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企業面接は学会発表ではない!相手のニーズを戦略的に見極めよ!

企業面接は、一方通行の伝達である学会発表とは異なります。会話の場なのです。本記事では、医療職・研究職が、企業ニーズにあう専門性と人間性を戦略的に面接でアピールし、「選ばれる人材」になる方法を詳しく解説します。

2025.05.14

企業面接とは、あなたの「過去を語る場」ではありません。

面接官が本当に知りたいのは、「この人が、これから自社にどんな価値をもたらしてくれるか」という一点です。

しかし、研究や医療の世界で実績を積んできた人ほど、つい学会発表のように「これまでの努力」を一方的に伝えがちです。

本記事では、ヘルスケア分野出身者が陥りやすいこの“落とし穴”を回避し、企業ニーズを的確に捉えた自己PRを展開する方法を徹底解説します。

読み終える頃には、面接に対する考え方が根本から変わり、「評価される側」から「選ばれる側」へと、確実にキャリアのステージがシフトしているはずです。

この記事のまとめ

この記事を読むと分かること

  • 学会発表型の面接回答がなぜ通用しないのか、企業面接との本質的な違い

  • 企業のニーズを読み解き、専門性を効果的にPRする具体的な方法

  • 面接で「この人と一緒に働きたい」と思わせる人間性のアピール技術

この記事は誰に向けて書いているか

  • 研究職・医療職で、企業転職を初めて考えている方

  • 学会発表のような話し方から抜け出せず、面接で「企業視点」のアピールに自信がない方

  • 専門性だけでなく、チーム適応力や人間性も評価される面接戦略を身につけたい方

キャリアシリーズ

  • 疫学、その熱狂と魂 - 佐々木敏名誉教授インタビュー
    - Part 1:伝説の疫学講義はこうして生まれた
    - Part 2:地に生きる者たちのための疫学、ヨーロッパから世界をまなざして
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  • 新谷歩教授インタビュー

