという現状があります。
そこで本研究では、手術加療を必要とするSSD患者における周術期の精神症状悪化に関する予測スコアリングモデルを作成し、悪化リスクに応じた適切な入院先の選定の根拠を構築することで、身体疾患治療アクセス向上を目指しています。
申請までの経緯
助成金を知ったきっかけ
上司・同僚からの紹介
この助成金を選んだ理由
本助成金を応募先として選択した理由としては、第一に申請者が若手(39歳以下)に限定され、共同研究者も45歳以下に制限されている点です。
このように応募者層が明確に限定されている助成金は、一般的な競争型研究費に比べて応募者数が相対的に少なくなる傾向があり、結果として競争倍率も低くなると考えました。
第二に、研究分野がヘルスリサーチ領域に特化している点も、私の専門性と高い親和性があり、本研究テーマとの適合性が極めて高いと判断しました。
第三に、所属教室ではこれまでに複数の先輩方が同助成金に採択されており、申請書の書き方や審査の傾向について具体的な助言を得られる体制が整っていることも大きな利点でした。
応募に至るまでのストーリー
リエゾン診療を行っていた専攻医時代に、精神科が入院を把握していない他院かかりつけの統合失調症の方が周術期に精神症状が悪化し、対応に困った経験がありました。
そこから、統合失調症スペクトラム障害(SSD)患者の身体治療中の精神症状悪化に関するデータが非常に乏しいことを学びました。
そこでまずは全精神疾患を対象に、精神症状悪化率と予測因子に関する研究を単施設で実施し、大学院時代に学位を取得しました。その研究の延長として、他施設の先生方からも協力を得ることができ、本研究を実施するに至りました。
申請内容に関する考察と、具体的な作業内容
募集要項で特に注目した点
助成対象となる研究領域、過去の採択者情報
申請準備で実施したこと
過去の採択例を収集・分析、他者に研究計画書の添削を依頼、申請書に挿入用の図表の作成
申請書に記載が求められる項目
研究目的・背景、研究方法、スケジュール、研究の独自性・新規性、研究の社会的意義、予算の使用用途
各項目の記入分量
研究概要(300字以内)
研究背景(300字以内)
研究目的(300字以内)
実施計画:助成期間内の実施内容、方法、達成する目標(600字以内)
期待される成果(300字以内)
倫理審査状況(300字程度)
研究の詳細記述(2900字程度)
関連するテーマにおけるこれまでの実績(500字以内)
今回のテーマに関する国内外での現状(500字以内)
その他事務的な記載事項
構成・ストーリーについて意識したポイント
「今回の研究がなぜ社会的に重要であるのか」については、疾患の特異性に起因する課題や社会的背景を公表データを用いて説明しました。また、「なぜ他の人ではなく自分が行うのか」については、着想の経緯と先行研究の実績を示す流れを意識しました。
独自性や社会的意義でアピールしたポイント
本研究の独自性は、精神科病棟以外に入院するSSD患者を対象とし、多施設で予測モデルを構築・検証する点にあります。精神症状悪化を複合エンドポイントとして定義し、誰が評価しても判断が割れにくい基準を採用しました。
文章表現の工夫
精神科を専門としない審査員の方にも理解していただきやすい表現を心がけ、評価基準の客観性と再現性を強調しました。また、図を適宜挿入し、視覚的理解を助けました。
記入が難しかった項目とその理由
研究課題の重要性と解決への道筋を十分に伝える点やスコアリングモデル作成経験がなかった点、症例数の妥当性について悩みました。
採択につながったと考えるポイント
社会的に重要であるにもかかわらず、これまで十分に研究されてこなかった点を伝えられたことや、多施設協力による症例数確保、わかりやすい評価基準の提示により実現可能性を高めたこと、過去の関連領域における研究実績等が評価されたと考えます。
採択後の成果
助成金の使用用途
機器・ソフトウェア購入、旅費・学会出張費
研究成果
まだ論文投稿にまで至っておらず、現状は学会発表のみです。
これから応募する人へのエール
いきなり大きな研究はできないので、将来的なビジョンを描いてその前段階となる論文を一本仕上げられれば、関連するテーマでの研究助成金が獲得しやすくなります。
不採択の経験も無駄にはならないので、まずは応募してみることが大切だと思います。
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vol.1:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.2:科研費 基盤(C) - 生涯発達看護学関連
vol.3:古川医療福祉設備振興財団研究助成 - 医療・福祉、リハビリ分野
vol.4:科研費 若手研究 - 高齢者看護学および地域看護学関連
vol.5:科研費 スタート支援 - 基礎医学研究およびその関連分野
vol.6:富山県立大学研究協力会 奨励研究 - 看護工学連携分野
vol.7:住友生命 子育てプロジェクト女性研究者支援 - 社会医学領域
vol.8:ななーる訪問看護研究助成プロジェクト - 在宅・訪問看護分野
vol.9:科研費 基盤(C) - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.10:科研費 スタート支援 - 社会医学、看護学およびその関連分野
vol.11:科研費 若手研究 - 内科学一般およびその関連分野
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