
「医療統計、これってどうなってるの?」
あなたはそんな疑問に悩まされたことはありませんか?
「医療統計Q&A 教えて新谷先生」では、医療統計の第一人者である新谷先生が、あなたが抱える医療統計の疑問を、驚くほどやさしく解説していきます。
医療統計の「なるほど!」を楽しみ、苦手だった医療統計をあなただけの武器にかえていきましょう。
このシリーズ記事を読み進めていけば、「医療統計、任せてよ!」という自信がムクムクと育っていくはずです。
正規分布かどうか、どう判断すればよいですか?通常はまずヒストグラムを見て評価しますが、ヒストグラムで見にくい場合は「Q-Qプロット(Quantile-Quantile plot)」というものがあります。

統計ソフトEZRでもグラフのメニューにQ-Qプロットがあります。Q-Qプロットでは青い直線とバンド(枠)が表示され、この枠の中にデータポイントが全部入っていれば「正規分布ですよ」と言えます。
一方で、上の図のようにデータが歪んでいる場合には、明らかに枠から外れます。Q-Qプロットで確認することで非正規であることが一目でわかるので、正規性を見るためのグラフとして使えます。ただ、ヒストグラムの確認でも十分ともいえます。
ヒストグラムで重要なことは、ピークが中央にあるかどうかです。ピークが多少潰れていても左右対称の分布であれば、平均値と中央値が一致してきます。
一方で、ピークが中央にない場合には平均値と中央値が一致しないため、歪んだデータに対して平均値に基づく解析を行うと、バイアスが生じてしまいます。
また、「正規性の検定」というものもあります。EZRの解析メニュー「正規性の検定」では、コルモゴロフ・スミルノフ(Kolmogorov-Smirnov)検定とシャピロ・ウィルク(Shapiro-Wilk)検定の二つが入っています。
これはP値が0.05未満であれば「歪んでいる」、0.05以上であれば「歪んでいない(正規性がある)」と判断できる検定ですが、あまりおすすめではありません。
なぜならば、P値はデータ数(症例数)に依存しているためです。
症例数が多い場合は、少しの歪みでも「歪んでいる(正規分布ではない)」と判定されてしまいます。逆に症例数が少ない場合は、明らかに歪んでいても「歪んでいない(正規分布である)」と誤判定されてしまうのです。
そのため、正規分布しているかどうかを確かめるためには、これらの検定ではなくグラフを確認するほうが適切です。
※この記事はウェビナー「新谷先生のゼロから極める医療統計」のQ&Aを基に作成されています。

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Vol.1:P値の解釈に困っています。例えばP=0.06のとき、どうすればよいですか?
Vol.2:有意差があるので、「この薬は効く」といっていいですか?
Vol.3:P値ではなく95%信頼区間をみるべき?
Vol.4:95%信頼区間ってどう理解すれば?
Vol.5:臨床的に意味のある差はどう判断する?
Vol.6:P値の多重性は、どのようなときに起こるのですか?
Vol.7:P値の多重性があるとき、調整は必須?
Vol.8:論文にいくつもP値を載せてよいですか?
Vol.9:何種類も解析を行い、有意差が出たものだけを報告してよい?
Vol.10:有意差が出ないので、症例数を増やしてよいですか?
Vol.11:nが大きいので、パラメトリック検定でよいですか?
Vol.12:標準偏差の計算は、どうして「n-1」で割るの?
Vol.13:正規分布かどうか、どう判断すればよいですか?(本記事)