    - Part 1:アメリカに燃ゆる執念、人事を尽くし教育した医療統計がここに

    - Part 2:アメリカに燃ゆる執念、人事を尽くし教育した医療統計がここに

  • 【n=1で探求する】キャリアシリーズ

    vol.1:製薬企業で実践するパブリックヘルス:疫学とエビデンスジェネレーションについて

    vol.2:産業医が書く実践と研究の往復書簡:資本主義の次なるモデルを目指して

    vol.3:越境キャリアのススメ - 障害福祉と公衆衛生の枠を超えて社会を変える -

    vol.4:遺伝医療の進化とともに:患者の未来を支えるため学び続ける遺伝カウンセラーの実情

    vol.5:非MPHホルダーの薬剤師、薬剤疫学に邁進す:医療現場を支えるエビデンス創出のために

    vol.6:理学療法士が遂げた実績ゼロからのキャリアチェンジ:企業で働く疫学専門家のリアルを語る

    vol.7:「今の医療で助けられない子どもを救いたいなら、研究をして論文を書きなさい」:先進国の都市に埋もれた医療格差に挑む小児消化器肝臓医のストーリー

    vol.8:ゆるふわセレンディピティと共に歩むふんわり仕事人生:40代意識低い系女医が夫と子ども3人連れてアメリカへ行ってみた

    vol.9:行政保健師、40代で大学院へ:自治体の限界を超えEBPMで切り拓く地域保健の未来

    vol.10:アカデミアからグローバル製薬企業へ:医師&研究者が語る海外キャリアチェンジの実情とヒント

    vol.11:専門性の獲得に遅すぎることはない:二足の草鞋で極める生物統計家のキャリアパス

    vol.12:公衆衛生がもたらす理学療法士×ATの可能性:学校職員の腰痛に向き合う一人の挑戦

    vol.13:10年の臨床経験はナマクラに:そして米国日本人初のライフスタイル医学認定プロへ

    vol.14:ライフパフォーマンスとしての運動に魅了され:博士号取得までの執念の10年間

    vol.15:中央省庁で医療行政に従事する理学療法士:臨床→コンサル→行政のキャリア戦略

    vol.16:獣医学と臨床疫学の融合:データサイエンスの力で動物を救う獣医師のキャリア

    vol.17:地域に育てられた保健師:行政とアカデミアを往還し導く公衆衛生の答え

    vol.18:「研究も臨床もやりたい!」若手作業療法士の欲張りキャリア戦略

執筆者

氏名:廣瀬直紀
所属:mMEDICI株式会社
専門性:保健学博士・公衆衛生学修士。東京大学・東京大学大学院を卒業後、外資系製薬企業の疫学専門家として薬剤疫学・リアルワールドデータ研究を専門とする。日本・グローバルの双方で活動したのちに、全ての人がアクセス可能な一流の知のプラットフォームを作り、「知に繁栄を、辺野に豊穣を」実現すべく、mMEDICI株式会社を創業。

はじめに:企業面接と学会発表の「決定的な違い」

学会発表の壇上では、私たちは一方的に情報を伝えます。研究データを緻密に積み上げ、論理的に結論へと導くことこそが、評価される世界です。

しかし――企業の面接の場においては、この「一方通行の伝達」は武器になりません。むしろ、致命的な弱点になりかねないのです。

面接とは「会話」の場です。

そこでは、相手が何を求めているかを瞬時に察知し、自らの強みを“相手のニーズ”にぴたりと重ね合わせて提示できる人だけが、次のステージへ進めます。

ヘルスケア領域で活躍してきた研究者や医療職にとって、これは容易なことではありません。なぜなら、専門性を誇るほどに、自分の業績やスキルを「正しく、丁寧に説明する」ことに意識が向きがちだからです。

しかし、企業は決してあなたの過去の努力だけを見ているわけではありません。

彼らが見ているのは、「この人が、これからの私たちの未来に、どんな価値をもたらしてくれるか」という一点です。

本記事では、企業面接という舞台で、「学会発表型」の話し方を超え、戦略的に相手のニーズを読み解き、自分自身を“選ばれる存在”として印象づける方法を解説します。

読み終えた頃には、面接という場に対する考え方が根本から変わり、転職活動が「選別される立場」から「選ばれる立場」へと、シフトしているでしょう。

第1章:まず押さえたい:面接は“会話”である

「面接で大切なのは、質問に対して的確に答えることだ」
そう思っている方は、決して少なくないでしょう。しかし、これは半分正解であり、半分誤解でもあります。

企業の面接官が本当に見ているのは、「この人と一緒に未来をつくれるだろうか」という直感です。
ただ質問に答えるだけでは、その信頼感を十分に引き出すことはできません。

では、どうすればいいのか。答えはシンプルです。
面接を「面接官との受け答え」ではなく「将来の同僚との会話」と捉え、自ら流れをつくること。

ここで一つ、重要な視点を紹介しましょう。
それは、就職・転職活動とは「評価のフレームの押し付け合い」であるということです。

私たちはつい、面接官に「評価される」側だと受け身になりがちです。しかし、無防備に受け身になってはいけません。「私のことを高評価してください」というフレームを、前提として押し付けることが重要なのです。

職務経歴書を提出する段階から、私たちは「自分という人材はこういう視点で評価すべきですよ」というフレームを相手に提示しているのです。

そして面接では、そのフレームをさらに強化し、面接官に“こちらが望む視点”で自分を見てもらうために、会話をコントロールしていく必要があります。

この会話のコントロールに成功すると、驚くほどスムーズに面接が進みます。想定外の質問が飛んでくるリスクも減り、事前に用意したストーリーに沿って、自分の強みを的確にアピールできるのです。

たとえば、面接官に「前職ではどのようなプロジェクトに携わりましたか?」と尋ねられた時、単なる事実の羅列にとどまらず、
「その経験が、いかに貴社のニーズにマッチするか」
「自分がどんなスタンスでチームに貢献したか」
までを意識して語ることができれば、面接官の関心は一気に高まります。

