2026.7.23

【医療統計Q&A 教えて新谷先生】Vol.11:nが大きいので、パラメトリック検定でよいですか?

はじめに

「医療統計、これってどうなってるの?」

あなたはそんな疑問に悩まされたことはありませんか?

「医療統計Q&A 教えて新谷先生」では、医療統計の第一人者である新谷先生が、あなたが抱える医療統計の疑問を、驚くほどやさしく解説していきます。

医療統計の「なるほど!」を楽しみ、苦手だった医療統計をあなただけの武器にかえていきましょう。

このシリーズ記事を読み進めていけば、「医療統計、任せてよ!」という自信がムクムクと育っていくはずです。

今回の質問

nが大きいので、パラメトリック検定でよいですか?

新谷先生の回答

多くの検定では、「平均値の分布」をもとにP値を計算します。

そして、「元のデータの分布」がある程度歪んでいても、n(標本のサンプルサイズ)が大きい場合は、「平均値の分布」は正規分布になるという定理(中心極限定理)があります。

この定理に基づいて、「元のデータの分布が歪んでいても、が大きい場合にはパラメトリック検定でよい」という考え方もあります。

しかし、実際に「元のデータの分布」に歪みがある場合にパラメトリック検定を用いると、検出力が下がりP値が大きくなってしまいます。なぜならば、データの歪みによって標準偏差が膨らんでしまうからです。

よって、歪んだデータに対しては、ノンパラメトリック検定を使う、あるいは数学的な変換を行う、という選択肢があります。例えば、対数変換やBox-Cox変換を行った上で解析する方法です。


一方で、ノンパラメトリック検定は1群あたりの n が10を下回るなど極端に少なくなると検出力が落ちてしまいます。これは、ノンパラメトリック検定が順位に基づく検定であるためです。が少ない場合には、実際の値の差を十分に活かせなくなり、その分、検出力が下がってしまうという問題があるのです。

ただし、このあたりは統計家によっても意見が分かれているところです。例えば、中心極限定理を重視する立場からは、「基本的にはt検定でよい」という考え方もあります。「統計家によってアプローチが異なる」という点には気をつけていただければと思います。

※この記事はウェビナー「新谷先生のゼロから極める医療統計」のQ&Aを基に作成されています。

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【医療統計Q&A】教えて 新谷先生

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Vol.11:nが大きいので、パラメトリック検定でよいですか?(本記事)