つまり、聞かれたことにだけ答える人と、聞かれたことを“起点”に、相手のニーズに沿って自己PRを展開できる人とでは、面接後に残る印象が天と地ほど違うということです。

面接は「評価される場」ではありません。自ら評価の基準を差し出し、相手を会話で誘導していく場なのです。

この感覚を身につけることができれば、あなたの面接力は飛躍的に向上します。

次章では、そのために必要な「戦略的な準備方法」について、具体的に解説していきましょう。

第2章:面接に臨む前の「戦略的準備」

戦う前に、勝敗はすでに決まっている。これはビジネスでも転職活動でも同じです。面接においても、成否の7割は「事前準備」の質によって決まります。

単に「自分のキャリアを説明できるようにしておこう」というレベルでは足りません。求められるのは、企業のニーズを徹底的に分析し、自らをそのニーズに重ね合わせる準備です。

まず最初にすべきは、Job Description(募集要項)の徹底的な読み込みです。ただタイトルや表面的な職務内容を眺めるのではなく、行間を読み解いていきます。

たとえば「複数部署と連携したプロジェクト推進経験」という一文があったとします。これは裏を返せば、「組織横断的な動きをリードできる人材が不足している」という企業側の悩みを示唆しているかもしれません。このように、Job Descriptionに隠された「本当のニーズ」を読み解くことが第一歩です。

次に取り組むべきは、その企業がここ数年で取り組んできた研究や事業テーマを調べることです。特に、面接予定部署が過去2年以内に発表した論文やプレスリリースには必ず目を通しましょう。

彼らが今、どのような課題に向き合っているのかを知ることで、自分のどの経験やスキルが最も「刺さる」かを見極めることができます。表層的な理解では不十分です。相手がどんな未来像を描こうとしているのか、その未来に自分はどう貢献できるのか、そこまで想像を巡らせて準備します。

また、面接官の質問意図を事前に予測しておくことも重要です。どんな質問にもただ「答える」のではなく、「その質問の背景にあるニーズは何か」を読み取る姿勢を持つこと。

たとえば「前職でチームを率いた経験はありますか?」という質問に対しては、「自ら巻き込み、組織を動かす力」が期待されていることを前提に、リーダー経験のエピソードを組み立てます。

さらに、自分自身がどの角度から見られたいか、フレームを明確に設計しておきましょう。職務経歴書の段階で押し出した「私という人材はこの観点から評価してほしい」というメッセージを、面接でも一貫して伝え続けること

これにより、面接官に「この人材はこういう強みを持っている」という認識を自然と持たせ、会話の流れをコントロールしやすくなります。

戦略なき面接は、運に頼るしかありません。しかし、相手のニーズを深く理解し、自らの強みを戦略的にリンクさせる準備を怠らなければ、面接は決して怖いものではなくなります。

むしろ、相手に「ぜひ一緒に働きたい」と思わせる絶好のチャンスとなるでしょう。

次章では、意外と侮れない「外見」の戦略についてお話しします。ここでの準備が、第一印象を大きく左右する鍵となります。

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第3章:外見は戦略の第一歩:服装・容姿の整え方

面接において最初に伝わる情報、それは言葉ではありません。
視覚から受け取る情報、つまり「外見」が相手の第一印象を決定づけます。

どれだけ素晴らしい専門性や経験を持っていても、最初の数秒で「違和感」や「だらしなさ」を感じさせてしまえば、その後の巻き返しは極めて困難です。

まず服装について。
面接にはスーツが基本です。どの業界・職種であっても、「きちんとした場に敬意を払える人か」を見るのが面接官の共通認識です。オンライン面接であっても、カメラの向こうにいる面接官へのリスペクトは変わりません。

大切なのはスーツの価格やブランドではなく、サイズ感です。3万円程度の既製品でも構いませんが、体型に合ったものを選ぶこと。身体にフィットしたスーツを着るだけで、清潔感と信頼感が格段に高まります。

近年では、数万円台でオーダースーツが作れるサービスも増えていますので、可能であれば検討してもよいでしょう。

次に容姿について。
髪型、髭、爪など細部に至るまで「清潔感」が求められます。これらは単なる好みの問題ではありません。清潔感とは、「あなたに接する相手への敬意」の表れです。

仮にあなたが営業担当だったとして、髪がぼさぼさで無精髭の営業マンが顧客に訪問したらどう思うでしょうか。企業研究者であっても、チームで動き、多様な関係者と連携していく以上、最低限の対人配慮は必須です。

「見た目で判断するなんて不公平だ」と感じる方もいるかもしれませんが、面接とは限られた時間で総合的な判断を下さなければならない場です。人間の認知の仕組み上、第一印象は覆りにくいということを受け入れて戦略を立てるべきでしょう。

対面面接の場合はもちろん、オンライン面接であっても油断は禁物です。カメラの画角に映る範囲は整理整頓されているか、ライティングは適切か、自分の表情が明るく見えるかなど、細部まで目を配りましょう。

意外にも、こうした基本を押さえていない方は少なくありません。だからこそ、しっかり準備して臨むだけで、面接官に「この人は違う」と感じさせることができるのです。

外見を整えるということは、単なる“見栄”ではありません。あなた自身のプロフェッショナリズムを、言葉を介さずに伝えるための最初のプレゼンテーションです。

面接官に「この人となら、安心して一緒に働けそうだ」と思わせるために、できる限りの準備を尽くしましょう。

次章では、面接の中で最初に訪れる大きな勝負どころ、「自己紹介」の戦略について掘り下げていきます。

第4章:自己紹介で「勝負は半分決まる」

面接において、第一声はあなた自身の未来を左右するほどの影響力を持っています。

特に企業研究者や医療系人材の場合、面接官は「この人はきちんとコミュニケーションが取れるか」「チームの一員としてうまくやっていけるか」という点を極めて慎重に見ています。

専門的な知識・技術以前に、人間性や対人スキルが問われる。それが企業面接のリアルです。

最初に重要なのは、笑顔と声量です。面接室に入った瞬間、あるいはオンラインでカメラがオンになった瞬間、想定の1.5倍の声の大きさで「よろしくお願いいたします!」と笑顔で挨拶しましょう。

これだけで、場の空気を一瞬で制圧できます。面接は半分が「何を話すか」、そしてもう半分は「どのように話すか」で決まります。だからこそ、大きな声でハキハキと話す人は、それだけで好印象を与えることができるのです。

次に、自己紹介の構成です。ここで忘れてはいけないのは、自己紹介とは単なる経歴紹介ではないということ。あなたがこれまで何をしてきたかを並べ立てるのではなく、「私は貴社のニーズにこう応えられる人材です」というメッセージを言外に伝えることが真の目的です。

自己紹介は1分以内にまとめましょう。長くても90秒を超えないこと。ダラダラと話すことは厳禁です。

たとえば次のような流れが理想的です。

  • 挨拶と感謝の言葉(明るく、元気よく)

  • 最終学歴・専門分野の紹介(専門性の根拠を端的に)

  • これまでの業務・研究経験(企業ニーズとつながるポイントを強調)

  • 今回応募した理由(未来志向・貢献意欲を込める)

例を挙げましょう。

「はじめまして、〇〇と申します。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。私は〇〇大学大学院にて公衆衛生学を専攻し、特にリアルワールドデータの解析を中心に研究を進めてまいりました。その後、製薬企業にて疫学専門家として勤務し、複数の部門をまたぐプロジェクトをリードしてきました。本日は、これまで培ったスキルを活かし、貴社のリアルワールドエビデンスの推進に貢献できると考え応募いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。」

この自己紹介の中には、学術的専門性、業務経験、リーダーシップ、そして応募動機が自然に織り込まれています。しかも、すべてが面接官にとって「聞きたいこと」の枠組みの中で語られているため、スムーズに会話を展開していくことができます。

自己紹介は、いわば面接における“初手”です。ここで面接官に「この人はきちんとした人だ」「話をもっと聞いてみたい」と感じさせることができれば、以降の面接はぐっとラクになります。

逆に、自己紹介が冗長だったり、自分本位の語りになってしまうと、面接官の心のシャッターは一気に閉ざされてしまいます。

職務経歴書に記載した内容と自己紹介が重なることを恐れる必要はありません。面接官は直前にあなたの書類に目を通したばかり、あるいは面接中に流し読みしているだけ、ということも珍しくないからです。

だからこそ、自己紹介の中でもう一度、あなたの強みを“音声で”しっかりと届けることが必要です。

面接のスタートは、単なる礼儀の場ではありません。あなたという存在を、相手の脳内に鮮やかにインストールするための、極めて戦略的な時間です。

この意識を持つだけで、自己紹介は単なる「自己紹介」から、「面接を制する武器」へと変貌します。

次章では、自己紹介の流れを受けて、面接中にどのように専門性を効果的にPRするか、その具体的な方法について掘り下げていきます。

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第5章:専門性のPRは「企業のニーズ」から逆算せよ

自己紹介が終わると、いよいよ質疑応答が始まります。

面接官が見極めようとしているのは、大きく分けて①専門性、②社会性の2つです。本章ではまず、専門性を効果的にPRするための技術についてお伝えします。

面接では、「どのような研究に取り組んできましたか?」「前職で関わったプロジェクトについて教えてください」といった質問がよく投げかけられます。

このとき注意しなければならないのは、細かな研究内容を詳細に語りすぎないことです。繰り返しになりますが、面接は学会発表ではありません。面接官とのコミュニケーションの場であり、あなたの発話は1回あたり1分以内に収めることが原則です。

では、どのような視点で専門性をPRすれば良いのでしょうか。ここで絶対に意識しなくてはいけないのは、「あなたの専門性は何ですか?」という質問の裏には、「あなたの専門性は当社にどう役立つのですか?」という意図があることです。

求められていないレベルの詳細や、企業ニーズとずれたアピールは、かえってノイズとなり評価を下げる要因になります。 すべての発言は、「企業のニーズを満たす」という強い目的意識のもと方向づけされなければなりません。

そのためには、面接官の質問からニーズを推測することが効果的です。
面接官は常に、「この人は私たちのニーズを満たしてくれるだろうか」という目線で質問をしています。

たとえば、「前職でアカデミアと連携した研究をリードした経験はありますか?」と問われた場合、隠れたニーズは「アカデミア連携を推進できる研究者を求めている」ということかもしれません。

質問の裏側を読む力を養い、すべての回答をニーズに沿うように演出していきましょう。

このとき気をつけたいのは、事前に準備した自己PRを暗唱するように話すことは避けるべきだということです。状況に応じて表現を変えながら、リアルタイムで「会話」として成り立たせることが、コミュニケーション能力の証明にもなります。

さらに、話す内容だけでなく、「話し方」も面接官に合わせてチューニングする必要があります。

一次・二次面接では、現場に近い研究職の面接官が出てくることが多いため、ある程度は専門用語を使っても構いません。しかし、面接官の反応を見ながら、必要に応じて一般的な表現に切り替える柔軟性を持ちましょう。

一方、最終面接では管理職や人事部門が面接官となることが多いため、専門用語の使用は極力避け、誰でもわかる平易な言葉で話すことが求められます。

最終的には、面接官に「この人がうちに来たら、なんだか会社が元気になりそうだな」と感じてもらうことがゴールです。どれだけ高度な専門性を持っていても、「一緒に働く未来」がイメージできなければ、採用にはつながりません。

専門性のPRは、あくまでも企業の未来に寄り添う形で行う。これが、面接突破のための絶対ルールです。

第6章:面接では「人間性」が最初に評価される

面接では、専門性と並んで「社会性=人間性」が極めて重要な評価ポイントになります。特に企業の採用活動では、専門知識がどれほど高くても、チームの一員として円滑に働けるかどうかが、最初に、そして最も厳しく見極められます。

なぜ人間性が先にチェックされるのでしょうか。それは、企業が求める人材像が単なる「知識を持った個人」ではなく、「組織の中で成果を出せるプレーヤー」だからです。

いくら専門性が高くても、周囲と連携できなかったり、柔軟な対応力が欠けていたりすれば、組織全体に悪影響を及ぼすリスクがあると見なされてしまいます。

したがって、面接では専門スキル以上に、「この人と一緒に働きたいか」「チームに良い影響をもたらしてくれそうか」といった観点から、第一印象が大きく影響するのです。

では、具体的に人間性をどうアピールすれば良いのでしょうか。

ひとつの切り口は、プロジェクトマネジメントや教育・育成の経験をうまく活用することです。

たとえば、「異なるバックグラウンドを持つメンバーをまとめてプロジェクトを成功させた経験」や、「後輩育成に携わり、チームのスキル底上げに貢献した経験」などは、あなたのリーダーシップや協調性を証明する強力なエピソードになります。

ここでも大切なのは、「専門スキルを活かしながら、組織にどんな良い影響をもたらしたか」という視点を忘れないことです。

また、面接における“雑談”も重要な勝負どころです。

たとえば「最近興味のあることはありますか?」といった一見無害な質問にも、さりげなく自己開示を織り交ぜるチャンスが潜んでいます。
ポイントは、「自分自身を過剰に飾らず、しかし前向きな価値観や取り組み姿勢をにじませる」ことです。

たとえば、
「最近はデータサイエンスに興味があり、週末に自主的にPythonの勉強をしています。まだまだ初心者ですが、業務の中でも役立てられたらいいなと思っています。」
このような回答であれば、向上心や努力する姿勢を自然に伝えることができます。

雑談の場面でも、過度に緊張したり、逆に馴れ馴れしくなりすぎたりしないよう、適度な距離感を意識しましょう。「この人なら安心して一緒に働けそうだ」という印象を与えることができれば、専門性以上に強い武器になります。

結局、面接とは「スキルを見る場」であると同時に、「一緒に未来を作るパートナーを探す場」でもあります。 専門性を武器にしつつ、人間性でも信頼を勝ち取る。それが、企業面接で成功するための鉄則です。

まとめ:「選ばれる人材」になるために、今からできること

ここまで、企業面接において重要な戦略と心構えについてお伝えしてきました。
振り返ってみると、面接を突破するために必要なのは、特別なプレゼンテーション技術や派手な自己アピールではありません。

大切なのは、「相手の立場に立って、自分の強みを翻訳し、届ける」という、極めてシンプルなコミュニケーションの本質です。

面接に挑む際に、何より意識してほしいマインドセットは次の二つです。

一つ目は、「面接は評価される場」ではなく「協働する未来を探る対話の場」であるということ。自分を飾りすぎる必要はありません。しかし、無防備な自己開示でもいけません。

重要なのは、「この企業の未来に、自分がどう貢献できるか」というビジョンを相手と共有することです。

二つ目は、「準備とは自分のためではなく、相手のために行うもの」という視点です。

企業研究を徹底するのも、自己紹介を練るのも、面接練習を重ねるのも、すべては「相手にわかりやすく、自分の魅力を伝えるため」です。

自己満足のための完璧なスピーチなど必要ありません。必要なのは、「相手にとって心地よい形で、自分を知ってもらう努力」です。

もし今、「まだ転職を考える段階ではない」と感じている方も、こうした視点を持っておくことは、必ず未来のキャリアを豊かにします。

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